転職活動をする中で、「どういう基準で採用をしているのだろう?」という疑問を持ったことはないだろうか。
応募書類にせよ、面接にせよ、採用では求職者にいろいろな内容を問われるが、実際にどう判断しているかは採用担当者のみぞ知るもの。
そこで企業の採用担当者に、中途採用において「こんなエンジニアが欲しい」という要望をダイレクトに聞いてしまおうというのが、本企画「採用担当者の本音」。
今回取り上げるのは、「恋愛と戦いのドラマ」を軸にしたストーリー性の高いゲームコンテンツで女性向けマーケットを切り拓き、世界進出を図る株式会社ボルテージ(以下、ボルテージ)。
今回は書類選考・一次面接を担当する、システム共通本部副本部長兼ボルラボ シニアマネージャーを務める髙橋貞治氏にお話を伺った。
※この記事は、2016年10月時点の内容です
今回の採用担当者:書類選考・一次面接担当
システム共通本部 副本部長
兼ボルラボ シニアマネージャー
髙橋貞治(たかはしさだはる)氏
ボルテージで採用したいのはこんなエンジニア
1.一つの分野を本質的に理解し、仕事に生かせる人人
2.自ら考えて動くことができ、現状を変えたいと思っている人
3.経験業種を問わず、ゲームやエンタメへの思いが熱い人
- 1. エンジニア業務は「コンテンツ系」「QA・インフラ系」に二分される
- 2. 一つの分野をしっかり理解した上で、「自ら動けるエンジニア」であってほしい
- 3. 選考では自分からどのように行動したかをチェックする
- 4. エンタメ創出企業の一員として、どんどんエンタメに関わってほしい
1. エンジニア業務は「コンテンツ系」「QA・インフラ系」に二分される
─初めにボルテージの事業内容と、エンジニアの開発環境・開発体制を教えてください。
髙橋:ボルテージは、モバイル配信事業を展開する企業です。基幹コンテンツとなる「恋愛ドラマアプリ」やその英訳版など、女性向けコンテンツを主に手掛けますが、最近は男性向けコンテンツにもチャレンジしています。
「恋愛と戦いのドラマ」という理念のもと、ストーリー性に重点を置いたゲームコンテンツを多数配信しています。
ボルテージはCMでもおなじみの「ダウト」をはじめ、恋愛ドラマアプリというジャンルの先駆者
次にエンジニアの開発体制ですが、まずコンテンツ系では東京・恵比寿の本社に6グループ、名古屋に2グループがあります。そしてQA・インフラ系が4グループとなります。
グループ内でチームに分けられ、1チーム5名前後の体制です。ボルテージでは各チームが担当コンテンツを持っており、在籍人数は約100名です。
また開発環境は、webではPHPやPerl、アプリはAndroidとiOSがメインのためJavaやObjective-Cが中心で、開発エンジンとしてUnityやCocos2d-x、Xamarinなども使用しています。サーバはLinux主体で、データベースはMySQL、MongoDBなどです。
ただ、チームの担当分野により開発環境の違いもあります。例えば、ソーシャルを担当すればwebメインになりますから、アプリ関連の言語は使う機会がなくなるなどのケースですね。
─今回の募集職種は、「テクニカルアーティスト」「webエンジニア」「サーバ/ネットワークエンジニア」と伺っています。これらの職種の募集の背景を教えてください。
髙橋:ボルテージの戦略的には、優秀なエンジニアならいつでも採用したいという求人スタンスです。今回も人材不足というよりは、より優秀な人材を求めての募集となります。
─ボルテージの特徴として、女性エンジニアが多いと伺っていますが、具体的な男女比率は。
髙橋:エンジニアの男女比率は、派遣・業務委託なども含めれば男女7:3ほどですが、社員だと6:4ほどまで女性比率が上がります。
2. 一つの分野をしっかり理解した上で、「自ら動けるエンジニア」であってほしい
─次に、ボルテージが採用したいエンジニアについて聞かせてください。優秀なエンジニアを求めているとのことでしたが、「このエンジニアは優秀だ」と感じさせる具体的なスキルとは?
髙橋:一つの言語や担当分野を、本質的に理解して仕事に生かせるかどうかですね。
例えば言語についてもPHPやPerlの経験があればもちろん歓迎ですが、扱っていた言語がJavaやPythonというエンジニアでも、しっかり根本を理解して扱ってきた方でしたらすぐにキャッチアップできるはずです。
─スキルシートや職務経歴書を見て「会ってみたい」と感じるエンジニアは?
髙橋:1社で2~3年ぐらいは、何か一つのことに取り組んでいた経験が経歴から見えれば話を聞いてみたいです。その内容が求めるスキルと別であっても、目に留まりますね。
─BtoBからBtoCへ移行したいエンジニアの採用は積極的に行っていますか?
髙橋:最近ではゲーム業界から転職する方も増えつつありますが、ボルテージのエンジニアは7,8割ぐらいが異業界からの転職です。
例えば、金融関連でJavaやVBなどを扱ってきた人も、中途入社でリーダーとして活躍しています。
異なるバックグラウンドからの転職でも、みんなゲームへの思いの熱さがあって頼もしいですよ。
─それは心強いですね。先ほど伺った「一つの分野をしっかり身につけていることが必要」と感じる理由は?
髙橋:一つの何かにしっかりした経験や深い理解があれば、環境が変わっても応用する力が身についていると考えます。実際に転職組のエンジニアからもその傾向は見られますから、中途採用では業務内容にかかわらず必然的にそこを重視するようになりました。
─入社後の配属や、未経験者の採用についてはどうでしょうか?
髙橋:入社後は、本人が希望される職種への配属という形が中心です。
「ゲーム開発がやりたい」と入社してきた方に対して、サーバ/ネットワークのチームに配属するようなケースはまず無いでしょう。
ただしそういった場合でも、ソーシャルアプリを開発する上でインフラには全く関わらないというのは難しいため、担当領域以外の知識・理解はあるとベターです。
また、未経験者の採用実績は中途採用ではまだ無いですね。ただ、「個人の活動や学生時代のクラブで、アプリを制作した」などの実績があれば可能性は開けるかもしれません。
─正社員の採用において、マインド面で重視する点を教えてください。
髙橋:「自ら動ける人」ですね。自分で考えてコミュニケーションが取れ、現状を変えたいと思っている人なら活躍できると思います。
例えば、ボルテージには週に1度行われる「提案会」という制度があります。「提案会」では、担当コンテンツで何が課題で、どう取り組めばコストに見合って効果的かを考えて提案し合います。日常の業務でも、常にそれらを考えて取り組める方を採用したいです。
「提案会」はボルテージの成長に大きく寄与しているのだという
─発展途上の若手と、経験豊富なベテランならどちらを優先的に求めますか?
髙橋:正直なところ、どちらも来てほしいですね。リーダー層も、ポテンシャルある若手も、適材適所があってそれぞれに必要なので、どちらも募集しています。
現状の年齢層でいえば、平均で27~28歳ほどになります。30代に入ればリーダー層が大半という構成です。採用を考える場合も、30歳ぐらいからリーダー経験か、高いスキルや実績の豊富さを重視しますね。
─現場で活躍しているエンジニアには、どんな経歴の方が多いですか。
髙橋:ボルテージではゲーム業界の経験者は少なく、組込系や業務系からの転職組が多いです。ただ、インフラ系には同じ職種を経験してきた人が多いですね。比率で言うと、7~8割は異業種からの転職組ですが、最近は同業からの転職も少し増えた印象です。
─選考過程で「この人は向いていないな」と感じる人は?
髙橋:人とは全く関わらずに技術一本でやっていこうという人だと、よほど特化されたスキルを持っていなければ難しいかなとは思います。それに、決まった枠やルールの中だけで完結する業務を求める人も、社風に合わないという印象です。
ですが、ボルテージにはスペシャリストとしてのキャリアプランもありますので、技術面で開発をリードしていってくださるような方は歓迎しています。
─「こんなエンジニアが欲しい!」と、一言で表現するなら?
髙橋:「考えられるエンジニア」を求めています。マネジメントでも技術でも、自発的に思いついて、提案して、動けることは大事ですから。
3. 選考では自分からどのように行動したかをチェックする
─次に選考について聞かせてください。まず、書類選考で注目する箇所は?
髙橋:自己PR欄で「今どんな勉強をしているか」「成長すべく、どう自発的に動いているか」などが見えると目に留まります。
職務経歴では、「プロジェクトにどれだけメインで関われたか」に注目します。チームでの役割や、メンバーとしての関わり方、今後にアピールできるポイントなどが詳細に書かれているとありがたいですし、通過もしやすいと思います。
ボルテージでの中途採用は、書類選考・一次面接・二次面接の3ステップで髙橋氏は書類・一次を担当
─採用にあたって転職回数や過去の勤続年数は考慮しますか。
髙橋:最短でも1~2年は1社に継続して勤めた実績があると望ましいですが、転職回数にはほぼこだわりはありません。
またブランクに関しては、「開発の勉強」「フリーとしての独立期間」など、理由があれば抵抗はありません。介護や育児などの理由でも、経歴上きちんとした実績が見えていれば問題はないです。
─面接時によくする質問内容などを聞かせてください。
髙橋:面接でよく聞くのは、「これまでに一番頑張ってやり遂げた!と思う仕事を教えてください」という質問です。その上で、どのように困難を乗り越えたかを聞いて「ああ頑張れている人なんだな」と確かめています。
コミュニケーション面では、論理的な人とムードメーカータイプならどちらもアリです(笑)。話し方云々以前に、人の顔や目を見てきちんと話せることが大事だと思いますね。
4. エンタメ創出企業の一員として、どんどんエンタメに関わってほしい
─ボルテージで働くメリットを、求職中のエンジニアにアピールしてください。
髙橋:担当コンテンツに愛着が持てる点にはやりがいを感じられるはずです。また、労働時間のマネジメントがしっかりしている点は強みだと思います。忙しく大変な時もありますが、過重労働を防ぐよう管理しています。休暇をきちんと取れる体制も整っていますから、ご安心ください。
─ボルテージの社風でアピールできるポイントがあれば教えてください。
髙橋:他社と比べて女性が多いこと、また社員がエンタメ好きであることですね。ボルテージでは「エンタメ早退制度」という福利厚生制度を設けていますが、これはエンタメ関連の公演を観賞するために早退できる制度です。
エンタメ創出企業ゆえ、「良質なアウトプットには積極的なインプットが必要」という考えで設けられています。
また、社内を見学して「働きやすそう」と思ってもらえることも多いですね。現場の空気もピリピリしておらず、良い雰囲気で働ける職場ではあります。
─では最後に、求職者へのメッセージをお願いします。
髙橋:「ワクワクさせるコンテンツ」を世界に発信するボルテージで、ぜひ好きなゲームやコンテンツを発信する仲間になっていただきたいです。これからはARやAIなど、新たな技術に挑戦したいという方も歓迎します。
レバテック営業担当「御所名 麻希子」から一言!
自分のアイデアを語れる人が活躍できるボルテージの環境・社風
今回のインタビューでは、「自ら考え、提案すること」の重要性を髙橋さんが繰り返し述べられていたのが印象的でした。自分のアイデアでコンテンツやビジネスを改善していきたいというマインドをお持ちの方にオススメです。
また、ボルテージで活躍しているエンジニアの方はゲーム業界未経験での転職された方が多いということでしたので、ソーシャルアプリ開発・運用に興味をお持ちでしたらチェックしてみてはいかがでしょうか?ボルテージの求人について話を聞いてみたいという方は、ぜひお気軽にレバテックキャリアへご相談ください。