データサイエンティストになるためのポートフォリオ作成方法とロードマップ

最終更新日:2024年12月13日

「データサイエンティストに転職したいけど、ポートフォリオの作り方が分からない」と悩んでいませんか?

この記事では、データサイエンティストのポートフォリオの作成方法を紹介します。未経験者の方がデータサイエンティストを目指すロードマップ、独学でスキルを身につける方法もまとめているので、参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • データサイエンティストのポートフォリオ作成で迷ったときは、「機械学習モデル」「分析レポート」「Webサービス」に関する成果物を盛り込むと良い
  • データサイエンティストのポートフォリオを作成する際は、「目的の設定」「成果物の選定「構成の決定」などが大切
  • 独学で必要なスキルを身につける際は、書籍や学習サイトを活用したり、コンペティションやオープンソースプロジェクトに参加するのがおすすめ

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データサイエンティストに必要なポートフォリオとは?

ポートフォリオとは、過去の実績や作品をまとめた資料です、転職の際に、採用担当者に対して自身のスキルを示すために用いられます。

IT・クリエイター系の職種の採用で提出を求められることが多く、データサイエンティストも例外ではありません。これらの職種では技術力や独創性、問題解決能力などが求められますが、履歴書や職務経歴書だけではスキルを伝えきれないため、ポートフォリオで示すことが重要になるからです。

ポートフォリオに盛り込む基本的な内容は、以下のとおりです。

目次 ・内容一覧
・ページ番号
自己紹介
(プロフィール)
・名前
・生年月日
・顔写真
・経歴
・スキルセット
・使用できるツール
・保有資格
・自己PR
成果物(作品) ・画像
・タイトルまたはプロジェクト名
・プロジェクトにおける自身の役割
・作成した背景
・工夫したポイント
・成果
連絡先 ・メールアドレス
・Webサイト
・SNSアカウント

データサイエンティストのポートフォリオのイメージがわきにくい方は、「データサイエンティストとは?仕事内容や必要なスキル、目指し方を紹介」で仕事内容や活躍できる主な領域を確認すると参考になるでしょう。

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データサイエンティストのポートフォリオの成果物例

データサイエンティストの仕事内容や主な活躍領域を把握していても、実際にポートフォリオに成果物を掲載するとなると、何をピックアップすれば良いか迷ってしまう人もいるでしょう。ここでは、データサイエンティストを目指す際に、よりスキルをアピールしやすい成果物の例として以下の3つを紹介します。

  • ・機械学習モデル

    ・分析レポート

    ・Webサービス

あくまで一例ではありますが、迷った際にはこれらの領域に関する成果物を盛り込むのがおすすめです。

機械学習モデル

データサイエンティストのポートフォリオには、機械学習モデルを用いたプロジェクトの成果物を含めるのがおすすめです。機械学習モデルとは、データから学習し予測や分類を行うアルゴリズムのことで、ここでいう成果物とはプロジェクトの過程と結果を記録した資料全般を指します。

たとえば、画像認識システムの開発プロジェクトであれば、以下のような成果物が考えられます。

  • ・性能評価指標の資料

    ・機械学習モデルの説明資料

    ・可視化した結果

    ・ソースコード

    ・機械学習モデルの推論結果のデモ動画やWebアプリ

これらの成果物を通じて、データの前処理やモデルの選択と調整、結果の評価といったスキルをアピールできるでしょう。

分析レポート

データサイエンティストのポートフォリオには、分析レポートを含めるのも良いでしょう。データサイエンティストが作成する分析レポートとは、複雑なデータセットを分析し、そこから得られた知見や将来予測を意思決定者が簡単に理解できる形でまとめた文書です。

以下は、分析レポートに含めると良い要素の例です。

  • ・データの収集期間、収集場所、収集方法

    ・使用した分析手法とその理由

    ・分析から得られた主な発見事項や洞察

    ・データの可視化

    ・分析結果に基づいた具体的な結論

    ・ビジネス上の行動を促すための推奨事項

これらのレポートを通じてデータから得られた洞察や結論を明確に伝えれば、ビジネス上の意思決定に役立つ情報を提供する能力をアピールできます。

Webサービス

データサイエンティストのポートフォリオには、Webサービスの開発や運用に関する成果物を含めるのも効果的です。Webサービスは、データサイエンスのスキルを活かせる分野の一つのため、ポートフォリオを通して実践的な能力をアピールできます。

データサイエンススキルを活かしたWebサービスの成果物としては、以下の例が挙げられます。

  • ・データ分析ダッシュボード

    ・予測モデルを組み込んだアプリケーション

    ・データ可視化ツール

    ・レコメンデーションシステム

    ・異常検知システム

    ・チャットボット

さらに、Webサービスの開発においては、フロントエンドやバックエンドなどのスキルも用います。ポートフォリオでこれらのスキルを提示することで、データサイエンスの専門知識に加えて、幅広い技術スタックを持っていることをアピールできるでしょう。

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データサイエンティストのポートフォリオ作成方法

これまでの解説で、データサイエンティストを目指すにあたってポートフォリオに含めると良い成果物を把握できても、具体的な作成手順が分からない方もいるでしょう。データサイエンティストのポートフォリオの作成手順としては、以下のとおりです。

  • 1.目的を設定する

    2.成果物を選ぶ・作成する

    3.制作した意図や工夫した内容について説明を添える

    4.構成を決める

    5.ポートフォリオの公開手段を決める

計画性なく作成したポートフォリオでは、効果的にスキルをアピールできない可能性があります。作成手順を理解してから取り掛かりましょう。

目的を設定する

データサイエンティストのポートフォリオ作成では、まず最初に目的を設定することが大切です。目的に応じて、ポートフォリオに盛り込む内容や重点を置く部分が変わってくるからです。

たとえば、同じデータサイエンティストでも、活躍する領域が違えば評価されやすいスキルも変わってきます。どういった業界・領域で、どのようなスキルを活かして働きたいのか目的を設定しましょう。

目的を設定することは、ポートフォリオに含める成果物を選ぶ際の重要な指針となります。そのため、目的は具体的かつ明確に定めておきましょう。

成果物を選ぶ・作成する

目的が明確になったら、それを実現するのに適した成果物を複数選びます。選択した成果物によっては、志望企業が求めるスキルを十分に示せない場合があるからです。採用担当者に自身のスキルや適性が正確に伝わらず、結果として魅力的な候補者として評価されにくくなる可能性があります。

たとえば、医療分野で診断支援システムの開発職を希望しているのに、eコマースサイトの推薦システムに関する成果物をアピールしても、その専門性は伝わりにくいです。

また、プロジェクトによっては、成果物に機密情報が含まれている場合があるため、情報の取り扱いには細心の注意を払いましょう。成果物を選択する際は、著作権侵害の恐れがないか十分に確認することが重要です。

なお、もし成果物がない場合や足りないと感じる場合、これから作成したものを掲載して問題ありません。

制作した意図や工夫した内容について説明を添える

成果物を選定したら、それぞれの制作意図や工夫した点について説明を加えます。データサイエンティストの採用では、技術力だけでなく問題解決力や分析力も評価対象となります。ポートフォリオで成果物を提示しただけでは、それらが伝わりにくいことがあるため、具体的な解説を記載しましょう。

たとえば、顧客の購買行動を分析したプロジェクトの場合、「季節変動を考慮し、過去3年分のデータを使用して傾向を把握しました。その結果、新たな販促戦略の提案につながりました」といった具体的な説明を加えると良いでしょう。

このような説明を通じて、単なる技術的なスキルだけでなく、ビジネス課題への理解や、データを通じた価値の創造力をアピールできます。結果として、採用担当者に対して、問題解決力や分析力をより具体的に示せ、評価向上につながる可能性が高まります。

採用担当者に正確にスキルレベルを判断してもらうためにも、制作した背景を添えましょう。

構成を決める

ポートフォリオに成果物を掲載する際は、採用担当者が見やすく理解しやすいよう、整った構成になるよう組み立てていきます。複数の成果物を掲載する場合、無計画に掲載すると、視認性が低くなり個々の成果物の価値が伝わりにくくなりやすいからです。

たとえば、プロジェクトの種類や使用技術などで成果物をカテゴリー分けすれば、採用担当者はチェックしたい内容にすぐにアクセスできます。また、グラフや図表などを使用することで、分析結果をより分かりやすく伝えられるでしょう。レイアウトやデザインを統一すれば、視覚的なノイズを減らせ、コンテンツの確認に集中してもらえたり、重要な要素に素早くアクセスしてもらえたりしやすくなります。

掲載する成果物の価値が正しく伝わるように、ポートフォリオを作り始める前に構成を考えるのがおすすめです。

ポートフォリオの公開手段を決める

データサイエンティストはポートフォリオを作成する際、公開手段も選択します。公開方法によってメリットが異なるからです。

ポートフォリオの公開手段には、主に以下の3つの方法があります。

  • ・GitHub

    ・個人のWebサイト

    ・オンラインポートフォリオプラットフォーム

GitHubは、コードの管理や共有が容易で、プロジェクトの詳細をREADMEファイルなどで説明することもできます。多くの企業や採用担当者が、候補者の実務的なコーディング能力やプロジェクトへの貢献度、オープンソースへの関わり方などを直接確認するためGitHubを利用しています。そのため、自身のスキルや経験をアピールしやすいです。

個人のWebサイトでは、より自由度の高い表現が可能です。独自のデザインやレイアウトでポートフォリオを作成し、自分のスキルや経験を視覚的に効果的に伝えられます。

オンラインポートフォリオプラットフォームは、データサイエンスに特化したコミュニティで、プロジェクトの共有やほかの専門家との交流を深めるのに適しています。データの可視化や分析結果の共有が簡単に行える場合も多いです。

それぞれの特徴を理解し、目的にあった公開手段を選びましょう。

GitHubについてより詳しく知りたい方は「エンジニア転職でポートフォリオをGitHubに公開する方法やメリット」もご覧ください。

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未経験者がデータサイエンティストになるロードマップ

これまで、データサイエンティストになるためのポートフォリオについて解説してきましたが、「そもそも未経験からどう目指せば良いのか分からない」と不安を抱えている人もいるでしょう。未経験者がデータサイエンティストを目指す場合、以下のステップを踏むことをおすすめします。

  • ・必要なスキルを身につける

    ・実践で成果物をつくる

    ・転職活動をはじめる

    ・ポートフォリオを作成する

それぞれのステップについて、詳しく説明していきます。

必要なスキルを身につける

未経験からデータサイエンティストを目指すなら、まずは業務で使うスキルを身につけることが必須です。当然ながら、スキルがない状態では、データサイエンティストの仕事はできないからです。

また、データサイエンティストは、未経験から目指すのが難しい傾向にある職種で、意欲やポテンシャルだけで評価されることは稀です。採用担当者は、即戦力となる人材、もしくは短期間で戦力になる人材を求めています。そのため、具体的なスキルを証明することで、採用担当者に「この人はすぐに活躍できる」と認識してもらう必要があります

データサイエンティストに必要な以下のスキルは事前に習得しておきましょう。

  • ・データ分析の知識/スキル

    ・統計学/数学の知識

    ・ビジネススキル

    ・プログラミングスキル

データサイエンティストに必要なプログラミングスキルについてより詳しく知りたい方は「データサイエンティストに求められるプログラミング言語と学習方法」をご覧ください。

実践で成果物をつくる

スキルをある程度習得したら、実践的な課題やプロジェクトに取り組み、成果物を作成してみましょう。成果物を作成する過程で、実践的にスキルを応用しながら試行錯誤することで、より深く理解しスキルを定着させられるからです。

作成した成果物はポートフォリオに加えられるため、転職活動においても役立ちます。採用担当者に対して学習意欲やスキルレベルをアピールする有効な手段となり、選考において有利に働く可能性があります。

転職活動をはじめる

ある程度のスキルと成果物が揃ったら、転職活動を始めます。転職活動の方法には、主に以下が挙げられます。

  • ・転職求人サイトを利用する

    ・企業の採用ページをチェックする

    ・ハローワークを利用する

    ・転職フェアに参加する

    ・転職エージェントを利用する

中でも、転職エージェントの利用はおすすめです。未経験からの転職活動は難航しやすい傾向がありますが、転職エージェントでは求人紹介や面接対策などのサポートを受けられ転職できる可能性が高まるからです。積極的に活用しましょう。

レバテックキャリアでは、未経験者を歓迎しているデータサイエンティストの求人を多数取り扱っています。ポートフォリオの作成アドバイスや書類の添削、模擬面接など転職活動に関するサポートを行っているので、ぜひお気軽にご相談ください。

データサイエンティストになる方法についてより詳しく知りたい方は「データサイエンティストになるには?目指し方や必須スキルを解説」もご覧ください。

未経験者歓迎のデータサイエンティストの求人・転職情報一覧>

ポートフォリオを作成する

志望先企業が定まったら、実践で作った成果物の中から志望企業にあう作品を複数選定します。このとき、志望企業が求めるスキルを備えていることが分かる成果物を選ぶことが重要です。どれだけハイクオリティな成果物を提示しても、志望企業で使わないスキルを用いていた場合、活かせる場面が少なく、評価に繋がりにくい可能性があるからです。

また、成果物を選んだら、それぞれに制作した背景と工夫したポイントの説明を添えます。これにより、データサイエンティストに必要とされる思考力や発想力を伝えられます。

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データサイエンティストに必要なスキルを独学する方法

データサイエンティストになるためのロードマップを把握したものの、必要になるスキルの身につけ方が分からない方もいるでしょう。特に、仕事と並行して学習するために、決まった時間に拘束される通学制のスクールやオンラインスクールは避けたいと考え、独学の仕方で悩む方は多いと考えられます。

データサイエンティストに必要なスキルを独学する方法は、主に以下の3つです。

  • ・書籍や学習サイトを活用する

    ・コンペティションに参加する

    ・オープンソースプロジェクトに参加する

ここでは、これらの独学でも効率的にデータサイエンススキルを身につける方法について詳しく解説します。

書籍や学習サイトを活用する

未経験者がデータサイエンススキルを独学するときは、書籍を活用したり、自分のペースで受講できるオンライン学習サイトを利用したりするのがおすすめです。

「入門」「初心者向け」と書かれている教材から始めて基礎を固め、ある程度の理解が深まったら、より専門的な内容へとステップアップしていきましょう。

学習した内容をしっかりと身につけるには、インプットだけでなく、成果物を作成するなどアウトプットが重要です。実際に手を動かしてみると、理解しているつもりだった箇所でつまずいたり、新たな疑問が生まれたりするからです。

コンペティションに参加する

データサイエンスを中心としたコンペティションに参加するのも、独学でスキルを身につけるのに有効です。コンペティションとは、特定の課題に対して、複数の参加者が競って解決策を提示し、優劣を競う場を指します。

中でも、Kaggleはデータサイエンティスト向けのプラットフォームで、初心者向けのコンペティションやコミュニティもありおすすめです。基本的な知識を学習しながらも、他者との交流を通して最新の技術やトレンドについても詳しくなれます。

オープンソースプロジェクトに参加する

未経験者は、オープンソースプロジェクトに参加して実践的なスキルを身につけるのも良いでしょう。GitHubでは多くのオープンソースプロジェクトが展開されているため、データサイエンスに関するプロジェクトも見つかります。

たとえば、「data science」や「machine learning」といった、学びたい内容で検索すると良いでしょう。

データサイエンティストに必要なスキルを身につけるためのロードマップについてより詳しく知りたい方は「データサイエンティストに必要な勉強は?学習ロードマップを解説」も参考にしてください。

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まとめ

本記事では、未経験からデータサイエンティストになりたい方向けに、ポートフォリオの作成方法や目指すためのステップ、学習のロードマップを解説しました。

データサイエンティストは即戦力として活躍できる人材を求められる傾向がありますが、独学でもしっかりスキルを習得しアピールできる成果物を作れれば、未経験でも目指すことが可能です。

本記事を参考に、スキルの習得や成果物・ポートフォリオの作成に臨み、データサイエンティストへの道を切り拓いてください。

※本記事は2024年11月時点の情報を基に執筆しております

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