UI/UXとは?違いや活用事例をわかりやすく解説

最終更新日:2024年6月25日

WebサイトやWebサービス開発では「最適なUIが求められる」「UXで他社との差別化を図る」などの言葉が頻出します。今、さまざまなモノづくりが行われる中でUI/UXはデザイン戦略の中で意識すべきキーワードです。

このUI/UXの意味や違いを何となく理解している人は多いでしょう。しかし、業務に活かせるレベルで詳しいかというと、そうではない人もいるはずです。本記事で、UI/UXの意味や活用事例を把握しておきましょう。UI/UXの違いや身近な活用事例、なぜ重要視されているのかを紹介します。

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この記事のまとめ

  • UIとはWebサイトやアプリの画面などユーザーが触れる範囲であり、UXはUIによってもたらされるユーザーの体験を意味し、二つの言葉は関連性が高いものの違う意味を持つ
  • さまざまな商品やサービスであふれる現在では、独自のUI/UXによって価値を高め他社との違いを作る要素が経営戦略において大切なポイントになる
  • UI/UXともに「ユーザー視点」が重要であり、デザインそのものの芸術性や個性よりもユーザーにとって快適な環境を構築することに重きが置かれている

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UIとは

UIとは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略称です。ユーザーインターフェースを直訳すると「ユーザーとの接地面」で、たとえば「iPhoneのUIは高品質」「このソフトのUIは改善の余地がある」といった使い方をします。

商品の外観や見た目もユーザーインターフェースの一つであり、特にUIが頻出するIT業界ではWebサイトやアプリ、ソフトウェアにおけるユーザーが操作する画面や表示される部分のことを指します。ユーザーとサービスをつなぐものであり、マウスやキーボード、タッチ画面などもUIに含まれると考えておきましょう。

UIについては、「UIとは?UXとの違いやデザイン作成のポイントを解説」の記事でも詳しく解説しています。また、UIデザイナーについては「UIデザイナーとは?仕事内容や年収、Webデザイナーとの違いも解説」も参考にしてみてください。

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UXとは

UIと並べて使われるのがUXです。UXとは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で、ユーザー体験を意味します。

ユーザー体験というと抽象的な印象を受けますが、商品やサービスによって「楽しい」「美しい」「気分が良い」という感情を持つのがユーザー体験です。UIとは密接に関係があり、ユーザーがUIを通して得られるものがUXといえます。

UXについては、「UXとは?UIとの違いや関係性、学習方法を分かりやすく解説」の記事でも詳しく解説しています。また、UXデザイナーについては「UXデザイナーとは?年収や適性、UIデザイナーとの違いも解説」で解説しています。

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UIとUXの違い

UIとUXはたとえば「このプロジェクトではUI/UXデザインに重点を置く」などと同時に使われることが多いです。しばしば同じ意味合いとして受け取られがちですが、関連性の深い単語でありながら異なる意味を持つ点に注意が必要です。

  • ・UI…ユーザーの目に見える範囲のこと、サービス/商品とユーザーを結びつけるもの

    ・UX…UIによってサービス/商品に触れたユーザーが得る体験のこと

UIデザインというとロゴやアイコン制作などデザインスキルを活かす場面が多くありますが、UXデザインになるとユーザーの行動分析や市場ニーズの調査といったマーケティング的な側面が強くなります。
UI/UXは「ユーザーに快適さを提供すること、プロジェクトの目標達成のために付加する価値」であるため、異なる意味を持っていても目標は共通しています

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UI/UXが求められる背景

IT業界に身を置く職業であれば、UI/UXの言葉をデザイナーでなくても聞いたことがあるでしょう。現在さまざまな業界でUI/UXは押さえておくべき概念とも考えられています。
なぜここまでUI/UXが重要視されるのかというと、サービス全般に関するトレンドや環境が変化してきたことが大きな要素です。どういった背景で重要視されるようになったのか、詳細を解説します。

スマートフォンの普及

スマートフォンが普及したことで、いつでもインターネットを利用できるようになりました。スマホを持つ年齢層も幅広く、ユーザーはさまざまな商品やサービスとつながる機会が増えています。

そのためスマートフォンで利用するアプリにも多種多様な広がりがあり、一つのアプリに使いづらさを感じるとユーザーは類似アプリに乗り換えます。さまざまなサービスから選んでもらうには、制作側がユーザーを十分理解し、適したUI/UXで「このアプリにしかない価値」を与える必要があります

商品・サービスの品質での差別化が難しい

技術や市場の発展により、商品やサービスの品質は均一化されつつあります。たとえばどの商品を購入してもある程度の機能と価格、品質が整っており、購入の決め手が必ずしも「この企業のものは品質が良いから」とはなりません。

ユーザーから選ばれるのが難しい市場状況であるため、いかに独自のUI/UXで差別化を図るかが重要です。機能以外の価値を作る、利用者の話題にのぼるような体験を作り出すことができるかに、注目が集まっています。

IoT商品の増加

IoTとは「Internet of Things」の略称です。さまざまなものをインターネットにつなぐことを意味します。たとえば最近の家電などの商品は、スマートフォンからテレビの録画予約、エアコンの操作、自家用車の施錠などが遠隔操作できるようになりました。これらの商品はIoT家電と呼ばれ、インターネットを利用した良いUXを設定した実例です。

IoTが普及するにつれ、インターネットに触れる人は増加します。IoTが日常生活の一部になるため、誰もが特別な知識なくインターネットを利用するためには、「ユーザーファースト」であるUI/UXが大切です。快適さ・便利さをプロダクトに求める声が強いからこそ、UI/UXが重要視されています。

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UI/UXデザインを作成するポイント

UI/UXに注目が集まる中で、UI/UXとは商品やサービスによって大きく変化し、決して正解のあるものではないことがわかります。とはいえ、プロダクト開発ではUI/UXは大切な要素となり、意識して進めなければ実現できません。そこで、UI/UXデザインを設計する際に意識したいポイントを紹介します。

ユーザー目線で考える

UI/UXで重要なものは「ユーザー視点」です。いくらおしゃれで芸術性の高いWebサイトでも、「何がどこにあるのか分からない」のでは優れたUI/UXとはいえません。また、UIが優れていたとしても「同じ価格でもっと便利な商品がほかにある」のでは選ばれないでしょう。

こうしたユーザーが感じるストレスは、ユーザー目線を持つことで事前に解消できます。制作側にいるとつい「制作しやすいUI/UX」に傾くことがあるため、開発フェーズごとにユーザー目線を持ち直すのが大切です。

ペルソナを設定する

ペルソナとは製品やサービスの「メイン対象となる利用者像」です。たとえば乳児向け商品を扱うECサイトでは、乳児用品を購入することが多い「子どもを持つ母親」がペルソナになりやすいでしょう。
このペルソナは、以下のように詳細に設定することが多いです。

  • ・年齢や家族構成

    ・年収

    ・趣味や利用するSNS

    ・顕在ニーズと潜在ニーズ

ユーザーテストを実施する場合はこのペルソナに近いユーザーに使用してもらい、より詳しく分析します。ペルソナを設定することで、ユーザーの目線で考えられるようになり、新たな課題が見つかります。

使用されるデバイスや環境を想像する

IoTの普及によって、インターネットにつなぐデバイスはスマートフォンやタブレット、パソコンなどさまざまに変化しています。使用されるデバイスや環境を想像するのも、UI/UXの質を高めるポイントです。

たとえばパソコンの画面は横に長く、スマートフォンは縦に長い特徴があります。スマートフォンやタブレットだとキーボードやマウスを使わず、画面をタッチして操作するでしょう。また、インターネットにつなぐ方法はモバイルWi-Fiであったり自宅で契約した光回線だったり、ケーブルテレビだったりとさまざまです。

こうしたデバイスの違いや環境を考慮することで、より最適なUI/UXが構築できます。いずれの場合もやはり「ユーザー視点」が大切です。

関連記事:Webデザイナーの勉強方法は?必要な時間数や独学の方法

競合と比較する

UI/UXを考える際に、参考とするのは競合です。似たような商品・サービス・Webサイトを持つ商品には、自社の観点では気付けなかった視点が見つかります。

どのような操作性や視認性がユーザーに選ばれるのか、具体的な施策を考えるために比較しましょう。他社との差別化を作るためにも有効な手段です。

ゴールを設定する

UI/UXデザインはゴールを必ず設定します。ゴールは「アプリのDLユーザーを20%増やす」「会員数を30%増やし売上の目標を達成させる」など具体的な決定が望ましいです。

ユーザー視点も重要なポイントですが、UI/UXを設定するためには企業に利益がなくてはプロジェクトはうまくいきません。必ずクライアントの求めるゴールに向かって、UI/UXの課題を選定しましょう。

データを用いて定量的に評価・分析する

ゴールを設定する場合、具体的な数字が伴います。定性的な目標だとプロジェクトの途中で目標意識が下がってしまうため、売上目標や顧客満足度などの経営に影響を与える数字は注視しておきましょう。

また、定量分析により改善点が見つかった場合は、施策も定量的な評価と分析が必要です。その場しのぎのものではなく経営にインパクトを与える評価・分析こそが、UI/UXに説得性を持たせます。

検証を繰り返す

UX/UIデザインは最初から成功を目指すものではなく、プロトタイプを用いて施策し検証し、改善を繰り返して作成します。この検証を繰り返すことをPDCAサイクルといいます。UI/UXデザイン設計において関連性の高いフレームワークであるため覚えておきましょう。

  • ・Plan(計画)

    ・Do(実行)

    ・Check(評価)

    ・Action(改善)

UI/UXは公開後に再構築する機会も多いです。完成したあとはPDCAサイクルをストップさせるのではなく、売上が伸び悩んだときや新しい課題が見つかったときにも活用するのがポイントです。

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優れたUI/UXデザインとは

UI/UXデザインが求める目標とは、「ユーザーが考えずに操作できるもの」です。理解するのに難解な商品には説明書や取扱書が用意されていますが、現在の「優れた商品」には説明が一切ないことが多いです。

実際、ユーザーは利用するときに説明書などをチェックしていないことが増えました。直感的に操作できるもの、見てすぐに理解できるよう情報が整理されたもの、選択する場合に悩まないものこそ優れたUI/UXといえます。

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UI/UXデザインの活用事例

ここでは、優れたUI/UXデザインの事例を紹介します。多くのユーザーに認められている評価の高いプロダクトを参考にして、優れたUI/UXを学ぶのも有効な学習方法の一つです。サーチエンジンである「Google」、動画ストリーミングサービスの「Netflix」を例にあげ、どのようなUI/UXが活用されているのか、その効果を押さえておきましょう。

UIデザイン事例:Google

検索エンジンであるGoogleは、検索ウィンドウとロゴ以外には余分なものを配置しないシンプルなUIで有名です。実際にGoogleを開いてみるとわかりますが、「検索バーしか目に入らない」ことでユーザーが何をアクションすれば良いのか迷わずにたどり着ける設計になっています。

Googleは明確なガイドラインを定めた「マテリアルデザイン」を提唱しており、見やすく直感的な操作が可能なUIを作るルールも公開しています。シンプルで理解しやすいUIを設計する際には、Googleのマテリアルデザインガイドラインを参考にするのもおすすめです。

UXデザイン事例:Netflix

Netflixは動画ストリーミングサービスの代表格として有名な企業です。元はDVDレンタルの宅配サービスを行っていましたが、サブディスクリプション型の料金体系とストリーミング配信サービスなどのUXを加えることで認知を広めています。

NetflixのUXはユーザーに対して新しいライフスタイルを提案し、受け入れたために変革的な人気を得ました。ユーザー視点に立ったパーソナライズされたUIや顧客ビッグデータを活かしたオリジナルコンテンツの制作など、他ストリーミングサービスと差別化できる点も参考になります。

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UI/UXに関するよくある質問

UI/UXは、ビジネスの重要課題ともいわれています。業務の中でUI/UXという言葉が出てきた場合に、正しく理解できるようによくある質問と回答を確認しておきましょう。

よくある疑問としては、UI/UXの意味や、職種としての仕事内容、UI/UXがもたらすメリットなどが挙げられます。類似の疑問を持つ方は特に参考になるでしょう。

Q1. UI/UXとは何ですか?

UI/UXは主にIT業界の商品やサービスで使われる言葉で、UIはユーザーがサービスを利用する際に見える範囲のこと、UXはユーザーがUIによって受ける体験のことを指します。たとえばWebサイトのレイアウトはUI、Webサイトを利用して商品を購入して得られる体験がUXです。

Q2. UI/UXデザイナーとはどのような仕事ですか?

UIデザイナーはWebデザインやグラフィックデザイン、ロゴ制作などUIのデザイン設計をします。UXデザイナーはUIによってユーザーの行動や体験が最適化するようデザイン設計を行う仕事で、ユーザー分析などマーケティングスキルも求められます。UI/UXデザインは近い関係であるため兼任することも多いです。

関連記事:未経験でグラフィックデザイナーになるには?求められるスキル

Q3. UI/UXが優れているとどのようなメリットがありますか?

UI/UXが優れていると、以下のようなメリットがあります。

  • ・多数のプロダクトが存在する現在において、ユーザーに選ばれやすくなる

    ・企業の主力商品としてブランディングにも貢献できる

    ・リピート数の増加や顧客満足度の向上などポジティブな経済効果が期待できる

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まとめ

今注目されているキーワードである「UI/UX」について解説しました。UIとUXは同じ意味だと思われがちですが、実際には異なる意味を持つ言葉であり、現在の多様化するIT業界の中でも重要な経営戦略要素です。

二つの言葉を正しく理解し、業務の中でも意識できるとより良い商品を生み出すきっかけになるでしょう。また、企業が求めるのも「優れたUI/UX」であるため業界・企業理解にも役立てることができます。

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