- ITエンジニア転職に必要なポートフォリオとは
- ITエンジニアにポートフォリオが必要な理由
- ITエンジニア向けポートフォリオの作り方
- ITエンジニアが参考にできるポートフォリオサイト例
- ポートフォリオ作成の際に重要な4つのポイント
- 魅力的なポートフォリオを作る方法
ITエンジニア転職に必要なポートフォリオとは
ITエンジニアの転職で必要なポートフォリオとは、経験やスキルが分かるよう、成果物をまとめたものを指します。ポートフォリオは、直訳すると「紙挟み」や「書類かばん」という意味です。
ポートフォリオに具体的に記載する内容は、携わったプロジェクトや業務外で制作したアプリ、Webサイト、ソースコードなどが挙げられます。実際の成果物を掲載することで、自分のスキルや強みをアピールできます。つまり、ITエンジニアの転職において、ポートフォリオは自己アピールするための重要な手段です。
ITエンジニアに必要なスキルなど詳細が知りたい人は「ITエンジニアになるには?必要なスキルや未経験者の転職方法を解説」をご覧ください。
ITエンジニアにポートフォリオが必要な理由
ITエンジニアの転職でポートフォリオが必要な理由は、採用担当者が応募者のスキルを具体的に把握できるからです。
ここでは未経験者と経験者に分けて、ポートフォリオが必要な理由を紹介します。
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・【未経験者】ポートフォリオが必要な理由
・【経験者】ポートフォリオが必要な理由
採用担当者は、応募者の実績や強み、自社で活躍できる人材かどうかを把握したいです。ポートフォリオを提示すれば、自分の実績や強みを第三者が見ても分かる形で伝えられます。
たとえば、履歴書や職務経歴書ではスキルや経歴の詳細を細かに記すことが難しいので、ポートフォリオに成果物を提示したほうが、実際の技術レベルが伝わりやすいです。また、採用担当がエンジニア経験のない場合でも、視覚的に制作物を提示して評価をされやすくなります。
ITエンジニアへの転職に関する詳しい情報は「ITエンジニアになるには?必要なスキルや未経験者の転職方法を解説」をご覧ください。
【未経験者】ポートフォリオが必要な理由
エンジニア未経験からの転職でポートフォリオがあるほうが良い理由は、履歴書や職務経歴書だけではスキルを証明しにくいためです。
もちろん、前職で得たスキルをアピールすることはできます。しかし、エンジニア未経験者の場合、エンジニアの実務に関するスキルは履歴書や職務経歴書ではアピールしにくいです。そのため、ポートフォリオを作成し、エンジニアの実務に役立つスキルがあることを証明する必要があります。実務レベルには届かない場合でも、ポートフォリオを作成することで、学習意欲や努力が伝わるでしょう。
実務未経験からポートフォリオを作成するには、資格を取得したり、興味がある分野で扱われるプログラミング言語を習得し成果物を作ったりすると良いです。未経験だからこそ、独学していることや成果物を提示できるとほかの志望者と差別化できる可能性があります。
【経験者】ポートフォリオが必要な理由
エンジニア経験者が転職する際、ポートフォリオが必要な理由は、スキルや実績を具体的にアピールできるからです。
たとえば、「前職で担当したサイトでは、利用者数の少なさが課題でした。そのため、使いやすさを意識して、目次やボタンを配置したところ、サイト利用者数が〇%向上しました。」といっても実際にどのようなサイトを作ったのか分かりません。しかし、ポートフォリオを提示すると、実際にできることが分かりやすく、入社後の活躍がイメージしやすいです。
また、ポートフォリオを提示することで、入社後のミスマッチを防ぐというメリットもあります。ポートフォリオで得意分野を提示していると、スキルを活かせる部署に配属される確率が上がります。
ITエンジニア向けポートフォリオの作り方
ここからは、ポートフォリオを作成したい方向けに、ITエンジニアの転職における、ポートフォリオの作り方を紹介します。工程としては以下のとおりです。
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・ポートフォリオに掲載する成果物を決める
・制作意図やポイントをまとめる
・実際にポートフォリオサイトを制作する
・自己紹介をポートフォリオに掲載する
・レイアウトを確認し公開する
ポートフォリオの作り方を押さえることで、実際に作成する際の参考になるでしょう。基本的な流れとしては、まずポートフォリオのテーマや掲載物を決めて、使用したスキルや制作意図、こだわったポイントをまとめます。次に、実際にサイトを構築し、レイアウトを決めていきます。ポートフォリオサイトができたら、公開し、完成です。
ポートフォリオに掲載する成果物を決める
まず、ポートフォリオに掲載する成果物を決めましょう。志望企業に効果的なアピールをするには、テーマや目的を定めると良いです。具体例としては、「見やすさ」や「機能性」などポートフォリオサイト全体のテーマを決めたり、「自分のコードの綺麗さをアピールするサイト」という目的を明確にしたりすることです。
採用担当者は、ポートフォリオを見て、自社に合っているか、業務遂行にスキルはあるかなどの観点で評価します。たとえば、ブランドサイトや商品サイトをよく手掛ける企業に転職したいと考えた場合、自分が過去に携わった商品サイトや自作のブランドサイトなどの成果物を掲載すると効果的です。ただし、前職で携わったプロジェクトや作品などを掲載する場合は守秘義務違反とならないように注意が必要です。
ブランドサイトやアプリ、ブログなどあらゆる成果物を掲載するとしても、テーマを定め、一貫したサイトになっていれば、得意分野やアピールポイントが伝わりやすいです。一方で、アピールしたい内容に沿った成果物がない場合は、新たに作る必要があります。
また、自分の強みがアピールできるテーマにすることも意識しましょう。ポートフォリオは自分の強みを存分に発揮できるツールです。志望企業の方針と自分の強みがマッチしていると採用されやすいです。
使用スキルのほか制作意図やポイントをまとめる
ポートフォリオを作成する際、成果物ごとに概要や使用したスキル、制作意図、こだわったポイントをまとめましょう。実際に開発に使用したスキルや技術について詳しく説明することで、自分が扱える技術の紹介になります。使用した言語やツールを掲載し、開発できる領域や得意分野をアピールすることが重要です。
また制作意図やこだわりポイントを掲載すると、問題解決力や発想力などもアピールできます。たとえば、新製品の紹介サイトを制作したとして、「以前からある製品とは対象者となる年齢層が上がるため、見やすさ、分かりやすさを意識しました」のように制作意図や背景を説明しましょう。クライアントの目的やユーザー視点を理解し、需要に応じて実現できることが示せます。
実際にポートフォリオサイトを制作する
掲載する成果物を決めたら、サイトの構成を検討し、ポートフォリオサイトの制作を始めましょう。
ポートフォリオサイトを作るにはGitHubがおすすめです。GitHubでポートフォリオを公開すると、ソースコードとサイトの動作を合わせて見られるので採用担当者に正しくスキルを評価してもらえます。
また、どのように掲載していくかも考える必要があります。サイトの構成は、センスが問われる大切な要素であるため、見やすさと独自性の両方を意識して制作を進めましょう。
自己紹介をポートフォリオに掲載する
ポートフォリオサイトには、成果物だけでなく、自己紹介を掲載することがおすすめです。
応募者の人柄は、採用を検討する際に重視される要素の一つです。ポートフォリオでは、自由に自分自身を表現できます。自分の理念や好きなことなど、職務経歴書や履歴書だけでは伝えられない人となりをアピールしましょう。ただし、盛り込みすぎないように注意が必要です。簡潔で分かりやすい自己紹介文が求められます。
レイアウトを確認し公開する
ポートフォリオサイトができたら、レイアウトを確認し公開しましょう。魅力的なポートフォリオにするためには、見やすさを意識したレイアウトにすることが重要です。
レイアウトを変えるだけで、印象が大きく変わります。たとえば、太字で大きく書かれた文字は、直感的に印象に残りやすいです。同じ粒度の要素を揃えたり、色や大きさでメリハリをつけたりなど読みやすさを重視することが必要です。
また、ポートフォリオサイトとして公開することで、サイト制作の一連の作業ができることを示せます。公開してあると採用担当者が動作を確認しやすいです。採用担当者は、ソースコードを確認することはもちろん、サイトとして正常に動作するか、バグや不具合はないかなどもチェックします。
ITエンジニアが参考にできるポートフォリオサイト例
ITエンジニアとして転職を目指す場合や、キャリアアップしたい場合、ポートフォリオで自分のスキルや実績を証明することをおすすめします。
魅力的なポートフォリオを作るには、あらゆる作品をインプットすることが重要です。ほかの人のポートフォリオを見ることで、今までなかった視点や考え方を得られるでしょう。
ここでは、ITエンジニアが参考にできるポートフォリオサイトの例を紹介します。
ポートフォリオサイト | おすすめ理由 |
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Hoda's Portfolio | スキルレベルが分かりやすい |
MAKOTO HIRAO PORTFOLIO | 成果物の概要が詳細にまとめられている |
かまはまこのへや | オリジナリティがあり、自分の好きなものが分かりやすく表現している |
oniguili | 情報が整然としており、気になる情報を見つけやすい |
Hoda's Portfolio
Hoda's PortfolioはエンジニアであるHoda氏のポートフォリオサイトです。
サイトの目的や制作物、自分のスキルなどがシンプルで分かりやすくまとめられており、可読性に優れています。保有スキルを分野別にレーダーチャートで表現しているため、どのプログラミング言語や分野が得意か分かりやすいです。
また、プロフィールに自分年表や目標を入れるなど、人となりやユーモアも伝わるのがポイントです。
MAKOTO HIRAO PORTFOLIO
MAKOTO HIRAO PORTFOLIOはフロントエンドエンジニア兼Webデザイナーの平尾誠氏のポートフォリオサイトです。
おしゃれさとシックさを兼ね備えたサイトデザインで、制作物をクリックすると詳細ページに移動し、まとめられた制作のポイントを読めるようになっています。担当した部分や制作の過程、こだわったポイントを細かく掲載しているため、できることが分かりやすいです。
また、スクロールを促す仕掛けとして、メインビジュアルのロゴを少し見切れさせているのが非常にテクニカルです。
かまぼこのへや
かまぼこのへやはWebデザイナーかまぼこ氏のポートフォリオサイトです。
グラフィックや動きの面白さが特徴です。スクロールに合わせて動く気持ちの良いインタラクションが癖になる、ついつい先が見たくなるサイトとなっています。細かいグラフィックなどにも注力しており、オリジナリティが溢れています。
oniguili
oniguiliはフリーランスで活躍するWebデザイナー兼グラフィックデザイナー西村沙羊子氏のポートフォリオサイトです。
初見で独創性が伝わるサイトとなっています。綺麗に整ったレイアウトで読みやすく、知りたい情報を見つけやすいのが特徴です。モノクロのサイトをスクロールすると、コンテンツに色が付いていくため、目を引きます。
ポートフォリオ作成の際に重要な4つのポイント
ポートフォリオを作成する際には、重要なポイントが4つあります。ポイントを押さえて、効果的なポートフォリオを作成しましょう。
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・オリジナリティ
・ユーザー視点
・需要の高い技術/トレンド技術
・ソースコードの綺麗さ
まず、オリジナリティを出すことが大切です。ポートフォリオは、自己PRの一つの手段です。自分が得意なことや魅力を伝える目的で制作するため、ほかの人にはない自分の良さをアピールするように意識しましょう。
次に、ユーザー視点に立つことが必要です。ユーザーとは、ポートフォリオサイトを閲覧する人のことで、ITエンジニア転職においては採用担当者を指します。ユーザーのニーズを理解し、需要を満たす内容であるか常に意識しておきましょう。
さらに、ポートフォリオを作る際は、需要の高い技術やトレンド技術を扱っていると、スキルや情報収集力、学習意欲の高さをアピールできます。採用担当者は技術力を評価する際に、「業務で扱う技術を有しているか」と「入社後も向上心を持って仕事に取り組めるか」という観点で見ています。そのため、ポートフォリオには、志望企業の業務で用いる技術や、今後需要が上がるトレンド技術を扱ったものを掲載しましょう。
最後に、ポートフォリオはサイトの動作やビジュアルだけでなく、ソースコードも整えましょう。コードが綺麗なエンジニアは、チームで作業する際に重宝されます。
魅力的なポートフォリオを作る方法
魅力的なポートフォリオにするには、第三者からアドバイスをもらうと良いでしょう。
第三者に見てもらうことで、自分では分からないミスや視点に気づくことができます。たとえば、誤字脱字があったり、フォントが読みにくかったりすることは、自分だと気づきにくいでしょう。ポートフォリオサイトが完成したら、提出する前に誰かに見てもらい、違和感を指摘してもらうと、より魅力的なポートフォリオにすることが可能です。
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※1 2023年1月~2024年3月実績
※本記事は2024年11月時点の情報を基に執筆しております
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