- ゲームデバッガーの平均年収は高い?
- ゲームデバッガーとは
- ゲームデバッガーの年収をあげるには
- ゲームデバッガーにおすすめの資格
- ゲームデバッガーのキャリアパス
- ゲームデバッガーに関するよくある質問
- まとめ
ゲームデバッガーの平均年収は高い?
ゲームデバッガーとは、主にゲーム開発におけるプログラミングのバグがないかを実際にプレイしながら確認する職種です。プロダクト開発ではデバッグ作業が必須であり、ゲーム業界だけでなくIT全体に置かれるポジションですが、本記事ではゲームデバッグを行うゲームデバッガーを解説します。
難易度の高いプログラミング言語やスキルが必要のない職業のため、ゲーム業界のキャリアスタートに選ばれやすいです。
参入障壁も低い職業ではありますが、年収に関しては「低い」「少ない」というネガティブなイメージを持たれる傾向にあります。
まずは、ゲームデバッガー全体の平均年収と年代別平均年収、求人情報から読み取れる年収の特徴をみていきましょう。
平均年収
レバテックキャリアの求人によると、ゲームデバッガーの平均年収は539.7万円です。国内平均年収と比較して差はなく、平均的な年収だといえるでしょう。
求人の中には年収1,000万円を超えるものもあり、働く企業や担当する範囲、兼任する業務や個人の経験によって年収に大きく差が出ることがわかります。ゲーム業界におけるキャリアスタートとしての職業でもあるため、ゲームデバッガーからキャリアパスを重ね高年収を目指すのは可能だといえるでしょう。
一概には年収が低いか高いかはいえませんが、ゲーム業界の職業としては「高くはない」傾向です。ゲームデバッガーから経験を積み、より高年収の仕事に転職する人も多いです。
ゲームデバッガーの転職・求人情報>
年代別平均年収
20代から40代の平均年収を職業情報提供サイトjobtag「デバッグ作業」の項目から以下にまとめました。
20代 | 約397万円 |
30代 | 約554万円 |
40代 | 約660万円 |
上記の平均年収は全デバッグ作業に携わるプログラマーの年収であり、ゲームデバッガーに限るとやや下がると考えられます。経験を積むと年収が上がる特徴は共通しているといえるでしょう。
ゲームデバッガーとは
ゲームデバッガーとは、デバッグ作業と呼ばれるプログラミングのミスである「バグ」を見つける仕事です。ゲーム開発において欠かせない存在であり、主にリリース前のゲームをプレイしてデバッグをまとめ、開発者に報告します。
人気を集めるゲーム業界の品質や故障を防ぐ存在ですが、ここからはゲームデバッガーの詳しい仕事内容と類似職種との違い、必要になるスキルを解説します。
関連記事:ゲームデバッガーとは?仕事内容や年収、求人例、目指し方を紹介
ゲームデバッガーの仕事内容
デバッガーとは、プログラムの動作が仕様通りになるようにコンピュータープログラムや機器中のバグ・欠陥を発見し修正する人を指します。ゲームデバッガーもデバッガーの1つであり、ゲーム開発においてデバッグ作業を担当するのが主な仕事です。
主要職務は「バグの発見」ですが、企業によっては修正作業や追加機能を実装するプログラマーと兼任するゲームデバッガーもいます。多くの場合では基本的に「テストプレイを繰り返しバグを見つける」のがゲームデバッガーとされ、ゲームテスターと呼称する企業もあります。
仕事内容は単純作業であり、ゲームをプレイできれば誰でも可能です。専門知識や難しいプログラミング言語、開発ツールを扱う必要がなく、開発規模によってはプレイヤーからゲームデバッガーを募集することもあります。
「誰でもできるから簡単な仕事」とは一概にいえず、ゲームプランナーやデザイナーと比べて知名度の低さも感じられますが、ゲームの品質管理業務を行う必要不可欠な職業です。
デバッガーとテスターの違い
ゲームデバッガーがゲームテスターと呼ばれることもあるように、テスターとの違いはあいまいな場合もあります。1つのゲーム開発において「デバッガー」と「テスター」が分かれているときは、次のように区別することが多いです。企業や開発規模によっては、両者を兼任することもあります。
デバッガー:プログラム内のバグを見つけて報告する担当者
テスター:システムが組んだ通りに作動するか、発売規格を満たしているかを確認する担当者
ゲームデバッガーに必要なスキル
ゲームデバッガーはゲームがプレイできれば誰でもできるとはいわれますが、ゲームの品質管理を行うため求められるスキルも相応にあります。
たとえば単純作業に耐えられる集中力や、注意力・洞察力は必須スキルです。また、チームを組み開発にあたるためコミュニケーション能力も求められるでしょう。
ゲームデバッガーに必要なスキルを解説します。
集中力
デバッグ作業には根気が必要であり、高い集中力を要します。プログラマーやデザイナーなどのクリエイティブ職と異なり、単純作業を的確に繰り返す集中力が求められると考えておきましょう。
ゲームが好きという興味・関心も大切ですが、長時間のプレイにも耐えられる集中力は必須です。普段から意識して集中力を高めるトレーニングをしておくと良いでしょう。
注意力・洞察力
注意力・洞察力は「バグを発見する」という点において必須スキルです。ゲーム内のバグとは、分かりやすいものから特定の条件を満たさないと見つからない小さなものまでさまざまあります。
プレイ中にどんな小さなバグがあっても見逃さない注意力、条件や設定からバグを予測できる洞察力などが求められるスキルの1つです。
コミュニケーション能力
ゲームデバッガーの作業自体は1人で行うことが多いですが、ゲーム開発はプログラマーやデザイナー、プランナーなどさまざまなクリエイターがチームになって行います。その全体指揮をとるのはディレクターやプロデューサーであり、バグ報告や作業報告、状況判断などを分かりやすく伝える必要があるでしょう。
このとき、コミュニケーション能力が発揮されます。周囲と円滑なコミュニケーションがとれると信頼されやすいため、キャリアアップにもつながる大切なヒューマンスキルです。
ゲームデバッガーの将来性
ゲームデバッガーはリリース前に仕事が発生することが多く、現在家庭用ゲームからスマホゲームまでさまざまな媒体で新作ゲームが生まれていることを考えると、すぐに仕事がなくなるとはいえません。デバッグ作業の需要自体は増加傾向にあり、将来性もそこまで懸念する必要がないと思われます。
ただし、「テスト自動化ツール」が存在し、実際に運用するゲーム開発も増えました。とはいえ自動化ツールにもヒューマンエラーは発生するために、ゲームデバッガーの需要はあるものの技術の発展により立ち位置が大きく変わることは考えておくと良いでしょう。
ゲームデバッガーに向いている人
ゲームデバッガーはゲームができれば誰でもできるとはいえ、同じゲームを注意深く繰り返しプレイするという作業を続けます。ゲームなどのモノづくりに興味が持てる人は前提として、忍耐力や集中力がある人はゲームデバッガー向きです。
また、ゲームを上手にプレイできる人が必ずしも向いているとはいえません。ゲームがどうプログラミングされているかを理解できるスキルや知識がある人、どんなジャンルのゲームでもプレイできる人、ゲームのユーザーニーズを把握しユーザー視線を持てる人はゲームデバッガーに向いているといえるでしょう。
ゲームデバッガーの年収をあげるには
ゲームデバッガーの仕事は、ゲームが好きな人やゲーム業界に興味を持つ人にとっては注目される職業です。しかし、ゲーム開発規模によってはアルバイトやプレイヤーにデバッガーを依頼することも多く「年収が低い」というイメージもされやすいポジションです。
ただし、ゲームデバッガーはゲーム開発に携わるためのキャリアスタートとしての立場も持ちます。求人を見ると高年収のものもあるため、「個人の裁量やスキルを磨く」「資格を取得し知識を身につける」などの方法で年収アップを目指せます。
ここでは、ゲームデバッガーの年収を上げるポイントを見ていきましょう。
経験を積み、スキルを磨く
ゲームをただプレイするだけでなく、バグを見つけるには元々の仕様やプログラミング知識が必要です。開発に関わるほどスキル習得をする必要はありませんが、ゲームデバッガーをする中で身につけておくと年収アップにつながります。
ゲームデバッガーの年収はさほど高くないといわれますが、経験次第では好条件の企業に転職することも、キャリアアップも目指せるでしょう。
プログラミングスキル
デバッグ作業ではゲーム開発に必要なプログラミングスキルは扱いませんが、プログラミングの基礎知識と実装できるスキルがあれば転職しやすく、年収を上げることにつながります。
ゲーム開発に関連するプログラミング言語は開発プラットフォームや仕様ツール、会社やゲームジャンルなどによってさまざま。すべての言語を扱えるようになるには難しいのですが、多くの企業が触れる「C++」「C#」「Java」「JavaScript」などのスキルは身につけておくと役立ちます。
ゲーム開発に関する知識
デバッグ作業は下流工程にあたりますが、ゲーム開発では企画立案からユーザー動向の調査などプロジェクトの基幹を作る上流工程も大切です。デバッガーの段階でプロジェクト全体の流れを把握する必要はないとはいえ、ゲーム開発の流れや各工程で求められるスキルを知っておくと良いでしょう。
ゲーム開発の知見が広がり今の業務に活かせるだけでなく、転職や独立を考えたときに役立ちます。
資格取得
ゲームデバッガーになるための必須資格はありません。しかし、デバッグ作業をする中で身につけたスキルや知識は評価が難しく、第三者にアピールするためにも資格取得は有効です。
たとえば転職の際には資格取得によってこれまでの知識・スキルを実証できるでしょう。資格取得のために学び直すことで、自分のスキル確認にも役立ちます。
デバッグ作業はゲーム開発において、大切な実務経験の1つです。デバッガーの経験をこれからのキャリアで活かすためにも、資格取得を検討しても良いかもしれません。
ゲームデバッガーにおすすめの資格
ゲームデバッガーとして働くには、「ソフトウェアテストの知識やスキル」「ITに関連する基礎知識や専門用語の理解」が必要不可欠です。デバッガーは業界未経験からでも目指しやすい職業ですが、まったくの未経験の場合こうしたスキルや知識を実証できると就職で有利に働くでしょう。
そこで、ゲームデバッガーに求められるスキルを証明しやすい資格を紹介します。
JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB認定テスト技術者資格とは、JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)が実施するソフトウェア技術者向けの資格認定制度です。
年に2回試験が開催され、一定のソフトウェアテスト技術を有しているかを実証します。ゲーム業界の人気が高まる今、その品質や安全性の向上を図る目的で作られており、テストエンジニアやゲームデバッガーのスキルアップに役立つ資格です。
IT検証技術者認定試験(IVEC)
IT検証技術者認定試験(IVEC)は、一般社団法人IT検証産業協会が実施する試験資格です。テストエンジニアの基礎知識や必要なスキルが問われます。特徴としてテストの現場における実務を重視しているため、ゲームデバッガーの実践的なスキル・知識が身につく資格です。
年に2回開催が予定されており、合格するとIVECが発行されます。2024年には従来の試験レベルを再編し「テスタークラス」「デザイナークラス」「アーキテクトクラス」が制定され、分野や立場に合わせて選べるクリエイター・エンジニア向けの試験となっています。
ゲームデバッガーのキャリアパス
ゲームデバッガーは「ゲーム開発の全体が見通せるポジション」「開発の基本スキルや最低限の知識があれば目指せる職業」という特徴があるため、ゲーム開発関連職種や上流工程を担当するエンジニアへのキャリアパスが幅広い職業です。
キャリアの選び方によってはより深くゲーム開発に携わることができるほか、年収アップも期待できます。ここでは、ゲームデバッガーのキャリアパスを解説します。
ゲームプログラマー
デバッグ業務を行った経験は、ゲーム制作そのものでも活かせます。ゲーム開発においてどの部分でバグが発生しやすいのか、プログラマーはどんな仕事をしていてどんな課題があるのかを把握しやすいため、ゲームプログラマーとして転職する道もあります。
ゲームプログラマーは制作に直接関わるポジションであるため、ゲーム開発に情熱を持つ人にとっては魅力的なキャリアパスです。
ゲームエンジニア
ゲームエンジニアとは、ディレクターやゲームデザイナーが作成したゲームシナリオや世界観などを仕様書に書き起こし、ゲームの開発をする職種です。プログラマーとエンジニアの区別があいまいなプロジェクトもありますが、プログラマーやデバッガーを取りまとめるポジションに当たります。
ゲーム開発に直接携わるだけでなく、進行管理や品質管理も行うゲームエンジニアは、一般的なシステムプログラマーやエンジニアへの転身も可能です。よりキャリアの選択肢を広げる意味でも、注目しておきたい職業です。
QAエンジニア
QAエンジニアとは、開発するプロダクトやサービスの品質保証(Quality Assurance)を担当するエンジニアを指します。開発した製品が仕様通りになっているかどうか、不具合や使いやすさなど品質を左右するポイントを洗い出し、テストの実施や結果の分析からフィードバックまで行います。
ゲームデバッガーもバグを洗い出すという品質を保つポジションであり、経験を活かせる職業です。QAエンジニアはゲーム業界に限らずIT全体で需要があるため、他分野への転身もできます。
ゲームデバッガーに関するよくある質問
ゲームデバッガーはゲーム業界を知る人なら耳にしたこともある職業です。一般的には年収が低い印象があるために「平均年収は?」「どういう職業?」などの質問がよく見られます。
また、デバッグ作業は根気や忍耐力が必要になる単純作業を繰り返すものです。深い専門知識がなくても目指しやすい職業ですが、「向き不向きはあるのか?」なども気になるポイントでしょう。
以下では、ゲームデバッガーに関するよくある質問に答えます。
Q1. ゲームデバッガーの年収はいくらですか
ゲームデバッガーの平均年収はレバテックキャリア求人によると、539.7万円です。国内平均年収と同じくらいの年収であり、特別高年収だという印象ではないのが実情です。
年代によっても年収に差がありますが、求人の中には1,000万円を超える案件もあるため一概に「ゲームデバッガーは年収が低い」といえません。個人の経験やスキル、企業や兼任する業務によって、年収は大きく左右されます。
Q2. ゲームデバッガーとはどういう職業ですか
ゲームデバッガーとは、ゲーム開発においてテストプレイを繰り返しプログラミングのバグを見つけ報告する職業です。ゲームの品質や故障を未然に防ぐために必要不可欠な仕事であり、ゲームの品質を保つ役割を持ちます。
ゲームデバッガーは主にゲームリリース前に業務が発生します。ゲーム開発にあたって大切な職業であるとともに、基礎的なゲーム開発スキルやプログラミングの理解だけで働けるため、ゲーム業界のキャリアスタートにも選ばれやすいです。
Q3. ゲームデバッガーに向いている人は
ゲームデバッガーに向いている人は、
-
・忍耐力や集中力がある人・さまざまなジャンルのゲームがプレイできる人
・ゲーム開発に興味があり基礎基本のスキルと知識がある人
・チーム内で円滑にコミュニケーションがとれる人
などが挙げられます。
ゲームデバッガーはゲームをプレイしますが、決してゲームを上手くプレイする必要はありません。ユーザー視点に立ち、注意深くバグを見つけられる人が向いているといえます。
まとめ
ゲーム内のバグを見つけ、ゲーム制作の品質を保つゲームデバッガー。企業やプロジェクト規模によってはアルバイトや依頼によってデバッガーを担保することもありますが、ゲームデバッガーのポジションは開発に必要不可欠です。
「年収が低い」と思われがちですが、平均年収と変わらず個人の経験やスキルの有無によって大きく左右されるといえます。キャリアパスが豊富にあり、ゲーム業界に関わらず活躍できる経験が積める職業として、ゲームデバッガーを目指してみてはいかがでしょうか。
レバテックキャリアに相談してみる