UI/UXとは?違いや活用事例、求められる背景を解説

最終更新日:2024年11月7日

WebサイトやWebサービス開発では「最適なUIが求められる」「UXで他社との差別化を図る」などの言葉が頻出します。今、さまざまなモノづくりが行われる中でUI/UXはデザイン戦略の中で意識すべきキーワードです。

このUI/UXの意味や違いを何となく理解している人は多いでしょう。しかし、業務に活かせるレベルで詳しいかというと、そうではない人もいるはずです。本記事で、UI/UXの意味や活用事例を把握しておきましょう。UI/UXの違いや身近な活用事例、なぜ重要視されているのかを紹介します。

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この記事のまとめ

  • UIとは、Webサイトやアプリの画面などユーザーとの接点を指す
  • UXはUIによってもたらされるユーザーの体験を意味する
  • さまざまな商品やサービスであふれる現在では、独自のUI/UXによって価値を高め他社との違いを作る要素が経営戦略において大切なポイントになる
  • UI/UXともに「ユーザー視点」が重要であり、デザインそのものの芸術性や個性よりもユーザーにとって快適な環境を構築することに重きが置かれている

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UIとは

UIとは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略称です。コンピュータやデバイスとユーザーが相互作用する部分を指し、たとえば「iPhoneのUIは高品質」「このソフトのUIは改善の余地がある」といった使い方をします。

IT業界ではUIという用語が特に頻繁に使われます。Webサイトやアプリ、ソフトウェアにおけるユーザーが操作する画面表示や、音声操作、ジェスチャー操作など、ユーザーとシステムが情報をやり取りするためのあらゆる部分が対象です。

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UXとは

UXとは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で、ユーザー体験を意味します。製品やサービスを利用する際の、ユーザーの行動、思考、感情、知覚、全体的な満足度を含む幅広い概念です。

つまり、ユーザーが製品やサービスをどのように利用し、どのような印象を持つのか、その一連の流れ全体がUXです。単に「楽しい」「美しい」「気分が良い」といった感情的側面だけでなく、使い方の分かりやすさや効率性、得られる価値など、あらゆる側面を含みます。

UI(ユーザーインターフェース)はUXに密接に関係しており、UIの質はUXに大きな影響を与えます。使いやすいUIは、ポジティブなUXに繋がりやすいです。しかし、UXはUIだけで決まるものではなく、カスタマーサポートの質、製品の性能、ブランドイメージなど、さまざまな要素が影響します。

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UIとUXの違い

UIとUXは「このプロジェクトではUI/UXデザインに重点を置く」などと同時に使われることが多いです。しばしば同じ意味合いとして受け取られがちですが、関連性の深い単語でありながら異なる意味を持つ点に注意が必要です。

  • ・UI:ユーザーとシステムが情報をやりとりするための接点

    ・UX:ユーザーがシステムと関わる中で得られる全体的な体験

UIデザインは、ロゴやアイコン制作などデザインスキルを活かす場面が多いです。対してUXデザインは、ユーザーの行動分析や市場ニーズの調査といったマーケティング的な側面が強くなります。
UI/UXは「ユーザーに快適さを提供すること、プロジェクトの目標達成のために付加する価値」であるため、異なる意味を持っていても目標は共通しています。

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UI/UXが求められる背景

IT業界の方なら、デザイナーでなくてもUI/UXという言葉を耳にしたことのある方は多いでしょう。現在さまざまな業界でUI/UXは重要な概念として注目されるようになりました。
UI/UXが重要視される背景には、サービス全般に関するトレンドや環境の変化があります。ここからはUI/UXが求められる背景を詳しく解説します。

スマートフォンの普及

スマートフォンの普及でインターネットが身近になり、老若男女問わずWebサイトやアプリを通じてさまざまな商品やサービスに触れられるようになりました。それに伴い、ユーザーはWebサイトやアプリに対して快適さを求めるようになり、使いにくいWebサイトやアプリは敬遠される傾向になってきています。競合がひしめく現代において、選ばれるサービスとなるには、適切なUI/UX設計が不可欠です。

商品・サービスの品質での差別化が困難

技術と市場の発展により、多くの商品やサービスにおいて、一定水準の品質が確保されるようになってきています。どの商品でも、価格に見合ったある程度の機能と品質が期待できるといえ、購入の決め手にはさまざまな要因が絡んでくるようになりました。

特に、独自のUI/UXによる差別化は重要な要素の1つであり、機能以外の価値創造や、話題を呼ぶユーザー体験の提供に注目が集まっています。

IoT商品の増加

IoTとは「Internet of Things」の略称です。さまざまなものをインターネットに接続することを意味します。最近の家電では、スマートフォンから遠隔でテレビの録画予約やエアコン操作、家の施錠が可能です。これらはIoT家電と呼ばれ、インターネットを利用した良いUXを提供した例です。

IoTが日常生活に浸透する中、誰もが特別な知識なしでサービスを利用するためには「ユーザーファースト」のUI/UXが必要不可欠です。プロダクトに快適さ・便利さを求める声が強いからこそ、UI/UXが重要視されています。

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優れたUI/UXデザインとは

UI/UXデザインのゴールは、ユーザーにとって価値のある、快適で効率的な体験を提供することです。理解するのに難解な商品には説明書が用意されていますが、優れたUI/UXデザインの商品は説明書がなくても直感的に操作できる仕様になっていることが多いです。説明書が必要な場合でも、それを分かりやすく、アクセスしやすい形で提供することに力を入れています。

実際、ユーザーは利用するときに説明書などをチェックしないことが増えました。直感的に操作できるもの、見てすぐに理解できるよう情報が整理されたもの、選択する場合に悩まないものこそ優れたUI/UXといえます。

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UI/UXデザインの活用事例

ここでは、優れたUI/UXデザインの事例を紹介します。多くのユーザーに認められている評価の高いプロダクトを参考にして、優れたUI/UXを学ぶのも有効な学習方法の一つです。サーチエンジンである「Google」動画ストリーミングサービスの「Netflix」を例に、どのようなUI/UXが活用されているのか、その効果を押さえておきましょう。

UIデザインの事例:Google

検索エンジンであるGoogleは、検索ウィンドウとロゴ以外には余分なものを配置しないシンプルなUIで有名です。実際にGoogleを開いてみると分かりますが、「検索バーしか目に入らない」ことでユーザーが何をアクションすれば良いのか迷わずにたどり着ける設計になっています。

Googleは明確なガイドラインを定めた「マテリアルデザイン」を提唱しており、見やすく直感的な操作が可能なUIを作るルールも公開しています。シンプルで理解しやすいUIを設計する際には、Googleのマテリアルデザインガイドラインを参考にするのもおすすめです。

UXデザインの事例:Netflix

Netflixは動画ストリーミングサービスの代表格として有名な企業です。元はDVDレンタルの宅配サービスを行っていましたが、既に導入していたサブスクリプション型の料金体系を維持しつつ、UXを重視したストリーミング配信サービスへと事業を転換することで、市場での地位を確立しました。

NetflixのUXはユーザーに対して新しいライフスタイルを提案し、受け入れたために変革的な人気を得ました。ユーザー視点に立ったパーソナライズされたUIや顧客ビッグデータを活かしたオリジナルコンテンツの制作など、他ストリーミングサービスと差別化できる点も参考になります。

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UI/UXデザイン設計のポイント

UI/UXの最適解はサービスによって大きく変化するため、正解はありません。とはいえ、プロダクト開発ではUI/UXは大切な要素なので、意識して進めなければ良いデザインは生まれないでしょう。

そこで、本章ではUI/UXを設計する際の流れとともに、UI/UXデザインを設計する際に意識したいポイントを紹介します。

ユーザー目線で考える

UI/UXで重要なものは、ユーザー視点です。芸術性の高いWebサイトでも、目的の情報に辿り着けなかったり、操作が分かりにくければ、優れたUI/UXとはいえません。いくら見た目が美しくても、ユーザーがストレスなく目的を達成できなければ意味がないのです。

こうしたユーザーが感じるストレスは、ユーザー目線を持つことで事前に解消できます。制作側にいると「制作しやすいUI/UX」に傾くことがあるため、開発フェーズごとにユーザー目線を持ち直すのが大切です。

使用されるデバイスや環境を想像する

IoTの普及によって、インターネットに接続されるデバイスはスマートフォンやタブレット、パソコンなどさまざまモノに増えました。UI/UXでは、使用されるデバイスや環境を想像するのも、UI/UXの質を高めるポイントです。

たとえばパソコンの画面は横に長く、スマートフォンは縦に長いです。また操作方法も異なり、スマートフォンやタブレットだとキーボードやマウスを使わず、画面をタッチします。インターネットにつなぐ方法はモバイルWi-Fiであったり自宅で契約した光回線だったり、ケーブルテレビだったりとさまざまです。

こうしたデバイスの違いや環境を考慮することで、より最適なUI/UXが構築できます。いずれの場合もやはりユーザー視点が大切です。

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ターゲット層を明確にする

効果的なUI/UXデザインを実現するには、ターゲットとなるユーザー層の明確化が重要です。ターゲット層を明確にすることで、ユーザーに最適化したデザインを提供しやすくなります。

ターゲット層を明確にしたら、最も重要なターゲット層のペルソナを作成しましょう。ペルソナの具体的な属性や行動パターンを設定することで、ニーズに応じたUI/UXを設計できます。

競合と比較する

UI/UXを考える際に、参考とするのは競合です。似たような商品・サービス・Webサイトを持つ商品には、自社の観点では気づけなかった視点が見つかります。

どのような操作性や視認性がユーザーに選ばれるのか、具体的な施策を考えるために比較しましょう。他社との差別化を作るためにも有効な手段です。

目的を設定する

UI/UXデザインでは、ゴールを必ず設定します。ゴールは「アプリのDLユーザーを20%増やす」「会員数を30%増やし売上の目標を達成させる」など具体的な決定が望ましいです。

ユーザー視点も重要なポイントですが、UI/UXを設定するためには企業に利益がなくてはプロジェクトはうまくいきません。必ずクライアントの求めるゴールに向かって、UI/UXの課題を選定しましょう。

データを活用し、評価・分析する

ゴールを設定する場合、具体的な数字が伴います。定性的な目標だとプロジェクトの途中で目標意識が下がってしまうため、売上目標や顧客満足度などの経営に影響を与える数字は注視しておきましょう。

また、定量分析により改善点が見つかった場合は、施策も定量的な評価と分析が必要です。その場しのぎのものではなく、経営にインパクトを与える評価・分析こそが、UI/UXに説得性を持たせます。

検証を繰り返す

UX/UIデザインは、プロトタイプを用いて検証と改善を繰り返しながら作成していきます。最初から完璧なデザインを目指すのではなく、まずは具体的な形としてプロトタイプを作成し、実際のユーザーに使ってもらうことで課題を早期に発見し、修正していくことが重要です。

具体的には、プロトタイプを用いてタスクを実行してもらい、その様子を観察したり、フィードバックを得たりすることで、UIの使いやすさやUXの質を評価します。得られた結果を元に、デザインの改善を繰り返し、ユーザーにとって最適なUI/UXを目指します。

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UI/UXに関するよくある質問

UI/UXは、ビジネスの重要課題ともいわれています。業務の中でUI/UXという言葉が出てきた場合に、正しく理解できるようによくある質問と回答を確認しておきましょう。

よくある疑問としては、UI/UXの意味や、職種としての仕事内容、UI/UXがもたらすメリットなどが挙げられます。類似の疑問を持つ方は特に参考になるでしょう。

Q1. UI/UXとは何ですか?

UI/UXはユーザーの製品・サービス利用体験を重視する概念です。UIはユーザーとシステムの接点全体です。UXはUIを含む、製品・サービス利用におけるユーザーの全体的な体験を指します。Webサイトを例に取ると、レイアウトやボタンはUI、サイトを通して商品を購入する一連の流れやその印象はUXの一部です。

Q2. UI/UXデザイナーとはどのような仕事ですか?

UIデザイナーは、Webサイトやアプリのボタンやレイアウトなど、ユーザーが直接操作する視覚的な要素のデザインを担当します。UXデザイナーはユーザー調査やテストを通じて、使いやすく、満足度の高い体験を提供できるよう設計します。UI/UXデザインは関連性の高い職種であり、兼任されることも多いです。

Q3. UI/UXデザインのメリットを教えてください

UI/UXが優れていると、以下のようなメリットがあります。

  • ・多数のプロダクトが存在する現在において、ユーザーに選ばれやすくなる

    ・企業の主力商品としてブランディングにも貢献できる

    ・リピート数の増加や顧客満足度の向上などポジティブな経済効果が期待できる

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まとめ

今注目されているキーワードである「UI/UX」について解説しました。UIとUXは同じ意味だと思われがちですが、実際には異なる意味を持つ言葉であり、現在の多様化するIT業界の中でも重要な経営戦略の要素です。

二つの言葉を正しく理解し、業務の中でも意識できるとより良い商品を生み出すきっかけになるでしょう。また、企業が求めるのも優れたUI/UXであるため、業界・企業理解にも役立てることができます。

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