- AIエンジニアに必要なポートフォリオとは
- AIエンジニアのポートフォリオ公開までの4ステップ
- AIエンジニアがポートフォリオを作成する際に注意すべきポイント
- AIエンジニアのポートフォリオに関するよくある質問
- まとめ
AIエンジニアに必要なポートフォリオとは
AIエンジニアのポートフォリオは、技術力や経験を可視化し、第三者に伝えるための重要な方法です。主に、プロフィール、スキルセット、成果物、そして自己PRの4項目で構成されます。
プロフィールでは自己紹介や経歴を、スキルセットでは得意分野や資格を記載します。AIエンジニアとして求められるスキルには、機械学習モデルの開発経験、Pythonでのプログラミング、データ処理・分析スキル、統計学などがあります。
成果物は、機械学習モデルを用いた解析プログラムやチャットボットなど、実際に作成したものを提示します。これにより、スキルレベルや問題解決能力を具体的にアピールできます。ポートフォリオを通じて、自身の能力を効果的に示すことが、他の候補者との差別化につながります。
AIエンジニアの仕事内容や求められるスキルについては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせて御覧ください。
関連記事:
AIエンジニアとは?仕事内容やなるために必要なスキル、年収を解説
未経験でAIエンジニアになるには?必要なスキルや役立つ資格を紹介
AIエンジニアに向いている人の7つの特徴、学ぶべき技術
AIエンジニアのポートフォリオ公開までの4ステップ
AIエンジニアのポートフォリオを作成し公開するまでの大まかな流れは、以下の4ステップです。
-
1. 作成対象を決める
2. 使用する技術を決め、習得する
3. ポートフォリオを作成する
4. ポートフォリオを公開する
特に重要なのは、「作成対象」と「使用する技術」を明確にすることです。これらが明確でないと、ポートフォリオを作成してもアピールポイントが伝わらず、適切な評価につながりません。
1. 作成対象を決める
ポートフォリオ作成の最初のステップは、作成対象を明確にすることです。これにより、途中での変更や手戻りを減らせます。
作成対象を決める際は、以下の3点を考慮すると良いです。
・AIエンジニアに求められる技術を使用する
・目指す企業にあった作品にする
・転職後に携わりたい技術にあった作品にする
これらを踏まえることで、企業が求める人材像や希望する技術と、ポートフォリオをマッチングできます。
ただし、ポートフォリオは自分のスキルや経験を掲載するものです。必ずしも志望企業によせすぎる必要はなく、自分の趣味で作った制作物なども掲載してよいです。
2. 使用する技術を決め、習得する
AIエンジニアに求められる技術は多岐にわたり、進歩も早いため、すべてを習得することは現実的ではありません。選んだ作品対象に合わせて使用する技術を決め、必要なものに絞って習得をおすすめします。
AIエンジニアの技術としていくつか例を紹介します。
技術習得にはオンライン講座や書籍などを活用し、基礎から応用まで効率的に学ぶことをおすすめします。
経験者の場合、必ずしも技術を転職先の企業に合わせる必要はありません。自分のスキルをアピールできる作品があれば、積極的にポートフォリオに掲載しましょう。
また、関連する資格の取得も有効です。以下の記事では、AIエンジニアに役立つ資格について解説しています。
関連記事:AI関連の資格おすすめ15選!取得のメリットや勉強方法も解説
記事の中でも紹介されていますが、代表的な資格としては以下があります。
3. ポートフォリオを作成する
ポートフォリオの作成手順は以下の通りです。
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1. ポートフォリオの概要を作成する
2. プロフィールを記載する
3. スキルセット、今までの実績をまとめる
4. 作品を作成する
5. 作品の説明資料を作成する
6. これまでの成果物をまとめる
ポートフォリオには、自身のオリジナルの要素を盛り込み、技術力の高さをアピールできるとより良いです。また、視覚的な要素も重要です。グラフや図表を用いて、見る人が理解しやすく興味を持つ内容に仕上げることを心がけると、技術力だけでなくデザインでも評価される可能性があります。
デザインや見せ方にこだわりすぎる必要はありませんが、第3者が見たときに、あなたのスキルや能力を判断できる材料を集めてください。
作品の説明資料には、以下の点を盛り込みます。
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・プロジェクトの概要
・使用した技術
・解決する課題
・得られた成果
・工夫した点
・苦労した点・改善した点
4. ポートフォリオを公開する
最後に、完成したポートフォリオを公開しましょう。公開することで、より多くの人に見てもらえ、自分の技術力をアピールできます。このポートフォリオを見た人から、仕事のスカウトが来る可能性もあります。
ポートフォリオの公開には、プラットフォームを利用すると便利です。ポートフォリオの公開にお勧めのプラットフォームを以下の表にまとめました。
プラットフォーム | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
GitHub | ソフトウェア開発者向けプラットフォーム | ・無料で利用可能 ・エンジニア向けに認知度が高い |
・非技術者にはわかりにくい |
個人サイト | 個人ブログなどのサイトに公開 | ・自由度が高い ・カスタマイズして技術力をアピールできる |
・サーバーの契約が必要 ・保守管理などの手間が発生 |
世界最大のビジネスSNS。日本で300万人が登録 | ・就職、転職に直結しやすい ・国際的な認知度が高い ・カスタマイズして技術力をアピールできる |
・デザインの自由度が低い | |
Wantedly | 日本市場に特化したビジネスSNS。ユーザ数400万人、40,000社が登録 | ・企業とのマッチングが容易 ・プロフィールの作成が簡単 |
・国際的な認知度が低い |
ITエンジニアの転職では、GitHubか個人サイトの利用がおすすめです。GitHubなら他の開発者との交流が可能で、個人サイトであればWebサイト構築などの技術力も一緒にアピールできます。
公開後は、フィードバックを受けて改善を重ねることで、ポートフォリオの完成度をさらに高められます。
AIエンジニアがポートフォリオを作成する際に注意すべきポイント
ポートフォリオは、自分のスキルやプロジェクト実績を示す重要なツールですが、作成や運用の際にはいくつかの注意点があります。
-
・公開可能か確認する
・定期的に発信・更新する
・わかりやすい内容にする
公開可能か確認する
AIエンジニアのポートフォリオを作成する際には、引用したデータやコードが公開可能か確認してください。例えば、個人情報や機密性の高いデータを含む内容を無断で公開すると、法的問題に発展するリスクがあります。
また、プロジェクトが第三者の著作権やライセンスに抵触しないよう、使用するライブラリやデータセットのライセンス条項の確認が重要です。
定期的に発信・更新する
ポートフォリオを作成したら、定期的に内容を更新・確認してください。なぜならAI技術は進化が速いため、古い技術や成果だけではアピール力が不足する可能性があるからです。AI技術のトレンドを常にキャッチアップしておくことが大切です。
新しい技術が公開されたら、その技術を使用したプロジェクトを追加したり、既存のプロジェクトを改良したりして、新たな成果を反映しましょう。また、ブログやSNSで進捗状況や技術的な考察を発信することも効果的です。定期的な発信により、業界内での存在感を高めるとともに、最新のスキルを持つことをアピールできます。
わかりやすい内容にする
AIエンジニアとしてのスキルを証明するためには、わかりやすくアピールしなければ相手に伝わりません。ポートフォリオは技術力を示すだけでなく、情報をわかりやすく整理する能力も評価されます。
プロジェクトの目的、使用した技術、結果および得られた知見を簡潔に説明し、グラフや表、画像などを用いて視覚的な資料を作成しましょう。また、GitHubでのコード公開時には、リポジトリ内に説明書となるファイルを作成し、プロジェクトの概要や実行手順を詳細に記載すると利用者にわかりやすく伝わります。
採用担当者がスムーズに理解できるよう、AI技術の複雑な技術説明やわかりにくい内容は避け、見た目にも工夫を凝らしたポートフォリオを心がけましょう。
AIエンジニアのポートフォリオに関するよくある質問
AIエンジニアのポートフォリオに関するよくある質問について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
Q1. AIエンジニアに必要なスキルは?
AIエンジニアに必要なスキルとして、以下が挙げられます。ただし、AIエンジニアとして、どういった業務に取り組みたいのかによってスキルは異なります。
・プログラミングスキル: Python(TensorFlowやPyTorchのようなライブラリ、フレームワークも必要)
・数学の知識: 線形代数、微積分、確率統計など
・データ分析: PandasやNumPy、Matplotlib、Seabornなどのライブラリ
・機械学習・深層学習: モデル構築や評価方法、アルゴリズムの実装
・プログラム実行環境: AWSやGoogle Cloudなどのクラウドサービスに関するスキル
その他、データベースに格納されたデータを扱うためのSQLやデータベース関連のスキル、プログラムをテストするためのスキルなど、ITエンジニアが基本的に習得すべきスキルも求められます。
Q2. AIエンジニアになるにはどのくらい勉強すればいいですか?
AI実装検定協会によるとAIエンジニアになるには、「未経験者で600時間、基礎知識がある人で300時間が目安」とされています。
AIエンジニアになるために必要な勉強時間は、個人の能力によって異なります。例えば未経験からAIエンジニアを目指す場合、目安として約600時間は必要といえます。働きながら1日2~3時間勉強するとして、6か月から1年の時間がかかります。ITの基礎知識を持っている人であれば、約300時間が目安です。
この期間で、プログラミング、数学、機械学習理論、フレームワークの使用方法を基礎から実践まで学ぶ必要があります。また、実際のプロジェクトを通じて知識を深めることが重要であり、オンライン講座や書籍、ハンズオンワークショップを活用するのが有効です。学んだ知識をポートフォリオに反映し、成果として形にすることで、転職活動を有利に進められます。
まとめ
AIエンジニアを目指すには、ポートフォリオは技術力や実績を証明するために必須のツールといえます。効果的なポートフォリオを作成するには、以下のポイントが重要です。
・「作成対象はなにか」「使用する技術はなにか」を明確にする
採用担当者にうまくアピールするためには、AIエンジニアのスキルを証明するだけでなく、企業が求めているものであることが大切です。加えて、転職後に携わりたい技術を使うことで、転職後の自分にもメリットがあります。
作成対象を選定し、必要な技術を習得、実際のプロジェクトを形にする流れをしっかり計画しましょう。公開する際には、法的リスクやライセンスの確認を怠らないよう注意が必要です。
・具体的で実用的なポートフォリオを作成する
画像認識やWebスクレイピング、タスク自動化、チャットボットなど、採用担当者にアピールできる実践的なプロジェクトが効果的です。プロジェクトの成果をわかりやすく伝える工夫も盛り込みましょう。
・継続的な更新とわかりやすさ
技術の進歩に合わせてポートフォリオを定期的に更新し、常に最新のスキルを反映させることが求められます。誰でも理解しやすい構成を心がけましょう。
AIエンジニアとして活躍するためには、プログラミングや数学、データ分析のスキルを体系的に学び、ポートフォリオで実績を可視化することが成功への第一歩です。初心者であっても計画的に取り組むことで、採用担当者に自分の価値を効果的に伝えることができます。ポートフォリオを活用して、AIエンジニアとしての道を開きましょう。
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