データサイエンティストに向いている人の特徴6つ
データサイエンティストに向いている人の特徴は、数学や統計学に関する分野が得意であることが挙げられます。また、仕事を進めるにあたって必要となるスキルにも関連する向き不向きの特徴があります。ここでは、データサイエンティストに向く人の特徴を6つ解説します。
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数学的・論理的思考が得意
データサイエンティストは、数学的な手法を使ってデータパターンや関係性を見つける職種です。数学的な手法には、統計学や機械学習を使用します。
大量のデータを分析して課題の解決につながる施策を提案するためには、数学に関する知識が必要です。
また、主観や憶測を挟まずに知識とデータを用いて関係性を導き出し、課題解決のための筋道を立てられる人が向いています。
ビジネスの課題に対する興味がある
データサイエンティストには、ビジネスの課題解決への貢献が求められます。そのため、ビジネスの課題に対する興味がある人は、データサイエンティストに向いているでしょう。課題を解決するためには、データから有益な情報を引き出す必要があります。
課題の本質や目標を明確にし、適切な手段や方法を実行して評価しなければなりません。課題起点かつ段階的に物事を考えられるスキルは、データサイエンティストに必要不可欠です。
柔軟な思考力がある
1つの手法や視点に拘らず、柔軟に物事を考えられる人はデータサイエンティスト向きといえます。ただデータを分析するだけではなく、データをビジネスに活用し、価値を創出することも重要です。
「このデータは何を意味するのか」「どのようにビジネスに活用できるか」を常に考え、多種多様な情報を整理し、多角的に分析できるスキルが求められます。
コミュニケーション能力が高い
データ分析の結果や意義をほかの人に分かりやすく伝えながら、相手の考えや感情も理解するためには、高いコミュニケーション能力が欠かせません。
具体的には、データサイエンティストが分析結果をプレゼンテーションする場合、以下のような内容を相手に伝える必要があります。
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・メッセージやストーリー
・根拠や信頼性
・インパクトと価値
・フィードバックや質問対応
新しい知識やスキルを学習する意欲がある
データサイエンティストに求められるスキルは多岐にわたるため、学習に対する意欲がある人が適しています。
データサイエンティストに必要なスキルは、統計学や機械学習に関する知識やプログラミングスキル、担当するビジネスの分野や業界に関する知識などです。それらの技術は進歩し続けているため、常に情報収集を行い、キャッチアップする必要があります。
忍耐力がある
データサイエンティストは、さまざまなビジネス課題に対して仮説を立てたあと、検証するための膨大な量の情報を処理してレポートを作成し、関係者に報告します。無秩序な情報の海から共通点や法則性を見出したり、少しのきっかけから仮説を立てたりと、試行錯誤する作業ばかりです。
たとえば、データ分析の際、一度の解析では想定する結果が出るとは限りません。多くの場合は、何度も仮説検証を繰り返します。データ分析だけではなく、さまざまな場面で忍耐力が求められるでしょう。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストは、データをビジネス課題の解決に利用することを目的とし、データの分析・加工、担当者からのヒアリングなどを行う職種です。分析結果から提案も行います。仕事の流れと内容は以下のとおりです。
戦略立案 | データを収集する前に、戦略を立てます。 たとえば、課題の洗い出しと優先順位づけ、ターゲットにすべき課題と 達成目標の明確化を行います。そして、それらをクリアするための仮説を立てます。 |
データの取得と分析 | 仮説の立証に必要なデータを集めます。また、分析のもとになる データをさまざまなシステムから収集できるような環境づくりも仕事の一つです。 環境を構築できたら、データを組み合わせて解析し、統計的に有意なデータを特定します。 |
仮説検証 | 分析結果をもとに仮説検証します。仮説が正しいことが分かれば次の ステップに進みますが、正しくない場合は、仮説の立案からやり直します。 これらを繰り返すことで、課題の原因をデータ分析結果から探索し、解消する施策につなげます。 |
提言 | データサイエンティストの役割は、ビジネス課題の解決に貢献することです。 分析結果のレポートを報告し、ビジネスの改善案を提案します。 ビジネス改善につなげるためには、ビジネスの視点からデータを解釈し、 深く洞察する必要があります。 |
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データサイエンティストが扱うスキルとは
膨大な量のデータの収集や分析を行い、顧客が活用できる形に加工して課題解決案を提案するデータサイエンティストには、専門的な知識が必要です。具体的にどのようなスキルが必要なのかを解説します。
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データ解析
データ解析はデータサイエンティストに求められる基本的なスキルです。データ解析をすることで、問題の原因や傾向を明確にし、最適な施策の立案や予測を行えます。
具体的な作業内容は、ビジネスや社会の問題を解決するために、大量のデータを収集・整理・分析・可視化することです。データ解析によって、売上や利益の最大化につながるでしょう。
統計学
データサイエンティストは、分析の目的を定義し、分析内容や分析方法の選定を行う分析設計スキルが必要です。情報処理や数学・統計学の専門知識のほか、分析内容をビジネスに応用するスキルも求められます。
プログラミング
データ収集や加工、分析処理など、データサイエンスではプログラムを書く機会が頻繁にあります。データサイエンティストが使用するプログラミング言語は、R言語やPythonが一般的です。また、厳密にはプログラミング言語ではなくデータベース言語ですが、データを抽出するためのSQLのスキルも必要となります。
機械学習
データサイエンティストの仕事では、高度なアルゴリズムの開発や実装を行う場合があります。AIが注目され、深層学習(ディープラーニング)に関する知見が求められるケースも増加しています。
これまでは事前に分析の切り口を考え、それに合わせた環境を構築していましたが、深層学習では人工知能が切り口そのものを発見できます。人間の能力にはない着眼点で統計モデルを構築できるのが特徴です。
論理学
データを分析して問題を解決するための基礎的な思考法である論理学は、データの正確性や信頼性を検証するために必要です。データサイエンティストにとって論理学は、データから正しい結論を導くために重要なスキルといえるでしょう。
ビジネスに関する知識
データの意味や背景を理解しやすくするためには、取り扱うビジネスの業界知識が必要です。ビジネスに関する知識を深めることで、データの分析結果をビジネスの目標や戦略に沿って提案したり、効果測定したりすることも可能です。
AI(人工知能)に関する知識
データから予測や分類などの高度な分析を行い、データの特徴やパターンを抽出しやすくするために、AIに関する知識が必要です。AIモデルやアルゴリズムを選択するほか、チューニングや評価もできます。
顧客にとって有用かつ革新的な解決案を提案できることから、AIに関する知識を持っていると市場価値が高まるでしょう
データサイエンティストの将来性
どの職種に就くにしても、将来性がないと不安になるものです。データサイエンティストは、世界的にビッグデータの需要が伸びていることや、AIを使いこなす人材が求められていることから、データサイエンティストの将来性は高いといえます。ここでは、こうした背景もあわせて、将来性について解説します。
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ビッグデータ市場の拡大に伴い需要が高まる
AIの活用において、ビッグデータの収集と解析は必要不可欠な技術です。
AIが普及していく過程においては、コーディングができるプログラマーやSEではなく、ビッグデータを正確に扱える高度なスキルをもつ人材が必要です。そのため、データサイエンティストに対する高いニーズが予想されています。
AIを使いこなす人材として企業から求められている
内閣府では、AIとデータサイエンスに対する知見を持つ専門家の教育体制を構築し、産業全体の活性化につなげる考えを示しています。データサイエンティストの仕事内容には、AIを活用したデータ分析手法の把握も含まれることから、今後はより重要性が増していくでしょう。
膨大なデータの収集・分析・加工・可視化を行うデータサイエンティストは、AI開発のなかでも重要な役割を担って、世界的にも注目されている職種です。
経済産業省がデータサイエンティスト育成に力を入れている
デジタルスキル標準によると、経済産業省は産業全体の競争力強化や社会課題解決のため、デジタル人材の育成に力を入れ、「デジタル人材育成プラットフォーム」と「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を運用しています。
デジタル人材プラットフォームには、初学者でも自らデジタルスキルを学習できるオンライン教育コンテンツ紹介「マナビDX」や、教材を用いてグループで課題解決プロセスを疑似体験できるオンライン教育プログラム「マナビDXクエスト」があります。
第四次産業革命スキル習得講座認定制度は、将来成長が見込まれるAIやデータサイエンスなどの分野で社会人が高度な専門性を身につけるための、実践的な教育訓練講座を認定する制度です。厚生労働省の専門実践教育訓練給付金と連携しているため、条件を満たせば、入学金と受講料の50~70%が支給されます。
データサイエンティストのキャリアパス
データ活用の領域において幅広い業務を担当するデータサイエンティストは、ビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力が必要とされる職種です。
ここでは、情報処理推進機構のデジタルスキル標準を参考に、キャリアの方向性を紹介します。
データビジネスストラテジスト
データビジネスストラテジストは、事業戦略にもとづくデータ活用領域プロジェクトのマネジメントを担当します。ビジネス力が強く求められる職種です。
データビジネスストラテジストの主な業務は以下のとおりです。
戦略立案 | 事業戦略におけるデータの活用を判断し、 戦略を実現するためのデータ活用戦略を策定します。 |
データ活用領域のプロジェクトマネジメント | データ活用戦略を実現するまでの過程を企画し、 ほかの人材やデータサイエンスプロフェッショナル、 データエンジニアとの連携を調整します。 |
新規事業の創出や現場業務の改善 | データ活用する業務の設計や見直しを行い、 新規事業の創出や現場業務の変革や改善を行います。 |
成果の把握 | 成果や課題を把握し、次の取り組みにつなげます。 |
ビジネス戦略とデータ分析のスキルを組み合わせて、企業の意思決定を支援したいと考えている人には、データビジネスストラテジストがおすすめです。
データサイエンスプロフェッショナル
データサイエンスプロフェッショナルは、データ分析の結果をもとに新規事業の創出や業務改善の提案を行う職種で、データサイエンス力が求められます。
データサイエンスプロフェッショナルの主な業務は以下のとおりです。
データ評価・分析 | AI領域の専門知識にもとづくデータの処理・解析を行い、 解析結果を適切に評価します。 |
知見の創出・可視化 | 新規事業の創出や、現場業務の改善につながる知見の創出と 可視化を行います。 |
データ活用のアルゴリズム提案・教育 | データ活用の仕組み作りやエンドユーザーに 対する教育とサポートを行います。 |
分析モデルの改善 | データ活用の仕組みの運用状況や新たな要求を踏まえて、 分析モデルの改善を行います。 |
新技術の把握と活用 | AI・データサイエンス領域の新しい技術を把握し、 それらの可能性を検証します。 |
データビジネスストラテジストは、新しい技術の動向を常に把握し、データ分析とビジネスを結びつけて新たな知見を導出したいと考えている人に向いています。
データエンジニア
ビジネスの変革や新たな事業の創出を実現するために、データ分析環境の設計と実装、運用を担当するのがデータエンジニアで、エンジニアリング力が強く求められます。
データエンジニアの主な業務は以下のとおりです。
新規のデータ分析環境 | 目的に応じたデータの収集・解析を行うためのシステム環境を設計します。 |
変化に対応できるデータ分析環境の実現 | 状況の変化に応じて、リアルタイムで動的・ 自動的に最適なデータ分析環境を実現します。 |
データ加工 | データの解析に必要なデータの加工 やデータマートの作成を行います。 |
モニタリング環境の整備 | データビジネスストラテジストやデータサイエンス プロフェッショナルが適切にモニタリングを行うための 環境を整備します。 |
データ活用基盤の設計・実装・運用のスキルを保持し、ビジネスの変革や創出を実現したいと考えている人にはデータエンジニアが適しています。
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