C#とは?特徴やメリット、C言語やC++との違いを解説

最終更新日:2024年10月23日

C#はMicrosoft社が開発した汎用的なプログラミング言語です。Visual Studioを利用した開発に適し、Windows向けアプリ作成などの用途が広く知られています。しかし、C#はさらに幅広い用途で利用できます。たとえばVR/AR開発のような将来性が高い領域でも活用可能です。

本記事では、C#に興味を持つ方や習得を目指す方に向けて、概要や言語の特徴、習得するメリット・デメリット、今後の需要や将来性、学習方法などを解説します。転職に活かせるC#スキルの習得についても触れていますので、参考にしてみてください。

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この記事のまとめ

  • C#はマイクロソフトが開発した言語で、Windowsとの相性が良く、効率的にアプリ開発ができる
  • C#は業務システム、Web/スマホアプリ、ゲーム(VR/AR)開発など、幅広い分野で利用されている
  • C#を使うメリットは「豊富な言語機能」「マルチプラットフォーム向けの開発が可能」「開発環境の充実」「ライブラリの充実」「実行速度が速い」など

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C#とは?

C#とは、マイクロソフトが開発したプログラミング言語で、Windows向けの実行環境「.NET」(旧.NET Framework)上などで動作します。近年では「.NET MAUI」(旧Xamarin)のようなクロスプラットフォーム環境を活用することで、Windows以外に向けたアプリも開発できるようになりました。身近なところでは、マイクロソフトやSkypeの公式サイト、ポータルサイトのBingがC#で作られています。

C#はプログラミング言語の人気ランキングTIOBE Indexにおいて2024年10月時点で第5位にランクインしています。比較的人気の高いプログラミング言語といえるでしょう。

C#は、C言語やC++と名前が似ているものの、全く別のプログラミング言語です。以下では、C#とC言語やC++との関係について説明します。

関連記事:C#は難しい?その理由と学習ポイントを解説

C言語とC#の違い

C言語は、1972年に誕生した比較的長い歴史を持つプログラミング言語です。高水準言語と低水準言語の両方の特徴を備えており、高い汎用性を持っています。

C#はC言語の影響を強く受けた言語です。しかし、C#にはC言語やC++にはない機能があります。

たとえば、その一つがガベージコレクションという自動的なメモリ管理機能です。この機能により、プログラムが使用していないメモリ領域が自動的に解放されるため、プログラマはメモリ管理についてのコードを書く必要がありません。これにより、安全性の高い効率的なプログラムをより簡単に作成できるようになりました。

他にもC#は共通言語基盤を用い、コンパイルにより共通中間言語のファイルを作成し、実行時にJITコンパイラにより機械語に翻訳するという仕組みを持っていることも違いの一つです。言語や環境によらない共通中間言語を持つことで、様々な環境への対応などを実現しています。

関連記事:C言語とは!特徴やC++やC#との違いを分かりやすく解説

C++とC#の違い

C++はオブジェクト指向プログラミングであるのと同時に手続き型プログラミングができるマルチパラダイム言語です。一方、C#は純粋なオブジェクト指向言語という違いがあります。

また、C++はポインタを使用して直接メモリにアクセスできるため、より低レベルなプログラミングが可能です。これに対し、C#はガベージコレクションと呼ばれる機能を使用することで、プログラマがメモリ管理を意識する必要がないようになっています。

関連記事:C#とC++の違いは?特徴やできることを徹底比較

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C#の特徴

C#は数あるプログラミング言語の中でもやや特殊な立ち位置と言えます。

マイクロソフトが開発したのでマイクロソフト製品との相性が良く、またゲームエンジンであるUnityで使用されるメイン言語でもあります。さらに、Visual Studioを使うことで、アプリ開発も容易にできるという特徴があります。C#は汎用性が高く、さまざまな開発に活用可能です。

以下では、C#が持つ特徴について解説します。

マイクロソフト、Windowsとの相性が良い

C#は、WindowsやOffice製品と同様にマイクロソフト社によって開発されているため、マイクロソフト製品と非常に相性がよく連携しやすいことが特徴です。

たとえば、WindowsAPIへのアクセスがしやすい点や、ほかのマイクロソフト製品とも連携のための機能が提供されている点などがメリットとして挙げられます。

Visual Studioが使えて、アプリ開発が容易

C#は、マイクロソフトが提供する統合開発環境(IDE)Visual Studioによる開発がサポートされています。コード補完や整形機能を利用することができるため、効率的で品質の高い開発が可能です。

また、GUIでフォームにボタンやテキストボックスを貼り付けるだけで、簡単にアプリを作成することもできます。もちろん、コードエディタやコンパイル、デバッグなどアプリ開発に必要な機能も利用できます。

なお、Visual Studioよりも軽量なコードエディターVisual Studio Code(VSCode)などでもC#アプリケーションの開発は可能です。

オブジェクト指向を採用

C#は「オブジェクト指向」を採用しています。オブジェクトは「データ」と「メソッド(処理)」を持つ「モノ」の集まりです。つまり、オブジェクト指向とは「モノ」同士を組み合わせ、1つの成果物を作る考え方で、「モノ」の役割がそれぞれ明確なため、チーム開発にも役立ちます。

たとえば、オブジェクトごとに処理をまとめるため、処理追加・修正に伴うコーディング箇所を少なくすることが可能です。オブジェクトとして構造がまとめられるため、メイン処理がシンプルになり、ソースコードを理解しやすくなります。適切にオブジェクトを分割することで、作業を分担できるため大規模開発にも向き、部品の再利用もしやすいです。

Javaと似ているため、Java経験者は習得しやすい

C#は、Javaと同じくオブジェクト指向のプログラミング言語です。また、C++とJavaを参考にして開発された言語のため、文法についてもJavaととてもよく似ています。そのため、Java経験者にとってはC#は習得しやすい言語といえます。

Javaは非常に多くの開発者を持つため、開発者を集めやすいというメリットも生まれます。

Unityがサポートしている

C#は、ゲーム開発分野でも重要な役割を果たしています。特にゲーム開発エンジンUnityがC#を唯一のサポート言語として採用しており、多くの開発者によって利用されています。C#を使用することで、パソコンやPS4、Nintendo Switchなどで動作するゲームの開発が可能になります。そのため、C#は現在のゲーム開発において必須のスキルといえるでしょう。

初心者でも使いこなしやすい

C#は、マイクロソフトの提供ツールで開発がサポートされています。また、歴史のあるプログラミング言語なので公式ライブラリや開発に関する情報が豊富です。そのため、C#はプログラミング初心者でも学習しやすく、使いやすいプログラミング言語です。

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C#でできること

C#は汎用性が高く、さまざまな用途に向けた開発が可能です。具体的にC#を使用してできることとしては、業務システムやアプリ、ゲームの開発などが挙げられます。また、アプリ開発と一言でいっても、Webアプリ、スマホアプリ、GUIアプリ、デスクトップアプリなど開発できる種類は多岐にわたります。

C#がどのような分野で活用できるかは、習得を検討する上で重要な要素です。C#を選択することにより、将来自分が開発するアプリの種類がある程度決まります。

ここでは、C#が実際に活用されている分野についてより詳細に解説します。

関連記事:
C#エンジニアの転職事情を紹介!評価されるスキル・経験とは?
C#でできることは?メリット・デメリットや学習方法も紹介

業務システム開発

C#はマイクロソフトが開発しているため、Windows製品との相性が良く、Windows上で利用する業務システムの開発に利用されています。Windowsのデスクトップアプリやバッチアプリが作成でき、これらを組み合わせて業務システムの構築が可能です。たとえば、ホテルや旅館のフロント業務で使用するシステムでは、C#が活用されていることが多いです。

また最近では「Visual Studio for Mac」も登場し、Windows以外での開発にも利用されています。

Webアプリ開発

C#を使って「ASP.NET」を使用したWebアプリ開発が可能です。「ASP.NET」は、Webアプリを制作するための機能を詰め合わせたツールです。Visual Studio上で利用できるため、ボタンなどの部品をドラッグ&ドロップして配置することで、簡単にWebアプリが開発できます。

よく知られた開発例として、MSN、Bing、価格.com、ニッセンなどが挙げられます。

スマホアプリ開発

.NET Multi-platform App UI(.NET MAUI)を利用することで、C#によりスマホアプリを開発することも可能です。.NET MAUIはXamarinの後継となるクロスプラットフォーム(マルチプラットフォーム)に対応した開発ツールで、一つのコードでiOSとAndroid、WindowsとMacに対応したアプリを作成することができます。スマホアプリ開発の効率化策として活用が進んでいます。

GUIアプリ開発

「Visual Studio」を使用すればGUIアプリのGUI部分の開発をドラッグアンドドロップによる操作で簡単に行うことができます。コードを書かずに、感覚的な操作でGUIを設置できる仕様になっています。GUIの具体的なパーツとしては、テキストボックス、フォームボタンなどが挙げられます。

デスクトップアプリ開発

C#では.NET Framework上で動作するデスクトップアプリの開発が可能です。開発にはVisual Studioを使用します。Windowsのデスクトップアプリを開発することは減っているかもしれませんが、利便性の観点からC#を選択するのが一般的です。

ゲーム開発(VR/AR)

C#は「Unity」と呼ばれる統合開発環境(IDE)・ゲームエンジンを用いたゲーム開発でも利用可能です。「ポケモンGO」や「ドラゴンクエストウォーク」のような誰もが知っている有名なゲームでも、C#が利用されています。将来性が高い「VR/AR」のような最先端技術を使ったゲーム開発にも利用されています。

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C#を使用するメリット・デメリット

C#に限らずプログラミング言語には、メリット・デメリットが存在します。習得を検討する際には、メリット・デメリットを確認しておきましょう。自分のPC環境や活用したい分野などを加味してほかの言語と比較検討すると、自分に適したプログラミング言語を選ぶことができます。

以下では、C#のメリットとデメリットを紹介します。

C#を使用するメリット

C#を使用するメリットは、非常に多いです。たとえば、言語機能が多い点や活用できるプラットフォームが多い点、開発環境やライブラリが充実している点などが挙げられます。ほかにも処理が速いことや仕様をカスタマイズしやすいなど、主に使いやすさの側面でメリットが大きいでしょう。

ここでは、メリットについて詳しく説明します。

豊富な言語機能

C#は2000年の登場から20年以上、バージョンアップにともない機能の追加が繰り返されてきました。ほかの言語で導入された機能も積極的に取り入れており、成長を続けています。LINQ(統合言語クエリ)、ラムダ式などの実装はその一例です。

さまざまなプラットフォーム向けの開発が可能

C#を習得するだけで、Window、Mac、Android、iOSなどのさまざまなプラットフォームに向けた開発ができます。環境構築は、多くの人が挫折しがちな最初のステップです。本来、PCやOSによって変わりますが、C#は統合開発環境(IDE)である「Visual Studio」をダウンロードしてインストールするだけで簡単に始められます。

開発環境が充実

C#を使うメリットとして、Visual Studioが提供されている点が挙げられます。C#とVisual Studioは一緒にインストールされるため、Visual Studio上で開発するのが一般的です。プログラミングにおいて開発環境は生産性に大きく影響します。Visual Studioは、GUIを感覚的に作成できることや、入力補完によって自分ですべてのコードを書かなくて済むといった生産性向上の機能が備わっています。

またVisual Studioよりも軽量な開発環境を求める方にはコードエディターVisual Studio Code(VSCode)が提供されており、機能数などは落ちるものの軽快な使い心地のためこちらも人気です。

ライブラリが充実している

C#は20年以上の歴史を持ち、Windows上での処理に関するライブラリはほかの言語よりも充実しています。公式ライブラリはもちろん、サードパーティ製のライブラリも豊富です。ライブラリとは、開発の基盤となるフレームワークで頻繁に使用される機能をまとめたファイルのことです。

実行速度が速い

C#は比較的実行速度が速いため、「処理時間が短い」「ユーザーのストレスが少ない」というメリットがあります。システムの大部分が優れていても処理速度が遅いとユーザーは離脱してしまうケースが多いでしょう。そのため、プログラミング言語において実行速度は重要です。

仕様変更などをカスタマイズしやすい

C#を含むオブジェクト指向言語はカスタマイズのしやすさから設計されたプログラミング言語です。オブジェクト指向言語は、機能のまとまりを「クラス」として構築し、クラスから実際に機能するオブジェクトを作成するという考え方になっています。クラスは使いまわすことが可能で、またクラスを書き換えれば、数あるオブジェクトもまとめて仕様変更できるのでカスタマイズに対応しやすいです。

メモリリーク防止の仕組みがある

C#は、メモリリーク防止の仕組みがあります。メモリリークとは処理を行った後にメモリを開放しておらず、メモリの空き容量がなくなっていくことで、C言語やC++などで発生しやすい問題です。C#はC言語から派生したプログラミング言語ですが、メモリ安全性に配慮がなされメモリリーク防止の仕組みが追加されています。

実務経験があれば、他言語を扱う現場への転職にも有利

C#での実務経験があると、製品レベルの開発経験に加え、オブジェクト指向を理解していると捉えられるでしょう。そのため、Javaのような他言語の習得もスムーズに行えると判断され、転職に有利に働く可能性があります。もちろん、C#を使った開発経験などアピールは必要ですが、C#を理解しているということは未経験者よりアドバンテージとなるでしょう。

C#を使用するデメリット

C#を使用するメリットは非常に多いですが、もちろんデメリットも存在します。C#を使用するデメリットとしては「低スペックPCでの開発は不向き」「ゲーム開発以外での利用が少ない(エンタメ向き)」という点が挙げられます。C#を使用する前に、PC環境や開発用途を確認しておきましょう。

以下では、C#を使用するデメリットについて詳しく説明します。

低スペックPCでの開発は不向き

C#を使用する際、低スペックなPCでの開発に向いていない点には注意が必要です。C#は統合開発環境「Visual Studio」を利用して、幅広い開発を行えます。汎用性が高く便利ではありますが、PCの容量を多く使用することになるため、スペックの低いPCでの開発は困難です。

このような場合には一部の機能は劣るものの、Visual Studio Codeを利用した開発でカバーできます。

ゲーム開発以外での利用が少ない(エンタメ向き)

転職するスキルとして考えると、C#はゲーム業界での活用事例が多いです。ゲーム開発以外にもできることが多いのがC#ですが、近年の動向を見ると、エンタメ向きの言語になりつつあり、ゲーム開発以外での活用はまだ少ないです。ゲームエンジニアなどを目指す場合、C#を習得すると役立つでしょう。

その理由として、低水準向けのプログラミングではC言語、C++にかなわないことが挙げられます。C#はハードウェアに近い範囲の操作ができないように作られています。C言語やC++言語ではハードウェア制御を得意としているため、この分野ではC#は不利となっています。

また、AI開発分野ではPythonの方が使われています。これはPythonがAI分野では先行しており、多数のライブラリが作られ、それを利用するために開発者が集まるという構図(エコシステム)ができあがっているためです。

関連記事:C言語とC++の違いは?C#との関連性や特徴、活用分野も紹介

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C#の需要と将来性は?

調査会社statistaが2024年9月に発表した2024年に世界中の開発者に利用されたプログラミングランキングでは、C#は第8位でした。このランキングではC#より上位にHTML/CSS、SQL、shellが含まれているため、純粋なプログラミング言語としての人気は5位に相当します。

また、2024年10月17日時点で、レバテックキャリアにはプログラミング言語「C#」の求人・転職情報が3,694件(募集中1,823件)公開されています。C#に堅調な需要があることを示すデータといえます。

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以下では、C#の将来性が高いとされる理由を紹介します。

関連記事:C#エンジニアの将来性が高い8つの理由!Javaとの比較や平均年収も解説

Windowsの人気によって需要が支えられている

C#はマイクロソフトが2000年頃に開発した言語であり、年1回はバージョンをアップデートしていることからも、その注力度合いが伺えます。

また、C#の需要は、Windowsの根強い人気が支えていますstatcounterが発表している統計によると、WindowsはデスクトップOSの市場シェアの73.35%を占めており(2024年9月時点)、非常に需要が高いです。

また、企業としても、Windowsで構築した既存システムからほかのOSへの移行は、膨大な時間・コストがかかるため、避ける傾向があります。Windowsでのシステム更新においてもC#は選択肢として有望です。

クロスプラットフォーム開発による恩恵

C#はWindows以外にも、macOSやLinux上で動作するアプリ開発にも対応しています。

とはいえ、企業の大半はWindowsを使用しているため、メインはWindowsになるでしょう。C#は、Windowsと相性が良いので、今後も高い需要が見込めます。なお「.NET Framework」のリリースは終了しており、「.NET Core」や「.NET 5」のような新しいフレームワークへの移行作業などで、一定のC#エンジニアの需要が見込めます。

ゲーム開発による恩恵(VR/AR、AI、ロボット制御)

C#は、新しい分野への活用が見込まれるため、将来性が高いです。ゲーム開発で用いられるゲームエンジン「Unity」は、AR/VRのような最先端技術の分野でも活用されています。ロボット制御やAIの分野でも同様です。

たとえば、機械学習用ライブラリ「ML.NET」がマイクロソフトから提供されています。AIといえばPythonが有名ですが、C#でも多くのライブラリを活用できます。この点からも、ゲーム開発や最先端技術の分野で働きたい方や転職したい方にとって、C#は必要なスキルだといえます。

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C#を学習する際のポイント

プログラミングの実務経験なしからC#エンジニアにいきなり転職するのは難しいですが、他言語の経験があれば、C#の習得も可能であると判断されやすく、転職も可能になるでしょう。ただし、ほかの応募者に負けないよう転職活動中や入社前から勉強をスタートしておくことが望ましいです。

ここでは、C#を転職に活かすための学習ポイントを紹介します。

関連記事:
C#の効率的な勉強方法は?学習時間の目安やおすすめのサイトも紹介
C#エンジニアにおすすめの資格10選

ポイント1. 前提の認識と学習時間の確保

学習を始める前に、C#の概要と学習にかかる時間について確認しておきましょう。何も知らない状態からいきなり学習を始めてしまうと、途中で挫折してしまう可能性があります。

C#は、オブジェクト指向の言語です。Javaを学習している方や、開発経験のある方は短期間で習得できるでしょう。初学者は100時間程度の学習時間を目安に考えてください。

ポイント2. 学習する目的を考える

C#を学習したいと考えたきっかけは「業務システムの開発に携わりたい」「スマホアプリやゲームを開発したい」「AIロボットの開発がしたい」など、人によってさまざまです。まずは、C#を習得して何がしたいのかを明確に言語化できるようにしましょう。初めは目的を一つに絞ると学習効率が上がります。C#の需要は比較的高いため、どのような目的で学習しているのかを念頭に置いて、転職先の企業を選びましょう。

ポイント3. 学習方法を決める

学習方法によってかかるコストや効率が変わります。どのような学習方法を選択するかによって、習得できるスピードも変わってくるでしょう。ここでは学習方法として、「書籍」「動画・学習サイト」「オンラインスクール」に絞って紹介します。

書籍

書籍を活用した学習は、低コストかつ自分のペースで学習できる点がメリットです。忙しい方でも、スキマ時間を活用して学習を進められます。書籍で学習するのであれば、以下の書籍がおすすめです。

・初心者向け
『C#の絵本 第2版 C#が楽しくなる新しい9つの扉』(翔泳社、株式会社アンク)
『新・標準プログラマーズライブラリ なるほどなっとく C#入門』(技術評論社、出井 秀行)

・プログラミング経験者向け
『独習C# 第5版』(翔泳社、山田 祥寛)

また、書籍で学習する場合にも、読んだだけではプログラムが書けるようにはりません。書籍に記載されたコードをPC上で動かして理解を深めましょう。

動画・学習サイト

動画・学習サイトの活用は、基礎的な部分から難解なプログラミングまで、レベルに応じた学習ができる点がメリットです。また、低コストで、ネット環境さえあれば家で気軽に学習を始められます。おすすめの学習サイトとして、ドットインストール一週間で身につくC#言語の基本などがあります。

オンラインスクール

オンラインスクールは学習カリキュラムが用意されており、効率的に学習が可能です。また、分からない点は講師がサポートしてくれるため、挫折せずに着実にスキルアップしていけます。ただし、独学よりもコストがかかることや完全に自分のペースでは進められないといったデメリットもあります。

ポイント4. 目的に応じた学習を行う

C#は、ゲームやスマホアプリの開発にも使われています。C#の知識やスキルを習得できたら、目的に応じて関連するツールについても学習しておくと応用範囲が広がり、よりスキルアップできるでしょう。ここでは、基礎学習を終えた後に学習すべきものとしてUnityと.NET MAUIを紹介します。

Unity

Unityは、ゲーム開発に必要な機能を備えたゲームエンジンです。画面描画やサウンド、データ作成などは、直感的な操作で開発できます。プログラミングにはC#を使いますが、通常のプログラミングと異なり、画面を見ながらマウス操作をすることが多いです。ゲーム開発に携わりたい方は、Unityの学習をおすすめします。

Unityの学習には、チュートリアルやハンズオンを提供しているUnity Learnの利用がおすすめです。

.NET MAUI

.NET MAUIは、クロスプラットフォームなデスクトップアプリやスマホアプリ開発を支援するXamarinの後継となるツールです。

スマホアプリ開発は、従来はOSによって使用する言語が異なるため、学習・開発コストが高くなる課題がありました。しかし、.NET MAUIを使うことで、一つのコードでiOSとAndroidや各種のデスクトップに対応したアプリをC#で開発できます。スマホアプリ開発に携わりたい方は、身につけておきたいスキルです。

Microsoft社によりチュートリアルなどが公開されているため学習に活用してください。

ポイント5. 資格取得を目標とした学習で成果をあげる

ゴールを設定していない学習は、モチベーションを維持しづらく挫折しやすいです。そこで、目標を定めて、計画的に学習することをおすすめします。目標としては特定の分野のアプリ完成などがよいですが、難易度が高く遠すぎる目標となる場合には、適宜マイルストーンとなる目標も設定します。

資格の取得は程よい難易度の学習の目標となります。C#に関する資格認定試験及び学習コースとして、freeCodeCampのFoundational C# with Microsoftがあります。Microsoft Learnのハンズオンが組み合わされており、ステップを経ながらC#の学習が可能です。無料で利用できるため、ぜひ活用してみましょう。

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C#に関するよくある質問

C#の習得を検討する際、疑問を持つこともあるでしょう。C#についてのよくある質問として、開発用途やC言語との違い、習得難易度などに関する疑問が挙げられます。特に開発用途は何を目的に言語を習得するのか、自分のキャリアにどのようなインパクトがあるか、学習する言語を選択する理由として重要なポイントです。

以下では、C#に関するよくある質問と回答をまとめました。質問と回答を参考に疑問を解消して、言語選択にお役立てください。

Q1. C#は何に使いますか?

C#は汎用的なプログラミング言語で、幅広い用途に利用できます。デスクトップアプリ、スマホアプリ、Webアプリ、バッチアプリなどの開発が可能です。また、業務システム、Webサービス、ゲーム開発、スマホアプリ開発などの現場でも利用されています。

Q2. C#とC言語の違いを教えてください

C言語は1970年代に登場した歴史あるプログラミング言語です。高水準言語と低水準言語の特徴を併せ持ち、高速処理などの特徴を持ちます。一方C#は、C言語を参考に開発されています。C言語との違いとして、オブジェクト指向の採用、メモリ安全性の確保、Windowsアプリ開発に適していることなどがあります。

Q3. C#の習得難易度は高いですか?

C#は、厳格な型指定があることや文法も長くなりやすいことから、PythonやRubyなどと比較すると習得難易度は高いといえます。ただし、インターネット上などで多くの情報が得られること、Javaと似ているためJava経験者は習得しやすいことなどから、C言語、C++と比較すると習得難易度は低いです。

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まとめ

本記事では、C#の特徴やメリット、C言語やC++との違い、今後の需要や将来性、学習方法、転職に活かすためのポイントなどを解説しました。

C#はマイクロソフトが開発した言語で、Windowsとの相性が良く、効率的にアプリ開発ができることが特徴の一つです。C#は業務システム開発やWebアプリ・スマホアプリ開発、そしてゲーム開発(VR/AR)など、幅広い分野で活用されています。

C#は、今後ますます需要が高まることが予想されます。その理由として、開発ツールやライブラリが充実しており、クロスプラットフォーム開発やゲーム開発(VR/AR、AI、ロボット制御)での活用が見込まれることが挙げられます。ぜひ、この記事を参考に習得を検討してみてください。

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