PHPでできること一覧!転職で必要なスキルや学習方法も解説

最終更新日:2024年10月24日

PHPは、主にWebアプリケーション開発に用いられるプログラミング言語です。PHPがどのような用途でアプリケーション開発やシステム開発に利用されているのかを知ることで、PHPエンジニアに求められるスキルを把握できます。本記事では、PHPでできることや、PHPエンジニアに必要なスキル、PHPエンジニアになるためのポイントについて解説します。

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この記事のまとめ

  • PHPは主にWebアプリケーション開発に用いられる言語で、サーバーサイドの開発を得意としている
  • PHPはWebシステムでのシェアが大きく、WordPressだけでもWebサイト全体の40%以上を占める
  • PHPはWebのフロントエンドの開発やデータベースの構築には適していない
  • HTML、CSS、JavaScript、SQLなどとセットでスキル習得すると一人でWeb全体の開発ができるようになる

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PHPとは

PHPはオープンソースの汎用スクリプト言語です。HTMLに埋め込めることから、特にWebアプリケーション開発に適しています

PHPの構文の多くは、C、Java、Perl言語からの転用であり、文法がシンプルなため、習得しやすいと言われています。

動的なウェブページをWeb開発者が速やかに作成できることを主な目標として開発されたPHPですが、それだけにとどまらず、様々な用途に活用可能です。

関連記事:PHPとは?できることやメリットをわかりやすく解説

PHPで作られたサービス

PHPで作られた有名なサービスとして、以下が挙げられます。

  • ・WordPress

    ・facebook

    ・Wikipedia

    ・ぐるなび

    ・ココナラ

    ・Slack

いずれも有名サービスで、PHPを主軸に開発されています。SlackはJavaのコードもわりと含まれているようですが、主軸はPHPです。またSlackの機能的には、Javaを使用せずにPHPですべての主要機能を実装することも可能です。

一部Javaのライブラリなどの方が利便性が高かったため、Javaを使用したか、もしくは開発メンバーの中にJavaが得意な人がいたためにJavaも使用したと考えられます。

関連コミュニティやカンファレンス

PHPはユーザが多いことから、コミュニティやカンファレンスが多くあります。以下に代表的なものを紹介します。

日本PHPユーザ会

日本PHPユーザ会は、PHPに関するコミュニティです。PHPの開発促進、PHPに関する情報の収集と公開、PHPユーザ相互の技術的・人間的交流などを目的とし、PHP開発者とユーザの有志により活動が行われています。

PHP Conference

PHP Conferenceは、国内最大級のPHPイベントです。毎年秋から冬にかけて開催されており、PHP Conference 2023は、10/8に開催されました。発表内容のスライドと動画が公開されているため、気になるトピックやセッションがある場合に情報収集しやすいことが特徴です。

PHPerKaigi

PHPerKaigi(ペチパーカイギ)は、PHPを利用している人、過去に利用していた人、興味がありこれからPHPを使いたい人が、技術的なノウハウを共有するためのイベントです。

PHPerKaigi2024は、3月7日〜3月9日の3日間で開催されました。PHP Conferenceと同様に、発表内容のスライドと動画が公開されているため、気になるトピックやセッションの情報を容易に得られます。

PHPの特徴・メリット

PHPは、さまざまな特徴やメリットを持つプログラミング言語です。主な特徴やメリットとしては、すぐに動作確認できることやシンプルに記述できることが挙げられます。

また、使用する環境を整えやすいことも大きな強みです。さらに、インターネット上での情報量が多いことも、PHPのメリットといえるでしょう。以下では、PHPの特徴・メリットについて解説します。

すぐに動作確認できる

PHPの特徴やメリットのひとつに、すぐに動作確認できることが挙げられます。これは、PHPがインタプリタ言語であるためです。

インタプリタ言語では、プログラムを一行ずつ機械語に変換しながら実行します。事前の一括コンパイルが不要となり、開発者はすぐにコードの動作を確認できます。この特徴により、PHPは効率的な開発を可能にしています。

シンプルに記述できる

PHPのメリットのひとつは、シンプルに記述できることです。他のプログラミング言語では、複雑な構文や厳密な規則が多く、記述するコードの量が増加するケースもあります。

一方で、PHPは比較的柔軟にコーディングできるプログラミング言語です。そのため、初心者でも扱いやすく、シンプルな記述でプログラムを作成できます

使用する環境を整えやすい

Webサイトやサービスを開発する際、使用する言語がサーバーに対応していることが重要です。PHPの大きなメリットは、ほとんどのレンタルサーバーにPHPがプリインストールされていることです。

これにより、サーバーを契約した時点で、すぐにPHPの実行環境が整います。プログラミング初心者にとって、言語の習得に加えて、環境構築にも時間を割くのは負担が大きいものです。

PHPではこの手間が省けるため、開発に集中できるという大きなメリットがあります。

関連記事:PHPの環境構築とは?Windows/Macの環境構築手順を解説

インターネット上での情報量が多い

PHPの強みのひとつに、インターネット上での情報量が多いことが挙げられます。Web開発などで広く使用されている言語であるため、インターネット上には膨大な数の解説記事やチュートリアルが存在します。また、書籍も数多く出版されているため、学習リソースに困ることはありません。

これらの情報源から、サンプルコードや関数の使い方、トラブルシューティング、最適化テクニックなど、さまざまな情報を簡単に入手できます。ただし、情報を参考にする際には、情報が最新版に対応しているか確認するようにしましょう

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PHPでできること一覧

PHPでできること

PHPは、さまざまな場面で活用されているプログラミング言語です。具体的には、SNSサービス制作やECサイト・ブログ・掲示板サイト制作、Webサイト制作などが挙げられます。

また、PHPは社内システムの構築にも活用されるケースは少なくはありません。さらに、広告配信システム開発やWebアプリケーション開発、そしてバックエンド開発でもPHPは使われています。本章では、PHPでできることを詳しく解説していきます。

SNSサービス制作

PHPはSNSサービス制作に使用されることも多いです。PHPで制作するのはSNSのサーバーサイド側の処理です。具体的な機能としては、ユーザー登録・削除・更新、チャット、ログインなどが挙げられます。

ECサイト・ブログ・掲示板サイト制作

ECサイト・ブログ・掲示板サイトなどもPHPで開発されることが多いです。ECサイトの場合は、会員登録・削除・更新、商品購入、決済、売上管理などの機能を実装できます。ブログはECサイトよりも機能が少ないため、開発難易度は低いです。

また、WordPressのようなCMSもPHPで開発されることが多いです。PHPで作られたCMSは、PHPでカスタマイズできます。掲示板サイトもブログなどと大部分の機能は同じなので、PHPで実装可能です。

Webサイト制作

ブログとほとんど同じですが、個人ブログのようなものではなく、企業用のWebサイトなどもPHPで実装可能です。企業用のWebサイトの場合は個人ブログよりも多少複雑な処理が必要な場合もありますが、それもPHPで実装できます。

入力フォームの実装

まずWebサイトの代表的な機能として、入力フォームが挙げられます。PHPではECサイトくらい機能性や精度が求められるシステムも作れるので、入力フォームくらいであれば容易です。

ただしPHPはサーバーサイドの処理がメインなので、入力フォームの表面部分はHTML、CSSで作るのが一般的でしょう。そしてJavaScriptで入力されたデータを渡し、PHPで処理して返すイメージです。

予約システムの実装

予約システムもPHPで問題なく実装できます。ECサイトの機能でもあるものなので、Webサイトの予約システムも当然PHPで実装可能です。

入力フォーム同様に、フロントエンド側の処理をサーバーサイドに渡し、そこからPHPで作ったプログラムが処理を行います。また予約システムはデータベースの処理も必須なので、PHPでデータベースと連携する部分も作ります。データベースの処理はSQLで作るのが一般的です。

グループウェアシステムの開発

グループウェアシステムとは、参加しているメンバー間でスケジュールなどを共有するシステムのことです。グループウェアシステムも比較的シンプルな機能の集まりなので、PHPでの開発に向いています。

検索機能

検索機能は、GoogleやYahooなどの検索エンジンが代表的です。これらの検索機能もPHPでの実装が可能です。検索エンジンだけでなく、ECサイト内やWebサイト内にも検索機能は必要なので、検索機能部分も含めてPHPで実装できるということです。

動的なWebページの作成

動的なWebページもPHPを使って作成可能です。HTMLのコードに、PHPのスクリプトを直接埋め込むことで、動的なWebページを生成できます。

例えば、データベースから情報を取得し、リアルタイムでWebページに反映させることも可能です。このように、PHPは動的なWebサイトを構築したい開発者にも役立つプログラミング言語といえるでしょう。

画像生成・処理

PHPでできることのひとつに、画像生成・処理が挙げられます。PHPを使えば、リアルタイムでグラフを作成したり、画像のサイズを変更したりすることが可能です。

さらに、さまざまなフィルタを適用して画像を加工することもできます。すなわち、PHPはテキストベースの処理だけでなく、多様な画像処理をこなせる能力を備えています。

社内システムの構築

社内システムがPHPで構築される場合もあります。システムの内容にもよりますが、比較的軽量なシステムはPHPが選ばれることが多いでしょう。基幹システムでデータ量も膨大になるような場合は、別の言語が採用されるケースが多いです。

バッチ処理の作成

バッチ処理とは、データの取得から処理の実行までをまとめたプログラムのことです。比較的軽量なシステムになっている場合が多いでしょう。バッチ処理はいろいろな言語で作成されますが、軽量なプログラムの作成に向いているPHPはバッチ処理との相性も良いです。

広告配信システム開発

Web上で広告をよく見かけますが、広告配信システムによって広告が表示されています。同じ広告を表示するだけでなく、ユーザーの検索履歴などから情報を収集し、最適な広告を表示するような仕様になっている場合が多いでしょう。こういった広告配信システムもPHPで実装できます。

Webアプリケーション開発

PHPが主に利用されるのはWebアプリケーション開発です。Webアプリケーションの例として、ECサイトやCMS、SNSサイトなどが挙げられます。PHPでは、豊富なフレームワークを活用して開発効率を高め、Webアプリケーション作成に必要な各機能を実装することが可能です。以下に代表例を挙げます。

関連記事:PHPフレームワークとは?主要なフレームワークや学習方法も解説

ログイン・ログアウト機能

PHPフレームワークによっては、ECサイトやCMS、SNSサイトに必要となるログイン・ログアウト機能を実装する機能があります。例えば、Laravelには、標準で用意されているコマンド php artisan make:authを用いることで、ログイン・ログアウトなどの認証機能を実装できます。

CRUD操作

ECサイトには、商品を選択してカートに保存する機能が必要です。SNSサイトには、お気に入りの投稿を保存する機能が欠かせません。これらは、いずれもデータを保存する機能です。

また、Webアプリケーションを実装する際には、保存だけではなく、参照や作成、削除の機能もセットで必要であり、これらをまとめてCRUD操作と呼びます。

CRUD操作は、フレームワークの機能を用いることでシンプルに実装可能です。例えば、Symfonyのmakeコマンドを活用すれば、CRUD操作を行うメソッドを持つControllerを作成できます。

バックエンド開発

バックエンド開発においても、PHPは活用されています。Webアプリケーションをはじめとする、さまざまなシステムの裏側で、PHPが活躍しています。具体的には、一定量のデータを一括処理するバッチ処理や他のシステムと連携するためのAPI開発などに用いられています。この汎用性の高さが、PHPが人気になる一因といえるでしょう。

バッチ処理

バッチ処理とは、一定量のデータを一括処理することです。例えば、日次で蓄積されたデータを、日付が変わったタイミングで集計処理を行ったり、日中の時間帯に予約された処理を夜間に一括で反映させたりできます。

対象データを取得する機能や、データ更新を行う機能については、Webアプリケーションに必要なCRUD処理を用いて実装可能です。

API

APIは「Application Programming Interface」の略であり、アプリケーションやシステム内での情報参照やデータの更新要求を受け付けて処理を実行します。例えば、顧客情報を管理しているシステム内で、顧客情報を参照するAPIを用意しておけば、ECサイトなどの顧客情報を表示する処理を行いたいタイミングでAPIを利用できます。

フレームワークの機能を活用すれば、よりシンプルにPHPを用いたAPIの実装が可能です。例えば、Laravelを用いる場合、make:controllerコマンドを使ってControllerファイルの枠組みを作成し、作成、参照、更新、削除のメソッドの枠組みを用意できます。そして、メソッドの枠組み内に必要なロジックを記載し、エンドポイントの設定を行うことで、シンプルなAPIが完成します。

PHPエンジニアの求人情報から読み取れるPHPの活用法

2024年6月時点で、レバテックキャリアのPHPの求人・転職情報件数は4,464件です。PHPの求人情報から読み取れるPHPエンジニアの業務内容や、開発対象となるアプリケーションの種類は以下のとおりです。Webアプリケーション開発に多く用いられるPHPですが、その内容にはさまざまなものがあります。

  • ・CRM

    ・宿泊予約サイト

    ・学習ポータルサイト

    ・ビデオストリーミングサイト

    ・データマネジメントプラットフォーム(広告)

    ・SMARTサブスクリプション開発

    ・キャッシュレス決済プラットフォーム

    ・採用サイトCMS

    ・不動産メディア(自社サイト)

    ・電子コミックサイト

    ・音声サービス

    ・タレントマネジメントシステム

    ・マッチングサービス

    ・採用支援サービス

    ・メール配信サービス

PHPは、ECサイトやCMSといった用途に限定されず、音声配信や映像配信や書籍の販売、旅行、決済、採用支援、人事支援など様々な分野のアプリケーション開発に用いられています。

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PHPが苦手なこと・できないこと

PHPは幅広いシステム開発ができますが、万能ではありません。PHPが苦手なことやできないことには、デザインやシステムの土台作りが挙げられます。また、機械学習やデータ分析もPHPは苦手です。

さらに、組み込みやIoT開発にもPHPは向いていません。そして、デスクトップアプリやスマホアプリの開発も難しいと考えていいでしょう。本章では、PHPが苦手なことやできないことを解説します。

デザイン

PHPはサーバーサイドの言語なので、基本的にフロントエンドの実装は苦手です。特にHTMLやCSSで実装するような表面のデザインはPHPで実装できません。

システムの土台作り

システムの土台というのは、OSなどのレイヤーを指します。PHPはOSのようにシステムの土台となる開発には向いていません

UNIX系、MacOSなどはC言語をメインに開発されています。Windowsも大部分がC言語で、一部C++で書かれているところもあります。

機械学習やデータ分析

機械学習やデータ分析は不可能ではありませんが、PHPはそのような用途を前提としていないため、フレームワークやライブラリが用意されていません。

つまり機械学習やデータ分析をPHPで行う場合、土台から自分でプログラミングする必要があるということです。機械学習やデータ分析は、Pythonが使われるのが一般的でしょう。

組み込みやIoT開発

組み込みやIoT開発も、機械学習やデータ分析同様にPHPで実装されることは少ないです。不可能ではありませんが、フレームワークやライブラリなどに機能が用意されていません。また、環境構築も特殊になります。

デスクトップアプリやスマホアプリの開発

デスクトップアプリやスマホアプリの開発でPHPが使用されることは少ないですが、言語仕様上可能です。特にWebアプリのデスクトップ版やスマホアプリ版を開発する場合、そのままPHPのコードを流用するようなことがあります。

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求人内容から見るPHPエンジニアに必要なスキル

PHPエンジニアには、さまざまなスキルが求められます。本章では、レバテックキャリアの求人内容から、PHPを取り扱う企業がPHPエンジニアにどのようなスキルや経験を求めているのかを考察します。PHPエンジニアに求められるスキルを、求人内容から知ることで、将来のPHPエンジニアへのキャリアチェンジに役立つでしょう。

関連記事:PHPエンジニアとは?仕事内容や平均年収、求められるスキルを解説

PHPエンジニアに求められるスキルや経験

まずPHPエンジニアに求められるのは、プログラミング言語などの技術要素を取り扱えるスキルです。これらのハードスキルは、必要なレベルを表現しにくいため、求人情報では経験年数が指定されているケースが多く見られます。もしくは、「(なんらかのプログラミング言語)を用いた開発経験」と記載されていることもあります。

PHPエンジニアに求められるソフトスキル

求人情報からは、PHPエンジニアに求められるソフトスキルも読み取れます。多くの場合ソフトスキルは、必須条件には入っておらず、求めるマインドとして記載されています。以下は、ソフトスキルの代表例です。

  • ・顧客目線を持つこと

    ・他メンバーを巻き込む力

    ・提案力

    ・開発に対する前向きな姿勢

これらのソフトスキルからは、より自走できる人材が求められていることがわかります。特に技術進化のスピードが早い現代においては、最新の技術トレンドを能動的にキャッチアップする姿勢が欠かせません。

また業務に関しても、より良い方法を自ら模索し、求められた以上の貢献を考えて行動できる人材が求められるでしょう。顧客目線でより便利なシステムやアプリケーションを作るスキルや、周りのメンバーを巻き込んで改善活動を遂行する力などが必要です。

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PHPの学習方法

PHPを習得するには、いくつかの段階を経て学習することが重要です。まず、HTMLとCSSの基礎を理解するようにしましょう。

HTMLとCSSの基礎が理解できたら、PHPの基本文法を習得します。そして、簡単なWebサイトやアプリを作ってみることで、さらに理解度を深めていきます。

本章では、PHPの学習方法のステップやおすすめ書籍などについて解説します。

関連記事:未経験からPHPエンジニアになるには?学習のメリットも解説

ステップ1:HTMLとCSSの基礎を理解する

HTML、CSSはWebアプリのフロントエンドを開発するための言語です。フロントエンドの中でも特にデザインを中心に作成します。

PHPはサーバーサイドの言語なので、HTML、CSSと組み合わせればフロントエンドもサーバーサイドも開発できるようになります。厳密に言えば、フロントエンドとサーバーサイドをつなぐJavaScriptもできるとより良いです。

フロントエンドの方がハードルが低いので、PHPの前にHTML、CSSから始めるのがおすすめです。

ステップ2:PHPの基本文法を習得する

HTMLとCSSを通してプログラミングというものに慣れたら、PHPの基礎学習に入ります。HTMLとCSSはデザインを作る言語なので、ロジックのようなものはありません。

PHPになってはじめて、ロジックを考えてプログラミングすることになります。条件分岐、繰り返し、四則演算、文字出力などの基本処理はPHP以外の言語でも使用するので、プログラミングの基礎を学べます。

ステップ3:簡単なWebサイトやアプリを作ってみる

HTML、CSS、PHPをある程度扱えるようになったら、簡単なWebサイトやアプリを作ってみると良いです。ここではまだオリジナルのものを作る必要はなく、教材として用意されているものを真似して作るのがおすすめです。

ただし基礎ができていればどこをどう書き替えれば結果が変わるかがわかるので、少しだけアレンジを加えてみると楽しみながらより実践的なスキルが身につきます

学習におすすめの書籍

PHPの習得を目指す方にとって、書籍は学習に役立ちます。市場には数多くのPHPに関連する書籍が出版されています。以下では、その中でもPHPの学習に役立つおすすめの書籍を紹介します。これらの書籍は、PHPの基礎から応用まで幅広くカバーしており、効果的に学習できるでしょう。

『独習PHP 第4版』(翔泳社、山田祥寛)

『独習PHP第4版』は、PHP8の基本構文からクラス、DB連携、セキュリティ対策まで、必要な項目を習得できる内容です。文法の解説、例題、練習問題という構成になっているため、理解した文法をプログラミングに活用する練習にも役立ちます。

また、オブジェクト指向についても言及されており、プログラミング言語と併せて理解を深められます。

『PHPフレームワーク Laravel入門 第2版』(秀和システム、掌田津耶乃)

『PHPフレームワークLaravel入門第2版』は、PHPと併せて、2022年現在の主要なPHPフレームワークの1つであるLaravelを学べる書籍です。Laravelのインストールから、フレームワークの中心となるModel-View-Controller(MVC)の使い方、開発に役立つ各種機能までをわかりやすく解説しています。

第2版では、新しいディレクティブ(@csrf/@error)、バリデーションルール、Bootstrapによるぺージネーションリンク、Auth(Laravel/uiパッケージ)の使い方などの項目が追加されています。

関連記事:PHPフレームワークとは?主要なフレームワークや学習方法も解説

『PHP本格入門[上]~プログラミングとオブジェクト指向の基礎からデータベース連携まで』(技術評論社、大家正登)

『PHP本格入門[上]』は、PHPの基礎知識を持っている人を対象とした書籍で、基礎レベルから実践レベルへの架け橋となるような内容です。目的に合うプログラミング記述を考えたり、可読性を向上させたりするためのアプローチ方法など、より実践的な知識を身につけられます。

業務に求められる品質を理解するために活用するとよいでしょう。上下巻に分かれており、上巻は基礎文法やオブジェクト指向から、Webアプリケーションとデータベース連携までを解説しています。

『PHP本格入門[下]~オブジェクト指向設計、セキュリティ、現場で使える実践ノウハウまで』(技術評論社、大家正登)

『PHP本格入門[下]』には、上巻で取り扱った基礎内容を踏まえて、より実践的な内容が記載されています。

PHPの文法要素が使われやすい用途や目的、コーディング規約や可読性の高いプログラミング作法、変更や拡張を見越した独立性の高いオブジェクト指向設計、品質を見えるようにするためのプロファイリングやデバック手法、自動テストやリファクタリング手法などを解説しており、業務レベルで実践的な内容を取り入れたい経験者向けの一冊です。

関連コミュニティやカンファレンスなどのイベントを活用する

書籍を用いた学習方法以外に、関連コミュニティを活用する方法もあります。PHP Conferenceや、PHPerKaigiなどの年次で開催される大規模なカンファレンスでは、PHPを利用しているエンジニアのノウハウや、実際の業務での体験談、失敗談などを聞けるでしょう

これらは、書籍を用いたPHPの学習だけでは知ることができない貴重な情報です。関連コミュニティやイベントは、PHPの理解度を網羅的に高める目的ではなく、自身の業務に取り入れたい考え方を探したり、業務改善アプローチのヒントを見つけたりする目的で活用するとよいでしょう。

PHP技術者認定機構の認定スクールで学ぶ

PHP技術者認定機構とは、PHP技術者の育成、推進を目的とした団体です。そして、プログラミングスクールは一定の条件を満たすとPHP技術者認定機構から認定を受けられます。

PHP技術者認定機構から認定を受けているプログラミングスクールの方がPHP学習により良いと考えられるので、スクール選びの一つの基準になります

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PHPエンジニアに転職する際のポイント

PHPエンジニアに転職する際には、いくつかのポイントを把握することが重要です。まず、自身の転職理由を求人情報の内容とすり合わせて明確にするようにしましょう。

また、PHPエンジニアの業務に活かせる経験やスキルをアピールすることも大切です。本章では、PHPエンジニアに転職する際に押さえておきたいポイントを解説します。

関連記事:
PHPエンジニアの転職事情 - 実務レベルの人材が不足中
PHPエンジニアの年収はどのくらい?フリーランスの単価相場も紹介

自身の転職理由を求人情報の内容とすり合わせて明確にする

まずは、自身の転職理由を明確にします。また、転職理由がすでに明確な場合は、自身の転職の軸に合う求人かどうかを確認しましょう。

例えば、Webアプリケーション開発に携わりたいのか、オブジェクト指向のプログラミング言語を用いた開発経験を積みたいのか、フレームワークを用いた開発経験を積みたいのか、などによって選ぶべき企業は変わってきます。

これらの情報は求人情報から読み取れるため、自身の経験やスキルとすり合わせたうえで、検討を進めるとよいでしょう

PHPエンジニアの業務に活かせる経験やスキルをアピールする

PHPエンジニアの業務経験がなくても、PHPエンジニアになりたい求職者はいるでしょう。その場合、PHPエンジニアに転職した際に活かせる経験やスキルをアピールすることが必要です。

Webアプリケーションの開発経験を活かす

PHPの主な用途はWebアプリケーション開発です。そのため、PHP以外の言語を用いたWebアプリケーション開発経験がある場合は、プログラミング言語に違いがあったとしても、設計方法や考え方を活かせる可能性があります

これまでのWebアプリケーション開発経験を、転職後の業務にどのように活かせるかを説明できるとよいでしょう。

オブジェクト指向での開発経験を活かす

PHPを取り扱ううえで、オブジェクト指向の理解は欠かせません。これまでにオブジェクト指向のプログラミング言語を用いた開発経験がある場合は、PHPで作成された既存のソースコードへの理解を深めやすく、スムーズに習得できるでしょう。オブジェクト指向のプログラミング言語には、Ruby、Java、Python、JavaScriptなどがあります。

フレームワークの利用経験を活かす

フレームワークを用いた開発経験があれば、その対象がPHPではなくても転職の際にアピールできます。フレームワーク自体の基本的な構造を理解していれば、別のフレームワークの習得コストを抑えられるためです。

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PHPの需要と将来性

PHPはWeb開発における代表的なプログラミング言語です。そしてWebは今後も使われ続けるでしょう。たとえばWordPressは世界のWebサイトの40%以上を占めており、そのWordPressはPHPをメインに開発されています。言い換えれば、少なくともWebサイト全体の40%以上にPHPが使われているということです。

WordPressが使われていないWebサイトでもPHPで開発されているものは多いので、Webサイト全体のPHP率はさらに高いでしょう。PHPは現在需要があり、将来的にも需要は続くということです。

関連記事:PHPの将来性を検証!現状から今後の需要まで徹底解説

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PHPに関するよくある質問

本章では、PHPに関するよくある質問と回答を紹介します。PHPに関するよくある質問には、PHPを使う場面やできないこと、得意とすることなどが挙げられます。

これらのPHPに関するよくある質問と回答を理解することで、PHPの習得やPHPエンジニアへの転職などに役立てることができるでしょう。ぜひ、本内容を自身の成長に活かしてください。

Q1. PHPはどういうときに使いますか?

PHPはWebシステムのサーバーサイドの開発で使用する場合がほとんどです。もしくはWordPressのようにもともとPHPで作られたシステムの土台があって、カスタマイズなどでPHPを使用する場合もあります。比較的小規模なWebシステムで使われることが多く、扱いやすさが魅力的です。

Q2. PHPにできないことは何ですか?

PHPはフロントエンドのデザイン、OSのようなシステムの土台作りはできません。またフレームワークやライブラリがWeb開発を前提としているので、デスクトップアプリやスマホアプリ開発で使用するメリットもあまりありません。

Q3. PHPが得意とすることは何ですか?

PHPが得意とすることは、Webシステムのサーバーサイドの開発です。フレームワーク、ライブラリもWebシステムのサーバーサイドに特化しています。代表的なCMSや、有名なサイトにもPHPで開発されたものが複数あります。

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まとめ

PHPでできることは、Webシステムのサーバーサイドの開発です。SNS、CMS、一般的なブログ、凝ったWebサイトなどPHPで開発されているWebシステムは数多いです。機能も網羅的に開発可能で、入力フォーム、予約システム、検索機能、広告配信などの機能はゼロから実装しなくても、PHPのフレームワークやライブラリの機能を使えば一部実装するだけで済みます。

Webシステム開発で大きなシェアを占めているPHPは、今後も使われ続けるでしょう。Webシステムは今後も開発が続くからです。PHP以外のプログラミング言語が台頭している事実はあります。今後新たな言語が誕生し、Web開発で積極的に使用されるようになる可能性もあるでしょう。

しかしそれでもPHPのシェアの大きさを考えるとすぐになくなることはなく、またPHPのスキルを身に付ければ他のWeb系言語や今後新たに出てくるプログラミング言語にも対応できるはずです。そのため、複数の観点からPHPのスキルを身に付けるメリットは大きいでしょう。

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