グラフィックデザイナーの平均年収
転職情報提供サイトjobtagによると、グラフィックデザイナーの平均年収は約509万円です。日本の平均年収よりはやや高い傾向にありますが、職場や個人の裁量、経験によって大きく変わります。
グラフィックデザイナーの年齢別平均年収、フリーランスではどのくらいの年収があるのか、他の関連デザイナーとの年収比較をチェックしていきましょう。
関連記事:グラフィックデザイナーの仕事内容とは?目指し方や他職種との違い
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年齢別のグラフィックデザイナーの平均年収
転職情報提供サイトjobtagによると、グラフィックデザイナーの年齢別平均年収は以下の通りです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 約363万円 |
30代 | 約499万円 |
40代 | 約586万円 |
50代 | 約652万円 |
年代が上がるにつれ平均年収は高くなる傾向にあります。50代が最も年収が高い年代です。
フリーランスのグラフィックデザイナーの平均年収
レバテックテッククリエイターの調査によると、2年以上の実務経験を有していることを基準に、およそ月額50万円ほどの案件が多いようです。
なかには70万円を超える案件もあり、フリーランスグラフィックデザイナーの年収は当人の能力や実績によって大きく変わると言えます。
企業に所属するグラフィックデザイナーの平均年収はこれよりもやや低いため、独立することで年収アップも見込める値だと考えられるでしょう。
フリーランスは自分で仕事を獲得し報酬を得るため、グラフィックデザイン以外の仕事と兼業することもあります。平均年収には専業フリーランスに加えて副業ワーカーも含まれており、働き方を工夫することでも高年収が狙えるといえます。
グラフィックデザイナーと他デザイナーとの比較
グラフィックデザイナーに類似した職業には「Webデザイナー」「イラストレーター」「アートディレクター」があります。
WebデザイナーはWeb媒体の広告・宣伝、サイト構築を行うデザイナーで、イラストレーターはWeb・印刷ともに扱うイラストを主にデザインする職業です。これらのデザイナーの仕事をまとめ、監督する立場がアートディレクターになります。
それぞれの平均年収を転職情報提供サイトjobtagを参考に表でまとめました。
職種 | 平均年収 |
---|---|
Webデザイナー | 約509万円 |
イラストレーター | 約521万円 |
アートディレクター | 約551万円 |
グラフィックデザイナーはWebデザイナーと平均年収が同等であり、イラストレーター・アートディレクターは少し高めの傾向であることがわかります。
グラフィックデザイナーの年収をアップするためのポイント
グラフィックデザイナーの年収を上げるには、「スキルアップ」「関連資格の取得」「キャリアチェンジ」「働き方の見直し」などの方法が考えられます。
年収の上下幅が大きい分、個人の裁量や経験をどう生かすかがポイントになるため、年収アップの方法をまずは知っておきましょう。
スキルを磨く
グラフィックデザイナーとしてのスキルを磨くと、担当できる仕事の幅が増えるでしょう。また好成績を残すデザイナーは企業からも給与アップの対象になるかもしれません。
グラフィックデザイナーの年収アップに必要なスキルである「デザイン力」「マネジメントスキル」「ソフトウェアに関するスキル」それぞれを押さえておきましょう。
デザイン力を磨く
商品や企画をデザインによって適正なPRをする仕事であるため、グラフィックデザイナーにとってデザイン力は必須です。ここでいうデザイン力とは個性を発揮する芸術性のあるデザインではなく、クライアントの要望に答えられる訴求力の高いデザインを制作する力になります。
印刷媒体を主に扱うため、「レイアウト」「色彩」「タイポグラフィー」の3つは押さえておく必要があります。
経験でもデザイン力は身につきますが、よりデザイン力を磨くには優れたグラフィックデザインを参考にしたり、デザインの原則や色彩知識を見直したり、トレンドや最新技術を取り入れたりといった柔軟な学び方が大切です。
マネジメントスキルを身につける
マネジメントスキルとは、仕事や納期を管理する能力です。グラフィックデザイナーはコピーライターやディレクターなど、チームで一つの制作に取り掛かることが多い職業といえます。
自分の仕事を管理する能力はもちろんですが、チームで取り組むプロジェクトなどある程度の人数をまとめる経験は今後のキャリアアップにも活かせます。
マネジメントスキルがあれば「チーフマネージャー」「アートディレクター」などへのキャリアアップも考えられるため、年収アップにつながるスキルといえるでしょう。
ソフトウェアに関するスキルを習得する
印刷媒体に出力するデザインでも、最近ではほとんどがパソコンを使いデザインします。グラフィックデザイナー必須のデザインソフトである「Illustrator®」「Photoshop®」「Indesign®」は、十分に扱えるようにしましょう。
この3つのデザインツールは、グラフィックデザイン以外にもWebデザインなど各種デザインに活用できます。ソフトウェアの実務経験は将来的に他職業に転向した場合にも、デザイナーとスムーズにコミュニケーションを取るために役立つスキルです。
資格を取得する
資格を取得すると年収アップにつながるポイントが2つ得られます。ひとつは「資格手当により年収が上がる可能性がある」ことで、もうひとつは「資格取得がスキルアップ・キャリアアップにつながる」ことです。
他業種からグラフィックデザイナーに転職する場合にも資格は役立つため、グラフィックデザイナーの業務に関連した資格をいくつか押さえておきましょう。
先ほどの「レイアウト」「色彩」「タイポグラフィー」の必須スキルを補う資格を紹介します。
関連記事:グラフィックデザイナーの資格おすすめ6選!勉強法やコツを解説
アドビ認定プロフェッショナル
アドビ認定プロフェッショナルとは、Adobe製品の利用スキルを証明する資格です。Adobeが公認する国際認定資格であり、グラフィックデザイナーの使用ツールである「Illustrator®」「Photoshop®」「Indesign®」などが含まれる「Adobe Creative Cloud」を活用するスキルが認定されます。
公式からはエントリーレベルとされており、Adobe製品の基本的な操作スキルを身につけるための受験もおすすめです。Adobe製品に精通する人には、自身の理解度を確認するための受験として活用できます。
DTPエキスパート
DTPエキスパートとは、メディアの持つ役割とその結果を設計・実践するために、「DTP」「色」「印刷技術」「情報システム」「コミュニケーション」などの習得を認証する試験です。
グラフィックデザインでは印刷媒体を主に取り扱うため、デジタルコンテンツとは異なる概念・スキルを学ぶ必要があります。DTPエキスパートは印刷物に関連するスキルと実践的なデザイン知識が身につき、グラフィックデザイナーにとっての強みを作る意味でもおすすめの試験資格です。
色彩検定
色彩検定とは、文部科学省が後援する「色」に関する幅広い知識と技能を問う検定試験です。
色彩には原則が存在し、グラフィックデザイナーはクライアントの要望と媒体に合わせて適したカラーリングを行う必要があります。色を効果的に使えるデザイナーとしてアピールできるのが、色彩検定だと考えておきましょう。
1~3級、UC級の4グレードに分かれており、自身のスキルに応じてレベルを選べます。より専門的な1級では合格率が50%を切る難易度ですが、それ以外の階級は合格率も高く比較的受験しやすい検定です。
Illustrator®クリエイター能力認定試験
Illustrator®クリエイター能力認定試験は、AdobeのIllustrator®を取り扱うスキル・知識を認定します。
Illustrator®はロゴ制作やテキスト、タイポグラフィー制作で使うことが多く、グラフィックデザインをするなら習得しておきたいデザインツールです。試験では操作スキルと実際のクライアントから出される課題に対しての問題解決力などが問われ、検定試験を通して実践的な能力を身につけられます。
Photoshop®クリエイター能力認定試験
Photoshop®クリエイター能力認定試験は、AdobeのPhotoshop®の実践的なスキル・知識を認定する資格です。
Illustrator®がタイポグラフィーデザインに特化したツールであるのに対し、Photoshop®は画像の編集や加工などを得意とします。グラフィックデザインでは写真や画像を扱うこともあり、画像の色彩調整や補正をするシーンが多い場合には受験がおすすめです。
マネジメント職を目指す
先ほどの年収アップにつながるスキルでも説明したマネジメントスキル。グラフィックデザイナーはマネジメント職へのキャリアアップも可能であり、上流工程を担当するマネジメント職はデザイナーと比べて年収が高い傾向にあります。
グラフィックデザイナーが目指しやすいキャリアは「チーフデザイナー」「アートディレクター」などです。
チーフデザイナーはチームをまとめるリーダーポジションであり、仕事の割り振りや進捗管理、メンバーの指導や育成を担当します。デザイナーとしてのキャリアは一般的に5~6年ほど必要といわれています。
アートディレクターはデザイナー職だけでなく、プロジェクト単位で企画全体をまとめる役割です。チームの総括を担当するため、デザインスキルはもちろんさまざまな制作経験・マネジメント能力も求められるでしょう。
いずれもグラフィックデザイナーの経験が活かせる職業です。
フリーランスを目指す
フリーランスとは企業に所属せず、個人で契約を取り、報酬を得る働き方を指します。グラフィックデザインは環境さえ整っていれば業務にあたれるため、比較的フリーランスの多い職種です。
企業に所属するデザイナーには昇給に上限がありますが、フリーランスは働いたら働いた分だけ報酬が増えるため上限がありません。働き方によっては年収アップにつながります。
ただし、独立してすぐに仕事ができるかというとそうではありません。仕事が少ない時期があったり業務以外の営業や経理も一人で行ったりするため、安定した働き方ではない点に注意が必要です。
他デザイナー職種へキャリアチェンジ
グラフィックデザイナーからキャリアチェンジし、さらなるキャリアアップで年収を上げることもできます。
グラフィックデザイナー関連職種である「Webデザイナー」「UI/UXデザイナー」の2つを詳しくチェックしておきましょう。
Webデザイナー
印刷媒体のデザインを行うのがグラフィックデザイナーであるのに対し、Web上のサイトやアプリなどのデザイン設計をするのがWebデザイナーです。
Webデザイナーの平均年収はグラフィックデザイナーと同等だといえます。しかし、Webデザイン関連の知識を持つグラフィックデザイナーは重宝され、反対にグラフィックデザインの基礎があるWebデザイナーも歓迎される企業もあるでしょう。
スキルの幅を広げる意味でWebデザイナーへの転身を考えると、最終的に年収アップにつながるかもしれません。将来的にフリーランスとして独立するときも、グラフィックデザインとWebデザイン両方のスキルがあれば活用できます。
UI/UXデザイナー
現在Web業界を中心に注目されているのがUI/UXデザイナーです。
UI/UXデザイナーとは、ユーザーに最適なデザインを選定し、そのプロダクトを使用して得られる経験までデザイン設計する職業を指します。
デザイナーを必要とする商品・サービスは日々新しいものが次々と生まれ、差別化やユニークポイントを付随することでプロダクトの価値を生みます。UI/UXデザイナーはプロダクトとユーザーを理解し、どうすればユーザーに選んでもらえるデザインになるのかを考えるポジションです。
UI/UXデザイナーはデザイン業務を超えてマーケティングスキルも必要になります。そのため年収はグラフィックデザイナーよりも高い傾向にあり、年収アップにつながるキャリアチェンジといえるでしょう。
グラフィックデザイナーに関するよくある質問
グラフィックデザイナーは印刷媒体を中心にする職業であるため、「年収は高いのか」「誰でもなれる職業か」といった疑問が聞かれます。
また、デザイナーは個人のスキルによって左右される印象もあり「どんな人が向いているのか」も気になる点です。
以下では、これらのよくある質問に対して回答します。
Q1. グラフィックデザイナーの年収は高いですか?
転職情報提供サイトjobtagによると、グラフィックデザイナーの平均年収は約509万円です。日本の平均年収と比較するとやや高い傾向にありますが、デザイナー職はスキルや経験によって年収に大きく差があるため一概に「高い」とはいえないでしょう。
求人情報を見ると上下の幅が広く、職場や働き方でも年収アップは見込める職業です。
年収を上げるためには、「スキルアップ」「キャリアチェンジ」「独立を視野に入れる」などの方法があります。
Q2. グラフィックデザイナーは誰でもなれる職業ですか?
グラフィックデザイナーになるための必須資格はなく、就職では学歴・年齢も問われないことから誰でも目指せる職業です。
ただし、デザインスキルが必須である専門職であり、デザインの基礎知識やツールの習得など求められるスキルは多岐にわたる点に注意が必要です。
専門学校などでデザインの基礎を学び、就職する場合がほとんどになります。異業種や未経験からの転職は不可能ではありませんが、ある程度の知識・スキルを独学で身につける必要があるでしょう。
関連記事:未経験でグラフィックデザイナーになるには?求められるスキル
Q3. グラフィックデザイナーはどんな人が向いている?
グラフィックデザイナーは下記要素などが適性として挙げられます。
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・デザインが好き、ものづくりに興味や愛着がある
・チームで協力して仕事を進めることに抵抗がない
・コミュニケーションスキルがある
・個性だけでなくクライアントの意向にそったデザインができる
グラフィックデザイナーに限らず、デザイン業は根底にデザインに対する興味・好奇心が欠かせません。また、クライアントの要望を聞き取る力、抽象的なアイデアを具体化できる発想力がある人も向いています。
関連記事:グラフィックデザイナーの志望動機!未経験向けの例文も紹介
まとめ
グラフィックデザイナーの年収は日本の平均年収よりも高い傾向にあり、個人のスキルアップや働き方の選定によっても年収アップが望める職業です。専門知識が求められる難しい仕事ですが、その分スキルの幅を広げキャリアチェンジも可能なことから、比較的自由な働き方が目指せるといえるでしょう。
年収アップの方法はすぐに試せるものもあるため、自分に必要な要素を選択し今後のキャリアに活かしてみましょう。
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