テストエンジニアの平均年収は?収入を上げるためのポイントも解説

最終更新日:2024年6月4日

テストエンジニアはテストに特化したエンジニアです。テストは下流工程に位置するので、スキルがあまりなくても作業可能です。スキル要件が少なく誰でも作業しやすい分、年収も低く設定されがちといえるでしょう。

しかし、テストエンジニアのなかでも平均年収が高い人材は存在します。また、テストエンジニアから目指せるキャリアパスも多いです。本記事でテストエンジニアに必要なスキルや平均年収について、収入アップをする方法、代表的なキャリアパスを知り、テストエンジニアになるかどうかを検討しましょう。

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この記事のまとめ

  • テストエンジニアは、完成したシステムの検証や評価のためのテストを行うエンジニア
  • テストエンジニアは開発エンジニアに比べると平均的に年収が低いものの、年収1,000万円超えの求人も存在する
  • テストエンジニアに必要なスキルは複数あり、ハードスキルやヒューマンスキル、キャリアアップのためのスキルも習得していくことが重要
  • テストエンジニアからのキャリアパスとしては、QAエンジニア、開発エンジニア、プロジェクトマネージャーなどがある

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テストエンジニアの平均年収

レバテックキャリアの求人で「テストエンジニア」に絞り、ランダムに30件を抽出し、最小想定年収と最大想定年収の中央値の平均を算出しました。これによると、テストエンジニアの平均年収は約550万円です。

ただし求人によって幅があり、単純なテストを行うような仕事だと比較的年収は低く、逆に自動テスト環境を構築するなどプログラミングを含む高いスキルが求められる仕事だと年収は高めです。

具体的には、テストエンジニアの年収は低ければ300万円未満、高ければ1,000万円以上になります。

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テストエンジニアとは

テストエンジニアとは、完成したシステムの検証や評価のためのテストを行うエンジニアです。単にテストを実施するというだけでなく、システムを漏れなく検証するためのテスト内容を考えたり、プロジェクトによってはテストを自動化するためのツールを構築するような場合もあります。テストエンジニアの業務は単純作業と思われがちですが、そうではない場合もあるということです。

関連記事:テストエンジニアとは?仕事内容ややりがいについて解説

テストエンジニアの主な仕事内容

テストエンジニアの仕事内容は企業やプロジェクトによって異なります。具体的には、テストを効率化するためのアイデア出しや、テスト自動化ツールの開発を担当するようなテストエンジニアも存在するでしょう。

最終的には職種名だけではなく、その企業、そのプロジェクトで何の業務を担当するのかを把握することが重要です。仕事について概要を紹介していきます。

テスト計画

テスト計画では、テスト対象となるシステムの仕様やテストしなければならない部分の調査などを行い、テストの全体計画を立てていきます。また状況を把握するためには、システム開発者やクライアントとコミュニケーションを取ることも必要です。

システムを見ただけでは見落としているポイントがあったり、クライアントの協力がないと環境的にテストできない部分が出てくる可能性があるからです。テスト計画段階で状況を細かく把握してから計画を立てることが重要です。

テスト設計

テスト設計では、具体的にテストをする内容を決めていきます。テスト設計は、テスト計画やシステムの設計書、要件定義書をもとに作成していきます。そのため、設計書や要件定義書を見てシステムの概要を理解できる能力が必要です。

内部のソースコードに何かするわけではなく、実際に操作してテストするのが一般的です。

テスト実施

テスト設計が完了したら、テストを実施していきます。テスト設計までの工程を担当したテストエンジニアがそのまま実施する場合もあれば、経験の浅い人材にテスト設計、テスト仕様書を渡してテストを任せる場合もあります。またテスト自動化ツールを構築したり、テスト自動化ツールを使用したりすることもあります

テスト結果の報告

テスト結果がどうであれ、結果を報告します。もし問題があった場合には、どういった場面で不具合が発生したのか、発生条件や再現するための手順などを整理して報告します。

テスト結果の報告先はプロジェクトによって異なります。プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーに報告する場合が多いでしょう。

テスト結果の分析・評価

テスト結果の報告後、テスト結果の分析や評価を行います。テストの結果、システムに問題がなければシステムリリースまでの流れはスムーズに進みやすいですが、逆にシステムの問題が発覚した場合、システムを修正する必要があります。分析結果や評価は開発担当者に共有し、修正対応してもらいます。

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テストエンジニアに必要なスキル

テストエンジニアに必要なスキルは複数あります。専門職種としての専門的なスキルもあれば、より抽象度が高くさまざまな職種に求められるソフトスキルもあります。

またテストエンジニアとしての市場価値アップや、テストエンジニアから別の職種に転職するために必要なスキルなどもあるでしょう。業務に必要なハードスキルとヒューマンスキルのほか、キャリアパスに役立つスキルに分類してそれぞれ解説していきます。

テストエンジニアに必要なハードスキル

ハードスキルとは、テスト作業に直結するスキルのことです。具体的には、ソフトウェアの知識、プログラミングスキル、テストについてのノウハウ、テスト自動化ツールの知識、品質管理の知識などが挙げられます。

システム開発においてテストという工程はハードスキルがあまりいらないと思われがちで、実際開発に比べるとハードスキルの要件は易しいでしょう。ただし一定のハードスキルがないとテストエンジニアに仕事は務まりません。

テストエンジニアに必要なヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、コミュニケーション能力、集中力、問題解決力、論理的思考力など多くの職種で一般的に必要になる能力のことです。テストエンジニアの仕事にもヒューマンスキルが必要になります。またヒューマンスキルがあればハードスキルの習得も早いでしょう。

キャリアパスに役立つスキル

テストエンジニアからスペシャリストや別の職種へのキャリアパスに役立つスキルについて紹介していきます。どのようなキャリアプランを持つかは人それぞれ異なり、その結果具体的に必要なスキルも変わってきます。

しかし以下に紹介するスキルは、どのようなキャリアパスを経る場合にも役立つものばかりです。テストエンジニアを続ける、開発エンジニアになる、プロジェクトマネージャーになるなど、いずれの場合も、以下に紹介するスキルは意識的に身につけていくのが得策です。

調整・管理スキル

テストエンジニアを含めて、プロジェクトに携わる人には調整・管理スキルが必須です。プロジェクトマネージャーがプロジェクト全体を管理していますが、各エンジニアも自身や作業が関連する人のスケジュールや成果物を把握している必要があります。状況に応じてスケジュールを調整することや、そもそも作業状況やスケジュールを管理することが重要です。

分析スキル

テストエンジニアはテストの結果を分析する必要があります。単にテスト結果を共有して終わりではありません。たとえばテストで問題のある項目を見つけたら、原因や解決策を分析します。また今後テストに引っ掛かるような項目を減らすために、改善案も提案することが重要です。複数の観点からテストエンジニアには分析スキルが必要です。またほかのエンジニア職種にも当然分析スキルは必要になります。

セキュリティスキル

セキュリティの重要性は年々増しています。そしてテストエンジニアはセキュリティの観点からもテストを実施する必要があります。言い換えれば、セキュリティ上問題があればテストで検出しなければなりません。セキュリティ上の問題を見つけるためにはセキュリティスキルが必要なので、テストエンジニアはセキュリティについても勉強する必要があります。またセキュリティスキルがあればほかのエンジニア職種への転職にも役立ちます。

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未経験からテストエンジニアを目指すには

テストエンジニアは担当する工程がテストという下流工程で、ほかのエンジニアに比べるとスキル要件は易しいです。そのため、テストエンジニアは未経験からでも目指しやすい職種です。未経験からテストエンジニアを目指すためには、必要なスキルをある程度習得してから転職活動を行うことや、以下で紹介するような資格を取得すると良いです。

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テストエンジニアの資格

資格を取得することで、テストエンジニアとしてのスキルアップや評価アップに役立ちます。最終的にテストエンジニアからより上流工程の職種を目指す場合はテスト関連の資格を取得する必要はないと思われがちですが、テスト関連の資格を取得していると開発などの職種にも役立ちます。テストや品質担保の観点をもって開発できるということは、企業やプロジェクトからの信頼につながるからです。

関連記事:テストエンジニアに役立つ資格4選|取得のメリットも解説

IT検証技術者認定試験

IT検証技術者認定試験は一般財団法人IT検証産業協会が認定する資格試験です。問題は記述式で出題され、内容はテストエンジニアの実務に関するものです。レベル1~5まであるので、段階的に取得していくことでテストエンジニアとしての信頼性がアップしていきます。

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB認定テスト技術者資格は、テスト工程に特化した資格試験です。日本だけでなく世界的に評価が高いので、将来的に外資系企業で働きたい人などにも合っています。「Foundation Level」と「Advanced Level」の2段階のレベルがあり、またAdvanced Levelは複数の項目に資格試験が分かれています。具体的にはテストマネージャー、テストアナリスト、テクニカルテストアナリストです。

ソフトウェア品質技術者資格認定

ソフトウェア品質技術者資格認定はソフトウェアの品質に関する知識、スキルを問う内容で、テストエンジニアにとっても役立つ内容です。ソフトウェア品質技術者資格認定のレベルは2024年5月時点で初級と中級の2段階で、今後上級が新設される予定です。ソフトウェアの品質についてだけでなく品質を担保するためのマネジメントについても問われるので、将来的にマネジメント職種を目指す人にも合っているでしょう。

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テストエンジニアに向いている人

テストエンジニアは誰にでも務まるわけではありません。IT関連職種の中では誰でもできるようなイメージがあるかもしれませんが、実際は開発のエンジニアなどと同様に適性があります。また開発エンジニアに向いている人がテストエンジニアにも向いているとは限らず、逆にテストエンジニアに向いている人が開発エンジニアに向いているとも限りません。

単純作業が好きな人

テストエンジニアは考えてテストを設計したり、プログラミングによってテストを自動化したりすることがあります。しかし、テスト工程の多くは単純作業です。そのため単純作業が好きな人にはテストエンジニアの仕事は向いているでしょう。逆に単純作業に大きな苦痛を感じるような場合はテストエンジニアを続けるのは厳しいはずです。

単純作業の連続に耐えられる人はそこまで多くないと考えられるので、テストエンジニアを続けられるのは一つの能力といえるでしょう。

探究心がある人

テストエンジニアの仕事は単純作業が多いですが、問題の原因を考えたり作業効率を考えたりすることも重要です。探求心があることと単純作業が好きなことは相反する面もありそうですが、テストエンジニアを続けるためには兼ね備えている必要があります。

真面目で几帳面な人

テストは細かく着実に進めなければなりません。同じようなテストが続くことも多いですが、面倒だからといって省略することは許されません。きちんと細かくテストする真面目さや几帳面さが求められます。

要領の良い人

テストは効率化が重要です。単純作業を繰り返すことも必要ですが、可能な限り効率化していく思考回路も重要になります。単純作業の適性と要領の良さも一見相反するものなので、結果的にテストエンジニアを続けられる人材は少ないと考えられます。

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テストエンジニアの年収アップは転職エージェントがおすすめ

本サイト「レバテックキャリア」も転職エージェントで、求人数の豊富さや年収レンジの高い求人の多さなどからおすすめです。エージェントが転職をサポートしているので、転職成功率も上がるでしょう。

他にも、リクルートエージェントなどおすすめの転職エージェントはあります。また転職エージェントは一つに絞るのではなく、複数を併用するのがおすすめです。IT業界に特化していない転職エージェントサービスと、IT業界に特化した転職エージェントを併用するとバランスが良いです。

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テストエンジニアから目指せるキャリアパス

テストエンジニアは下流工程を担う職種ですが、経験を積みスキルを身につけていけば、ほかのIT職へ進むことが可能です。具体的な職種は複数ありますが、代表的な職種としてはQAエンジニアや開発エンジニア、プロジェクトマネージャーなどが挙げられるでしょう。
年収も上げられる職種でもあるので、概要を知っておくと良いでしょう。

QAエンジニア

QAエンジニアはソフトウェアの品質保証を行うエンジニアです。QAエンジニアはソフトウェアが仕様書通りに動いていることの確認をし、それ以外にも気づいたことがあれば開発者にフィードバックする役割です。

QAエンジニアはテストエンジニアに似ていますが、テストエンジニアがテストに特化しているのに対してQAエンジニアは品質保証のための作業全般を行います。テストを含めてソフトウェアの品質保証のための幅広いスキル、知識が求められるので、QAエンジニアはテストエンジニアよりも上位の職種と考えられるのが一般的です。

開発エンジニア

テストエンジニアから開発エンジニアを目指すルートは一般的でしょう。開発エンジニアになる前段階としてテストエンジニアになる人も多いです。開発エンジニアの種類はいろいろありますが、いずれもテストエンジニアから目指すことが可能です。

開発エンジニアは区分自体がいろいろあり、たとえばフロントエンドやサーバーサイドのように開発の担当部分で分類する場合もあれば、Javaエンジニアのようにプログラミング言語で分類する場合もあります。

プロジェクトマネージャー

テストエンジニアからすぐにプロジェクトマネージャーに転職するケースは稀ですが、テストエンジニアから開発エンジニアを経てプロジェクトマネージャーになる流れは一般的です。途中でキャリアプランを変更する可能性はあるものの、たとえば最終的にはプロジェクトマネージャーを目指すなどのキャリアプランを立ててテストエンジニアになると良いでしょう。

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テストエンジニアの年収に関するよくある質問

テストエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。テストエンジニアは開発エンジニアになる前段階と考えている人も多いと考えられ、ある程度それは事実でしょう。しかしテストエンジニアを長年続けている人もいれば、テストエンジニアとして高いスキルを有し、高い年収を得ている人もいます。テストエンジニアについて先入観だけではなく実態を知っておくことが重要です。

Q1. テストエンジニアの平均年収は?

レバテックキャリアの求人をもとにすると、テストエンジニアの平均年収は約550万円程度と推測されます。開発エンジニアと比較すると平均年収は低めですが、テストエンジニアの中でも高いスキルを有し、1,000万円以上の年収を得ている人も存在します。

Q2. テストエンジニアは何をする職業?

テストエンジニアは完成したシステムの検証や評価のためのテストを行うエンジニアです。テストを単純作業化してコツコツ進めることも多いですが、効率的なテストを設計したり、テストを自動化するためのツールをプログラミングしたりする場合もあります。

Q3. テストエンジニアになるのに年齢は関係ある?

テストエンジニアを含め、IT職種全般同じスキルレベルなら年齢は若い方が良いです。年齢が高いのであれば、その分高いスキルや経験を有していないと採用には不利になるでしょう。具体的な年齢のボーダーが存在するわけではありませんが、20代、30代、40代といった大枠で判断している企業も多いはずです。

Q4. テスターとテストエンジニアの違いは?

テスターとテストエンジニアの違いは、テスターがテスト仕様に基づいて淡々とテストを進めるのに対し、テストエンジニアはテストの設計や自動化など幅広い役割を担います。そのためスキルレベルとしてはテストエンジニアの方が高いです。

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まとめ

テストエンジニアは完成したシステムの検証や評価のためのテストを行うエンジニアです。テストの工程は単純作業も多いですが、テストを効率的に進めるための設計を考えることや、テストを自動化するためのプログラミングスキルなども重要です。

テストの工程でもスキルが高く、年収が高いテストエンジニアも存在します。テストエンジニアからのキャリアパスは複数あるので、キャリアプランをある程度明確化したうえでテストエンジニアになると良いでしょう。

キャリアプランは心境の変化や市場の変化によって変わってくる可能性もありますが、目標は必要なのでいったんは目標設定してスキル習得などに励むのがおすすめです。

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この記事の監修

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