システムエンジニアに求められる資質・スキル
システムエンジニアに求められる資質・スキルについて解説します。システムエンジニアに求められる資質・スキルは複数あり、多くを満たしている人の方がシステムエンジニアへの適性はあるといえるでしょう。現状足りていない部分が多い場合は、意識的にスキルを習得し考え方を変えていくことが重要です。
関連記事:SEに必要な7つのスキル|関連職種からスキルアップの方法まで紹介
システム開発の知識・スキル
システム開発では設計から運用・保守まで担うため、幅広い知識・スキルが必要とされます。具体的には、ハードウェア・ミドルウェア(OS・データベースなど)・プログラミング言語・開発手法・品質管理などに関する知識・スキルです。
マネジメントスキル
システムエンジニアは、システム開発を進めるために、マネジメント業務を行なうことがあります。マネジメントスキルとは、具体的には進捗管理・品質管理・リソース管理などを指します。全体を指揮するのはプロジェクトマネージャーですが、システムエンジニアはチームの一員としてマネジメント面を意識しながらプロジェクトを推進します。
コミュニケーションスキル
システムエンジニアは、クライアントやプログラマー、ほかのシステムエンジニアなどと連携してシステム開発を進めます。そのため技術スキルに加えて、コミュニケーションスキルが求められます。
どれだけ円滑にコミュニケーションがとれるかが、プロジェクト成功の可否を決めるといっても過言ではありません。コミュニケーション力はシステムエンジニアにとって非常に重要なスキルです。
ITへの興味関心の強さ
IT業界のトレンドの移り変わりは非常に激しいため、ITへの興味関心が強く、主体的にトレンドを追う方はシステムエンジニアに向いているといえるでしょう。システムエンジニアが携わる設計やプロジェクト管理にITスキルは必須です。
忍耐強さ
ITシステムの開発規模はさまざまですが、ある程度の規模になると、作業や管理項目が膨大な量になります。納期までに開発を終えるためには、これらの膨大な作業を忍耐強くコツコツと行う必要があります。
また、トラブル発生時には、膨大なプログラムやデータのなかから原因を特定しなければなりません。場合によってはシステムを復旧・再開するために、昼夜を問わず仕事をする必要があり、忍耐力が求められます。
論理的思考力
ITシステムの開発では、クライアントのさまざまな要件に対して最適なシステムの設計・開発を行うため、直感ではなく論理的に考える必要があります。また、トラブル発生時には、原因を見つけるために、切り分けという手法で、対象を論理的に絞って考えることが求められます。
システムエンジニアの志望動機を書くための準備
ここからは志望動機を書くために必要な準備を確認していきましょう。この準備なしには、採用担当者が納得でき魅力を感じる志望動機は作れません。実際に準備をしてみると時間がかかる内容ではありますが、一度しておけば直近の就職・転職活動で使えます。就職・転職活動は複数の企業に応募し志望動機もそれぞれに合う内容を作成するのが一般的なので、準備した内容を利用するシーンは多いです。しっかりと準備をしておきましょう。
システムエンジニアを選ぶ理由を明確にしておく
さまざまなITエンジニアの職種のなかからなぜシステムエンジニアを選ぶのか、確かな理由がいくつかあるはずです。具体的に箇条書きにしてみましょう。
以下はシステムエンジニアの志望理由の一例です。
-
・技術に興味をもっているため
・自身でシステムを構築して課題解決をしたい創造性を持っているため
・身につくスキルを活かせる場面が多いため
志望先の企業を選ぶ理由(志望理由)を明確にしておく
なぜ、その企業を選ぶのかは採用担当者が重要視するところです。企業がどんなビジネスをしていて、何を期待しているかなどを調べて、志望理由を明確にしておきましょう。
-
・大規模、挑戦的なプロジェクトに携わりたい
・新しい技術を活用していきたい
・キャリアアップを目指している
・社風や企業文化に惹かれた
これらの理由は企業ごとに異なるため、志望理由を明確にするために確認すると良いでしょう。
システムエンジニアとしての将来像をイメージしておく
入社後にどのような仕事をしたいか、将来どんなシステムエンジニアになりたいのかをイメージしておきましょう。これらを具体的に文章にしてみることで、自分のなかでも将来像が明確になります。1年後、3年後、5年後、10年後など、スケジュール感も合わせてイメージしておくとより良いです。
スキル・経験を整理しておく
自身のスキル・経験を整理しておく必要があります。今までの実績や表彰経験などを整理しておきましょう。未経験者は、これからどう成長するか、どのように具体的にスキルアップするかを、熱意を持って語れるようにしておくことが重要です。
システムエンジニアの志望動機の書き方のポイント
システムエンジニアの志望動機の書き方のポイントを挙げていきます。同じくらいの能力を持っている人であっても、志望動機をどのように書くかによって見え方が変わり、結果的に転職成功率にも影響してくるでしょう。自分の魅力をうまく伝えられる志望動機を作成するためには、ポイントを押さえることが重要です。
結論ファーストで書く
志望動機に限ったことではありませんが、ビジネスにおいては結論ファーストが基本です。そのため志望動機も結論ファーストで書かないと、伝わりにくくビジネスコミュニケーションの評価としてもマイナス印象でしょう。結論を先に書いてあとから結論の根拠や補足を入れるようにすれば、伝わりやすく印象の良い志望動機になります。
システムエンジニアを志望したきっかけを必ず書く
システムエンジニアを選ぶ理由としては「自分の興味の方向が合っていること」「自分の強みが合っていること」などをアピールすると良いでしょう。自身の体験を織り込みながら、志望したきっかけを自分の言葉で書くと説得力がでます。
未経験者は、これからの将来像にフォーカスし、どう成長するか、どう知識・スキルを身につけるか、などのプラニングを書くと好印象です。
なぜその企業を選ぶのかを必ず書く
「なぜその企業に応募したのか?」を必ず盛り込みましょう。会社の理念を調べ、たとえば自分の体験談からマッチしているなど、具体的に説明すると効果的です。採用担当者にいかに印象づけられるかが重要です。
IT業界経験者はスキルや実績を書く
IT業界での業務経験がある場合は、スキルや実績を書きましょう。単に書けば良いというわけではなく、書き方も重要になります。転職後の仕事に関係しそうな内容に絞り込み、具体的な成果も示すことが重要です。
参画したプロジェクトの人数、利益、期間などの数字も明確に記載した方が良いです。明確化ができていると、伝わりやすいだけでなく、業務上もコミュニケーションができる・成果を残せる人材であることのアピールになります。
IT業界未経験者は興味や意欲を書く
IT業界未経験者の場合はアピールできる経験が少ないです。前職の経験で活かせる経験・スキルで考えられるのは、基本的にはヒューマンスキルやビジネススキルに関連する内容が中心といえるでしょう。それだけだとアピール材料として弱いと感じる場合やポテンシャルを示したい場合、興味や意欲を書くことが重要になります。
しかし、単に興味や意欲があると書くだけでは何の証明にもなりません。重要なのはすでに行動をしていて、その行動が何なのかです。たとえば、技術習得や資格取得の勉強中の場合は対象の名称を伝えましょう。現状何も行動できていないのであれば、まずは行動した方が良いでしょう。
応募先の企業にどう貢献できるのか書く
応募先の企業にどう貢献できそうかは、企業にとって知りたい情報です。なぜなら採用後に期待する活躍や成果のイメージが異なっている場合、企業の利益につながりにくくなってしまうからです。
たとえば、質より量を重視した開発をしている企業の場合です。「丁寧に時間をかけてクオリティの高いシステムを開発する」よりも「スピーディーな開発で随時ユーザーニーズに合わせて調整していく」という内容のほうが企業の方針や利益の出し方に近く貢献度が高いと感じられるでしょう。
入社後のビジョンを書く
入社後何をしたいか、どのように成長していきたいか、といったことを志望動機に含める必要があります。企業は基本的に即戦力を求めているので入社後直近の話が重要ですが、長期的なキャリアプランも必要です。時間軸を意識して志望動機にビジョンを盛り込むと良いでしょう。
システムエンジニアの志望動機の例文8選
システムエンジニアの志望動機の例文を紹介します。複数のパターンの志望動機を把握しておくことで、自分のシチュエーションに合った志望動機を考えやすくなるはずです。以下のいずれの状況にも該当しない可能性もありますが、複数のパターンを知っておけばそこから応用して自分に合った志望動機を作れます。
例文1:IT経験者の場合
IT経験者の例文です。
私は貴社が行なっている働き方改革を進める新しいサービスの開発に興味を持ち志望しました。
現職では、プログラマーとして流通系のシステム開発に携わっています。このスキルを活用してもっと大きな視野でシステムエンジニアとして、働き方改革のためのシステムを開発したいと考えました。
コロナ渦でのリモートワークを通じた経験を活かし、多くの人がリモートワークで使えるシステムを開発したいと考えています。
これまでの経験を活かしつつ、システムエンジニアとして新しい知識を習得し貴社に貢献する所存です。
解説
上記の志望動機では志望企業のことを具体的に調べており、自身の仕事に結びつけて将来像も具体的に書けています。
例文2:IT未経験者の場合
私は、これまで営業職として既に形のある物を売ることで、お客様と関わってきました。ある時、お客様先でシステム開発を担当するエンジニアと関わる機会がありました。そこで、自分自身が開発に携わったシステムで人の役に立ちたいと考えエンジニア転職を志望しております。貴社の「技術で人を幸せに」という経営理念に共感し、実際にさまざまな技術で人々の役に立っていることに魅力を感じております。
今は、スキルはありませんが、IT技術を独学で学習しITパスポートを取得しています。前職で培った対人スキルを活かしつつ、システムエンジニアとして一刻も早く貴社の戦力になれるように成長したいと考えています。
解説
システムエンジニアへの転職のきっかけや、企業を選ぶ理由が具体的に書かれています。
例文3:理系大学出身の未経験者の場合
同じ未経験でも、理系の場合は以下のようなアピール内容を盛り込んで志望動機を作成できるでしょう。
前職ではメーカーで化学繊維の研究を行っていました。既存のシステムを活用した地道な研究でしたが、研究を続けるうちにより根本となるシステムに携わりたいと考えるようになりました。前職で培ったデータ分析能力を活かしつつ、現在学んでいるプログラミングも活かして御社のプロジェクトに貢献したいと考えています。
解説
システムエンジニアとしての経験はないものの、前職の経験と結びつけて企業に貢献する旨を述べています。また入社後にプログラミングスキルを身につけるのではなく、すでに学び始めている点も重要です。
例文4:文系大学出身の未経験者の場合
システムエンジニアになるのに学歴は関係がありません。文系の場合も、以下のようにアピールできる内容がないか考えてみると良いでしょう。
ITベンチャー企業でシステム営業やシステム導入を担当してきましたが、その中でシステムを作る側に回りたいと思うようになりました。営業や導入も必要な仕事でやりがいがありましたが、やはりITビジネスの根幹はシステム開発で、IT業界で働くならシステム開発をやりたいと思ったからです。現在独学でプログラミングを学習しているので、前職で培った対人スキルと組み合わせて、最終的にはプロジェクトマネージャーなど上流工程も担当できる人材になりたいです。
解説
営業スキルとITスキルを組み合わせ、最終的には上流工程を担える人材になりたいとアピールしています。企業は上流工程を担当できる人材を求めている場合が多いため、モチベーションのアピールとして有効です。
例文5:自社サービスを提供するIT企業の志望動機
自社サービスを展開する企業に就職したい場合の例文です。
私はシステムエンジニアとして数多くのプロジェクトに参画してきました。そのおかげで幅広いスキルが身につきましたが、今後は特定のサービスに絞ってより技術を深めることや、プロジェクト内でより上流工程を担うことに集中したいと考えています。貴社は自社サービスの提供に集中したビジネスモデルなので、魅力を感じています。幅広いプロジェクトに参画してきたからこその技術力やプロジェクトマネジメントスキルを活かし、貴社のサービス開発に貢献したいです。
解説
客先常駐などでプロジェクトに参画するのと、自社サービスを開発するのでは業務の進め方や役割が異なる場合が多いです。客先常駐の場合は下流工程での参画が続くことも多いですが、自社サービスの開発だと経験に応じて上流工程も担当していくと考えられます。そのため、上流工程のスキルを身につける意志や自社サービスの利益まで考えられる人材であることをアピールすると良いです。
例文6:企業向けのシステム開発会社の志望動機
toB向けシステムを開発している企業に就職したいときの例文です。
企業のサービス改善に貢献できるシステムを開発したいと思い、貴社に応募しました。私は今までさまざまなプロジェクトに参画してきましたが、いずれも業務用システムの開発プロジェクトでした。貴社は自社のパッケージ製品を開発していて、またシステムによって食料品の廃棄を減らし企業利益に貢献できることにも魅力を感じています。技術や言語のスキル要件は満たせているので、即戦力として貢献させていただきたいです。
解説
客先常駐型の企業から、企業向けのパッケージ製品を開発している企業への転職を想定しています。自社でパッケージ製品を開発している企業に魅力を感じ、転職を考える事例は多いでしょう。自社でパッケージ製品を持っている企業は人気があって倍率も高い場合が多いですが、スキル要件を満たしていれば採用確率が高まります。
例文7:設立して間もないベンチャー企業の志望動機
ベンチャー企業への就職を希望する場合の例文です。
開発関連の業務だけでなく、営業やマーケティングなど幅広い業務を担当できることに魅力を感じて貴社に応募しました。前職では主に大規模システム開発プロジェクトのマネジメント業務を行っていましたが、自分でも手を動かして開発したいという気持ちや、プロジェクトの発足段階から提案をしたいといった気持ちを持っていました。複数の業務を掛け持ちするので大変さもあると思いますが、ぜひ貴社で積極的に提案し、担当させていただきたいです。
解説
手企業で大規模プロジェクトのマネジメントを担当していたエンジニアがベンチャー企業に転職する想定です。実際こういった転職は多いでしょう。技術志向が強く開発に特化するパターンもありますが、ここでは幅広い業務を担当するためにベンチャー企業に転職する想定になります。
そのため、経験を活かしつつも新たなチャレンジをしていくことや、受け身ではなく積極的に提案していくことをアピールしています。面接では詳しいことを聞かれる可能性が高いので、ここでビジネス的な提案ができるとより良いです。
良くない例
良い例文とあわせて、避けるべき例も確認しておきましょう。
貴社を志望したのはシステムエンジニアとして活躍したいと考えたからです。IT業界にもともと興味があり、大学時代ではゼミでもITに関連した内容で常にパソコンを使っていました。パソコンを触るのがとても好きでシステムエンジニアには適していると思います。入社後には、システム開発が効率的にできるように私の知識を活かしプロジェクトに頼られるエンジニアとなるように心がけてまいります。また、資格取得も目指し常に成長していきたいと考えています。
解説
自身の興味が中心で、志望会社に対する動機や、入社後のイメージが具体的でなく、一般的な内容で伝わりにくくなっています。
システムエンジニアに対する理解を深め、志望動機を書いて書類の準備ができたら、転職エージェントに相談してみるのも一つの手です。転職エージェントでは、志望動機を含めた各種書類のブラッシュアップや、企業選びから入社までのバックアップなどをしてもらえるため、転職に役立ちます。
システムエンジニアの志望動機で注意すべきワード
ここからはシステムエンジニアの志望動機で注意すべきワードを紹介します。システムエンジニアの志望動機は非常に重要です。ここで紹介するワードを使用すると企業からの印象を下げる可能性があるため控えましょう。つい入れてしまいがちな内容ばかりなので、志望動機を作成したあとはこれらの内容が含まれていないか確認することも大切です。
成長できると思ったから
IT業界はトレンドの変化が激しいため、学習意欲を示すのは大切です。一方で志望動機内で成長したいと表現する際は注意しましょう。なぜなら、企業は学習環境を与えるために採用しているわけではないからです。
「成長できると思った」という表現は企業側からすると受け身の姿勢と取れます。学習姿勢を重視されるIT企業では特に注意が必要です。
企業理念に共感しました
企業理念や社風に共感する旨を記載するのは大切ですが、志望理由の軸にするのはやめておきましょう。志望動機には実際の業務内容や実績などを調べて記載した方が企業からの印象は良くなります。企業理念を基に記載する場合はそこから実績などに繋げると良いでしょう。
スキルを身につけたい
スキルを身につけたい旨を記載する際も注意が必要です。ITスキルを身につけることで市場価値が上がります。一方で転職しやすくなるため、企業側からすると「独り立ちできるスキルが身についたら転職されるのでは?」と疑念を抱いてしまうでしょう。
学習意欲を示すのは非常に重要ですが、表現方法に注意してください。
手に職をつけたい
「スキルを身につけたい」と同じ理由で、「手に職をつけたい」も避けましょう。転職市場で有利になることや独立ばかり考えていると思われると印象が良くないので、「手に職をつけてプロジェクトに貢献したい」といった言い回しの方が良いでしょう。そもそもスキルアップのことを志望動機の含めない戦略もあります。含める場合は、企業に貢献する旨を強調することが重要です。
チームワークで達成感を得たい
システムエンジニアの仕事にはチームワークが必要です。しかし、チームワークのプライオリティがより高い職種はほかにも多数あります。志望動機としては弱く感じてしまい、チームワークで達成感を得たいならほかの職種、そもそもIT業界ではない方が良いと判断されてしまうはずです。
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアへの転職後の姿を明確にすることで、転職の意欲向上や志望理由へ繋がります。しかし、その姿の明確化には、そもそもシステムエンジニアがどういった仕事をしているのかを理解していなければならないでしょう。ここからは、システムエンジニアの仕事内容について紹介します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
関連記事:SE(システムエンジニア)とは?仕事内容・年収・役立つ資格などをわかりやすく解説
システム設計
システム設計では、クライアントからさまざまな要件をヒアリングし、どのようなITシステムにするかを要件定義書にまとめます。最近では顧客の言う通りにシステムを開発するだけでなく、新しい技術の導入を顧客に促すなど、積極的な提案も求められます。
プロジェクト管理
システム設計で作成した要件定義書に沿って、プログラマーがプログラミングします。システムエンジニアはプロジェクト全体を管理し、プログラマーを支援してスケジュールやタスクの管理、品質管理などを行います。
運用・保守
運用・保守では、システムの定期的なバックアップや稼働状況の監視などを行います。また、ハードウェアの定期的な点検やOSのアップデート時にはシステムを停止し、メンテナンスを行います。トラブル時には原因究明やシステム復旧の対応が必要です。
関連記事:システムエンジニア(SE)とは?仕事内容・年収・なり方などを解説
システムエンジニアになるには
システムエンジニアになる方法をIT経験者・未経験者別に解説します。基本的にやるべきことは経験者でも未経験者でも同じですが、経験者の場合はすでに一定の経験、スキルがあります。そのため足りない部分を補っていくことが重要なのに対し、未経験者の場合はゼロからのスタートなのでやるべきことはより多いでしょう。
IT経験者の場合
プログラマーやインフラエンジニアなどのITエンジニア経験がある場合、システムエンジニアへの転職は比較的スムーズです。これらの職種はシステムエンジニアとともに仕事をするため、ある程度の仕事内容を把握できている点で有利になります。特にITエンジニアの登竜門であるプログラマーの経験があると、開発工程への理解度が高まり、システムエンジニアのスキルとして役に立ちます。
すでに持っているITスキルに加えて、ほかのプログラミング言語を習得したり、後述するIT関連の資格を取得したりして、スキルの幅を広げておくと良いでしょう。特に資格があると、転職時にスキルを証明できるため有利になる可能性が高いです。
IT未経験者の場合
近年IT人材は不足しており、システムエンジニアも同様です。そのため未経験者や文系出身者でもシステムエンジニアの採用を行っている企業は多くあります。
ただし、システムエンジニアには幅広い知識と経験が求められるため、最初はプログラマーとしてプログラミングの仕事を任される場合が多いです。その後、テストや運用・保守など、比較的難易度の低い仕事をシステムエンジニアとして任されてステップアップすることが多いです。システムエンジニアとして活躍できるのは数年後と考えておいた方が良いでしょう。
未経験者は転職の前に、プログラミングの知識・スキルを習得しておくことをおすすめします。以下で、プログラミングの習得方法を紹介します。
書籍やオンラインサイトを活用して独学する
書籍やオンライン学習サイトでの学習は、自分の好みやレベルに合わせて自由に選ぶことができ、気軽かつ低コストな点がメリットです。有名なサイトとして「Progate」「ドットインストール」「Schoo」などが挙げられます。特に「Progate」は特別な準備が不要で、Webサイト上でプログラミングの演習ができるためおすすめです。
ただし、独学で最後までやりきるには根気と忍耐が必要で、向き不向きがあります。
関連記事:独学による勉強でSE(システムエンジニア)を目指す方法
スクールを活用する
プログラミングの知識・スキルを習得する方法として、確実なのはスクールの活用です。スクールではプロが作ったカリキュラムに沿って、現役エンジニアなどの講師から直接学べます。
スクールによっては転職のサポートや資格取得の支援も受けられるため、システムエンジニアへの転職を確実にしたい人にとっては、非常に有効でしょう。ただし、コストがかかるところは留意点です。
関連記事:SE(システムエンジニア)になるには?独学の方法や資格を解説
システムエンジニアへの転職でおすすめの資格
資格は、転職の際に必須ではありませんが、経験者・未経験者を問わずスキルを明確に証明できるため、有用です。また、ITに関する知識を体系立てて習得できるため、初心者には特に効果的です。IT業界で有名な資格を以下で紹介します。以下で紹介する職種は企業が求めている業務内容にかかわらず、万人受けしやすいといえるでしょう。
関連記事:システムエンジニアに役立つ資格17選|取得するメリットも紹介
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はIPAが運営するレベル2(1~4で4が最難関)の試験で、IT人材として基本的な知識と技能、実践的な活用能力が問われます。試験は午前と午後に分かれており各150分で、多肢選択式で出題されます。システムエンジニアにとっては登竜門に位置づけられ、未経験者が最初に目指す試験といって良いでしょう。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は同じくIPAが運営するレベル3の試験です。IT人材としての応用的な知識と技能を問われます。この試験では午前の150分で四肢択一の選択式、午後の150分で記述式の出題があります。システムエンジニアとして数年の経験を積んだ後、ステップアップとして受験する経験者向けの試験といえます。
ORACLE MASTER
オラクルマスターは、オラクル社が自社のデータベース製品に関する技術者を認定する資格です。ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの順で難易度が高くなり、まずはブロンズから受けるのが一般的です。
オラクルはワールドワイドでトップクラスのシェアを持つ、データベースのデファクトといえる製品なため、システムエンジニアとして持っておくと役に立ちます。
システムエンジニアに関するよくある質問
システムエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。システムエンジニアの役割、スキル、適性などについてあらかじめ知っておくことで、今後やるべきことが明確になります。またシステムエンジニアといっても企業やプロジェクトによって担当が大きく異なるので、最終的にはより細かく何を担当するのか知っていく必要があるでしょう。
Q1. システムエンジニアの役割は何ですか?
システムエンジニアの役割は、クライアントが希望するシステムを開発することです。クライアントへのヒアリング、設計の作成、プログラミングなどを行ないます。システムエンジニアとして経験を積めば、プロジェクト内でリーダー的な役割を担う場合もあります。
Q2. システムエンジニアに求められるスキルは何ですか?
システムエンジニアに求められるスキルは、ITスキル、マネジメントスキル、コミュニケーションスキルなどです。プロジェクトに合わせて必要なスキルを補っていくことが重要になります。汎用的なスキルを身につけた後は、プロジェクトを通して実践的にスキルアップするのがおすすめです。
Q3. システムエンジニアに向いているのはどんな人ですか?
システムエンジニアに向いているのは、情報収集力、問題解決力、論理的思考力などがある人です。ITスキルは当然重要ですが、より根本的な部分では上記のような能力が重要になります。また楽しみながら続けるためには、好奇心も重要でしょう。
関連記事:システムエンジニア(SE)のやりがい10選|大変なことも解説
まとめ
システムエンジニアとして転職する際にはスキルや経験が重要ですが、それを採用担当者にいかに伝えるかも重要です。スキル要項を満たしていれば採用されやすいと考える人もいますが、それは誤りです。せっかくのスキルや経験はなるべく魅力的に伝え、高く評価してもらった方が採用確率が高まるだけでなく採用後の待遇も良くなる可能性が高いでしょう。
そして自分の魅力を伝えるのに重要な要素となるのが志望動機です。志望動機の書き方のポイントを押さえ、サンプルを参考にして自分のオリジナルの志望動機を作成してください。自分オリジナルの志望動機を作成するためには、IT業界について知識を増やしたうえで自分自身と応募先の企業を分析する必要があります。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。一般公開されていない大手企業や優良企業の非公開求人も多数保有していますので、まずは一度カウンセリングでお話してみませんか?(オンラインでも可能です)
転職支援サービスに申し込む
また、「初めての転職で、何から始めていいかわからない」「まだ転職するかどうか迷っている」など、転職活動に何らかの不安を抱えている方には、無料の個別相談会も実施しています。キャリアアドバイザーが一対一で、これからのあなたのキャリアを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。
「個別相談会」に申し込む
レバテックキャリアのサービスについて