Web系エンジニアはきついと言われる理由9選|魅力も解説

最終更新日:2023年11月17日

Web系エンジニアは自由な働き方が可能なため、華やかな印象を抱く人も多いでしょう。一方で、急な仕様変更が発生したり、仕事が属人化したりする点で、労働環境が厳しいという声も聞かれます。どの職種にも良い点と悪い点があるのはWeb系エンジニアも同様です。

Web系エンジニアに適性を感じる人にとっては、働きやすい環境であり、キャリアアップを実現できる可能性もあります。本記事では、Web系エンジニアの仕事内容をまとめた上で、人材としての市場価値を高めてキャリアアップを図る方法について解説します。

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この記事のまとめ

  • Web系エンジニアは自由な働き方など華やかな面もあるが、その一方で急な仕様変更が発生しやすいなど苦労もある
  • Web系の技術トレンドは移り変わりが激しいので、常に新しい技術や知識について学習し続けることが重要になる
  • 転職前にチェックすべきポイントをおさえることで、転職後にWeb系エンジニアの仕事がきついと後悔することを防げる

Web系エンジニアとは?

Web系エンジニアは、Webサービスの開発を手掛ける技術職を指します。WebサービスとしてはソーシャルメディアやEコマースサイトといった消費者向けのものが代表的です。また、近年は法人向けのWebサービスとしてSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)の業態をとる企業も増え、人事・経営管理・マーケティングなど、さまざまな業務を支援するシステムが開発されています。加えて、モバイル機器の普及を背景に、スマートフォンからWebサービスを利用できるよう、スマホアプリの開発も行われています。

Webサービスを開発・運営するWeb系企業の特徴としては、自社開発を手掛けるベンチャー企業が多いという点です。フレックスタイムやリモートワークなど、柔軟な働き方が実現できる会社が多く見られます。Webサービスは成長している分野であり、その開発・運営を支えるエンジニアについても人材不足が叫ばれています。

Web系エンジニアの職種別仕事内容

Webエンジニアの世界には、多様な専門職が存在します。主要なものとして、フロントエンドエンジニアやサーバーサイドエンジニア、インフラエンジニアが挙げられます。さらに、スマートフォンやタブレットのOSを専門とするiOSエンジニアやAndroidエンジニアもWeb系エンジニアのカテゴリーに属します。本項では、Web系エンジニアの職種別に仕事内容を解説します。

フロントエンドエンジニア

Web系エンジニアの代表的な職種として、フロントエンドエンジニアが挙げられます。フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションなどのユーザーが閲覧する画面の設計・開発を担当します。画像や動画のような静的なコンテンツを配置したり、ユーザーの操作に応じて表示を動的に変更したりといった機能を実装します。

サーバーサイドエンジニア

サーバーサイドエンジニアは、Webサイトやアプリケーションの裏側、ユーザーには直接見えない部分のシステムを構築・開発します。具体的には、データのストレージや検索、ビジネスロジックに基づいた計算処理など、サーバー側での動作を担当します。WebサイトやWebアプリケーションの、サービスやパフォーマンスに直結する仕事と言えます。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、Webサービスや企業の社内システムがスムーズに動作するための基盤、すなわちインフラストラクチャーの構築と管理を担う職種です。近年、クラウド技術の進化と普及に伴い、物理的なサーバーではなく、クラウド上での仮想サーバーやネットワークの設定・管理が主流となってきました。この変化に伴い、クラウド環境に精通したエンジニアの需要は急速に高まっています。

iOSエンジニア

違和感を覚える方もいると思いますが、iPhoneで動くアプリ開発もWebエンジニアに該当します。iOSエンジニアは、システムの設計から構築まで担当するのが一般的で、リリース後も保守運用に携わることもあります。また、iOS環境で動作するWebアプリ開発にはAppleの開発したプログラミング言語「Object-C」「Swift」のいずれかを習得しなければなりません。今後はSwiftの需要が高まっていく傾向にあるため、iOSエンジニアを目指す方はSwiftを確認してみましょう。

Androidエンジニア

iOS環境で動作するアプリ開発エンジニアを確認しましたが、Android環境で動作するアプリ開発を担当するエンジニアをAndroidエンジニアと呼びます。iOSエンジニア同様システム設計から保守運用まで携わることが多いです。また、iOSエンジニアと異なり「Kotlin」や「Java」といったプログラミング言語を使用して開発します。今後はKotlinの需要が高まっていく傾向にあるため、Androidエンジニアを目指す方はKotlinを確認してみましょう。

Webサービスの開発工程

Web系企業では「アジャイル」と呼ばれる開発手法を採用している会社が多く見られます。アジャイル開発では、2週間程度の期間で区切って、要件定義・設計・開発・テストを繰り返すのが特徴です。頻繁に顧客からのフィードバックを受けながら、製品の成熟度を高める狙いがあります。Webサービスの開発では、実装するべき機能の優先順位を柔軟に変更しながら、ユーザーのニーズを探っていきます。

Web系エンジニアの年収相場

2023年10月執筆時点でレバテックに掲載されている求人を確認すると、Web系エンジニアの平均年収は約550万円ほどで、日本の平均年収より高い傾向にあります。また、年収幅が非常に広く、300〜1,000万円以上の求人があり、スキルによって年収が大きく変わる職種と言えるでしょう。

Web系エンジニアの求人例

Web系エンジニアの仕事が気になる方にとって、実際の求人情報は気になる情報のひとつです。具体的な求人情報を知ることは、キャリアプランを考える上で非常に参考になります。そこで、レバテックキャリアに掲載されているWeb系エンジニアの求人例を以下に紹介します。今後の転職への参考にしてみてください。

【想定年収】
400~700万円

【業務内容】
・クリエイティブデータを再現したページ開発(HTML/CSS/JS)
・JSフレームワークを利用・カスタマイズ(e.g. グラフ、WYSIWYG)
・サーバーサイドエンジニアと協力しAPI仕様の決定、API連携実装
・開発画面のリファクタリング/デバッグ
・新規事業プロジェクトに係る会議参加、資料作成

【求められるスキル・経験】
・HTML5を用いたWebアプリケーション開発、運用経験
・CSS3を用いたWebアプリケーション開発、運用経験
・JavaScript(Vue,React,Angular等)を用いたWebアプリケーション開発、運用経験
・モダン技術を用いたリード開発(個人で開発推進が可能)
・Vue.jsやNuxt.jsを用いたWebアプリケーション開発経験
・Web APIに関する知識

Web系エンジニアの将来性

Web系エンジニアの将来性は極めて高いです。IT関連の中でも、Webの仕事の需要が増加しており、業種を問わずWebサイトの運営やアプリ開発が求められています。また、近年のIoTやAI技術の進展に伴い、その役割はさらに拡大し続けています。IT業界は人手不足が続いており、未経験者でも採用のチャンスは豊富です。しかし、技術が変わるスピードは速いため、常に学び続ける姿勢が求められます。

Web系エンジニアが「きつい」と言われる9つの理由

Web企業は華やかな印象がある一方で、その働き方が「きつい」という声も聞かれます。Web系企業の業態やWeb系エンジニアの役割上、人によっては困難を感じるケースがあるのも事実でしょう。以下では、Web系エンジニアとして働く上で課題となり得る要素について解説します。

1.柔軟な対応が求められる

アジャイル開発を採用する企業では、顧客のニーズに応えるため、頻繁な仕様変更が発生する場合があります。タスク管理のプロセスが成熟していないチームでは、常に繁忙期が続き、エンジニアの負担が増してしまいます。

2.技術の変化が激しい

常にWebサービスに関する新しい技術が登場するため、継続的に学習を続ける必要があります。クラウド技術やDevOps(デブオプス)など、数年前には広く使われていなかったものでも、今では一般的になっている事例は多数存在します。さらに、現在流行している技術でも、数年後には陳腐化する可能性もあるので、エンジニアには学習能力と、情報に対する感度が求められます。

3.仕事が属人化しやすい

中小規模のWeb系企業では、開発プロセスやルールが確立していない場合があります。そのため、中途で入社したエンジニアにとっては、その会社における仕事の進め方を理解するのが困難です。また、作業が明文化されていないので、担当者個人に依存して仕事が進み、特定の人に業務負荷が集まる傾向にあります。その担当者が休暇を取得したり、退職したりすると、その業務が滞ってしまうリスクも考えられます。

4.経営状況が安定していない企業もある

Web系のベンチャー企業は、その新しい事業が軌道に乗るまでは、売り上げが十分に得られないため、経営が安定しません。人件費をまかなうための原資が不足していれば、そこで働くエンジニアも年収が低く、福利厚生が十分でないケースもあります。

5.人手不足や急な仕様変更などで残業が多くなりがち

IT業界全体で見ると、Web系エンジニアをはじめとするIT人材の不足は顕著です。特にスタートアップやベンチャー企業では、スタッフの数が限られているため、プロジェクトの進行中に残業が増えることが珍しくありません。さらに、開発過程での急な仕様変更や新たな要望が出されると、Web系エンジニアの作業時間はさらに伸びることが多いです。

6.企業によって給料の幅がある

Web系エンジニアの給料は、企業によって幅があります。特にWeb系エンジニアの給料は、プログラミング言語ごとのトレンドに左右されます。また、ベンチャー企業より大手企業の方が年収が高い傾向にあります。

7.客先常駐で勤務する場合がある

Web系エンジニアの働き方には「客先常駐」と呼ばれる顧客の職場に勤務する形態があります。客先常駐がキツイと言われる主な原因は以下の4つです。


  • ・顧客の職場に勤務するため、立場が弱い

    ・周りに相談できる同僚や上司がいない場合がある

    ・不測の事態に一人で対応しなければならない場合がある

    ・単純作業でスキルが身につかない


ご覧の通り、仕事に不安を感じやすいのが客先常駐です。Web系エンジニアの求人を見る際は勤務形態を確認しましょう。

8.アジャイル開発が求められる

アジャイル開発とは、システムを機能ごとなど小さい単位に分けて設計〜テストを繰り返す手法です。システム全体の設計後に開発〜テストを行うウォーターフォール開発と比較して、開発スピードが高い、要望の変化に対応しやすいなどのメリットがあります。そのため顧客から高い評価を得られやすいでしょう。

一方で開発側からすると、開発スピードや仕様の変更を求められやすく、スケジュールの設計などプロジェクト管理が難しいです。急な仕様変更や納期によっては勤務時間を伸ばして対応しなければならないでしょう。

9.単価が高い場合はプレッシャーも大きい

Web開発は需要が高い仕事なので、内容によっては高単価の仕事になります。これは働く方にとって大きなメリットですが、クライアントの急な要望に応えなければならないなどの懸念もはらんでいます。

きつい!でも頑張れるWeb系エンジニアの魅力

Web系エンジニアの仕事はきついと言われています。ですが、Web系エンジニアはIT系の中でも人気の職種なため、魅力がたくさんあります。Web系エンジニアの魅力は、主に以下の4点が挙げられます。


  • ・大きな需要と将来性

    ・スキルが一度身に付けば幅広い案件に対応できる

    ・自由で柔軟性のあるワークスタイルの会社も

    ・業務未経験であっても短期間の努力で転職可能


本項では、Web系エンジニアの魅力について詳しく解説していきます。

大きな需要と将来性

Webプログラマー・エンジニアは今後もWebサービスが増加していくことが予想されるため、将来性のある職種と言えるでしょう。また、コロナ禍によるオンラインシフトによる需要拡大や企業のDX化が本格化しているため、今後も需要が高まることが予想されています。

スキルが一度身に付けば幅広い案件に対応できる

Web系エンジニアとして働くと身につくHTMLやCSS、JavaScriptはWebサイトを表示する技術で中々廃れにくいです。また、フロントエンドからバックエンドまで範囲が広く、他のエンジニアよりプロジェクト全体を見るスキルが身に付きます。

自由で柔軟性のあるワークスタイルの会社も

Web系エンジニアの働き方は自由度が高い傾向にあります。私服出社やリモートワークが普及しており、自動化の導入や副業への挑戦も積極的な企業が多いです。また、オシャレなオフィスの企業も多く、カフェのような空間で働けます。

業務未経験であっても短期間の努力で転職可能

Web系は技術の移り変わりが激しい反面、自身の努力次第で未経験からでも挑戦しやすい業界です。また、業務の難易度も幅広いため、0からIT系に挑戦する方にWeb系エンジニアは非常におすすめです。

入社後に「きつい…」と後悔しないためのチェックポイント5つ

Web系エンジニアに転職した結果、仕事がきついと後悔することは避けたい状況です。Web系エンジニアに転職する際に確認すべきポイントは、以下の5つになります。


  • ・有給休暇の取得率

    ・残業時間

    ・自社開発か受託開発か

    ・賞与の有無と金額

    ・社風が自分に合いそうか


本項では、Web系エンジニアに転職する際に確認すべきポイントを5つ紹介します。特に未経験からWeb系エンジニアに挑戦する方は参考にしてください。

関連記事:Webエンジニアが転職を成功させるには?6つのステップで解説

1.有給休暇の取得率

入社後の後悔を避けるために、事前に確認しておくべき要点がいくつかあります。その中でも特に重要なのが、有給休暇の取得率です。有給の取得率をチェックすることで、企業の労働環境や働きやすさのヒントを得ることができます。そのため、転職前に必ず確認しましょう。特にWeb系エンジニアは働き方に幅があるため、注意が必要です。

2.残業時間

Web系エンジニアとしての働き方は多様であり、残業時間にもバラつきが生じることがあります。転職や入社を検討する際、企業の残業時間を確認することは非常に重要です。その際に注意すべき点として、会社全体の平均残業時間ではなく、具体的な部署やチームの残業時間を確認するようにしましょう。正確な情報を得るためにも、部署単位でのデータを重視し、実際の働き方をしっかりと把握することが大切です。

3.自社開発か受託開発か

自社開発か受託開発かも転職時のポイントです。自社開発の方が一般的に融通が利き、思わぬ残業を生む可能性が低くなります。ライフワークバランスにも関わるポイントなので、事前に確認しておきましょう。

4.賞与の有無と金額

Web系エンジニアにかかわらず、転職時に一番リスクとなるのが金額面です。収入が無くなると金銭的余裕が無くなり、生活水準を下げるなど精神的にも追いつめられる場合があります。未経験から転職する方は特に金額面を確認した上でWeb系エンジニアに挑戦しましょう。

5.社風が自分に合いそうか

入社後に後悔しないためには、自分に合った社風の企業を選ぶことです。転職サイトや転職エージェントを利用することで、企業の内部情報や実際の働き方、社員の声などを知ることができます。その結果、自分の理想とは異なる社風であると感じた場合、他の企業との比較を行いながら、最終的な判断を下すことが大切です。

Web系エンジニアに向いている人の特徴

Web系企業を「きつい」と感じる人もいれば、「働きやすい」と感じるエンジニアもいるでしょう。働きやすいと感じる人には共通する特徴があると考えられます。以下では、一般的にWeb系エンジニアに向くと言われている適性について解説します。

関連記事:SIer・SESや未経験からWeb系企業への転職を成功させるには

裁量を持って積極的に取り組む

Webサービスを自社開発する企業であれば、製品を改善するような機能を提案する機会があります。どんな機能が良いのかが分からない状況でも、自分の頭で考えて、顧客の課題を解決する機能を実装しなければいけません。他にも、自分が属するチームの生産性を高める社内ツールを開発するなど、自身のアイデアを形にしたいと感じる人がWeb系エンジニアに適しています。

ビジネス視点を持って開発を進める

Web系企業では、SIer(System Integrator、エスアイヤー)の業態とは異なり、利用者から明確な要望が与えられるわけではありません。顧客のニーズは何か、自社の収益につながる機能は何か、自社の生産性を向上させるにはどうすればよいか、といったテーマについて敏感になり、問題の発見および解決を図れるエンジニアが求められています。

不確実性に強い

Webサービスの開発で多く用いられるアジャイルの手法では、顧客のニーズを探りながら反復的に開発を進めるのが特徴です。何が正解か分からない曖昧な状況でも、試行錯誤しながら冷静に対応できる人がWeb系企業に適性があると言えます。一方で、明確に定まった仕様を計画に従って作成していくのを心地よいと思う人にとっては「きつい」と感じるかもしれません。

IT技術・Webサービスに興味がある

Webサービスは流行り廃りが激しい業界です。特定のWebサービスが大きく成長したり、一度話題に上っても急激にユーザーが減ったりする事例は多く見られます。新しい技術やトレンドを習得するのに喜びを感じる人がWeb系エンジニアに適しているでしょう。

論理的思考ができる

Web系エンジニアの役割には、論理的思考が不可欠です。Webサービスやアプリの開発過程で、複雑な問題を解決するためには、明確な論理構造を持ってアプローチする必要があります。すでに論理的思考のスキルを持っている人は、Web系エンジニアの職務に適していると言えるでしょう。論理的思考は、Web系エンジニアとしてのキャリアを大きく後押しする要素となります。

最新の技術や知識を積極的に習得していける

Web系エンジニアには、業界の動向を敏感にキャッチし、最新の技術情報を掴む能力が求められます。最新の技術や知識は、すぐに活かされるわけではないかもしれません。しかし、新しい技術を取り入れる際の判断材料となります。最新の技術や知識は、海外からの発信が多いため、英語の読解能力もあるといいでしょう。

Web系エンジニアに向いていない人の特徴

Web系エンジニアとして活躍するためには、特定の興味や適性が必要です。しかし、全ての人がWeb系エンジニアの仕事に適しているわけではありません。例えば、最新のIT技術に対する興味が乏しい方や、変わりゆく状況に対応するのが難しい方は、Web系エンジニアの職務には向かない可能性が高いです。本項では、Web系エンジニアに向いていない人の特徴について解説していきます。

最新のIT技術に興味がない

Web系の技術トレンドは変化が非常に激しいので、最新のIT技術を常にキャッチする必要があります。そのため、最新のIT技術に興味がなく、自身で学ぶ習慣がない人はWeb系エンジニアには向いていないと言えるでしょう。

不安定な状況が苦手

Web系エンジニアはアジャイル開発など急な仕様変更や残業が発生しやすく、大手のSIerなどと比べると不安定と言えます。そのため、安定した勤務形態を望む方はWeb系エンジニアには向いてないと言えるでしょう。

Web系エンジニアのキャリアパス

Web系エンジニアとしてさまざまな課題を乗り越えていくと、より高度な役職へキャリアアップできる可能性が広がります。経験年数が浅いうちは開発作業のみを行っていたエンジニアでも、チーム全体に影響を与える立場にたつようになります。以下では、想定されるWeb系エンジニアのキャリアパスについて解説します。

Webディレクター

Webサービスの企画や、プロジェクトの進行管理を手掛ける役割です。予算やスケジュールが予定通りに収められるよう、プロジェクト管理のスキルが求められます。エンジニアとしての経験を活かして、技術とビジネスをつなぐ役割を担います。

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テックリード

技術面の意思決定に責任を持つ役割です。リードエンジニアという役職名が使われる場合もあります。Webサービス全般に関する幅広い知識に基づき、セキュリティや可用性・メンテナンス性といった要求にも応えられるよう、システムの最適な設計を目指します。

フルスタック・エンジニア

フロントエンドからサーバーサイドに至るまで、複数の領域に精通するエンジニアを指します。Webサービスの開発・運営で発生しやすい複数の領域にまたがる技術課題を解決するのが特徴です。また、チームの繁忙状況に応じて作業の割り振りへ柔軟に対応できるため、多くのチームで重宝されます。

関連記事:フルスタックエンジニアのロードマップを初級~上級に分けて解説

エンジニアリングマネージャー

開発チームが高い生産性を発揮できるよう人事や管理業務を担当する役割で、開発マネージャーやVP of Engineeringとも呼ばれます。エンジニアの採用や育成・開発組織の設計といった業務に責任を持ちます。

Web系エンジニアとして市場価値を高める方法

Web系エンジニアとしてキャリアアップを続けていくためには、人材としての価値を高める必要があります。これには、Web技術の幅広い知識の習得、特定のスキルでの専門性の向上、市場での需要が高い技術の習得、そしてリーダーシップやマネジメントの経験が含まれます。以下では、昇進や転職で評価されやすいスキルや知識について解説します。

Web系技術全般の知識を理解する

Webサービスの開発・運営を行う上では、セキュリティやデータベースといった、あらゆるWebサービスに必要な基礎知識が必要です。Webサービスが成長し、多数のユーザーが利用するようになった場合にも安定したサービスを提供できるよう、広範なスキルが求められます。

差別化できるスキルを習得する

基本的な知識を習得すると同時に、自分が得意とする分野を確立することも重要です。特に、変化の早いWeb系業界では、次々と新しい技術が登場するため、新技術を早期に習得したエンジニアは需要が高い傾向にあります。現在のトレンドでは、AI(人工知能)・クラウド・IoT(Internet of Things)・自動化といった分野で高い評価が得られるでしょう。

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需要の高い技術を身につける

Webサービスでは、PHPやRubyといったプログラミング言語が頻繁に用いられます。技術トレンドに敏感になり、多くの会社で採用されている人気の技術を学んでおけば、転職の際にも評価されやすくなります。

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マネジメント経験を積む

チームをまとめて成果を上げられるエンジニアは、多くの企業が求めています。Webサービスの開発・運営では、デザイナーやインフラエンジニア、営業・マーケティング、財務といったさまざまな担当者と協業する必要があります。利害関係や保有する知識が異なる人とも円滑に仕事を進めるコミュニケーション能力が欠かせません。

Web系エンジニアに転職する際の検討ポイント

Web系エンジニアへの転職を検討する際は、「きつい」と感じる要因を理解してから転職に臨むべきです。転職する際の検討ポイントとしては、運営中のWebサービスの内容や労働環境、使用技術の詳細などをリサーチするといいでしょう。本項では、Web系企業へ転職する際に確認するべきポイントについて、具体的に解説します。

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運営しているWebサービスについて調べる

特定のWeb系企業に興味を持ったら、応募する前に、どんなサービスを運営しているかを確認しましょう。Webサービスと一口に言っても、消費者向け・法人向けでは違いがありますし、ある業務や業界に特化したサービスが展開されているものです。その業界について興味を持てるならば、やりがいを感じながら仕事に臨めるでしょう。また、成長している業界では、キャリアアップの余地も大きくなります。

労働環境について調べる

Web系企業は、その事業構造や仕事の進め方から繁忙期が続く可能性があります。残業時間や休暇の取りやすさなど、労働環境について調べてみるとよいでしょう。転職レビューサイトなどから経験者の声を閲覧し、会社の雰囲気について確認します。

扱っている技術について調べる

自分が興味のあるWeb系企業が、どのプログラミング言語を使っているのかを確認するのも良い考えです。多くの企業では、特定のプログラミング言語や技術に強みを持ち、会社全体でスキルを高めるよう心がけているものです。自分が既に習得している言語か、これから習得したいと考える技術を採用しているかどうか調べると良いでしょう。

Web系エンジニアに関するよくある質問

Web系エンジニアの仕事がきついと言われる理由を知りたい方にとっては、Web系エンジニアの職務に関する疑問や質問は少なくありません。具体的には、なぜ「きつい」と感じるのか、平均的な残業時間はどれくらいか、また転職のサイクルはどの程度なのかなど、様々な質問が寄せられます。さらに、Web系エンジニアの特色や、仕事のやりがい・メリットについても関心が高まっています。本項では、Web系エンジニアに関するよくある質問について回答します。

Q1. Web系エンジニアできついことは何ですか?

Web系エンジニアできついことは、厳しい納期やスピードを求められる業務が日常的に求められる点にあります。さらに、一人当たりの担当範囲が広く、納期のプレッシャーやバグ修正による連日の残業が発生することも珍しくありません。また、新しい技術や情報の習得が絶えず必要とされる点も理由のひとつです。

Q2. Web系エンジニアの平均残業時間はどれくらいですか?

Web系エンジニアの平均残業時間は、一般的には10〜30時間程度と言われています。ただし、平均残業時間は企業によって異なり、30〜40時間未満や45時間以上と残業時間が多いケースもあります。残業時間の多さは、Web系エンジニアの仕事がきついと言われる要因でもあります。

Q3. Web系エンジニアの転職スパンは何年くらいですか?

Web系エンジニアは転職スパンが短く、平均的には約4年とされています。一方、通信業界での転職スパンは長く、約14年となっています。他のエンジニアの場合、転職の平均スパンは5年から10年程度と言われています。

Q4. Web系エンジニアの特徴を教えてください。

Web系エンジニアは働き方が自由、需要が非常に高い、高単価な案件が複数あるなどの特徴が挙げられます。

Q5. Web系エンジニアのやりがいはなんですか?

Web系エンジニアは組み込みアプリエンジニアなどと比べて、自身の携わったシステムに触れやすいです。そのため、自身の作成したサービスやアプリが実際に使用されているのを確認しやすく、やりがいを感じやすいでしょう。

Q6. Web系エンジニアのメリットはなんですか?

Web系エンジニアは働き方に自由度が高い傾向にあるため、ワークライフバランスを整えやすいなどのメリットがあります。

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この記事の監修

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