AIエンジニアとは
AIエンジニアとは、AI(人工知能)を開発したり、AIでビッグデータの解析を行ったりするAIに関わる技術者のことです。最近では、さまざまな企業が「ディープラーニング(深層学習)」や「機械学習」などの技術を活用し、画像/音声認識・最適化・推論などのAIサービスを提供しています。
ここでは、AIエンジニアの種類やAIエンジニアの仕事内容、主な活躍領域について解説します。
関連記事:AIエンジニアとは?仕事内容やなるために必要なスキル、年収を解説
AIエンジニアの種類
AIエンジニアは、主に「機械学習エンジニア」「データサイエンティスト」「データアナリスト」の3つの職種を指します。それぞれの違いを以下の表で確認しましょう。
機械学習エンジニア | ・データ収集、データクレンジング、モデルの実装など開発を主に行う ・開発後の運用、保守も仕事内容に含まれる |
データサイエンティスト | ・データ収集、データクレンジング、データ分析を行う ・データの 特徴を把握するための分析がメインで、 JSONやcsvなど処理しやすいファイルに書き換えるのも仕事内容に含まれる |
データアナリスト | ・データを分析し、課題の洗い出しや解決提案などを主に行う ・データサイエンティストよりも幅広い分析を行い、 営業や企画などコンサルティング能力が重視される傾向にある |
AIエンジニアの仕事内容
AIエンジニアの仕事は大きく分けて、「AI開発」「学習」「分析」の3つのステップに分類されます。詳しい業務内容や担当範囲は、所属する企業やチーム、担当プロジェクトなどによって異なりますが、AIエンジニアの基本的な業務は共通しています。以下でそれぞれの仕事内容について詳しく解説していくので、参考にしてみてください。
AI開発
AIエンジニアのメイン業務は、AIアルゴリズムの開発・実装です。AIを活用したシステムにおいて適切に処理するように、システム処理や実装、テストを通してシステム開発を進めます。特に声認識や画像認識などの機能を備えたAIを作る際には、ユーザーや機器に合った仕様に仕上げることも、AIエンジニアの重要な業務の一つです。
AIエンジニアは、機械学習モデルを構築するプログラムをまとめたライブラリを活用します。たとえばKerasやTensorFlow、PyTorchなどです。また、AI開発ではPythonが主流です。Pythonは豊富なライブラリやフレームワーク、シンプルな構文を備えており、機械学習モデルの開発に適しています。しかし、一部のプロジェクトではRやC++などほかの言語も活用されています。
学習
AIの開発後は、AIにデータを入れて精度を上げていく「学習」へ進みます。学習とは、作成したAIにデータを与えてデータの特徴や傾向を学習させる作業です。
AI開発段階ではタスクに応じたモデルを作成します。ただし、モデルを作成するだけでは行いたいタスクに対応できないため、学習が必要です。ちなみに、学習するデータに正解を含める場合を「教師あり学習」、正解を含めず傾向を探る方法を「教師なし学習」といいます。一般的に同じ学習データ、学習量の場合は教師あり学習の精度のほうが高いので、AIエンジニアは正解データ(教師データ)を生成できないかも検討します。
分析
AI学習の後は「分析」を行います。分析とは、AIが学習データを基に適切にパターンを取得できたかの確認したり、パターンを取得できていない場合は精度向上の方法を検討したりする作業です。
学習できていない場合は、与える学習データを増やす、事前に処理して傾向を掴みやすくする、データを複製して傾向を顕著にするなどの方法があります。開発したAIが正常に動作しているか、正常に動作するためには何を学習させるべきかなどを適切に判断する必要があるため、多くの知識や経験が必要な作業です。
AIエンジニアになるには?キャリアプランと方法
AIエンジニアになるためには、ITエンジニアとして経験を積んで、AIエンジニアにキャリアを進める方法が一般的です。AIに関する知識はもちろん、開発に必要なプログラミングスキルやIoTの知識など、専門的な知識が必要なため、IT業界未経験からの転職は非常に難しいでしょう。
ただし、専門学校や大学などで情報科学やデータサイエンスの分野を学び、知識がある人は業界未経験でも転職に有利に働く可能性があります。
以下では、AIエンジニアを目指すためのキャリアプランやなるための方法について解説していきます。
参考記事:未経験でAIエンジニアになるには?求人例や年収、資格やスキルも紹介
AIエンジニアを目指すためのキャリアプラン
AIエンジニアを目指すためには、ITエンジニアの経験者と未経験者でプランが異なります。IT業界やエンジニア業を経験していない場合、まずは他業種からITに携わることが推奨されます。
また、エンジニア経験者はAIで使われる言語や業界知識を学習しながら、自分の求める分野を見極める必要があるでしょう。
IT業界・エンジニア経験者の場合
ITエンジニアの経験者がAIエンジニアを目指す場合、比較的明確なキャリアプランがあります。まずは、AIエンジニアのことをよく知り、プログラミング系またはアナリティクス系のどちらのAIエンジニアを目指すかを決めましょう。
どちらを目指したいかによって、習得すべきプログラミング言語や経験が変わります。選ぶ分野によってどのようなことをするべきか以下にまとめてみました。参考にしてみてください。
プログラミング系AIエンジニアを目指す場合
・AIでよく使うPython・Rなどのプログラミング言語のスキルを身につける
・プログラミングに関するさまざまなスキル習得、経験を積む
アナリティクス系AIエンジニアを目指す場合
・アナリティクス系のスキルを身につける
IT業界・エンジニア未経験者の場合
ITエンジニア未経験者にとっては、AIエンジニアへの転職はかなりハードルが高いですが、不可能とは言い切れません。大学やスクールで高度なスキルを習得している場合や、独学で必要な知識を身につけている場合は、転職できる可能性があります。また、他業界でアナリストや研究職の経験があれば、AIエンジニアになれる場合もあるでしょう。
しかし、一般的にはITエンジニアへ転職してから、AIエンジニアを目指すことが多いです。時間はかかりますが、プログラマーやエンジニアとして経験を積んだ後に、Python・R言語などを習得して、AIエンジニアを目指すほうが確実といえます。
AIエンジニアになるための方法
AIエンジニアになるには、自社のAIエンジニアを募集している部門に異動するケースや、他社の求人に応募するケースが考えられます。また他社へ転職する際、経験の有無によっても、とるべき方法が変わります。自分に合った方法を検討するのが良いでしょう。
ここではAIエンジニアになるためのおすすめの方法について、状況別に紹介していきます。
社内のデジタル部門やDX部門に異動する
近年、さまざまな会社でデジタル化やDXが推進されています。そのため、現在所属している会社で、AIエンジニアを募集しているケースがあるでしょう。環境をさほど変えずに、AIエンジニアを目指すことができるため、部署移動は有力な方法といえます。しかし、その場合でもAI関連の知識やスキルが必要なことに変わりありません。普段からスキルを磨いておく必要があります。
転職エージェントを活用して転職する
AIエンジニアはITエンジニアのなかでも高い需要があり、多くの求人情報があります。自分に合った企業を見つけるためにも、転職エージェントの利用を検討しましょう。希望に合った求人を紹介してくれるので、効率的に転職活動を進めることができます。
また、転職エージェントは、履歴書の書き方や職務経歴書の添削、面接のアドバイスなども行ってくれるため、自分の強みや弱みが明確になり、スキルを整理できます。
大学で情報科学やデータサイエンスを学んでいると有利
転職エージェントを活用したとしても、未経験でAIエンジニアに転職するのはかなり狭き門と考えておいたほうが良いです。ただし、AIエンジニア未経験でも、AI関連の学部を専攻をしていたり、膨大なデータを扱う経験があったりすると、転職に有利に働く傾向があります。
とはいえ、AIエンジニア未経験者やAIの経験が浅い人はまず知識・スキルを積まなければなりません。書籍やオンラインを使って独学で勉強したり、資格を取ったりする方法がありますが、確実なのはスクールに通う方法です。コストはかかりますが、プロの講師によるサポートと専門カリキュラムによって、確実かつ短期間で知識・スキルを習得できるでしょう。
未経験からAIエンジニアを目指すステップ
ここでは、ITエンジニア経験者でAIエンジニアは未経験の人の場合のステップを紹介していきます。
AIエンジニアを目指すには、AI開発に関する知識を身につけ、実践を通してスキルを磨いていきましょう。資格取得を目指して勉強することも有効です。自分でAI開発やAI開発環境の構築ができるようになったところで、未経験可の求人を探し、応募してみましょう。
以下では、具体的なステップについて解説していきます。
AI開発の基礎を学ぶ
AIエンジニアに必要なこととして、まずはプログラミングの基礎知識を身につけましょう。ひと口にプログラミングといっても幅広い分野であるため、網羅する必要はありません。データ分析手法やフレームワークなど多種多様なものについては、代表的なものに絞り学習するのがおすすめです。
PythonやSQLの基本文法を押さえるなど、AIエンジニアがよく使う言語の基礎を学びましょう。
AI開発環境を構築する
プログラミングスキル、データベースの運用スキルは、基礎を学んだだけではなかなか身につけられません。学習した言語を実践するために、AI開発に必要な環境構築をしてみましょう。
「Pythonの開発環境」「データベース管理システム」の導入は、AIエンジニアの基本ともいえます。データベース管理システムにはさまざまなものがありますが、無料で使いやすいシステムを選ぶと実践しやすいでしょう。
練習問題を解いてみる
環境構築ができたら、知識を活用できるスキルを身につけるために実践を行いましょう。
実践的なスキルを身につけるためには、練習問題を解いてみるエンジニアが多いです。Pytho、SQLの文法に関連する練習問題を解き、慣れてきたらAI開発により特化した練習問題を解くのがおすすめです。
Tech-Joho.infoでは、Pythonの練習問題を提供しています。重要度の高い文法に関した問題があるため、実務でも役立つ知識を身につけられます。
AIエンジニアの仕事に役立つ資格を取得する
AIエンジニアを目指す上で、基礎的な知識を身につけるために資格取得を目標に設定する人もいるでしょう。
AIエンジニアになるために必須資格はありませんが、資格は転職や就職の際に自分のレベルを第三者に示す分かりやすい指標になります。自分の目的とレベルにあった資格を取得してみましょう。AIエンジニアに関連する資格については後の章で紹介するので、参考にしてみてください。
未経験可のAIエンジニアの求人に応募する
知識を身につけたら、未経験可のAIエンジニアの求人を探します。
仕事をしながら求人を探す場合、ITエンジニアに特化したエージェントを活用するのがおすすめです。AIなど最新技術を扱う求人が豊富である、希望のキャリアを叶えるために必要なスキルなどを提言してくれるなど、キャリアサポートが充実したところを選ぶと効率的にAIエンジニアに転職できる可能性が高まります。
AIエンジニアの求人・転職情報>
AIエンジニアに求められる知識・スキル
AIエンジニアはプログラミングスキル以外にも多岐にわたる知識や経験を求められます。主にどの分野に携わるAIエンジニアになりたいかにより、必要なスキルは変わるため、検討しておくのが良いでしょう。
ここからはAIエンジニアに要求される知識や経験を「プログラミング系」「アナリティクス系」「共通」の3つの領域に分けて紹介します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
関連記事:AIエンジニアの年収は?傾向や年収アップの方法を解説
プログラミング系・アナリティクス系共通
プログラミング系・アナリティクス系に関わらず、AIエンジニア全般に求められるのは、AIを構築する知識やロジカルシンキング、数学的知識などです。
仕事内容によって活用できるスキルは異なりますが、これらのスキルはAIエンジニアになるには身につけておく必要があるでしょう。以下で詳しく解説します。
ディープラーニング・機械学習の知識
AIエンジニアには、ディープラーニングや機械学習の知識が必要です。ディープラーニングは画像・音声の認識で多く使われ、機械学習はさまざまな業務データの分析で用いられます。AIではこれらの技術をシステムに組み込み、今までできなかったような分析や予測などを行います。
論理的な思考力
AIエンジニアは、正確な情報を得るために、目の前にあるデータや情報から傾向やパターンを冷静に分析しなければなりません。そのため、主観や経験などの感覚的な思考ではなく、物事を順序だてて判断するロジカルシンキングが重要になります。
Pythonの知識・スキル
ほとんどのAI開発ではプログラミング言語のPythonが使われるため、AIエンジニアにはPythonのプログラミングスキルが必須とされます。Pythonは、数値計算や統計計算、グラフ描画などの機能を持つライブラリがあり、AIとの相性が良い言語です。また、コーディングしやすく比較的習得しやすい特性もあります。
数学の基礎知識
AIでは大量のデータを数学に基づいたプログラムで解析するため、数学の基礎知識が必要です。膨大な学習データを分析しAIに効果的に学習させるためには、適切な解析方法を選ばなければなりません。そのような判断をする上でも数学知識が求められます。
プログラミング系
プログラミング系とは開発を主に行うAIエンジニアであり、ライブラリの知識や基礎的なコーディングスキルから、AIに特化したプログラミングスキルまで幅広い技術を網羅する必要があります。
以下では、プログラミング系のAIエンジニアに求められるスキルを紹介していきます。
クラウドライブラリの知識・スキル
近年、「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」「Amazon Web Services」といった、米国のメガITといわれる企業のクラウドサービスがAIツールを提供しています。
これらのサービスを使うと容易かつ効率的にAIを活用したサービスを開発できます。
アナリティクス系
アナリティクス系のAIエンジニアは、AIを用いたデータ分析や分析結果を基にした戦略の策定を行います。そのため、アナリティクス系のAIエンジニアになるには、トレンドリサーチ力や実証実験を行うスキル、分析・レポーティングスキルが必要です。
以下では、これらのスキルについて詳しく解説します。参考にしてみてください。
最新事例や技術のリサーチ力
AIの技術は日進月歩のため、最新情報を常にチェックし、いち早く取り入れることが重要です。AIが実際に社会のどのようなシーンで活用され、どのような成果が出ているか知っておくと良いでしょう。さまざまな事例を知っておくことで、顧客の課題に対して適切にAIを活用できます。
実証実験に関するスキル
アナリティクス系のAIエンジニアには、実証実験を行うスキルが必要です。実証実験は通称PoC(Proof Of Concept)といわれます。今までAIを適用したことのない分野にAIを実装・運用する前に、効果が出るかどうかを実証するための小さな規模の実験を行う必要があります。
AIは小さな範囲にテスト的に適用してみて、効果をみながら徐々に範囲を拡大させるのが一般的であるため、実証実験に関するスキルは持っておいたほうが良いでしょう。
データ分析・レポーティングスキル
アナリティクス系のAIエンジニアはAIを活用して得た分析結果を基に、企業の課題を解決するのが仕事です。そのため、AIを駆使してさまざまな角度でデータを分析するスキルと、分析結果を使って顧客に経営課題解決を提言するレポーティングスキルが必要とされます。
関連記事:AIの勉強方法は?勉強するメリットやロードマップを解説
AIエンジニアになるために役立つ資格
AIエンジニアに要求される知識や経験は多岐にわたるため、関連する資格も非常に多いです。特に初心者や別領域のエンジニアから転職する場合は、資格を取得すると効果的でしょう。ここからはAIエンジニアになるために役立つ資格を紹介します。さまざまな分野やレベルの資格があるので、目的に合った資格を選ぶと良いでしょう。
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・G(ジェネラリスト)検定
・E(エンジニア)資格
・統計検定
・Pythonエンジニア認定試験
・画像処理エンジニア検定
・Professional Data Engineer
・AWS Certified Machine Learning - Specialty
・Microsoft Certified:Azure Al Fundamentals
以下では、それぞれの資格について詳しく説明していきます。
関連記事:AI関連の資格おすすめ15選!取得のメリットや勉強方法も解説
G(ジェネラリスト)検定
G(ジェネラリスト)検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が運用する、ディープラーニングをビジネスに活かすための知識を持っていることを証明する検定です。人工知能(AI)の定義や機械学習の手法、ディープラーニングの概要などについて基礎的な問題が問われます。2024年3月の試験では、合格率68.03%となっており、比較的挑戦しやすい資格といえるでしょう。
E(エンジニア)資格
E(エンジニア)資格は、G検定と同様に一般社団法人日本ディープラーニング協会が運用する、ディープラーニングを実装するエンジニアとしての技能を持っていること証明する資格です。試験内容としては、数学や機械学習の基礎だけでなく、ディープラーニングの応用問題も問われます。また、E資格を受験するには過去2年以内に認定プログラムを修了している必要があるため、注意が必要です。
統計検定
統計検定は、一般社団法人日本統計学会が認定する、統計に関する知識や活用法を有しているかを評価する全国統一試験です。種別としては統計検定1級~4級に加え、統計調査士の試験が2種、データサイエンスの試験が3種と幅広い範囲の試験を提供しています。
Pythonエンジニア認定試験
Pythonエンジニア認定試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している民間資格です。Pythonの文法や使い方、データ分析について理解していることを認定します。2024年7月現在では「基礎」「実践」「データ分析」の3つの試験が提供されており、2024年中には「データ分析実践」も実施される予定であることが発表されています。
また、試験公式サイトのスキルマップでは、AIエンジニアを目指す方は「基礎」→「データ分析」の順で取得することが推奨されているため、どちらも挑戦してみると良いでしょう。
画像処理エンジニア検定
画像処理エンジニア検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が実施する資格試験です。ベーシックとエキスパートの2つのレベルがあり、それぞれ画像処理に関する基礎知識、画像処理の知識に加えてシステム開発に応用する能力が問われます。パターン認識やディープラーニングに関する出題もあるため、AIエンジニアにとって役立つ資格といえるでしょう。
Professional Data Engineer
Professional Data EngineerはGoogleが運営する資格試験Google Cloud認定の1つです。データ処理システムの設計やデータ管理、取り込みなどについて問われる試験であるため、AIエンジニアの仕事に役立つでしょう。受験する際の必須条件はありませんが、Google Cloudを使用したソリューションの設計と管理の経験1年以上を含む3年程度の経験があると良いとされています。
AWS Certified Machine Learning - Specialty
AWS Certified Machine Learning - SpecialtyはAWS社が運営する資格試験AWS認定の1つです。クラウドにおける機械学習モデルの設計や構築などに関する知識が問われます。AWSクラウドでの機械学習やディープラーニングなどの1年以上の実践経験を持つ個人を対象としています。
Microsoft Certified:Azure Al Fundamentals
Microsoft Certified:Azure Al FundamentalsはMicrosoft社が運営するAIエンジニアに向けた資格試験です。レベルにより4種類あり、まず初級者向けのAI-900から取得するのが良いでしょう。Azureにおける機械学習・AIの知識が必要であるため、Azureを使用している人向けの資格です。
AIエンジニアに向いている人の特徴
AIエンジニアになりたいと考えたときに、向き・不向きは気になる要素の一つでしょう。
AIエンジニアに向いている人の特徴として、「物事を論理的に考えられる」「学習意欲が高い」などの精神的な適性と「データ処理・分析が得意」「課題解決力が高い」などのスキル的適性があります。
もちろん、これらの特徴がないからといってAIエンジニアへの転職を諦めなければならないということはありません。努力次第でどうとでもできるため、参考程度に確認してみましょう。
課題解決力が高い人
課題に直面した際、効率的かつ論理的に解決できる人はAIエンジニアに向いています。AIエンジニアはAIモデルの学習、分析だけでなく、どのようにAIモデルを用いて作業を効率化するかなどコンサル的な業務も行うため課題解決力は必要不可欠です。クライアントの企業課題を知り、AIを用いた解決方法を計画・提案できれば、AIエンジニアとして活躍していけるでしょう。
学習意欲が高い人
AIはIT業界のなかでも特に技術の更新が早いため、学習意欲が高くないと長く活躍できません。休日にも書籍を読む、コンペに参加する、コードを記述するなど自己研鑽が必要です。そのため、学習意欲が高く常に勉強を続けられる方はAIエンジニアに向いているといえるでしょう。
AIエンジニアの将来性
AIはIT業界全体においても注目されている分野であるため、AIエンジニアの将来性は高いといえます。
経済産業省が発表しているデータによると、30代のIT人材の給与の中央値が、アメリカでは1,238万円に対して、日本では526万円と非常に低い水準となっています。ただし、AIエンジニアが属するデジタル人材の想定年収として、3,000万円~4,000万円の高年収を提示する企業もあり、一般的なITエンジニアよりニーズが高いといえるでしょう。
AIエンジニアが活躍できる領域の例
AIエンジニアになるには、AIエンジニアが活躍できる分野や領域を知っておくと良いでしょう。AIがどのような分野で利用されているか知らないままでは、いくらプログラミングスキルがあってもAIエンジニアとして転職できません。
AIは先端技術として生活のさまざまな場面で活用されていますが、代表的な活用例としては「お掃除ロボット」や「自動運転」「検索エンジンの最適化」などが挙げられます。以下では、これらについて詳しく説明していきます。AIエンジニアの理解を深めるためにも、チェックしていきましょう。
お掃除ロボット
お掃除ロボットとは、身近に普及したAI活用例の代表です。AIを内蔵したセンサーによって障害物を避け、部屋の間取りや家具の配置を記録し、同じ道を通ることなく効率的に清掃します。
掃除が終わり次第充電器の位置まで戻り、さらに内蔵するゴミの溜まり具合も読み取り、自動でゴミ捨てまでできる高機能ロボットは、現在人気の高い製品です。
車の自動運転
ディープラーニングを活用した画像認識機能や、音声認識機能から得られた情報を使い、通行人や対向車、信号、標識などを認知して自動車を動かす機能にも、AIが搭載されています。
自動車に搭載するAIとは「人間が見落としそうになる危険を認識できる」「疲労や感情などで乱れることがない」など、事故率減少のために開発が進められる分野です。
検索エンジンの最適化
インターネットの検索エンジンには、人工知能が活用されつつあります。Webサイトに使われるキーワードや文字数、滞在期間や滞在時間などのデータ分析を行い、サイトの質や有害コンテンツの有無、コピーコンテンツを見分け排除することで、検索エンジン全体が最適化されます。
ユーザーがより便利な情報を探し当てられることを目的としており、オンラインコンテンツの盛り上がりとともに注目されているAIエンジニアの活躍の場所です。
クレジットカードの不正利用検知
AIは会員の利用パターンをモニタリングし、このデータを集めます。パターンから大きく外れた行動や不正使用時のケースと一致すると、カード会社から会員に連絡ができるシステムはAIの力が活用されています。
クレジットカードの漏洩は消費者にとって社会問題ともされるものであり、この探知システムで不正利用被害を抑止することが目的です。
コールセンターのオペレーション
国内のメガバンクではIBMの人工知能Watsonが導入されているケースも見られ、オペレーターのサポートとしてAIが活用されています。
人工知能が会話を解析し、確認事項・質問の答えを表示することで、顧客対応の時間や質を向上させることが目的です。オペレーター不足と顧客満足度向上を担う重要なポジションであり、AIエンジニアの活躍が期待されています。
AIエンジニアの開発に必要な環境
AIを開発する上で準備するものとして非常に重要なのが、開発環境です。AI開発はさまざまな環境で構築でき、要件によって適切に使い分ける必要があります。これらの判断にはプラットフォームの特徴やハードウェアの要件を判断できなければいけません。
ここからはAIエンジニアの開発に必要なプラットフォームやハードウェア、プログラミング言語について解説します。
プラットフォーム
AIモデルの学習、分析にはプラットフォームが必要です。現在ではクラウド上で行うことが多く、AWSやGCP、Azureなど各プラットフォームが対応しています。これらのプラットフォームはPaaS(Platform as a Service)と呼ばれ、クラウド上にメモリやOS、開発環境を構築可能です。
AIモデルの学習には大量のCPUやGPUを使用する場合があります。そのため、PaaS上で構築する場合も作成するAIに応じてスペックを選択するのが大切です。
ハードウェア
クラウド上ではなくローカル環境で開発する場合、ハードウェアのスペックによって開発効率に大きな差が出ます。ローカル環境で大規模開発する場合は、高性能なCPU、GPU、メモリを搭載したPCを準備しましょう。また、使用するライブラリによってはNVDIAのGPUでないと機能しないなどの制約があります。
たとえば、Pythonでニューラルネットワークモデルを構築する際に使用するPytorchは、NVDIAのGPUを前提に構築されたライブラリです。このようにハードウェアのスペックだけでなく、使用する言語に制約がないか確認した上で準備すると良いでしょう。
プログラミング言語
AIモデル構築では多くの場合、Pythonを使用します。PythonはAIの構築だけでなく、データの分析や可視化のライブラリが豊富です。PythonのほかにはC++やRust、MATLABなどでも開発できます。
これらのプログラミング言語は統合開発環境やコードエディタと呼ばれるソフトウェア上で動作します。また、AWSやGCPなどのPaasサービス上でも開発可能です。これらのツールやPaasを使用することで効率的にAIを開発できます。
関連記事:MATLABとは?特徴やできること、Pythonとの違いを解説
AIエンジニアに関するよくある質問
AIエンジニアを目指すにあたって、さまざまな疑問や不安が浮かんでくるでしょう。AIエンジニアに関するよくある質問としては、AIエンジニアの仕事内容ややりがい、「やめとけ」といわれる理由、他職種との違いなど、AIエンジニアという職種そのものに対する質問が多いです。また、AIエンジニアになる方法についても非常に気になるポイントのようです。
以下では、AIエンジニアに関連するよくある質問に回答しています。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。
Q1. AIエンジニアになるにはどうしたら良いですか?
AIエンジニアになるには、業務に関連するスキルと知識を身につけることが大切です。一般的には、情報科学に関する大学や専門学校で必要な知識を学んでから就職したり、ITエンジニアの経験を積んだ後、AIに関する知識を身につけAIエンジニアに転職したりします。
Q2. AIエンジニアとデータサイエンティストの違いは何ですか?
データサイエンティストとは分析データを活用し、企業のIT化を促進したり課題を解決したりする職業を指します。AIエンジニアとの共通点はSQLを使用するという部分ですが、SQLを用いて開発を行うのがAIエンジニア、SQLを利用しビジネス面での活躍を行うのがデータサイエンティストという違いがあります。
Q3. AIエンジニアの仕事内容を教えてください。
AIエンジニアは、AIを開発したり、AIを活用したりするエンジニアのことです。主な仕事内容としては「AI開発」「学習」「分析」などを行います。最終的には、データ分析により精度の高い回答を導き出すモデルを作成するのが目的です。
Q4. AIエンジニアのやりがいは何ですか?
AIエンジニアの仕事は幅広く、最先端の技術に携われることや世界的な技術革新に参加できるなどのやりがいがあります。ニーズや年収の高さをやりがいと感じる人もいるでしょう。またDX推進により、大規模案件や重要プロジェクトに関与する機会が多いこともやりがいにつながります。
Q5. 「AIエンジニアはやめとけ」といわれる理由は何ですか?
「AIエンジニアはやめとけ」といわれる理由としては、幅広いスキルが必要であることや技術トレンドを学習し続けなければならないことなどが挙げられます。また、需要に対して人材が不足しており、激務になりがちという点も「やめとけ」といわれる要因の一つです。
まとめ
本記事では、AIエンジニアになるキャリアプランや具体的な方法について解説してきました。
AIエンジニアになるには、ディープラーニングや機械学習などAI分野の深い知識や数学の知識、プログラミングスキルが必要です。具体的なキャリアプランとしては、ITエンジニアとして経験を積み、AIエンジニアへ転職する方法や専門学校やスクールで知識を習得してから就職する方法が一般的です。
未経験から独学でAIエンジニアになることも不可能ではありませんが、難易度は高めといえます。ITエンジニアへ転職してからAIエンジニアを目指す方法がおすすめです。
現在のキャリアから一歩踏み込んでAI業界に入ってみたい人やAI開発に興味がある人はぜひ、本記事を参考に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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