VB.NETとはどんな言語?概要や将来性、特徴を解説

最終更新日:2024年7月29日

VB.NETはMicrosoft社が開発したオブジェクト指向言語です。.NET Framework上での開発に用いられ、Windows関連の開発に活用されてきました。また、学習コストの低さや導入の手軽さから比較的優秀なプログラミング言語として知られています。

ただし、プログラミング言語には流行があり、人気のある言語でも廃れていくこともあります。VB.NETはさまざまな事情から、今後はシェアが縮小する可能性も否定できません。

本記事では、プログラミング言語に興味があり、VB.NETの学習を検討する方に向けて、VB.NETとはどんな言語か、特徴やできること、需要と将来性、学習方法などを解説しています。

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この記事のまとめ

  • VB.NETとは、.NET Framework向け開発、Windows関連の開発に活用されてきたプログラミング言語
  • VBとVB.NETはバージョンで区別され、Visual Basic 6.0まではVB、以降はVB.NETと呼ぶことが一般的
  • VB.NETを用いた新規開発は減少傾向だが、プログラミング言語の人気ランキングサイトでも、一定の話題性を保っている

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VB.NETとは?

VB.NET(Visual Basic.NET)とは、Microsoft社が開発したオブジェクト指向のプログラミング言語です。VB(Visual Basic)にオブジェクト指向の要素を加えつつ、「.NET Framework」に対応していることから、VBの後継言語ともいわれています。.NET Frameworkとは、Microsoft社が提供しているアプリケーション開発・実行環境です。

オブジェクト指向言語としてのVB.NETは、2002年に誕生しました。前身にあたるVB6.0以前のバージョンと互換性はありません。

ちなみに、VB6.0は2008年にサポートが終了し、統合開発環境をインストールできるWindows Vistaも2017年にサポート期限を迎えています。したがって、VB6.0からVB.NETへの移行が推奨されていることも覚えておきましょう。

VBとVB.NETの違い

VBとVB.NETは、バージョンによって区別されています。VB.NETの前身であるVBは1991年に開発され、幾度かのバージョンアップを行っていますが、Visual Basic 6.0まではVB、それ以降はVB.NETと呼ばれることが一般的です。具体的には下記のバージョンのうち、「Visual Basic .NET」以降がVB.NETです。

<VB>
Visual Basic 1.0~
Visual Basic 2.0
Visual Basic 3.0
Visual Basic 4.0
Visual Basic 5.0
Visual Basic 6.0

<VB.NET>
Visual Basic .NET
Visual Basic .NET 2003
Visual Basic 2005
Visual Basic 2008
Visual Basic 2010
Visual Basic 2012
Visual Basic 2013
Visual Basic 2015
Visual Basic 2017
Visual Basic 2019

Visual Basic 6.0まではVB、以降はVB.NETですが、Visual Basic 2005以降は「.NET」という文字がなくなっていることで判別しにくくなっています。混乱を防ぐために、「Visual Basic 6.0の次バージョンからはVB.NET」と覚えておくと良いでしょう。

VBA・VBScriptとVB.NETの違い

VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft社のOffice製品上で記述、実行できるプログラミング言語です。VBAによるプログラムを作成することで、Office製品の拡張をすることができます。VBAのプログラミングの構文はVBと類似していますが、動作環境がOffice製品上となるためアクセスできるオブジェクトは限られます。できることもOffice製品の処理の自動化など限定的です。

VBScript(Visual Basic Scripting Edition)はVBと似た記述を持つ、Windows用のスクリプト言語です。かつてはWebのクライアントサイド、サーバーサイドなどでも利用されたこともありましたが、JavaScriptとの競争の結果、2024年時点のWeb分野ではほとんど利用されていません。Windows用のスクリプト言語としてもPowerShellの登場などにより利用機会が減り、2023年10月にはWindowsクライアントの非推奨機能に入り、将来的に廃止予定です。

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VB.NETの特徴

VB.NETの持つ特徴を知っておくことで有効に活用できるようになるでしょう。VB.NETにはさまざまな特徴があります。

たとえば、無料で利用できることや自然言語に近いこと、可読性が高いことなどは初心者が学習を始める上で非常に重要な要素です。またほかにも、フォームを使ってアプリ開発できるなどの特徴があります。

以下では、VB.NETの特徴について詳しく解説していきます。

簡単かつ無料で導入できる

VB.NETはMicrosoft社のVisual Studioさえあれば開発が始められるため、環境構築に手間がかかりません。Visual Studio 2022にはVisual Studio Communityという無償版が用意されています。

またコードエディタのVisual Studio CodeもVB.NETに対応しているため、VB.NETのプログラミングで活用できます。

プログラミング初心者は特に環境構築で挫折してしまう場合も多いので、手軽に始められるのは言語として一つの強みです。

自然言語に近く学習しやすい

VB.NETは自然言語に近いイメージで記述できるため、C言語やC#に比べると学習コストが低いことも特徴の一つでしょう。

VB.NETの記述はプログラミング言語に多い記号(「()」「;」など)が少なく、英単語を並べたイメージに近いです。終了を示すキーワードも「End」であるなど、通常の文章の読み書きに近い形で扱えます。

関連記事:C言語とは?特徴やC++やC#との違いを分かりやすく解説

可読性が高く初心者にもわかりやすい

VB.NETは自然言語に近い特性を持つことから、プログラミングに慣れていない人でも読みやすい(可読性が高い)プログラミング言語です。

プログラム構文上でも可読性を考慮した仕組みを取り入れています。たとえば、プログラムに欠かせない変数の宣言では、ほかの言語では型の指定を行い、その後ろに変数名(識別子名)を記述します。VB.NETの場合は、英文法と同じ語順で「変数名 As 型」という書き方をするためプログラミングの初心者でもわかりやすいでしょう。

フォームを使ってアプリを開発できる

VB.NETにはあらかじめ複数のフォームが用意されています。フォームを活用することで、WindowsのGUIデスクトップアプリケーションが簡単に作れます。

Windowsフォームとは、簡単なコードを追記することで機能の実装、指定などができるように用意された部品です。フォームに対し、ツールボックスからドラッグアンドドロップでデザインを組み込むことが可能で、直感的に操作できる部分も便利です。

また、これらに対し「クリックされたとき」「画面が呼び出されたとき」といったイベントごとの処理を記載することで、操作に対して処理を行うアプリケーションが作成できます。

オブジェクト指向・手続き型にも対応できる柔軟性がある

VB.NETはオブジェクト指向言語に分類されるものの、手続き型言語のような記述にも対応しています。処理の内容によって、2つのプログラミングパラダイムに沿ったコーディングを使い分けることが可能です。一方のみに対応したプログラミング言語と比べて、柔軟性の高い言語だといえます。

ダックタイピングが可能

VB.NETは変数の型付けについても柔軟性が高く、動的型付け、静的型付けの両方に対応しています。静的型付けは変数の型を宣言時に明確に定める方式、動的型付けは変数が利用されるタイミングで変数の型が決まる方式です。

動的型付けに対応しているため、ダックタイピングと呼ばれる一つのインタフェースを用意するとさまざまな型の引数の処理を記述できる記法に対応可能です。ダックタイピングを上手く活用すれば、開発速度を高めることが期待できます。

ただし、引数の型に対応したコードが記載されていない場合には、実行時エラーなどが起こるケースもあるため注意が必要です。

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VB.NETでできること

VB.NETについて興味がある人にとって、VB.NETを使ってできることは非常に気になる要素です。VB.NETを利用すると、主にシステム開発やアプリケーション開発などができます。Microsoft社が開発したプログラミング言語のため、開発元が同じWindows OSやOffice製品などと相性が良いです。

以下では、VB.NETでできることについて詳しく解説していきます。

Windowsのシステム・アプリケーション開発

VB.NETではWindows向けのデスクトップアプリケーションが作成できます。VB.NET自体はMacOSでも動作するのですが、実際に開発されるアプリケーションはWindows関連のものが多いです。特にGUI関連(ボタンやテキストボックスなど、ユーザーが直接目にする部分)の開発に強いです。

Officeのシステム・アプリケーション開発

VB.NETはExcel・Word・OutlookといったOfficeアプリケーションに付加機能を持たせる開発でも活用されています。VSTOアドイン、COMアドインと呼ばれる部品を作成することでOffice製品の機能拡張が実現できます。

UWPアプリケーション開発

Windows 10、Windows 11上でのUWPアプリ開発は、VB.NETの新たな活躍の場といえるでしょう。UWPアプリとは、「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」で動作するアプリケーションのことです。UWPは、Windows 10以降の核となっている部分で、OSそのものともいえます。

UWPアプリと通常のデスクトップアプリの主な違いは、「セキュアであること」「ストアからインストールできること」「デバイスに応じてUIが切り替わること(レスポンシブデザイン)」の3点です。また、フリーズを防ぐために非同期プログラミングを取り入れたり、クラウド環境での使用を前提としたり(クラウドファースト)といった特徴もあります。

Webアプリケーション開発

Webアプリケーション開発においては、ASP.NETを利用する場合の開発言語としてVB.NETを選択することが可能です。新規の開発案件で選ばれることは減っていますが、既存システムの保守、改修などで利用するケースがあります。

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VB.NETの需要と将来性

VB.NETの習得を検討する上で非常に気になるのが、需要と将来性です。需要のないプログラミング言語を習得したところで、転職市場においてIT人材としての価値は上がりにくいでしょう。

VB.NETは非常に使い勝手が良い言語ですが、ここ数年は将来性を疑問視する声があります。そこで、現状を踏まえながらVB.NETの需要と将来性を整理してみましょう。

関連記事:VB.NETエンジニアへの転職!需要や転職で評価されるスキル・経験を紹介

VB.NETの需要

2024年時点で、VB.NETを用いた新規開発は減少傾向にあるといえます。現在はVB.NETで対応できる開発用途において、代替となる言語(JavaScriptやC#など)が一般化したことから、あえて汎用性の低いVB.NETで開発するケースは少ないです。

ただし、プログラミング言語の人気を指標化したランキングサイトTIOBE Indexでは、2024年5月時点で7位(前年同月6位)に位置しており、現在も一定の需要を保っていることが伺えます。

VB.NETの将来性

VB.NETの将来性を端的に述べると「保守・改修案件の一部で需要は残るが、シェアは徐々に小さくなる可能性が高い」といえます。

VB.NETはWindowsをベースにした業務システムやアプリケーションの開発で使用されてきました。一般的に業務システムは、Webアプリ開発などに比べて実績を重視するため、安定稼働の実績を持つシステムの中身を大幅に入れ替えることは少ないです。したがって、VB.NETによって開発されたシステムがある限り、保守・改修といった案件は発生するでしょう。

また、VB(Visual Basic 6.0まで)で構築されたシステムをVB.NETへ移行させる動きも強いため、マイグレーション需要は一部見込めます。

一方で、オープンソース全盛の現代において、汎用性で劣るVB.NETが大幅にシェアを拡大することは難しいと考えられます。そのため、VB.NETだけを専門的に学ぶようなスキルの磨き方は、リスクが高く避けるべきです。Microsoft社が力を入れているプログラミング言語としてC#があるため、あわせて習得することでリスク分散が図れます。

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VB.NETを学習するメリット

VB.NETを学習するメリットを知ることにより、習得を検討する判断材料になるでしょう。他言語ではなくあえてVB.NETを学習することには、「環境構築から言語習得までの難易度が低い」「情報が多く挫折しにくい」などのメリットがあります。

これらのVB.NETを学習するメリットについて以下で詳しく説明します。

環境構築から言語習得までの難易度が低い

VB.NETは環境構築が簡単で、プログラミングの前段階で挫折する可能性が低いです。プログラミング自体も直感的にできる部分が多いので、スキルが身につくまでに挫折することは少ないでしょう。VB.NETでプログラミングの基礎を身につければほかの言語にも応用が利くので、最初のプログラミング言語として選択するメリットがあります。

情報が多く挫折しにくい

VB.NETは古くからある言語で、その分情報が豊富に存在しています。書籍やネット上の情報が充実しているので、わからないことや解消できないエラーがあっても情報収集しやすいです。情報が見つからずに習得を挫折してしまうケースはかなり多いため、VB.NETはそのリスクが低いです。

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VB.NETの学習方法

これからVB.NETを習得しようと考えている方のなかには、どのように学習すべきかわからない方もいるでしょう。VB.NETは「オンライン講座やチュートリアルの活用」「参考書籍で独学」「プログラミングスクールに通う」「コミュニティやフォーラムへの参加」などの学習方法があります。

ここでは、これらのVB.NETを学ぶ方法について説明します。どのような情報を参考にした場合にも、実際にソースコードの作成や実行をして、理解を深めることが重要です。

オンライン講座やチュートリアルの利用

効率良く学習を進めるには、オンライン講座の利用がおすすめです。オンライン講座では、ビデオやオンラインチャットなどを利用して、自分のペースで学ぶことができます。オンライン講座ではわからないことを講師に質問できるため、挫折なく学習を進めることができるでしょう。

Microsoftの公式サイトでは、無料で利用できるVB.NETのチュートリアルも用意されています。基本的な内容がコンパクトにまとまっていて、初心者にも取り組みやすい内容になっているため、おすすめです。

参考書籍で勉強

参考書や入門書を活用して学ぶのも有効な方法です。VB.NETについてわかりやすく解説した書籍は多数出版されているので、その中で自分の目的やレベルに合ったものを選ぶと良いでしょう。

書籍は、自分のペースで学習を進めることができ、復習や参照にも便利です。また、より深い理解を得るために、複数の書籍を比較して読むことも有効です。

プログラミングスクールの利用

参考書やチュートリアルなどでの独学が苦手だと感じる人は、スクールに通うのがおすすめです。VB.NETを扱うプログラミングスクールでカリキュラムに沿って学習することで、効率的に習得できるでしょう。その場でプロの講師に教えてもらえるのは大きなメリットです。しかし、ほかの方法に比べて費用は高くなりがちなため注意が必要です。

コミュニティやフォーラムへの参加

VB.NETを扱っているコミュニティやフォーラムに参加することで、ほかの開発者と情報を共有したり、新しいアイデアを得たりすることができます。また、自分の問題を解決するためのアドバイスや支援を得ることもできます。

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VB.NETの開発環境

VB.NETに限らずプログラミング言語を用いて開発を行うためには、開発環境を用意しなければなりません。VB.NETで開発を行うための開発環境は、Visual StudioVisual Studio Codeがあります。以下では、これらの開発環境の概要や特徴について説明します。

Visual Studio

Visual Studioは、Windows向けの大規模な基幹業務アプリケーション開発に適した統合開発環境(IDE)です。Microsoft社が製造、販売しており、利用者は限られますが、無償で利用することのできるバージョンも存在します。コードエディタおよびビルド環境、デバッグ環境の機能も兼ね備えているのが特徴です。

デスクトップアプリ開発用の .NETとASP.NETを始めとするWeb開発用のコンポーネントが組み込まれており、ソフトウェア開発向けの開発環境です。

VB.NETのコードを作成する際には、IntelliSenseやアナライザーといったライブサポート機能を利用することができます。さらに、一般的に使用されているデバッグツールや診断ツールも提供されています。

Visual Studio Code

Visual Studio Codeは軽量で高速なコードエディタで、小規模なアプリケーション開発やWeb開発に適しています。コードの記述、編集、デバッグ、Gitのバージョン管理などができます。また機能拡張によりさまざまな機能を追加することが可能です。

しかし、Visual Studioに比べると豊富な機能がないため、大規模なアプリケーション開発には向いていません。

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VB.NETの基本構文とデータ型

プログラミング初心者にとって、基本構文やデータ型といわれてもわからない方が多いでしょう。プログラミング言語にも英語などと同じように基礎の文法が存在します。学習を始める際は、まず基本から押さえていきましょう。ここでは、VB.NETのイメージを湧きやすくするため、基本構文とデータ型を紹介します。

まず前提としてVB.NETには、以下の構文が基本型として用意されています。

  • ・文字型(Chr)

    ・文字列型(String)

    ・整数型(SByte, Short, Integer, Long)

    ・符号なし整数型(Byte, UShort, UInteger, Ulong)

    ・十進型(Decimal)

    ・浮動小数点型(Double, Single)

    ・バイト型(Byte)

    ・日付型(Date)

    ・論理型(Boolean)

    ・オブジェクト型(Object)

変数の宣言と代入

VB.NETで変数を使用する場合は、変数の宣言が必要です。宣言と同時に変数に初期値を代入できます。

たとえば、以下のように変数を宣言し、値を代入することができます。

Dim a As Integer
a = 10

または、次のように宣言と初期値の代入を同時に行うこともできます。

Dim b As Integer = 20

条件分岐と繰り返し処理

VB.NETでは、条件分岐と繰り返し処理を実装できます。条件分岐には、If文やSelect Case文、繰り返し処理は、For文やDo While文などがあります。

たとえば、以下のようにIf文を使用して条件分岐を実装することができます。

Dim c As Integer = 30
If c > 20 Then
Console.WriteLine("cは20より大きいです")
Else
Console.WriteLine("cは20以下です")
End If

また、以下のようにFor文を使用して繰り返し処理を記述することができます。

For i As Integer = 1 To 10
Console.WriteLine(i)
Next i

関数とサブルーチン

VB.NETでは、処理のまとまりとして関数とサブルーチンを宣言し、ほかのコードから呼び出すことができます。関数は値を返すことができますが、サブルーチンは値を返しません。

たとえば、以下のように関数を宣言することができます。

Function Add(a As Integer, b As Integer) As Integer
Return a + b
End Function

また、以下のようにサブルーチンを宣言することができます。

Sub ShowMessage(message As String)
Console.WriteLine(message)
End Sub

配列とコレクション

VB.NETでは、配列やコレクションを使用して複数の値を管理可能です。配列は要素の型と要素数を指定して宣言することができます。一方で、コレクションは配列とは異なり、動的に要素を追加・削除します。

VB.NETでは、配列を宣言するために、データ型の後に角括弧を使用します。以下は、整数型の配列を宣言する例です。

Dim numbers(4) As Integer

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VB.NETでのデータベースアクセス方法

VB.NETを使ってデータベースにアクセスすることが可能です。VB.NETを使用して、データベースにアクセスする場合、接続先のデータベースの種類によって使用する方法が異なります。ここではADO.NETでSQL Server データベースにアクセスする方法について説明します。以下の手順を参考にしてみてください。

ADO.NETによるデータベース接続

ADO.NETは、.NET Frameworkに含まれる標準的なデータアクセス技術であり、データベースにアクセスするための一連のクラスとメソッドを提供しています。
以下は、ADO.NETでSQL Serverデータベースに接続する例です。

Dim connectionString As String = "Data Source = myServerAddress;Initial Catalog=myDataBase;User
Id=myUsername;Password=myPassword;"
Dim connection As New SqlConnection(connectionString)
connection.Open()

この例では、SqlConnectionオブジェクトを使用して、SQL Serverデータベースに接続しています。接続文字列には、データベースの接続情報が含まれます。connection.Open()メソッドを呼び出すことで、実際にデータベースに接続します。

データベース操作の基本

接続が完了したら、SqlCommandオブジェクトを使用して、SQL Serverデータベースからデータを取得することができます。以下は、SELECT文を実行する例です。

Dim command As New SqlCommand("SELECT * FROM Customers", connection)
Dim reader As SqlDataReader = command.ExecuteReader()
While reader.Read()
Console.WriteLine(reader("CustomerID") & ", " & reader("CompanyName"))
End While reader.Close()
connection.Close()

この例では、SqlCommandオブジェクトを使用して、Customersテーブルからすべての列を取得するSELECT文を実行しています。ExecuteReaderメソッドを呼び出すことで、実際にSQL Serverデータベースからデータを取得します。取得したデータはSqlDataReaderオブジェクトに格納され、Readメソッドを使用して1行ずつ読み取ることが可能です。

SqlCommandオブジェクトを使用してINSERT文やUPDATE文を実行することもできます。以下は、VB.NETでSQL Serverデータベースに対してINSERT文を実行する例です。

Dim command As New SqlCommand("INSERT INTO Customers (CustomerID, CompanyName)
VALUES (@CustomerID, @CompanyName)", connection)
command.Parameters.AddWithValue("@CustomerID", "ALFKI")
command.Parameters.AddWithValue("@CompanyName", "Alfreds Futterkiste")
command.ExecuteNonQuery()

この例では、SqlCommandオブジェクトを使用して、Customersテーブルに対してINSERT文を実行しています。パラメータ化されたクエリを使用することで、SQLインジェクション攻撃から保護することができます。ExecuteNonQueryメソッドを呼び出すことで、実際にINSERT文が実行されます。

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VB.NETとあわせて身につけておきたい言語

VB.NET単体でも活用できますが、ほかのプログラミング言語とあわせて習得するとより活用の幅が広がります。将来性を考えるとC#やJavaScriptなどのほかのプログラミング言語も身につけておいたほうが良いでしょう。

以下ではVB.NETとあわせて身につけておきたい言語を紹介します。ここでは、主にVBやVB.NETを使用した経験のある人材を対象にしています。

C#

C#は、VB.NETと同じMicrosoft社が開発したプログラミング言語です。Visual StudioやVisual Studio Codeで利用できるため、VB.NETでの開発経験を足掛かりに身につけやすい言語といえます。Windows用のデスクトップアプリケーションを開発できる言語のため、同じ用途が目的の場合にはおすすめの言語です。

また、C#は、VB.NETと同じく「.NET Core」に対応している言語です。.NET Coreとは、Webアプリやサーバーサイドプログラムをクロスプラットフォーム環境向けに開発するためのフレームワークで.NET Frameworkの後継といわれています。今後は.NET Coreをベースとした開発が増えていくでしょう。

ちなみに.NET Coreはオープンソースでもあり、「Windows専用」といった概念が取り払われているという特徴があります。VBやVB.NETの知識を流用しつつ、オープンソースやクロスプラットフォームにも対応できる点も魅力の一つです。

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JavaScript、AltJS

JavaScriptは、VB.NETを用いたWeb開発において使用される機会が多い言語です。ブラウザ上の動的な表現を強みとし、シェアも案件数も非常に多く存在します。したがって、JavaScriptを扱えるようになるとスキルの幅が広がっていくでしょう。

ただし、今後はJavaScriptをさらに使いやすく、機能を強化した後継言語「AltJS(alternative JavaScript=JavaScript代替言語)」の習得も視野に入れる必要があります。有力なAltJSとしては「Type Script」などが挙げられます。ぜひJavaScriptとあわせて学んでみてください。

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VB.NETを扱う仕事の平均年収

2024年6月時点で、レバテックキャリアで公開・募集中の求人・転職情報より、プログラミング言語「VB.NET」に該当するエンジニアの平均年収を推定します。該当するデータから30件を抽出し、年収の最低額と最高額の中間値の平均から、VB.NETを扱うエンジニアの平均年収は約583万円と算出しました。

ほかのプログラミング言語と比較すると、やや低めの水準といえるでしょう。エンジニアとしてキャリアを積みたい場合はもちろん、プロジェクトマネージャーなどの上流工程を目指す場合も、業務範囲を幅を広げるためにほかの言語スキルも身につけていくのがおすすめです。

VB.NETの求人・転職情報>

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VB.NETに関するよくある質問

VB.NETの習得を検討する際に、さまざまな疑問や不安が浮かぶでしょう。特に、VB.NETはどのようなことに使えるのか、習得の難易度はどれくらいかなどについての質問が多いようです。

以下では、VB.NETに関するよくある質問と回答をまとめました。VB.NETの概要を掴むための情報として活用してください。

Q1. VB.NETは何に使われていますか?

VB.NETは、Windowsのデスクトップアプリケーション、Office製品の機能拡張、Webアプリケーションの開発などに用いられます。フォームを用いて、画面やUI周りを効率的に開発できることなどが採用される理由です。

Q2. VB.NETの難易度を教えてください

VB.NETは、直感的にわかりやすい言語であるため、プログラミング初心者でも習得しやすい、比較的習得難易度の低いプログラミング言語といえます。この特徴から、IT教育の現場でも採用されることがあります。

Q3. VB.NETの将来性を教えてください

VB.NETの将来性については、保守・改修案件の一部で根強く生き残るが、シェアは徐々に小さくなる可能性が高いと考えられています。ただし、VB.NETによって開発されたシステムがある限り、その保守・改修案件は発生するため、そういった部分では、将来性はあるといえます。

Q4. VB.NETは何系のプログラミング言語ですか?

VB.NETは、オブジェクト指向プログラミング言語の一つであり、Visual Basicの後継言語として開発されました。VB.NETは、オブジェクト指向の機能を取り入れることで、より現代的な開発手法に対応し、.NET Frameworkに対応しているため、多くの開発者に使われています。

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まとめ

この記事では、Microsoft社が開発したオブジェクト指向言語であるVB.NETについて、その概要や特徴、用途、需要、将来性、学習方法などについて解説しました。

VB.NETは、.NET Framework上での開発に用いられ、Windows関連の開発に活用されてきたプログラミング言語です。VBの後継言語であり、Windowsアプリケーション開発やOffice製品の機能拡張、Webアプリケーション開発などに用いることができます。VB.NETとあわせてに身につけておきたい言語としては、同じマイクロソフト社製のC#、Webで今後も需要が見込まれるJavaScript、AltJSなどが挙げられます。

VB.NETは新規開発用の言語として選択される機会は減っていますが、既存システムの保守・改修などでの需要は残ると考えられます。今後、VB.NETを習得することを検討している場合には、C#などほかの言語とあわせて学習することがおすすめです。

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