UXデザイナーはなくなるって本当?将来性や仕事内容を解説

最終更新日:2024年7月9日

UXデザイナーは、商品やサービスから得られる「顧客体験」のデザイン設計をする職種です。多数のプロダクトが生まれる現代において、ユーザーが商品を評価する基準となる顧客体験の重要性は増しており、UXデザイナーも注目されている職業です。近年AI技術の進化によりIT関連職種の中には「なくなる」といわれるものも増えています。そのため、UXデザイナーもなくなるのではないかと不安視する人もいるでしょう。本記事では、UXデザイナーとは何か、将来性や仕事内容、目指し方を詳しく解説します。

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この記事のまとめ

  • UXデザイナーとは顧客体験をデザインする仕事であり、近年発展するAI技術では代用できない特徴がある
  • さまざまな商品やサービスが日々生まれるIT市場では、他プロダクトとの差別化や商品価値を向上するための顧客体験が重視され、UXデザイナーの重要性も注目されている
  • デザインはAIや最新技術でカバーできても、人の感情や満足度を左右するUXは代用しにくいため、UXデザイナーという職種がなくなる可能性は低い

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UXデザイナーはなくなる?将来性とは

商品やサービスなど、すべてのプロダクトにはUI/UXという考えがあります。UXデザイナーの将来性を考える前に、まずはこの二つの単語を理解しておきましょう。

  • UI…ユーザーインターフェースの略称で、ユーザーとの接点のこと

    UX…ユーザーエクスペリエンスの略称で、ユーザーがUIを通じて受け取る体験のこと

現在さまざまなプロダクトであふれる中、他商品との差別化や品質向上、ユーザーからの注目を集めるための手法としてUI/UXは重要視されています。このUI/UXのデザイン設計を行うのがUI/UXデザイナーです。

現在AI技術は発展し、UIデザインが行うコーディングが不要となるノーコードツールも生まれました。さらに、デバイスの画面サイズに依存しない手法であるレスポンシブデザインの多様化などもあり、UI/UXデザイナーは「なくなる」という声もきかれます。

しかし、デザイン業務が最新技術と代替されても「人を動かす顧客体験」はAIが取って代わることは2024年7月時点ではできません人の動きはプログラミングでは予測できず、最終的に人間が調整する必要があるからです。

よって、UXデザイナーの将来性は高いといえます。UIデザインに関しても、最新技術によって簡易化されることは考えられても、最終的に最適なUXを求めるなら人の力が必要です。技術の進歩や業界のトレンドによって左右されるUI/UXの世界ですが、現状で「なくなる」という心配はないといえるでしょう。

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UXデザイナーとは

UXデザイナーとは、ユーザーが商品やサービスを通して得る顧客体験のデザインを設計する職種です。UXデザイナーはサービスを提供するIT業界において、なくてはならない存在といえるでしょう。

特にWeb業界ではUI/UXデザイナーの需要が増えており、比較的新しい職業の中で注目の高い仕事になります。UXデザイナーの具体的な仕事内容と、類似する職業の違いをまずは押さえておきましょう。

UXデザイナーの主な仕事内容

UXデザイナーの主な仕事内容は、「UXの5段階モデル」を基礎にして作られています。

戦略 サービスの目的やユーザーニーズをを設定する
要件 ユーザーリサーチを基に、使いやすいい機能や求められる要件を設定する
構造 要件を基にサービスの内容や構造体等の構造を設定する
骨格 構造のワイヤーで作成した設計図をより具体的にする
表層 実際にユーザーが目にするもの(UIなど)をデザインし実装する

一般的にはこれらの流れでUXデザイナーは業務を進めますが、端的にいうと「プロダクトを目的通りに運営するために、顧客の体験をデザインする」のが仕事です。

UXデザイナーはしばしばUIデザインを行うこともあり、「UI/UXデザイナー」と兼任する場合も多いです。デザイナーと名前がついていますが、業務の中にはクライアントとの打ち合わせやユーザーに対する調査など、市場戦略能力やコンサルティング力が求められることもあります。

UXデザイナーとWebデザイナーの違い

WebデザイナーとUXデザイナーの違いがよく分からないという声も聞かれます。実際にWebデザインをする場合、ユーザー視点に立って効果的なデザインを設計するため、UXデザイナーの立場になることもあります。

ただし、WebデザイナーはWebサイトそのものの構築に特化したポジションです。クライアントやUXデザイナーの指示にあわせて、Webデザインを設計します。

関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介

UXデザイナーとUIデザイナーの違い

UIデザイナーとの違いは、業務の範囲です。UIデザイナーは先ほどの5段階構造のうち、「骨格」「表層」から携わるのが基本です。UXデザイナーはプロダクトの立ち上げから関わるため、より広範囲を受け持ちます。

しかし、UI/UXデザインは業務範囲が重なっている点が多いです。またUIデザインをするにあたり、目的設定や構造把握も必要となるため兼任するケースもあります。人数の多いプロジェクトではUIデザインとUXデザインを分けて考えますが、UIデザイナーとUXデザイナーの違いがあいまいになることも多いです。

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UXデザイナーに必要なスキル・知識

UXデザイナーの仕事内容は受け持つ範囲が広く、デザインする能力や技術のほかにもさまざまな知識が必要です。プロジェクトによってはマーケティングなど経営・運営する側のスキルも求められるため、一般的な「デザイナー」とは異なる業務も担当します。UXデザイナーに必要とされるスキル・知識を確認していきましょう。

デザインの知識

UXデザイナーは、デザインの知識は前提として持っておくべきです。専門的な知識や経験は求められませんが、最低限は習得しておきましょう。UIとUXを別のメンバーで担当するのであれば、UXデザイナーがデザイン業務に携わることは少ないです。ただし、デザインの基礎知識がある前提で動くため、チーム内やクライアントとのコミュニケーションを取るためには必要になります。

関連記事:デザイナーとして就職するためには?職種と必要なスキルを解説

SEOやマーケティングの知識・スキル

ユーザーが得る体験を設計するUXデザイナーは顧客目線でプロジェクトを進める必要があるため、SEOやマーケティングの知識も欠かせないといえます。

設定したユーザーが何を求めていて、何に興味を持つのかを正しく理解していると、効果的なUIやマーケティング方法が分かるようになるからです。SEOやマーケティングのスキルはSNSを使った情報収集や参考書などで独学し、身につけることができます。

分析力

UXデザイナーは「顧客が求めているもの」を見つけるところから始まるため、常に商品やサービスの使い心地や分かりやすさを追及する分析力が求められます。実際に活躍するUXデザイナーも分析を繰り返し行い検証するため、調べる能力や分析する力を常に意識しておくと良いでしょう。

ネット上のアクセス情報などデータを分析するには、Googleアナリティクスが主流の方法です。UXデザイナーはWebサービスで活動することが多く、一般的な分析ツールの知識と使い方を把握しておくのもおすすめです。

コーディングに関する知識・スキル

コーディングとは、設計したデザインやフォント、ロゴや画像などをWebサイト上に組み込み、Webで閲覧できるようにする工程を指します。コーディングはHTMLやCSS、JavaScriptを使って行いますが、この知識があればエンジニアやWebデザイナーとのやり取りもスムーズになります。

UXデザイナーが実際にコーディングすることは少ないです。ただし、知識があればUI戦略やサービス動作の想定がしやすいため、持っておきたい知識とスキルです。

各種ツールに関する知識・スキル

プロダクトの制作段階では、デザインツールやプログラミングの知識が問われます。マーケティングのためにWeb分析ツールを扱うこともあるでしょう。

基礎知識でも良いので各ツールの使い方を把握しておくと、チーム内での業務に役立ちます。UIデザインはUXデザイナーには必要ないとはいえ、業務が重なる部分も多いためある程度のスキルが求められると考えておきましょう。

ワイヤーフレームの作成スキル

ワイヤーフレームとは、アプリやWebサイトなどWebに関連したプロダクトの設計図です。また、この工程を経てプロトタイプとよばれる初期段階の商品・サービスを制作します。

ワイヤーフレームは制作の目的やコンセプトに基づき作成されるもので、深いデザインスキルなどは必要ありません。ただし、全体の軸となる基礎部分であるため、ワイヤーフレームの作成スキルによってプロジェクト全体の品質を左右することは覚えておきましょう。

UXデザイナーとして差別化を図るためには、ワイヤーフレームの作成スキルなど基本的な部分の熟知が大切な要素です。周囲から信頼を得るためにも、身につけておきたいスキルです。

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UXデザイナーの仕事に役立つ資格

UXデザイナーになるために必須資格はありません。しかし、他業種からの転職やマーケターやコンサルティングなど運営側からデザインへの転職を考えた際に、基本となるデザインスキルを証明できる資格があると分かりやすいです。

また、紹介する資格はUXデザイナーの業務自体に役立つため、知見を深めるためにも関連資格を押さえておきましょう。UXデザインに関する資格を解説します。

関連記事:Webデザイナーの勉強方法は?必要な時間数や独学の方法

ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定とは、厚生労働省によって指定された「特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会」が実施する国家検定です。3〜1級のグレードに分かれており、初心者やデザイン業務未経験者は3級からの受験をおすすめします。ただしUXデザインに活かすためには、高グレードの受験も視野に入れるとよいでしょう。

Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験とは、サーティファイが運営する民間資格です。Webデザインとコーディング能力を認定する資格であり、実技試験がメインとなっています。HTMLやCSSをビジネスレベルで使いこなすために役立つ資格であり、UXデザインにとって大切な「ユーザビリティ(ユーザーにとっての使いやすさ)」を身につけることもできます。

アドビ認定プロフェッショナル

アドビ認定プロフェッショナルとは、Photoshop®やIllustrator®などデザイン業務で使うAdobe製品の基本的な利用スキルを証明する資格です。「基本的なスキル」といっても、Photoshop®やIllustrator®の使い方はデザインの目的やトレンドによって多岐にわたります。

そのため実務経験が少ない人にとっては、デザインツールのスキル保持者であることを証明できる資格といえます。試験は各アプリとバージョンによって科目が分かれており、複合的なスキル証明としても役立てられるでしょう。

ユニバーサルデザインコーディネーター(UDC)認定資格

ユニバーサルデザインコーディネーター(UDC)認定資格とは、UXデザインの基本である「誰にでも使いやすいデザイン」を求めるユニバーサルデザイン視点を身につける資格試験です。モノづくりやサービス、接客を効果的に改善する知識・スキルを実証します。

デザイン業務を行うとどうしても「ユーザー視点」ではなく「クリエイター視点」に傾きがちですが、今一度一般的な使いやすさとは何かを学ぶためにも活かされます。UXデザイナーとして活躍したい人にとって有効な資格の一つといえるでしょう。

HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5プロフェッショナル認定試験は、Webコンテンツ制作の基礎知識の保持者を証明する資格です。HTMLと名前がついているためコーディング能力しか問われないと思われがちですが、内容にはJavaScriptやAPI、HTMLの要素やレスポンシブデザインといった幅広い知識が問われます。

Web関連のUXデザインに携わるなら、受験を通して得られるものがあるおすすめの認定試験といえます。試験レベルは1、2と2段階に分かれており、レベル1から受験が可能です。

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UXデザイナーの年収

レバテックキャリアの求人から算出すると、UXデザイナーの年収相場は約600万円です。求人情報には年収1,000万円以上のものもあり、給与幅は上下の差が大きい特徴があります。UXデザインを重視している場合や、デザイン業務以外の仕事も幅広く行うよう求められるケースなどは、より高収入のポジションに就け高年収を狙えるでしょう。

UXデザインはフリーランスでも請け負えるなどさまざまな働き方ができるのも、年収幅が大きい理由と考えられます。令和4年度の民間給与実態統計調査では給与所得者の全国平均年収は約460万のため、平均的な年収よりも高めです。

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未経験からUXデザイナーになるには

UXデザイナーは未経験からでも目指せる職業です。ただしほとんどの場合でWebデザインに関する実務経験やマネジメントスキルが求められるため、ある程度は他業種を経験して転職するキャリアパスが一般的といえます。

現在注目されるUXデザイナーを目指すために、まずは何から学ぶべきなのかステップを確認してみましょう。

Webデザインから学ぶ

UXデザイナーは主にWebサイトやWebサービスに携わるため、まずはWebデザインの知識が必要です。Webデザインは独学でも十分習得でき、Web業界の中では参入障壁が比較的低い分野です。Webデザインを学ぶことで、UXの理解やUXデザインに求められるものも自然と身につくでしょう。

Webデザインは学ぶだけでもある程度は理解できますが、実際に制作に携わるほうがより実践的なスキルが習得できます。クラウドソーシングサイトなどを通じて、Webデザイン業務をいくつか引き受けてみるのもおすすめです。

PM・PLなどマネジメント職の経験を積む

UXデザイナーには調査力や分析力、マーケティング能力などマネジメントスキルが求められます。ある程度Webデザイン業務を経験できたら、PM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)などメンバーをまとめる立場の実務経験があると強みになるでしょう。

これらの経験は、UXデザイナーとして活躍するためのビジョンをより具体的に考える手段としても活用できます。反対にいうとWebデザインに苦手意識があったり、マネジメント職が向いていないと感じたりするとUXデザイナーの適性が強いとはいえないため、一度キャリアの見直しをしたほうが良いでしょう。

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UXデザイナーに関するよくある質問

UXデザイナーは比較的新しい職業であり、どのような実態を持つのか分からない人も多いです。「デザイナーからの転職を考えているが適性が分からない」「将来性的になくなる可能性がありそうで不安がある」という声も聞かれるため、よくある質問をまとめました。一つずつチェックしましょう。

Q1. UXデザイナーに向いている人はどんな人ですか?

UXデザイナーはデザイン能力がある人はもちろん、マーケティングやマネジメント能力もあり、より深く商品開発に関わりたい人が向いているといえます。ユーザーとの関係性も近いのが特徴で、実際にデザインした商品やサービスがどのような点で評価されるのかを知りたい探求心の強い人もUXデザイナー向きです。

Q2. UXデザイナーになるためには何が必要ですか?

UXデザイナーになるためには、以下が求められます。

  • ・デザインの基礎知識がありツールの基本的操作ができる

    ・ユーザー視点に立ってプロダクト設計ができる

    ・エンジニアやクライアントなど、社内外の人とコミュニケーションできる

    ・ものづくりに対する愛着心が強い

必須資格はありませんがデザインの基礎スキルは必要です。

Q3. UXデザイナーの今後はどうなりますか?

AI技術の進歩やノーコードツールの普及により、デザイン業務の一部は不必要になり、UXデザイナーの仕事もなくなるという声も聞かれます。しかし、UX=顧客体験という人を動かす業務は2024年時点ではAIにとって代わることはできません。UXデザイナーは今後も形を変えて求められるポジションだと考えられます。

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まとめ

さまざまな商品とサービスが生まれ続ける現在において、UXデザイナーの価値は見直されています。重要視されるポジションだからこそ、UXデザイナーがなくなるという不安視の声も聞かれますが、現状ではUXデザイナーがAIなど技術で代替されることは考えられません。
UXデザイナーは将来性の高い職業であり、デザイン業務を超えてプロダクトと関われます。年収面でも好待遇が期待されるため、気になる人は本記事を参考にUXデザイナーを目指してみましょう。

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