データベースエンジニアの平均年収は?他職種との比較や将来性も解説

最終更新日:2024年9月4日

ITエンジニアは担当領域に応じて職種が細分化されています。データベースエンジニアは、 データベースを取り扱う業務を担当するITエンジニアの職種の一つです。

システムを支えるデータベースはもちろん、大量データを取り扱う必要のあるIoTやAIなどの技術の拡大により、データベースエンジニアに興味を持っている方も多いのではないのでしょうか。

この記事では、データベースエンジニアに関心を持つエンジニアや未経験者に向けて、仕事内容や年収、求められるスキル、転職のポイントなどについてご紹介します。年収事情を知り、キャリアパスの検討にご利用ください。

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この記事のまとめ

  • データベースエンジニアの年収相場は、レバテックキャリアの求人情報より約688万円と想定できる
  • クラウド環境の知識やデータエンジニアに求められるスキルも併せ持っていると、高収入を得られる傾向
  • 年収アップのために資格を取得することも重要

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データベースエンジニアとは

データベースエンジニアはデータベースの設計、構築、運用・保守を担当するITエンジニアの職種の一つです。多種多様なデータや、個人情報などセキュリティを考慮すべき重要度の高いデータを取り扱うことも多く、システムを安定稼働させる設計や運用が求められます。

まずは、データベースエンジニアの仕事内容と混同されやすいデータエンジニアとの違いについて紹介します。

関連記事:データベースエンジニアとは?仕事内容やスキル、資格、年収も解説

データベースエンジニアの仕事内容

データベースエンジニアの主な仕事内容は、データベースの設計と構築、および運用・保守です。

WebシステムなどのITシステムではデータを保存し、継続的に利用する目的でデータベースを利用することが一般的です。その中でも、RDBMS(Relational Database Management System)が最も普及しているデータベースシステムであり、以下本記事では特に言及がなければRDBMSを用いるデータベースエンジニアについての記載となります。

データベースエンジニアは、データベースシステムの選定およびスケーリングなどの設計、データを格納するテーブルなどのオブジェクトの定義などのデータベースの構築に関わる業務を行います。また、開発期間中やシステム稼働後もデータベースの管理者として、安定した稼働を提供することも重要な業務です。

データベースを管理する立場からシステム開発に携わることもあるため、システム開発を担当するエンジニアと連携しながらデータベースの設計内容や構成を見直すこともあります。

データベースの設計

システム開発の設計フェーズでSEが決めた仕様や要件を満たすデータベースの設計を行います。

データベースの設計では、データを格納するテーブルの定義やその関係性を表すER図の作成を行います。業務要件とのすり合わせが必要となるため、アプリケーション領域のエンジニアと調整しながら定義とメンテナンスを行います。

また、想定されるデータ量やシステム上で取り扱うデータの種類、可用性やバックアップなども考慮したデータベースそのもののチューニングが求められる場合もあります。

データベースの構築

テーブルやオブジェクトの定義、ER図を基に、データベースの構築を行います。テーブルの構築ではSQLを操作言語に用います。

データベースの構築では、システム開発を行うエンジニアと連携して、開発中のシステムとデータベースとの間でデータを正しく参照・更新・削除できるかを確認します。

データベースの運用・保守

システム開発プロジェクト期間中やリリース後のデータベースの運用管理と保守を行います。

具体的な仕事内容は、データベースオブジェクトのメンテナンス、データベースへのアクセス権限の設定やシステムのバックアップの管理、データベースの監視、データベース処理のパフォーマンスチューニング、システム処理で発生したトラブルに対するデータベース側でのトラブルシューティングなどです。

データベースエンジニアとデータエンジニアの違い

データベースエンジニアとデータエンジニアは、役割が異なることから、それぞれが携わる業務や技術も異なります。

データベースエンジニアはデータベースの構築と管理が業務の中心となるエンジニアです。一方でデータエンジニアはデータの収集、変換、および利用が業務の中心となる点が大きく異なる点です。それぞれの役割は、データのライフサイクルの異なる段階を担当し、異なる技術スキルと知識が求められます。

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データベースエンジニアの年収相場

企業や組織の情報資産を取り扱うため、データベースエンジニアは重要度の高い職種です。

レバテックキャリアにて募集中の求人情報から算出すると、データベースエンジニアの平均年収は約688万円でした。
※2024年8月21日時点の職種「データベースエンジニア」の求人・転職情報より30件を抽出して平均値を算出。

データベース技術がコモディティ化したため、データベース管理者業務が中心の求人が減少し、データベースという技術領域のスペシャリストが求められる傾向が強くなっています。その分、年収の上限平均は約873万円と高収入に繋がっていると考えられます。

以降では、具体的な求人例をピックアップしました。求人例より、業務内容と年収の関係を確認しましょう。

求人例から見る年収

以下3件のデータベースエンジニアの求人例での年収相場は、400万〜1,100万円と幅広く設定されています。基本的な仕事内容であるデータベースの設計、構築、運用・保守に加えて、システム開発へ貢献するなど業務範囲を広げていくことで、年収がアップすることがわかるのではないでしょうか。特にクラウド環境の構築が可能だと、高年収に結びつく傾向があります。

データベースエンジニアの求人・転職情報一覧>

クラウドプラットフォームの新機能開発および運用

【想定年収】
400~1,100万円

【仕事内容】
・MySQLのモニタリング、パラメータチューニング
・Database as a Service(マネージドデータベース)の新機能開発、運用
・MySQLのプラグインまたはコンポーネントの追加
・DBに関わるツールの検証(F/O、 バックアップ、リストアツールなど)

【必要なスキル】
・計算機科学に対する基本的な知識および理解
・Linux環境における開発および運用経験
・本番環境において冗長構成のMySQLを設計、構築および運用した経験
・MySQLについての深い知識

医療ビッグデータ/分析基盤の開発・運用担当

【想定年収】
466~598万円

【仕事内容】
匿名化レセプトデータを活用したビッグデータサービスをオンプレミス、クラウドの両環境を利用して構築と運用
ヘルスケア業界向けデータ利活用ビジネス

【必要なスキル】
・SQL(データ操作レベルで可)
・データベースを中心とした開発・運用経験(Linux環境、バッチ処理など)

データベースの設計や構築・管理や運用まで幅広い役割を担当

【想定年収】
500~800万円

【仕事内容】
ディープラーニングや機械学習などで必要となるビッグデータの管理までを行う。
データを活用して事業を行うチームとの調整。

【必要なスキル】
・インフラエンジニアとしての実務経験を3年以上経験されている方
・技術力を高め、顧客の課題解決に貢献したい方
・主体的に業務に取む事ができる方

他エンジニアとの平均年収の比較

データベースエンジニアの年収を他のエンジニア職種の年収と確認するために、レバテックキャリアが出している複数の職種(バックエンドエンジニア、データエンジニア、プロジェクトマネージャー)の求人情報よりそれぞれの平均値を算出すると以下の通りです。

職種 平均年収
データベースエンジニア 約688万円
プロジェクトマネージャー 約781万円
バックエンドエンジニア
(サーバーサイドエンジニア)
約716万円
データエンジニア 約751万円

上記平均年収は、レバテックキャリアにそれぞれの職種で2024年08月21日時点で募集中の案件のデータ30件を抽出したデータから算出しています。データエンジニアはキーワード「データエンジニア」で該当データ、同様にサーバーサイドエンジニアについては2024年8月16日のデータより算出しています。

いずれの職種も専門性が高いスキルが求められるため比較的年収は高い傾向でしたが、その中ではデータベースエンジニアは最も年収が低いという結果になりました。その理由として考えられるのは、データベースエンジニアはこれらの職種の中で求人の件数が最も少なく、需給のギャップが小さいことです。データベースエンジニアの求人の中には、データベース管理者向けの求人があり、平均年収を引き下げていたことも要因といえます。

また、どの職種もプロジェクトマネジメントやコンサルティング、上流工程への関与などが多く求められるほど、年収も高いという傾向が見られました。さらに、データベースエンジニアは、クラウド環境の知識やデータエンジニアに求められるスキルも併せ持っていると、高収入を得られる傾向があります。

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データベースエンジニアはきつい?やめとけと言われる理由とは

データベースエンジニアという職種に対して興味を持ち、情報収集を始めると、時折「きつい」とか「やめとけ」という意見が見つかることがあります。これは一体なぜなのでしょうか。

その理由を整理すると、主に下記の4つです。データベースエンジニアの仕事がきついとされる詳細な理由について説明します。

セキュリティ対策という企業を守る立場で責任が重大

データベースエンジニアは企業のデータベースを守る重要な責務を担います。企業機密や個人情報といった重要なデータを管理し、これが外部に漏れないようにする責任は大きく、その重責がエンジニアにプレッシャーを与えます。情報漏洩事件が社会に大きな影響を与えることを見ても、この役割の重要性は明らかです。

地味な作業の繰り返し

データベースエンジニアの仕事は、日々同じような地道な作業が続くことが多いです。裏方のポジションであるため、成果が目に見えにくく、周囲に評価されることが少ないこともあります。急なトラブル対応が求められることもあり、そのために労働時間が伸びることも少なくありません。

設計の的確さを求められプレッシャーが大きい

データベースの設計は、企業の要求や将来の成長を見越して非常に慎重に行わなければなりません。設計ミスが後に大きなコスト増につながる可能性もあるため、そのプレッシャーは少なくありません。また、適切な設計は経験と深い業務理解を必要とするため、エンジニアには高いスキルと知識が求められます。

業務理解が必須

データベースエンジニアは、業務フローやデータの利用目的を理解し、それに基づいてデータベースを設計・開発しなければなりません。深い業務理解が求められるため、これによりエンジニアの求められる知識とスキルはさらに広がります。データベースエンジニアは、ただ技術者としてのスキルだけでなく、ビジネス面でも優れた理解を持っていなければなりません。

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データベースエンジニアのやりがい

データベースエンジニアの仕事には厳しい面はありますが、大きな達成感を得られる面もあります。

データベースエンジニアとして働く際の喜びややりがいとしてあげられるポイントを紹介します。これからデータベースエンジニアを目指す方は、年収や労働条件だけでなく、仕事のモチベーションとして共感できるか確認しておきましょう。

システムを快適に利用できるよう貢献できる

データベースエンジニアの役割は、企業活動のさまざまな場面でデータを効果的に活用できるよう支援することです。利用者の業務効率を向上させるためのデータベース設計や管理を行い、結果として利用者が快適にシステムを利用できるよう貢献できます。

また、企業経営にも直接影響を与える重要な情報を安全かつ効率的に管理することで、企業全体の業務効率の向上に貢献することも可能です。これらの貢献は、データベースエンジニアにとって大きなやりがいとなります。

最新のテクノロジーに触れる機会がある

データベースエンジニアの仕事は、最新のデータベース技術や関連するネットワーク、サーバー、セキュリティ技術に触れる機会が豊富にあります。このことは、技術者としてのスキルアップや知識の拡充に繋がり、日々の仕事を通じて新しい知識や技術を学ぶことができる大きな魅力です。

また、多岐にわたる技術分野に触れることで、専門領域を選択し、より深く学べます。これらの経験は、データベースエンジニアとしてのキャリアをより豊かで有意義なものにし、日々の業務においても新しい発見や達成感を得ることになるでしょう。

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データベースエンジニアの将来性

結論から言えば、データベースエンジニアの将来性は非常に明るく持続的な学習と技術のアップデートに努めることで長期的なキャリアパスを築くことができます。その根底にあるのは、データという情報資産の価値が高まり、各種の事業上で重要な位置を占めていることでしょう。

データベースエンジニアの将来性が明るいといえる4つの理由について説明します。

関連記事:データベースエンジニアの将来性と主なキャリアパス

人材不足と将来の需要

IT業界では慢性的な人材不足が問題となっており、特にデータベースエンジニアの需給バランスが崩れつつあります。人材不足の現状は、データベースエンジニアにとって職の安定と高い需給を意味し、特に少子高齢化の進行に伴い、10~20年後にはこの需要はさらに高まると予測されています。

データベースの重要性が増すにつれ、データベースエンジニアの役割はますます価値が高まるでしょう。

ただし、データベースエンジニアの中でもデータベース管理者業務を主に行う求人は減少傾向にあります。データベース領域のスペシャリストとしてスキル研鑽は必要です。

技術進歩とトレンドの対応

近年のAIの進歩やクラウド技術の導入により、データベース運用の方法も変化し、データクレンジングのような作業が自動化されつつあります。そのため、データベースエンジニアは、より高度なタスクに集中し、新しいサービスの提案や多角的なデータ分析に努めることが可能になりつつある状況です。

さらに、データベースエンジニアは新しい技術や方法論に常にアンテナを張り、学び続ける必要があります。これはプロフェッショナルとしての成長とキャリアアップの機会を提供し、データベースエンジニアにとって、プロフェッショナルとしての成長とキャリアアップの機会であると言えます。

データ量の増大への対応

業務のデジタル化、DXの推進などにより事業上で発生するデジタルデータの量は飛躍的に増加しています。特にAIやIoTの進展に伴い、データベースの重要性は今後さらに増していくでしょう。これに対応するためには、データベースエンジニアの専門技術が不可欠となります。

クラウド技術の採用

クラウド技術の進歩により、データベース運用の方法も変化しています。データベースエンジニアはクラウド技術を学び、運用方法を柔軟に変える能力が求められています。これはデータベースエンジニアにとって、新しい技術を学び続ける機会となります。

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データベースエンジニアに求められるスキル

データベースエンジニアに求められる主なスキルについて解説します。

データベースについてはコア領域としてスキルが必要ですが、それに加えてデータベースを利用するアプリケーション側および業務についての理解やセキュリティに関する知見などの周辺についてもスキルを持つことでより活躍範囲を広めることができるでしょう。

データベースを取り扱うスキル

システム開発に用いられるデータベース製品は、MySQLやOracleなど複数存在し、企業やプロジェクトによって取り扱う製品が異なります。そのため、製品毎の特徴や違いを理解することや、SQLなどの操作スキル、製品に合わせた運用スキルが求められます。

システム開発全般のスキル

データベースエンジニアはシステム開発に携わるため、システム開発に関する知識やスキルが求められます。例えば、データベースエンジニアは設計・実装フェーズで携わることも多く、データの追加・参照・更新・削除処理をプログラム上で行う際に取り扱いやすい汎用的なデータベース設計を検討する必要があります。

また、システム稼働後の機能拡張や、運用保守フェーズでデータ量が増えた状態でパフォーマンスを低下させないデータベース構成にすることも求められます。このように、システム開発に関する知識を持つことで、システム開発担当のエンジニアと連携しながら、システムを安定して支えられるデータベースの構築を目指します。

セキュリティに関するスキル

データベースエンジニアには、セキュリティに関するスキルも不可欠です。データベースで取り扱う情報の中には、顧客情報などの個人情報が含まれていることもあります。これらの個人情報漏洩を防ぐためにも、データベースの脆弱性を突いたサイバー攻撃に対する知識や対策が求められます。

運用・保守スキル

データベースエンジニアは、システムが正常に動作していることを監視したり、データベースへのアクセス権限の設定やバックアップを行ったりするため、システム監視や異常時のトラブルシューティングスキルが求められます。

また、データベースを利用しているシステムを使った業務が滞りなく遂行できるようサポートすることも重要です。システムを利用した業務への知見を持ち、現場業務を止めない運用スキルも身に付けているとよいでしょう。

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データベースエンジニアの年収アップにも役立つ資格

データベースエンジニアとして年収アップを図るうえで役立てることができるのが、データベースに関する資格の取得です。取得に向けた学習ではデータベースに関するスキルや知識の習得ができ、転職時などにスキルを証明する際にも役立ちます。

MySQLやOracleなどのデータベース製品関連資格、AWSやGCPやAzureなどのクラウド製品関連資格、国家資格「情報技術者試験」などがおすすめです。データベースエンジニアを目指している未経験者や、ITエンジニアやSEとして働いている方はご参考にしてください。

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者の国家資格です。なかでも「基本情報技術者試験」は、IT業界に携わるための登竜門とも言え、基本的なIT知識や技術を有していることを証明します。基本情報技術者試験に合格した後は、「応用情報技術者試験」にチャレンジする人も少なくありません。両方の資格を取得することで、IT技術者として基本的な知識を抑えている証明となります。

データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験はIPA実施の情報処理技術者試験の中の試験区分の一つであり、データベース管理者やインフラ系エンジニアを目指す方に最適な資格です。

試験は午前問・午後問に分かれており、午前問の出題内容は基本情報技術者、応用情報技術者と重複する内容が出題されます。午後問の出題内容はデータベースに特化しており、データベースシステムの企画・要件定義・開発、データベースシステムの運用・保守、データベース技術に関する内容が出題されます。

ORACLE MASTER

ORACLE MASTERはOracle Databaseの管理スキルを証明する資格で、その中ではDBAとSQLの2つに分けられます。

DBAは、データベースの基礎知識が問われる「Bronze」、データベースの運用管理やSQLの基礎知識が問われる「Silver」、バックアップ・リカバリ、マルチテナント・アーキテクチャ、インストール・アップグレードが問われる「Gold」、データベースエキスパート向けの「Plutinum」というランクがあります。

SQLはSilverのみで、SQLの知識全般が問われ、データベースを利用したシステムの開発者にも適した資格です。

マイクロソフト認定資格

マイクロソフト認定資格は、マイクロソフト製品の実践的なスキルや知識を認定する資格です。マイクロソフトが提供するクラウドサービスであるAzure、リレーショナルデータベース管理システムであるSQL Serverの知識、データベース管理者として求められるスキルを身につけたい場合に活用しましょう。

AWS Certified Data Engineer - Associate

AWS Certified Data Engineer - AssociateはクラウドサービスAWSの中でも、コアデータ領域の知識とスキルを問われる認定資格です。クラウドでのデータ活用に向けたスキル習得と証明に役立ちます。

OSS-DB技術者認定資格

OSS-DB技術者認定資格は、データベースエンジニアリングの領域での専門技術を証明する試験で、「Gold」と「Silver」の2レベルが設けられています。主にPostgreSQLを扱う内容です。

Silverレベルは、データベースの設計、開発、導入、そして運用に関する基盤となる知識を評価する試験です。一方、Goldレベルは、大規模データシステムの最適化や運用管理、さらにはコンサルティングに必要な知識を検証します。これらの認定を取得することで、技術者はシステムの設計から開発、そして運用に至るまでの幅広いスキルを持っていることを証明できます。

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データベースエンジニアのキャリアパス

データベースエンジニアの代表的なキャリアパスをご紹介します。

ITエンジニアには、データベースエンジニアの他にも様々な職種が存在します。データベースエンジニアは、データベース領域に加えて他の領域のスキルを身につけて掛け合わせることで、未経験の職種にもジョブチェンジできるでしょう。例えば、ネットワーク領域のスキル、システム開発スキル、プロジェクトの管理スキルを掛け合わせることが考えられます。

もしくは、一つの領域に特化してキャリアアップする選択肢もあります。同じ会社でジョブチェンジをするだけではなく、転職も考えられますが、今回はジョブチェンジのパターンと、厚生労働省の職業情報紹介サイト「jobtag」に掲載されている各職種の平均年収もあわせて紹介します。(2024年8月現在)

インフラエンジニア(クラウドエンジニア)

データベースエンジニアが持つデータベース領域のスキルに加えて、ネットワーク領域のスキルを身につけてインフラエンジニアになるキャリアパスです。担当出来る業務領域が広い人材は、求められる基準に達している人材が不足している状況の中では重宝されます。また、単一業務に専念できるケースも少なく、複数の業務領域での貢献も求められることも背景に挙げられます。最近では、クラウドサービスを用いたインフラ構築が増えているため、クラウド領域のスキル習得も必要となるでしょう。平均年収は689.4万円です。

データサイエンティスト

データベースの設計や、運用保守業務での監視やパフォーマンスチューニングのスキルを活かして、データサイエンティストを目指すキャリアパスもあります。データベースエンジニアとして身につけたデータベースの構築スキルや、分析能力を活かせるでしょう。平均年収は554.3万円です。

プロジェクトマネージャー(PM)

データベースエンジニアとして身につけたシステム開発の知識を活かして、システム開発工程全般でプロジェクトの進捗管理を行うプロジェクトマネージャーになるキャリアパスです。

システム開発全般に携わりたい人に適したキャリアパスですが、すぐにプロジェクトマネージャーになるパターンと、データベースエンジニアとしてシステム設計から行い、徐々にシステム開発に携わって段階的にプロジェクトマネージャーにキャリアアップするパターンが考えられるでしょう。平均年収は689.4万円です。

セキュリティエンジニア

データベースエンジニアに求められるセキュリティに関するスキルを活かしたキャリアパスです。セキュリティエンジニアは、システムを外部からのサイバー攻撃や脆弱性などのリスクから防ぐ役割を担います。サイバー攻撃を防ぐための評価・検証や対策などを行い、セキュリティを考慮したシステムの設計や運用など、データベースエンジニアの業務経験を活かすことができるでしょう。平均年収は558.3万円です。

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未経験からデータベースエンジニアになるには

未経験からデータベースエンジニアを目指す場合のポイントについて紹介します。

未経験の状態がITエンジニア職種未経験の場合と、ITエンジニア職種の経験がありデータベースエンジニア職種が未経験の場合で、ポイントは異なります。IT全般に関する知識がベースとして必要なため、キャリアプランをたててチャレンジすることが重要です。

関連記事: 未経験からデータベースエンジニアを目指す方法とは?

プログラマーや他エンジニア職種からの転職の場合

他のITエンジニア職種での業務経験がある場合、システム開発の実装フェーズに携わった経験を活かして、開発者の観点をデータベースエンジニアの仕事に取り入れましょう。例えば、システム開発の拡張性や保守性を考慮したデータベース設計などです。

また、SEとして要件定義から運用保守フェーズまでシステム開発工程を幅広く経験している場合には、システム工程全体に関する知識を活かして、データベースエンジニアの担当領域だけではなく、システム工程全体の効率化を意識しましょう。例えば、運用・保守フェーズでの作業コストを考慮して設計に携わることが考えられます。

システム開発業務が未経験の場合

ITエンジニア職種そのものが未経験の場合には、すぐにデータベースエンジニアになるのは難しいです。データベースエンジニアの求人募集では、多くの場合、システム開発でデータベースを取り扱った経験が求められます。したがって、まずは他の職種でシステム開発業務の設計・実装フェーズの経験を積むことから始めるとよいでしょう。例えば、プログラマとしてデータベースのデータを参照・更新・削除するプログラミングを行うことができます。

データベースに関する知識やスキルを独学で習得することも選択肢の一つです。書籍の活用や、関連資格の取得、オンライン学習サイトの利用など、学習方法は様々です。クラウドサービスを利用すれば、より手軽にデータベース学習の環境を用意することができます。MySQLやOracleなどの主要なデータベース製品や、AWS、GCP、Azureなどの主要なクラウド製品から理解を深めていきましょう。

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データベースエンジニアへの転職を検討する際のポイント

データベースエンジニアへの転職を検討する際のポイントについてご紹介します。

データベースエンジニアの募集は、新卒からの募集は少なく、未経験からの転職に関しても、プログラマーやSEなどITエンジニアの他の職種でシステム開発の経験を積んでから転職するパターンがほとんどです。専門知識が要求されることに起因していますが、それだけ有望な職種であることへの裏返しとも考えられます。

関連記事: データベースエンジニアの転職!年収や求人例、将来性も紹介

データベースやセキュリティ知識を独学する

データベースエンジニアになるには、データベースの豊富な知識と、データベースの取り扱いに長けていることが前提条件となります。また、データベース内の情報の取り扱いには細心の注意が必要であり、セキュリティ対策が不可欠です。そのため、データベースの知識とあわせて、セキュリティの知識も身につけておきましょう。

データベース製品を理解してデータベースの基礎知識を得る

データベースエンジニアの求人内容に記載される主なデータベース製品には、MySQL、Oracle、PostgreSQLが挙げられます。これらの製品の中からまずは一つ選んで、データベースやSQLについての理解を深めましょう。

クラウドを理解してデータベースの取り扱いスキルを身につける

システム開発のインフラ構築にクラウド製品を利用するケースが増えてきています。そのため、クラウド製品上でのデータベース構築・利用についての知見を身につけることも重要です。AWSやGCP、Azureなどのクラウド製品への理解を通じて、データベースの取り扱いに関するスキルを身につけましょう。

プログラミング処理でのデータベースの取り扱いスキルを習得する

システム開発では、プログラミング処理によってデータベースの参照、更新、削除などの操作を行うため、プログラミング言語でどのようにデータベースを取り扱うのかを理解することも重要です。データベースエンジニアの募集では、データベースを用いた開発経験を条件にしている場合もあります。

フェーズでどのように貢献するのかを明確にする

データベースエンジニアの仕事内容は、データベースの設計、構築に加えて、システム稼働後の運用・保守フェーズも含まれます。そのため、システム稼働後の機能拡張や運用保守業務での効率化にどのように貢献するのかを明確にしましょう。

例えば、テーブル間の依存度を低く保ち、機能拡張時のデータベース更新コストや作業リスクを下げたり、運用・保守フェーズでデータが増え続ける中でもパフォーマンス低下を防ぐためにデータベース構成を見直すことなどが考えられます。システム開発者と連携しながら、システム開発の各フェーズの効率化にどのように貢献できるのかを明確にしましょう。

システム開発への関わり方を考えておく

データベースエンジニアには、システム開発の設計や開発段階での貢献も求められます。そのため、システムのセキュリティ対策だけではなく、運用・保守フェーズについても考慮する必要があります。例えば、セキュリティの知識を活かしたテスト設計に貢献したり、システムの処理パターンの網羅性を高める観点で設計レビューに参加してシステム開発に貢献したりできるでしょう。

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データベースエンジニアに関するよくある質問

データベースエンジニアについて、よくある質問と回答をまとめました。

データベースは今日のIT開発において不可欠の技術であり、AIやIoTなどの技術領域でも重要な役割を果たします。一方、データベース製品の性能向上により利用のためのハードルは低くなっており、データベースエンジニアには高い専門性が必要となります。

Q1. データベースエンジニアの仕事内容は何ですか?

データベースエンジニアの仕事は、主に「データベースの開発・設計」「データベースの管理」「データベースの運用」です。システム開発を担当するエンジニアと連携しながらデータベースの設計内容や構成を見直すこともあります。

Q2. データベースエンジニアに向いているのはどのような人ですか?

広い視野を持って、使いやすくデータを整理する必要があるため、整理整頓好きな性格が向いています。細かい部分まで注意を払う必要があるため、細部にまでこだわりを持てる人も、データベースエンジニアの素質があります。

Q3. データベースに関する国家資格について教えてください。

データベースに関する国家資格としては、IPAの「データベーススペシャリスト試験」があります。この資格は、データベースの設計、構築、運用に関する知識や技術を有することを証明するものです。試験は年1回秋期に実施されています。

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まとめ

レバテックキャリアのデータより、データベースエンジニアの年収相場は約688万円です。データベースエンジニアとして市場価値を高めるためには、クラウド環境の知識やデータエンジニアに求められるスキルも併せ持っていることが重要です。また、データベースエンジニアとしての実力を証明できる資格を取得することも、年収アップ実現に役立ちます。

転職を検討する際は、実際の求人例を見てどのような技術が求められているか、高収入を得られるスキルはどれかを確認しておくことが重要です。転職サービスを上手に利用して、市場価値の高いデータベースエンジニアを目指しましょう。

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