Linuxとは?できることや他OSとの違い、習得するメリットを解説!

最終更新日:2024年10月10日

Linuxを使用した開発の経験はあるが、詳細は知らないという方も多いのではないでしょうか。LinuxとはWindowsやMacと同じOS(オペレーティングシステム)の1つです。商用サーバーの構築で広く使われており、オープンソースであるため柔軟性に優れている点が特徴です。Linuxスキルを身につけたエンジニアは需要が高く、年収をアップできる可能性もあります。本記事ではLinuxとは何か、Linuxでできること、他のOSとの違いについて解説します。また、Linuxスキルを身につけるメリットやLinuxエンジニアの需要・将来性についてもまとめました。

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この記事のまとめ

  • Linuxはオープンソース、安定性が高いという理由でサーバーとして多く使われている
  • Linuxスキルを身につけることには、幅広い分野で活躍できたり、サーバートラブルを解決して評価を高められたりとメリットが多くある
  • Linuxスキルを持ったエンジニアの需要は高く、将来性も高いと言える

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Linuxとは?

まず、Linuxとは何かについて解説します。Linuxの歴史やLinuxエンジニアとは何かについてもまとめました。

Linuxとは?

Linuxは、WindowsやMacOSと同じOSの1種です。OSはハードウェアとソフトウェアの間に立ち、コンピューターの基本動作や制御を行います。コンピューターのカーネル(OSの中核に位置するもの)をLinuxと呼ぶ場合もありますが、一般的にはカーネルを含めたOS全体をLinuxと呼ぶことが多いです。

Linuxの歴史

Linuxは1991年にリーナス・トーバルズによって開発され、使われ続けている歴史の長いOSです。誕生時点では商用利用禁止でしたが、現在はGNU一般公衆ライセンスが適用されており、プログラムの改変および再配布が許可されています。この結果、数多くのLinuxの派生OSが作られてきました。たとえば、Googleが開発したAndroidOSもLinuxベースとなっています。

Linuxエンジニアとは?

一般的にLinuxを業務で扱うエンジニアを「Linuxエンジニア」と呼びます。Linuxを扱う仕事にサーバーエンジニアが挙げられます。サーバーエンジニアはサーバーの設計や運用・保守を行うため、Linuxスキルが必須です。他には、サーバーサイドエンジニアもLinuxサーバーの負荷状況などを踏まえて最適なプログラムを開発するため、Linuxのスキルが欠かせません。

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Linuxでできること

Linuxはサーバー構築やOS開発などに活用することが可能です。Linuxでできることについて詳しく見ていきます。

サーバー構築

Linuxはオープンソースとして公開されており商用利用も可能なOSです。Webサーバー、データベースサーバー、メールサーバー、DNSサーバーなど、さまざまな用途のサーバーを構築することができます。また、ApacheやNginxを使ったECサイト、SNSなどのWebアプリの構築や、MySQLやPostgreSQLなどのデータベースを扱うサーバーのセットアップも容易に行えます

Linuxはオープンソースであるため、ライセンス費用を抑えつつ、インフラ構築ができます。カスタマイズ性が高く、セキュリティ性も高いことがサーバーとして使われる理由です。

OS開発

Linuxは改変・再配布も可能であるため、OS開発やカスタマイズにも広く利用されています。そのため、Linuxカーネルを基盤に作られたOSが多数存在します。代表的なのがスマートフォンのAndroidOSやサーバーとして広く使われているUbuntuです。一からOSを開発するのは多大なコストと手間がかかります。Linuxをベースに開発した方が既存のリソースやツールを利用でき、開発効率を高めることができるためです。

古いパソコンの再利用

Windowsのサポートが切れている古いパソコンにLinuxをインストールすることで、資源を有効活用できます。Linuxは動作が軽量かつ安定性が高いため、性能が低い古いパソコンでも問題なく動かせます。

Linuxアプリの使用

Linuxでは高性能かつ無料で使えるアプリをインストールして使えます。Linuxで使えるアプリには次のようなものがあります。

  • ・LibreOffice:オフィスソフト

    ・Konsole:ターミナルエミュレータ

    ・SLiM:ログインマネージャー

    ・Pitivi:動画編集ツール

    ・OpenResizer:画像サイズの一括変換

また、ChromeなどのWebブラウザ、GitHubなどのバージョン管理アプリ、AtomなどのエディタはLinuxバージョンが用意されています。

CUIの利用

LinuxはCUI(Character User Interface)ベースで動くため、コマンドの基本操作を覚えることが大切です。コマンド操作を覚えると、ファイルの一括編集を素早く行えたり、作業履歴を残しておくことができたりするなどさまざまなメリットがあります。

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Linuxと他のOSの違い

Linuxと他の主要OSの違いについて解説します。各OSのメリット・デメリット、およびフォーチュン ビジネス インサイトのレポートからサーバーOSの市場シェアをまとめました。

OS メリット デメリット サーバーシェア(2023年)
Linux ・シェアが高い
・無料で使える
・メーカーのサポートがない 62.7%
Windows ・GUIメインで使いやすい
・Microsoft製品と連携しやすい
・有料(ライセンス費用がかかる) 約25%
Unix ・安定性が高い ・有料(ライセンス費用がかかる) 約5%

LinuxとWindowsの違い

WindowsはMicrosoft社が提供している有償のOSで、初心者でも直感的に操作できるGUIが搭載されています。そのため使い慣れたWindowsのインターフェースにより、管理しやすいのが特徴です。また、Windowsベースの環境で開発する場合、OfficeやActive DirectoryなどMicrosoft製品と連携しやすく、シームレスな統合が可能です。

WindowsはGUIなのに対し、LinuxはCUIが中心です。コマンド操作を覚えなくてはいけないものの、ファイルの一括編集を素早く行えるなどのメリットがあります。また、WindowsはMicrosoft製品と互換性が高い一方、Linuxには無料で高機能なツールがあるのが特徴です。商用ソフトウェアは少ないですが、オープンソースソフトウェアが中心となります。

LinuxとUnixの違い

UnixはLinuxの元となったOSで、1969年にAT&Tベル研究所で開発されました。UnixはAT&T社がライセンスを保有しており、有償かつライセンス許諾が必要なのが特徴です。リソース管理がしっかりしており、同時処理数が増えても安定して稼働しやすいというメリットはあるものの、有償なのでサーバーを追加するためにコストがかかるのが難点です。

一方で、Linuxはオープンソースかつライセンスが不要であり、何台もサーバーを構築することが可能です。このような理由から、近年はLinuxがUnixのサーバーシェアを奪っています。

参考:日経クロステック「UNIXは生き残れるか

関連記事:Linuxのメリットとデメリットを紹介!他のOSとの違いや派生OSも解説

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Linuxを学ぶうえで理解しておきたい用語

カーネルやシェルなど、Linuxを学ぶうえで理解しておきたい用語について解説します。

カーネル

カーネル(kernel)はOSの中核部分を意味し、ハードウェアとソフトウェアの橋渡しを行います。カーネルはシステムのリソース管理やハードウェアへのアクセスを制御するなど重要な役割を担っています。なお、「Linux」はカーネルを指す場合とOSを指す場合があります。

シェル

シェルは、ユーザーが入力したコマンドをカーネルに渡し、結果を表示する役割を担うインターフェースです。シェルは、コマンドを連続して実行する指示を記載したファイルを実行することにより、シェルスクリプトを使った自動化を可能にします。シェルスクリプトは複数のコマンドを順番に実行するためのスクリプトファイルで、日常的なタスクの効率化や複雑な処理の自動化に利用されます。
Linuxに搭載されているシェルには多くの種類がありますが、代表的なものは「bash」「zsh」「tcsh」の3つです。このようなシェルの使い方に慣れることで、Linuxの操作がスムーズになります。

コマンド

コマンドはユーザーがコンピューターに与える命令を指します。たとえばファイルの作成・削除、ディレクトリの移動、プログラムの起動などさまざまな操作をコマンドで実行できます。

Linuxを扱うにはコマンドを覚える必要があり、オプションや引数を組み合わせることでより高度な操作が可能になります。代表的なLinuxコマンドは下記の通りです。

コマンド 用途 実行例
pwd 作業ディレクトリを表示する $ pwd /home/user
cd 作業ディレクトリを変更する $ cd /home/user/documents
ls ファイルやディレクトリの一覧を表示する $ ls file1.txt file2.txt directory1/
touch ファイルを新規作成する $ touch newfile.txt
mkdir ディレクトリを新規作成する $ mkdir newdir
cp ファイルやディレクトリをコピーする $ cp file1.txt /home/user/backup/
vi テキストエディタ(vi)を起動する $ vi file1.txt
ping ネットワーク状況を確認する $ ping google.com

ディストリビューション

ディストリビューションとは、Linuxカーネルとその他のソフトウェアを1つにまとめたものです。Linuxはオープンソースであるため、数多くのLinuxディストリビューションが作られています。なおディストリビューションは、Linuxとは異なる用途やユーザー層をターゲットにしています。代表的なLinuxディストリビューションを表にまとめました。

種類 代表例
RedHat系 Fedora
Oracle Linux
Rocky Linux
Debian系 Ubuntu
NNLinux
Raspbian
Slackware系 Absolute Linux
Salix Os
Slackintosh

LAMP

LAMPとはWeb開発で使うソフトウェアの組み合わせを示す単語であり、次の4つの頭文字を取っています。

  • L:Linux

    A:Apache

    M:MySQL

    P:PHP、Pythonなど

SNSやECサイトなどのWebアプリはLAMP環境で開発することが多く、開発者は各ソフトウェアのスキルを身につける必要があります。

関連記事:Linuxでおすすめのディストリビューション20選!初心者向けや用途別に分けて紹介

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Linuxに関するスキル・知識を身につけるメリット

Linuxに関するスキル・知識を身につけると、転職先を選びやすいことやエンジニアとしての評価を高められることなどさまざまなメリットがあります。

案件数が豊富で転職先を選びやすい

レバテックキャリアには2024年9月現在、Linuxスキルを活かせる求人が5,612件存在します。案件が豊富なため、給与条件や労働条件などが希望にマッチした転職先を選びやすいです。

幅広い分野で活躍できる

Linuxはサーバーとして業界問わず幅広い企業で使われているため、Linuxスキルを保有すれば活躍できる分野が広がります。レバテックキャリアのLinuxスキルを活かせる求人には、金融(145件)、メディア・エンターテイメント(810件)、不動産(132件)など幅広い業界が含まれています。(※2024年9月現在)

トラブル解決ができて評価を高められる

Linuxサーバーのスキル・知識を身につけると、アクセス急増やDDoS攻撃などによるサーバーダウンが起きた場合に率先して解決に向かうことができ、評価を高められます。サーバーエンジニアなどのインフラ職はもちろんのこと、プログラマーなどの開発職もLinuxサーバーのスキル・知識を身につけ、担当領域を広げることをおすすめします。

Linuxを土台として幅広いスキルを得られる

Linuxを趣味パソコンとして使うだけでも、CUIコマンドなどのスキルを得ることができます。
トラブルが起きたときに自力でシステムのエラー状況を調べることを繰り返せば、パソコントラブルの根本的な解決を行うスキルが自然と身につきます。

関連記事:Linuxのおすすめ資格LinuC・LPICとは?違いや難易度を解説

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Linuxエンジニアの需要・将来性

最後に、Linuxエンジニアの需要・将来性について解説します。Linux関連のエンジニアの年収もまとめました。

Linuxエンジニアの需要

レバテックキャリアの掲載求人を元に、OS別の求人数および年収データ(※2024年9月現在)をまとめました。
シェアはWindowsが圧倒的であるにも拘わらず、求人数はLinuxとあまり差がないことから、Linuxがどれだけ業務で使われているのかが分かります。そして、Linuxの求人数の多さから、Linuxを扱うエンジニアの需要が高いことも明らかです。

OS 求人数 平均年収 想定年収 中央値
Linux 5,612件 636万円 240~1,500万円 610万円
Windows 6,210件 725万円 360~1,620万円 743万円
Unix 1,025件 562万円 280~960万円 537万円

Linuxエンジニアの将来性

Linuxはサーバーとして安定性・安全性が高く、今後も使われ続ける可能性が高いと言えます。昨今はオンプレミスからクラウドへの移行が進んでいますが、AWSなどの主要IaaSがLinux環境をメインに提供しており、今後もLinuxスキルが活きる場面は多いでしょう。加えて、企業のDX推進に伴い、システム導入において必要不可欠なサーバーを構築・管理するインフラエンジニア自体の需要が高まっています。

Linux関連のエンジニアの年収

レバテックキャリアの掲載求人を元に、Linuxを扱う職種の年収データ(※2024年9月現在)をまとめました。日本の平均年収の458万円と比べても平均年収が高いことが分かります。

職種・ポジション 仕事内容 平均年収 想定年収 中央値
サーバーエンジニア サーバーを設計・
開発・運用
593万円 300~1,500万円 580万円
インフラエンジニア ITインフラを設計・
開発・運用
661万円 286~1,449万円 580万円
サーバーサイドエンジニア Webアプリのサーバー
側で動くプログラムを開発
658万円 300~1,400万円 650万円
アプリケーションエンジニア アプリケーションを設計・開発 643万円 336~1,200万円 625万円

関連記事:Linuxに将来性はある?サーバーOS市場における需要と懸念

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まとめ

Linuxはオープンソースで安定性が高く、サーバーとして広く使われています。当記事で解説した通り、Linuxスキルを保有するエンジニアの将来性は高いことが予想されます。

ただし、Linuxエンジニアと一口に言っても幅が広く、人によっては「サーバーエンジニアは向いているが、サーバーサイドエンジニアは向いていない」という場合があります。Linuxスキルを身につけたら転職エージェントに登録し、転職のプロに相談することをおすすめします。レバテックキャリアでは自分のスキルや希望条件に合った優良求人を紹介しています。

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この記事の監修

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