Firebaseとは?できることや料金体系などをわかりやすく解説

最終更新日:2024年10月10日

「Firebase」とは、モバイルアプリケーションのバックエンドで行う機能をクラウドで提供しているサービスです。いわゆるMBaaS/BaaSであり、Firebaseはその有力なサービスの1つに挙げられます。

Firebaseを活用すると、リアルタイムの同期が可能で共同作業ができたり、認証機能を簡単に実装できたりするため、結果としてスピーディーな開発が可能になります。

本記事では、Firebaseについて興味がある方や導入を検討している方へ向けて、Firebaseの概要やできることなどについてわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

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この記事のまとめ

  • Firebaseは、Googleが提供するバックエンド機能を活用できるサービス
  • 機能やできることが多岐にわたり、さまざまな要件のバックエンド構築に使用できる
  • Firebaseは無料プランもあるため、個人でも使用しやすい

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Firebaseとは

Firebaseとは、豊富な機能を持つアプリ開発プラットフォームであり、Googleがアプリケーションエンジニア向けに提供しているクラウドサービスです。クラウドサービスの中でもMBaaS(Mobile Backend as a Service)と呼ばれるモバイルやWebアプリのバックエンド処理向けのサービスにカテゴリされます。

MBaaSやBaaS(Backend as a Service)は、Webアプリやモバイルアプリのバックエンド(ユーザーには見えない裏側)の処理機能を提供するクラウドサービスです。Firebaseはアプリ開発者向けのサービスで、バックエンドの処理を簡単に実装できます。アプリ開発者はFirebaseなどのMBaaS/BaaSを活用することで、バックエンド処理の開発にかかる時間、運用の手間などを省略でき、コスト節約にもつながります。

Firebaseの特長

Firebaseは複数の言語での開発が可能で、クロスプラットフォーム、マルチプラットフォームのアプリ開発を強力にサポートします。モバイルアプリ、Webアプリ用のSDKに加えてサーバークライアントアプリ向けのSDKが用意されています。SDKを呼び出すことで種類豊富なサービス・機能との連携が実現可能です。

モバイルアプリの場合、フロントエンドのアプリからFirestoreモバイルSDKを呼び出すことで連携し、Android、iOSをサポートしています。

Webアプリでは、サーバー言語に関わらずWebSDK(JavaScriptによるAPI)を提供しており、ブラウザからのアクセスが可能です。

サーバークライアントライブラリはC#、Go、Java、Node.js、PHP、Python、Rubyのプログラムに対応しています。

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Firebaseを使ってできること(機能)

Firebaseは複数のデータベースサービスをはじめ、さまざまな機能を提供しています。ここからはFirebaseの代表的な機能を9つ紹介します。

  • ・リアルタイムデータベース(Firebase Realtime Database)

    ・NoSQLデータベース(Cloud Firestore)

    ・アプリ利用状況の解析(Firebase向けGoogleアナリティクス)

    ・クラウドを利用したメッセージ配信(Firebase Cloud Messaging)

    ・ユーザー認証機能(Firebase Authentication)

    ・アプリのクラッシュ分析(Firebase Crashlytics)

    ・データ保存先の提供(Cloud Storage for Firebase)

    ・Webサーバーサービス(Firebase Hosting)

    ・サーバーレス機能の提供(Cloud Functions for Firebase)

Firebaseを使ってできることと各サービスについて詳しく見ていきましょう。

リアルタイムデータベース(Firebase Realtime Database)

Firebase Realtime Databaseはクラウドホスト型NoSQLデータベースです。リアルタイムデータベースは、アプリ間でデータをリアルタイムで保存・同期できます。リアルタイム保存・同期の便利さからFirebaseの人気獲得に大きく貢献した機能です。編集したデータはクラウドに保存され、数ミリ秒で各端末に同期されるため、各アプリケーションはリアルタイムの共同作業が可能になります。

また、「Firebase Realtime Database」は、iOSとAndroidのSDKではオフラインに対応しています。「Firebase Realtime Database SDK」はデータをオフラインのデータベースに書き込むため、ローカルキャッシュでデータ表示を行えます。端末がオンラインになると自動的にローカルデータと同期してくれるので、オフライン時の利用も安心です。

セキュリティに関しては、データベース構築の仕方を指定し、ユーザーアクセス権の設定をすることでデータ保護を行います。各ユーザーのアクセス可能なデータを指定、メッセージの文字数制限を数行のコードで設定でき非常に便利です。

NoSQLデータベース(Cloud Firestore)

Cloud FirestoreはGoogle Cloud上に構築されたNoSQLのクラウドデータベースサービスです。拡張性が高く、強力なクエリエンジンを持っています。フルマネージドサービスのため、データベース管理の手間がありません。利用開始時には、無料で利用できる領域が用意されており、無料枠を使い切ると、従量課金制になります。

「Firebase Realtime Database」と「Cloud Firestore」は両者ともクラウドでのNoSQLデータベースサービスであるため、よく比較されます。「Firebase Realtime Database」はアプリ間で同期を行いたいチャットアプリなどに、複雑なクエリを視野に入れて開発する場合は「Cloud Firebase」を使用すると良いでしょう。Firebaseのオフィシャルサイトでも比較を行っているため、使用する際は確認してみましょう。

アプリ利用状況の解析(Firebase向けGoogleアナリティクス)

Googleアナリティクスはアプリ用のアクセス解析機能で、アプリの使用状況やユーザーエンゲージメントなどを解析できます。

「Firebase Cloud Messaging」や「Firebase Crash Reporting」といったほかの機能や「BigQuery」や「Googleタグマネージャ」といったGoogleが提供するほかのサービスとの統合もできます。

アプリに「Firebase SDK」を追加すると自動でデータ収集が開始されるので、導入にあたって複雑な設定は不要です。アクセス解析データを活用しアプリの改善に役立つでしょう。

クラウドを利用したメッセージ配信(Firebase Cloud Messaging)

Firebase Cloud Messagingは、クロスプラットフォームで通知を無料送信できるサービスです。iOSやAndroidといった異なるデバイス、プラットフォーム間でメッセージを無料で送受信できます。

セグメントを使用してメッセージを送るターゲットを設定することも可能です。送信したメッセージはダッシュボードでモニタリングできるので、アプリマーケティングの分析に役立ちます。

ユーザー認証機能(Firebase Authentication)

「Authentication」は「認証」という意味で、Firebase Authenticationユーザーの初期登録や認証(ログイン機能など)を簡単に実装できるサービスです。

ログイン方法は、「FirebaseUI」に備わっている「ドロップイン認証ソリューション」を利用する、または「Firebase Authentication SDK」を使って手動でアプリに統合するかを選択できます。

後者の方法の場合、メールとパスワードに基づく認証、フェデレーションIDプロバイダとの統合(SNSでの認証)、電話番号認証、カスタム認証システムとの統合、匿名認証といった複数の認証方法が利用可能です。SNS認証では、Google、Facebook、X(旧Twitter)、GitHubのアカウントが利用できます。

アプリのクラッシュ分析(Firebase Crashlytics)

Firebase Crashlyticsは、AndroidとiOS、Flutter、Unity向けのクラッシュ分析サービスです。リアルタイムでアプリのクラッシュ分析を行い、クラッシュがユーザーに与える影響の測定やクラッシュの原因を特定します。

アプリ開発に常に付きまとう問題がエラーやクラッシュです。ユーザビリティを低下させないために、クラッシュの原因をいち早く特定して改善しなければなりません。この機能を使えば、クラッシュ状況をリアルタイムで教えてくれるため、アプリの改善に役立ちます。

データ保存先の提供(Cloud Storage for Firebase)

Cloud Storage for Firebaseはクラウドストレージサービスです。Firebaseを利用するモバイルアプリ、Webアプリなどに向けてデータ格納領域(ストレージ)を提供します。GCPの1つの機能で、Googleの基準、規模に沿った高性能なクラウドストレージです。

アプリで加工したファイルやファイル操作領域として利用できます。権限設定によってはアプリユーザーもアップロード・ダウンロードできるため、ユーザー間のファイル共有が可能です。

Webサーバーサービス(Firebase Hosting)

Firebase Hostingはマイクロサービス向けのクラウドホスティングサービスです。Webサイトや静的/動的コンテンツをデプロイし、グローバル向けのCDNとして配信できます。高速な通信速度と安全性の高いホスティングサービスです。

サーバーレス機能の提供(Cloud Functions for Firebase)

Cloud Functions for FirebaseはFirebaseの各種機能を組み合わせて利用できるサーバーレスフレームワークです。HTTPSでのURLへのアクセスをトリガーにして、Firebaseの各種機能を組み合わせて起動するサーバーレスの処理を構築できます。処理用のスクリプトはTypeScriptまたはJavaScriptで記述し、クラウド上で管理され、トリガーに応じて実行されます。

サーバーレス処理は、名前の通りサーバーサイドの処理をサーバーを保有せずに実現できます。アプリケーション開発者のサーバー構築、調整、運用コストの削減に役立つサービスです。

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Firebaseを使うメリット

Firebaseを使うメリットとして、機能が豊富でできることが幅広いという点があります。豊富な機能の具体的な例については、前章で説明したとおりです。そのほかにも「管理・保守が不要」「工数削減につながる」「データ同期が可能」などのメリットが挙げられます。

ここではFirebaseを活用するメリットについて詳しく説明していきます。

豊富な機能を活用できる

Firebaseはアプリ開発に必要とされるさまざまな機能を備えています。アプリ開発者はFirebaseのサービスを組み合わせることで、幅広いバックエンド処理を構築可能です。複数のMBaaSにまたがることなくFirebaseだけでサービスが揃うため、開発の管理や利便性の面で大きなメリットとなります。

サーバーの管理や保守の手間を省ける

バックエンド処理を代行してくれるFirebaseを使うことで、アプリ開発者はバックエンド処理のためにサーバ環境を用意する必要がなくなります。そのため、アプリ開発者は面倒なサーバの管理や保守が不要になり、クライアントサイドの開発に集中できるでしょう。インフラ管理の時間と手間を省略することで、エンジニアの負担を大きく軽減できます。

アプリ開発にかかる工数を削減できる

Firebaseを活用したアプリケーションのデプロイは非常に高速であるため、アプリ開発にかかる工数を削減できます。また、バックエンドの処理をアプリ開発者が自前で用意する場合、当然ながらバックエンド処理の開発にも工数が必要です。しかし、バックエンド処理を構成する多くの要素はFirebaseによって提供されているため、活用することによりアプリ開発者は工数を抑えられます。

データ同期が可能

Firebaseを活用すれば、端末間のデータ同期を簡単に実行可能です。具体的には、「Firebase Realtime Database」や「FireStore」などの機能を活用してデータ変更を行うと、ほかのユーザーにもリアルタイムで反映されます。

また、Firebaseはほかのデバイスがオフラインの場合も同期が実行され、ネットワークに接続された際には自動で変更されます。データ同期機能は、効率的な作業を実現させるでしょう。

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無料枠もある!Firebaseの料金体系

Firebaseの料金プランは基本無料で利用でき、無料枠を使い終わると料金はデータ量に応じて発生します。毎月一定の利用量に達するまでは無料で利用可能です。プランは無料の「Sparkプラン」と、従量制の「Blazeプラン」の2種類が存在します。

無料プランでは同時接続数や容量に制限があるため、ユーザー数や通信量の多いアプリで使用する場合は有料プランを選択しましょう。想定される金額は料金プランの「Blazeプラン」料金計算ツールを利用して確認できます。

無料から利用開始が可能なので、アプリ開発する際には気軽に選択肢の一つとして試してみると良いでしょう。

Sparkプラン

「Sparkプラン」は無料でFirebaseを利用できるプランです。利用できる機能や容量に制限があるため注意しましょう。制限を超えたデータは取得できない場合があります。しかし、制限があるといっても幅広い機能を利用することが可能です。Firebaseの使用を検討している方は、まずSparkプランを試してみるのがおすすめです。

Blazeプラン

「Blazeプラン」は従量課金制のプランです。データの取得回数や保存容量などに応じて料金が計算されます。また、従量課金制といっても無料で使用できる範囲もあります。業務などで本格的な導入を検討している方は、事前に利用する機能や必要な容量について確認してからプランを選びましょう。

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Firebaseに関するよくある質問

Firebaseについて興味がある、活用を検討している方は、Firebaseの概要やできること、使うメリットや強みについて気になるようです。Firebaseは機能やできることが多いため、活用を検討するにあたって確認しておくと良いでしょう。

ここではFirebaseに関するよくある質問に回答しています。類似の疑問がある方は参考にしてみてください。

Q1. Firebaseを使ってできることを教えてください

Firebaseはさまざまなサービスを展開しているため、多くの実装を簡略化できます。以下はその一例です。

  • ・リアルタイムデータベースの構築

    ・NoSQLデータベースの構築

    ・アプリ利用状況の解析

    ・クラウドを利用したメッセージ配信

    ・ユーザー認証機能

    ・アプリのクラッシュ分析

    ・データ保存先の提供

    ・Webサーバーサービス

Q2. Firebaseとは何ですか?

Firebaseとは、Googleが提供するモバイルおよびWeb開発プラットフォームです。Firebaseを活用することで、ユーザー認証、データベースの保存、通知の送信などを簡単に実装できます。Firebaseは無料のプランから使用できるため、個人でも利用しやすく高い人気を誇っています。

Q3. Firebaseを使うメリットを教えてください

Firebaseを使う主なメリットは以下の4つが挙げられます。

  • ・豊富な機能を活用できる

    ・サーバーの管理や保守の手間が省ける

    ・アプリ開発にかかる工数を削減できる

    ・データ同期が可能

Q4. Firebaseの強みは何ですか?

Firebase最大の強みはリアルタイム同期のデータベースを使用できる点です。リアルタイム同期とは、ローカルに情報を保存することで、インターネット速度が遅いときでも高速に応答します。そのため、ユーザーはインターネット速度に影響されず快適に使用できます。

Q5. Firebaseで無料でできることを教えてください

Firebaseで無料でできることは幅広いです。完全無料の機能もあれば、一定量までは無料といった機能もあります。また有料機能の料金も細かく設定されていて定期的に変更もあるので、使用時にご確認ください。

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まとめ

Firebaseにはアプリ開発を助けてくれる多彩な機能が備わっています。アプリ開発において必要となるバックエンドの機能をほぼ備えているので、大きな戦力として活躍してくれます。本記事ではFirebaseの概要や特長、できることなどについて解説しました。

記事内で解説した機能はほんの一部で、クラウドストレージやアプリ内広告など便利な機能はまだまだたくさんあります。興味のある方は公式サイトもチェックしてみてください。

Firebaseは無料から利用できるMBaaSであり、アプリ開発にかかる手間とコストを軽減するためのサービスです。開発コストを抑えたいアプリ開発者は導入を検討してみましょう。

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この記事の監修

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