Webプログラマーとは?
Webプログラマーとは、Webサイトを含むWebコンテンツ制作のプログラミングを行う職種です。Web制作の仕事内容を大きく分けると、フロントエンドとサーバーサイドがあります。そのため、一般的には、フロントエンドエンジニア、サーバーサイドエンジニアという呼び方をする場合が多いでしょう。
また、企業によっても呼び方や解釈は異なりますが、実質的な仕事内容は同じです。Webプログラマーだけでなく、Webエンジニアも同様にフロントエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアに分類されます。WebプログラマーもWebエンジニアも同義と捉えて問題ないでしょう。
定義上の区分が曖昧なため、実態としては混同されていて、企業やプロジェクトによって解釈が異なる場合もあると考えてください。
WebプログラマーとWebエンジニアとの違いがある企業では、Webエンジニアは要件定義〜詳細設計までを、Webプログラマーはプログラミングのみを担当するケースが見受けられます。この区分もあくまで一例です。Webエンジニアはすべての工程を幅広く担当し、Webプログラマーはプログラミングに特化している、と説明されることもあります。
Webプログラマーの仕事内容
Webプログラマーの仕事内容は、主にWebサイトやWebアプリケーションなどといったWebサービスのプログラミングです。定められた仕様に沿ったWebコンテンツとなるようプログラムしますが、開発だけでなくその運用・管理にも関わる仕事です。
また、設計を行う場合もありますが、設計はエンジニアが担当しWebプログラマーがプログラミングを行う場合もあります。
仕事内容は大きくフロントエンドとサーバーサイドに分けられるので、それぞれ解説していきます。
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フロントエンドの仕事内容
フロントエンドを担当するWebプログラマーの仕事内容は、ユーザーが直接触れたり目で見たりする部分の設計、開発、運用、管理です。たとえば、スマートフォンアプリ開発の場合は「アプリケーション本体の処理」を、Webサービスの場合は「ブラウザで行われる動的な処理」などを開発します。
具体的な仕事内容は、次のとおりです。
UIの設計、開発
UI(ユーザーインターフェース)部分の設計では、ユーザーの目的や使い勝手を想定したUIを設計し、効率よく動作するようにプログラミングを行います。また、SEO(検索エンジン最適化)などマーケティングを踏まえつつ、効果的で見やすく美しいデザインを実装することが求められます。つまり、ただプログラミングができれば良いわけではなく、あらゆる要素を考慮しながら作り上げていく必要があるでしょう。
API連携処理の実装
APIとは、Webサービス・アプリケーション間で情報をやり取りしたり機能を共有したりするための連結点です。一般的には、ユーザーの端末やデータベース、外部システムとデータのやり取りを行うために使われます。APIはサーバーサイドで実装されることが多いですが、フロントエンド側でも部分的に実装することがあるため、仕事内容の1つとして把握しておきましょう。
サーバーサイドの仕事内容
サーバーサイドを担当するWebプログラマーの仕事内容は、フロントエンドとは対照的でサーバー側の処理の実装になります。フロントエンド側からのデータを受け取り、それを保存したり適切な表示・動作として変換したりするのがサーバーサイド側の役割です。
サーバー側の処理を実装していくには、サーバーの知識やデータベース、ネットワークに関する知識を駆使する必要があるでしょう。企業によってはサーバーサイドを担当する職種を「バックエンドエンジニア」と呼ぶこともあります。
サーバー内処理の実装
サーバーサイドのサーバー内において実装する必要があるのは、以下のような処理です。
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・ログイン
・検索
・データ抽出
・購入処理
・ファイルへのアクセス
・データの取得/加工/集計など
サーバー側で動く処理の設計および実装を行います。それによって、ユーザーがログインボタンを押したり、検索窓に文字を入力して検索ボタンを押したり、データやファイルを呼び出す操作をしたりした場合などに、適切な処理が実現される仕組みです。
API連携処理の実装
サーバーサイドでは、APIの連携仕様を定義し実装します。Webサービスやアプリケーション同士を連携させるためにAPIの配布・制御・管理するプロセスを担当します。フロントエンド側でもAPIに関して部分的に実装する場合もありますが、主にサーバーサイドの仕事内容です。実際はフロントエンド側と協力しながら実装を進めることが多いでしょう。
パフォーマンスチューニング
アプリケーションやサービスの稼働時に、表示が遅延したり動作が重くなったりしないようにチューニングが必要です。そのためには、CPUやメモリ、DBアクセスなどの負荷状況を監視ツールなどを用いて可視化し、そのデータをもとに最適化を検討します。具体的には、データベース自体の高速化チューニングや、データ処理の際に使われるSQL構文の見直しなどが含まれます。
不正アクセスなどのセキュリティ対策
サーバーサイドエンジニアの仕事内容では、大量のデータを保存したりバックアップデータを管理したりするため、そのセキュリティ対策が重要です。データの中には外部に漏洩してはならない個人情報や企業の機密情報が含まれるケースが多く、漏洩・破損などの問題が生じないよう強固なセキュリティが求められます。
具体的な仕事内容としては、ファイアウォールの設置と通信可否の設定、各種セキュリティホールの調査とパッチ適用、ID・パスワードの管理、権限設定などが挙げられます。
Webプログラマーの年収
jobtagによると、令和4年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)の結果から算出した場合のWebプログラマーの年収は550.2万円です。
Webプログラマーは20〜50代くらいまで幅広い年代の方が活躍していますが、年齢の上昇にしたがって年収も高くなる傾向が見られます。特に年収が高い年齢は、50〜54歳で701.75万円です。
Webプログラマーが収入を上げる方法
Webプログラマーが収入を上げる方法について紹介します。Webプログラマーは需要の高い職種であり、ほかのIT系プログラマーよりも高い給与水準が期待できます。ただし、年収は、基本的には実際に開発したWebサービスの数や経験年数に比例して上がっていくことが多いです。また、担当する仕事内容が下流工程なのか上流工程なのかの違いも年収アップに関わる部分といえます。
上流工程のスキルを身につける
Webプログラマーの仕事内容は多岐に渡りますが、上流工程のスキルを身につけることで、年収アップが期待できる可能性が高いです。
Webプログラマーは、顧客と直接やりとりを行い、顧客の抱える課題やニーズを理解し要件定義や設計といった上流工程の仕事内容を担当するケースがあります。上流工程はプログラミングや保守・運用などの下流工程に比べると難易度が高いです。そのため、下流工程をメインに担当するWebプログラマーよりも収入が高くなります。
また、大企業ではシステム開発に必要なプログラマーを下請け企業に委託することもあります。この場合、要件定義や設計などの上流工程に関わる人ほど年収が高くなる傾向にあるといえます。
多様な開発経験を増やす
新人時代の給料はほかの職種と比べてそれほど差は出ませんが、さまざまな開発経験を積み、高いスキルを身につければその分だけ収入アップが期待できます。開発現場ではあらゆる問題が発生するため、状況に合わせて柔軟に対応できる人材は重宝されます。
さらに、新しい技術やフレームワークの習得にも積極的に取り組む姿勢が重要です。自分が持つスキルセットが増えると、より幅広いプロジェクトに携われるようになり、高いスキルが求められる案件に参加する機会も増えるでしょう。
Webプログラマーに求められるスキル
Webプログラマーの仕事内容は、フロントエンドとサーバーサイドに分けられるため、それぞれ求められるスキルが異なります。それらのスキルを知ることで、「Webプログラマーの仕事内容がどのような領域に関わるのか」、「どのような言語・ツールを扱える必要があるのか」が具体的に分かるようになります。
Webプログラマーを目指す方にとっては、これから習得すべきスキルを検討するための参考になるでしょう。最終的にはフロントエンドとサーバーサイドのどちらでも活躍できるのが望ましいです。
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フロントエンドで役立つスキル
Webプログラマーのフロントエンドの仕事内容をこなしていくには、以下のスキルが役立ちます。
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・画面の構築に必要な言語「HTML、CSS、JavaScript」
・デザインに関する知識
・UI/UX設計の知識
プログラミングスキルだけでなく、ユーザーに視覚的な効果を与える色合いや動的な表示などのためのスキルも必要です。また、最近ではUI・UXを意識した効果的なWebコンテンツが求められる傾向があり、そのスキルを持つ人材を募集する求人も増えてきています。
画面の構築に必要な言語「HTML、CSS、JavaScript」
フロントエンドの仕事を行うには、画面構築の主要言語であるHTMLやCSS、JavaScriptを扱えることが必須です。
また、効率良く開発を進めるために、フレームワークやJavaScriptのライブラリなどが利用されるケースが多いです。そのため、多くの企業の求人では、Webプログラマーにライブラリやフレームワークの使用経験者を求めています。したがって、React、Angular、Vue.jsなど、よく使われるオープンソースのライブラリやフレームワークのスキルもあるのが望ましいです。
デザインに関する知識
Webプログラマーでもデザインの知識があると開発を進める上で役立ちます。
たとえば、AndroidやiPhoneのデザインレギュレーションでは、ボタン間の隙間の間隔やフォントの最小サイズなどのユーザー操作に関係するデザインについて規定されています。また、画面の開発では技術とデザインがリンクしている場合もあり、新たな技術が新しいデザインを生み出すことがあります。このような最新技術に対応するためにもデザインへの興味は重要です。
WebサイトのデザインはWebデザイナーの仕事ですが、簡単なWebページであれば、Webプログラマーが担当することがあります。Webプログラマーが簡単な画像編集などができれば、開発をスムーズに進められます。
デザインの知識を持ち、Web制作について幅広く理解することで、より優れたWebサイトの開発に貢献できるでしょう。
UI・UX設計の知識
Webプログラマーには、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)の概念への深い理解が求められます。ユーザーの利便性やサイトの使い勝手に大きく影響を与えるためです。
特にフロントエンドの仕事内容では、ユーザーが直接触れる部分を開発するため、UI・UXデザインの意図を理解し、使いやすいWebインタフェースが求められます。
UI設計とは、画面のデザインだけではなく、ユーザーが目的を達成するまでのプロセスを設計することであり、統一性が重要です。たとえば、同じような機能のボタンがページによって不規則に配置されていたら、ユーザーは使いにくさを感じます。
UX設計とは、UI設計を含んだより広い概念で、ユーザー体験を定義することです。ユーザーがサービスを利用する前段階から利用し終わるまでを考慮しサービスを設計します。UX設計によってサービスの印象が大きく左右されるためです。
WebプログラマーがUI・UX設計について深く理解し、関連する新しい技術やツールを学ぶことで、より優れたUI・UX設計が実現可能です。
サーバーサイドで役立つスキル
Webプログラマーのサーバーサイドの仕事内容では、以下のスキルが役立ちます。
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・サーバーサイド言語
・開発フレームワークの知識
・サーバー/データベースの知識
・クラウドの知識
サーバーサイドの仕事内容をこなしていくには、サーバーサイドに特化したプログラミング言語が必要です。そのため、フロントエンドで主に使用する言語を扱えたとしても、それだけではサーバーサイドの業務は成り立ちません。また、開発をより効率的にするフレームワークを使用したり、サーバー、クラウドなどの専門知識を必要としたりするため、高いスキルが求められるでしょう。
サーバーサイド言語
サーバーサイドで主に使用される言語は、Java、PHP、Rubyなどです。
Javaは、汎用性の高い言語であり、「一度書けば、どこでも動く」というコンセプトで開発されています。規模の大きなシステム開発に向いており、堅牢なアプリケーションの開発が可能ですが、初心者には習得の難易度が高いです。
一方、PHPはWebアプリケーションの開発に特化した言語であり、動きのあるWebページを構築することができます。シンプルな構文のため、比較的習得しやすい言語といえるでしょう。
また、日本人が開発したプログラミング言語であるRubyもよく使用されています。シンプルな文法のため初心者にもおすすめです。
サーバーサイドの言語は習得難易度が高いものもあるため、まずはWebプログラマーかつフロントエンドの基本スキルであるHTMLやCSS、JavaScriptから学習し始めると良いです。そのあとに、サーバーサイド言語に挑戦しプログラミングスキルの幅を広げていくと良いでしょう。
開発フレームワークの知識
プログラミング言語のスキルに関連して、開発フレームワークの知識も必要不可欠です。開発フレームワークは、アプリケーション開発の基盤となる仕組みであり、それぞれの言語で目的別に複数のフレームワークが提供されています。
たとえば、Javaにおいて代表的なフレームワークは「Spring Framework」です。システム開発を効率的かつスケーラブルに進めることをコンセプトにしており、多くの企業で採用されています。また、「Spring Boot」という、開発に必要な機能を事前に用意してくれるツールも提供されています。
PHPにおいては、「Laravel」が人気です。開発効率の高さやコーディングのしやすさ、ドキュメントの充実などが評価され、多くの開発者に採用されています。
Rubyにおいて代表的なフレームワークは「Ruby on Rails」です。開発効率を重視した設計思想や、規約によって開発者の自由度を制限し、アプリケーションの保守性を高めています。日本でも人気があり、Ruby on Railsを用いたWebアプリケーションの開発者が多数存在しています。
サーバー・データベースの知識
サーバーサイドはサーバーやデータベースにデータを入出力、変更などの処理を実装します。そのため、サーバーやデータベースの知識は必須です。プログラミングの中にデータベースを操作するためのSQL言語を埋め込むことも多いです。サーバーとデータベースの知識はもちろん、フロントエンドに処理を渡すのでシステム全体の構造について理解しておきましょう。
クラウドの知識
最近はサーバーがオンプレミスからクラウドに移行してきています。Webサービスもクラウド環境で開発するケースが多いでしょう。そのため、土台となるクラウドの知識は必須です。具体的には、AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)は多くのプロジェクトで使用されているので押さえておくと良いです。
未経験からWebプログラマーになるには?
IT業界で仕事がしたい方やプログラミングを学び始めた方の多くは、まずはWebプログラマーを目指す場合が多いです。というのも、社会人経験がある場合でも、未経験だとそのまま転職活動を始めて希望職種に就くというのはレアケースであるためです。
IT関連の職種は多種多様に存在しますが、その中でもWebプログラマーは未経験からでも比較的目指しやすいといえます。しかし、Webプログラマーに簡単になれるわけではなく、努力やスキルをアピールしたり職種に特化した対策を練ったりといった事前準備が欠かせません。
未経験からWebプログラマーになる方法について解説します。
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独学やスクールで知識とスキルを身につける
未経験からWebプログラマーを目指すには、まずはHTMLやCSS、JavaScriptなどの基礎的な知識を身につけることが必要です。
独学で学ぶ場合は、オンライン教材や書籍を活用する方法があります。途中で挫折しないように自分のレベルに合った教材や書籍を選択しましょう。
また、スクールに通う場合は、カリキュラムに合わせた効率的な学習が可能です。分からないことがあるときにもすぐに質問できるので、スムーズに学習が進みます。
関連記事:独学でプログラマーを目指すには?習得方法や役立つツールを紹介
転職に有利な資格を取得する
Webプログラマーへの転職に有利な資格として、情報処理推進機構(IPA)が運営している基本情報処理技術者試と応用情報処理技術者試験が挙げられます。これら情報処理技術者試験の合格を目指して学習すれば、IT技術者に必要な基本的な知識を習得でき、フロントエンドとサーバーサイドの両方で役立ちます。さらに、現在すでにIT企業で働いている人も、自分のスキルを客観的に証明するために有効です。
またWebプログラマーの仕事内容と関連性の高いプログラミング言語に関する資格も多数あります。
たとえば、Javaを学習したい人におすすめの資格がOracle認定Javaプログラマ(Oracle Certified Java Programmer)です。サーバーサイドでよく扱われるJavaに関する知識と技術を示したい場合に有効な資格です。
また多くの企業で使用されているPHPに関するPHP技術者認定試験、Rubyの知識や技術を証明できるRuby技術者認定試験などもWebプログラマーへの転職に有利です。
未経験でも、Webプログラマーの仕事内容に活かせるスキルを証明したり難易度の高い資格に合格したりすることで、転職時の優位性を高められるでしょう。
関連記事:Webエンジニアに資格はいらない?おすすめの試験や対策方法
転職サイトや転職エージェントを活用する
転職サイトや転職エージェントを活用するのも選択肢の1つです。未経験の場合は特に、業界の転職事情が把握できなかったり、どのような対策や準備が必要なのか分からなかったりと不安が多いでしょう。
転職サイトの運営側や転職エージェントは、Webプログラマーの求人情報を収集し、市場の需要や傾向をつかむプロです。そのため、スキルや資格がどの程度求められているのかを客観的に知ることができます。
さらに、転職エージェントなら希望条件について相談でき、面接対策や履歴書の書き方のアドバイスなども受けられます。これらのアドバイスを参考にして、自分のアピールポイントを強化できれば、自信を持って転職活動を進められるでしょう。
企業面接でしっかりとアピールする
企業面接では、自己PRやポートフォリオの提出が求められる場合があります。その際は、簡潔かつ具体的に自分の強みや成果をアピールする必要があります。
自己PRでは、企業の求める能力やスキルと、自分の能力やスキルがどのようにマッチしているか説明しましょう。また、ポートフォリオには、手掛けたWebサイトやアプリケーションなどの成果物を分かりやすくまとめ、自分がどのように問題解決や改善に取り組んできたか明確に示すことが重要です。
さらに、ポートフォリオに掲載した成果物について、どのような役割を果たし、どのような結果を出したかを具体的に説明すると良いです。「未経験でも活躍できそうな人材」と企業がイメージできるよう効果的にアピールしましょう。
Webプログラマーの働き方
Webプログラマーは、企業に所属して会社員として働くケースが多いです。中には、数年間経験を積み、自信がついたタイミングで新たな働き方を選択する方もいるでしょう。Webプログラマーの働き方は、大きく分けると以下の2つです。
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・Web関連/IT関連企業に所属
・フリーランス
それぞれの働き方について解説していきます。
Web関連・IT関連企業に所属
WebプログラマーはWeb関連やIT関連企業の会社員として働くのが一般的です。自社で作業する場合もあれば、自社が別の企業と契約し、客先で作業する場合もあります。基本的には、平日の日中勤務で、土日休みの企業が多いでしょう。
フリーランス
フリーランスとして独立し在宅やノマドワークで働く選択肢もあります。その場合、企業などと業務委託契約を交わします。
フリーランスは、雇用関係が結ばれない働き方です。そのため、会社員のような福利厚生や待遇はなく、安定した収入を得るためには自らの足で営業活動をしていく必要があるでしょう。とはいえ、自分で働く場所や時間を調整できたり、実力次第で会社員時代よりも収入を得たりできるのはメリットといえます。
契約形態や働く場所が多様化しているので、自身がどのように働きたいかを考えながらスキルアップや案件探しをしていくのがおすすめです。
Webプログラマーが「やめとけ」といわれる理由
Webプログラマーについて、一部では「やめとけ」といわれることもあるようです。Webプログラマーの仕事内容は簡単にこなせるものではないため、ときにはつらく感じたり力不足で自信を失いかけたりするときもあるでしょう。そのようなイメージが先行してしまっているのが原因の1つです。
また、「やめとけ」といわれる背景には、Webプログラマーの将来性について懸念される問題があると考えられます。
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作業の自動化によりエンジニアの需要が減少するという懸念
プログラムの自動化が進んでいるため、今後Webプログラマーの需要が減少すると予測されています。たとえば、ノーコード開発や自動生成フレームワークでの開発、AI活用など、新しい形での開発が増え、プログラマーの仕事の奪い合いが起こりかねないというのが懸念すべき点です。
たしかに、定型的な処理などはノーコードツールやAIによる自動生成で置き換えられます。しかし、ノーコードツールではあらかじめ用意されている機能によって制限があります。また、AIが生成したコードについても本当に要件を満たしているか、人の目でプログラムを読み確認する作業が必要でしょう。
さらに、AIそのものもプログラミングによって開発されているので、これもプログラマーの仕事です。市場で必要とされる分野のプログラミングスキルを身につければ、仕事がなくなることはありません。
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自動化が進んでもIT業界は大規模な人材不足が見込まれる
経済産業省による参考資料IT人材育成の状況等についてによれば、2030年までに、日本では最大で79万人のIT人材不足が発生すると見込まれています。このような背景から、日本もデジタル環境の加速化に対応するため、IT人材の育成が急務です。
不足しているIT人材とは、プログラミングをはじめインフラの構築、情報セキュリティ、データ分析などのスキルを持つ人材です。このようなスキルを持つIT人材が不足することで、企業のデジタル化やイノベーションが阻害されることが懸念されています。
Webプログラマーに向いている人
Webプログラマーを目指すにあたって、まずは自分がその職種に向いているかどうか検討する時間をとりましょう。
就職・転職において適職を選択できれば、多少の困難があったとしても前向きに考えられ、その後のキャリアを築いていきやすいです。逆に、向いていない職種に就くと、仕事内容にやりがいを感じなかったりモチベーションが上がらなかったりしやすく、結果として転職を繰り返すケースも少なくありません。
Webプログラマーの適性について見ていきながら、自分が向いているか考えてみましょう。
論理的思考力がある人
Webプログラマーの適性として、論理的思考(ロジカルシンキング)ができることが重要です。
プログラムは論理的な条件判断によって処理の制御を行うので、プログラムを設計するためには論理的思考のスキルは必須です。また、ユーザーや顧客に対し、仕様の意図について理路整然と分かりやすく説明するためにも論理的思考能力が必要です。
ほかにも、エラーが発生した場合のトラブルシューティングでも論理的思考力は役に立ちます。論理立てて考えられると、その原因や対処方法などについて冷静に考え対処できます。
このように論理的思考は、プログラマーとして活躍するために土台となるスキルといえるでしょう。
協調性がある人
プログラマーというと、一人で黙々とコードを書くイメージを持つ人は多いでしょう。
しかし、それはプログラマーの仕事のほんの一場面にすぎません。大抵の場合、システム開発やプログラム開発はチーム単位で進められます。したがってチームメンバーとコミュニケーションを取りながら作業し進捗や課題について共有するために会議を行うこともあります。
業務はチームで協力して行われる場合が多いので、円滑に仕事を進めるには協調性のあるプログラマーが求められます。
効率化を考えられる人
多くの場合、プロジェクトは納期が決められています。そのため、納期を厳守するためには、一人ひとりが与えられた仕事内容を効率良く進めていかなくてはいけません。つまり、効率化を考えながら作業できる人は、Webプログラマーに適しているでしょう。
定型作業はツールなどを作って自動化・省力化することで時間の節約が可能です。たとえば、情報共有にはSlackを使用し、会議の議事録はGIJIを使って管理すれば、業務の簡素化・効率化が期待できます。
優秀なプログラマーはあらゆるツールを使いこなし業務効率化に積極的に取り組むため、その結果、生産性が向上し、プロジェクトの進捗を早めることができます。
柔軟に対応できる人
プロジェクトが終わるまでの過程では、トラブルが連続するのは珍しくありません。スケジュールや仕様が想定通りに進まなかったり、エラーが解消できなかったりといったことは多々あります。そのため、Webプログラマーにはこのような不測の事態に柔軟に対応できる人が向いています。
トラブル発生時は、プロジェクトリーダー/マネージャーから指示がある場合が多いです。しかし、指示に頼りきるのではなく、どのような対応が最適かを自身で考えることが重要です。また、上流工程の担当者に主体的に提案できるようになるとプロジェクトで重宝されるでしょう。
Webプログラマーから想定されるキャリアパス
Webプログラマーになる前に、その後のキャリアパスまで見据えて考えている人は少ないでしょう。しかし、今のうちからある程度のキャリアプランを立てておくと、Webプログラマーになったあとに目的に向かって一路に進んでいけるため、理想のキャリアパスが実現しやすいといえます。また、キャリアパスを知ることによって自身の目標となり、より高みを目指したいといった意欲につながる場合もあるでしょう。
Webプログラマーを経験したあとに想定されるキャリアパスを紹介します。
関連記事:プログラマーのキャリアパスは?キャリアアップに必要なスキルも解説
Webディレクター
Webディレクターは、Web業界においてプロジェクトマネージャーに似た働きをします。主な業務はディレクションです。
Webプログラマーとして経験を積むことで、工数の見積もりや人的リソースの計算に具体性が生まれ、Webディレクターの仕事内容につながるスキルが磨けます。また、プログラマーやデザイナーに対して技術的な内容を正確に伝えられるコミュニケーション力は、ディレクションにも活かせるスキルです。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、一般的なシステム開発プロジェクトで現場の責任者となるポジションです。チームビルディングやアサイン管理、予算管理、顧客折衝など仕事内容は多岐に渡ります。
プロジェクトマネージャーは必ずしもWebプログラマーのような開発職の経験が必要なポジションではありません。しかし、開発職の経験を持つプロジェクトマネージャーはエンジニアからの信頼を獲得しやすく、結果的にプロジェクトの成功確率が上がることも多いです。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアとは、ITシステム設計・開発・運用のすべてに関与し、中心的な存在となるエンジニアのことです。Webプログラマーとして複数のスキルを磨いていけば、フルスタックエンジニアの道が見えてくるでしょう。
「技術的なゼネラリスト」とも呼べる存在なので、開発職の経験は必須になります。技術力を追求したいタイプの人材であれば、やりがいのあるポジションです。
Webプログラマーに関するよくある質問
IT系職種の中でもWebプログラマーは未経験から目指す人が多いです。未経験でもプログラミング学習や関連知識の習得に励み、スキルを認めてもらえる効果的なアピールができれば就職・転職がより現実的になってくるでしょう。
また、事前にWebプログラマーの適性や仕事内容などをよく理解し、疑問がある場合は早めに解消しておくのが望ましいです。Webプログラマーに関するよくある質問と回答を紹介します。
Q1. Webプログラマーはどのような仕事ですか?
Webプログラマーの仕事内容は、主にWebサイトやWebアプリケーションなどといったWebサービスのプログラミングです。設計書に基づくプログラミングだけでなく、要件定義や設計を担当する場合もあります。また、仕事内容は大きくフロントエンドとサーバーサイドに分けられ、それぞれ必要なスキルが異なります。
Q2. Webプログラマーの給料はいくらですか?
jobtagによると、Webプログラマーの平均年収は550.2万円です。年齢が上がるにつれて、年収も増えていく傾向があります。また、年収が最も高くなる年齢は50〜54歳で701.75万円となっています。下流工程より上流工程の仕事内容を担当するほうが年収が高くなりやすいです。
Q3. WebプログラマーとWebエンジニアの違いは何ですか?
一般的な定義では、Webプログラマーはプログラミングを担当するのに対し、Webエンジニアは要件定義、設計、全体の管理などを担当します。しかし、実態としてはプロジェクトによって異なります。WebプログラマーとWebエンジニアは、呼び方が違うだけで仕事内容は同じと考えて問題ないでしょう。
Q4. Webプログラマーになるには?
Webプログラマーになるには、まずは独学やスクールでスキルを身につけることが重要です。一定のスキルを習得したら、ポートフォリオなどを作成してスキルをアピールできるよう準備を進めましょう。転職サイトや転職エージェントを活用し転職活動を行うのがおすすめです。余力があれば資格を取得するとさらに良いです。
まとめ
この記事では、Webプログラマーの仕事内容や求められるスキル、収入を上げる方法などについて解説しました。
Webプログラマーは、今後ますます需要が高まることが予想されます。特に、オンラインサービスやAIを利用したWebサービスの普及により、Webプログラマーの需要は益々増加すると考えられます。
しかし、新しい技術やプログラミング言語が次々と登場していくため、常に学習意欲を持ち、スキルアップを続けることが必要です。
Webプログラマーは、将来性があり、やりがいのある職種です。スキルや知識を身につけ、着実にステップアップしていくことで、自分自身の成長と共に、社会に貢献できるでしょう。
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