Perlとは
Perlは、1987年に開発された動的型付けのプログラミング言語です。主にテキスト処理やファイル処理に強みがあります。また、Windows、Linux、macOSなどの異なるプラットフォームで動作することからプラットフォーム依存性が低いです。用途が幅広く、テキスト処理以外にも、Web開発、システム管理、ネットワークプログラミング、バイオインフォマティックスなどに用いられます。
Perlの用途
Perlの主な用途について解説します。
テキスト処理だけでなく、Web開発、システム管理、ネットワークプログラミング、バイオインフォマティックスなどPerlの幅広い用途について知ることができます。Perlの習得を検討している場合には、自身のやりたいことに対応しているかを確認しておくことが重要です。
テキスト処理やデータ変換
Perlは正規表現をサポートしているなど、テキスト処理に強みがあります。この強みを活かして、ログファイルの解析、データの変換、テキストの検索・置換などに利用されます。
Web開発
HTMLから起動できるプログラムCGIスクリプトの開発にPerlはよく利用されます。特に初期のWeb開発では、Perlが一般的でした。しかし、2024年現在では、Web開発に他の新しいプログラミング言語が用いられるケースが増えています。
Web技術の調査企業であるW3TechsによるWebサイトのサーバーサイド言語のシェア調査データでは、2024年7月18日時点でPerlのシェアは0.1%でした。PHP、ASP.NET、Rubyなどのサーバーサイド言語に次ぐ10位という結果であり、今後もシェア向上は期待できません。
システム管理や自動化
テキスト処理と関連してログの監視、ディスクのクリーンアップ、バックアップの実行などのシステムタスクや、プロセスを自動化するスクリプトを書くために利用されています。特にLinuxサーバーでは、多くのディストリビューションにPerlのパッケージが含まれていることも利用機会に繋がっています。
ネットワークプログラミング
Perlを用いて、ソケットを使用したクライアント・サーバーアプリケーション構築や、HTTPリクエストに対する処理を構築することが可能です。ソケット通信やTCP、UDPなどでの通信のための部品が利用できます。
バイオインフォマティックス
生命科学の現象を情報科学や計算機科学の技術を用いて解析する学際的な分野において、Perlは生物学的なデータ処理などに用いられます。Perlのプログラミング経験の無い人でも扱いやすい特徴を活かし、バイオインフォマティックス関連分野の研究者に広まったとされています。
Perlの特徴
Perlのプログラミング言語としての特徴について説明します。
Perlは可読性の高さや動的型付けなどのスクリプト言語としての特徴を多く持ち、プログラミング経験のない人でも扱いやすいというポジションを確立しています。その一方で、独時の記述やRubyやPythonなどの後発のスクリプト言語のようにツールやライブラリの充実は起きず、徐々に人気が衰退した経緯があります。
Perlの技術要素の代表的なものとして、動的型付け、テキスト処理、CPANなどがあります。これら技術要素を知ることでPerlがどのような言語なのか理解を深めることができるでしょう。
動的型付け
Perlは、変数の型をプログラム実行時に解釈する動的型付け言語です。そのため、プログラミングの柔軟性は高い一方、実行時の型エラーやその追跡などでデバッグの難易度は比較的高いといえます。
また、静的型付け言語(コンパイラ言語)と比較すると、プログラム実行時にデータ型解釈を行う処理が必要となるため、実行速度が遅い傾向があります。
テキスト処理能力が高い
Perlはテキスト処理能力が高いプログラミング言語です。ファイルの読み書きやパターンマッチングなどを簡潔に実現できます。また、強力な正規表現をサポートしているため、文字列の検索や置換、抽出などの操作が容易です。テキスト処理を作成するのに適した言語といえます。
CPAN
CPAN(Comprehensive Perl Archive Network)は、Perlの拡張モジュールやライブラリのリポジトリです。インターネット上に数千ものライブラリ、モジュールが提供されています。CPANを活用することで、エンジニアやPerlの利用者は一定の品質が確保された既存のプログラムを効率的に入手することができます。
誰でも利用できる豊富なリソースを利用することにより、Perlでの効率的に品質を確保したプログラミングを実現します。インストールや利用手順についてもフォーマットが揃えられているため、管理しやすく手軽に利用できます。
オブジェクト指向
Perlは、基本的なオブジェクト指向の概念をサポートしています。オブジェクト指向はプログラムをモノ(オブジェクト)を中心に設計、開発する考え方です。オブジェクト指向を採用することにより、プログラムの部品化ができるため、大規模な開発での作業分担やプログラムの再利用性向上を図れます。
しかし、Python、Java、Rubyなどのプログラミング言語と比較すると、機能面で一部制約があります。そのため、より本格的なオブジェクト指向を求める場合などには向いていません。
クロスプラットフォーム
Perlはクロスプラットフォームな言語であり、プラットフォーム依存性が低い点が特徴です。Windows、Linux、macOSなどの異なるオペレーティングシステム上で同じコードを実行できます。
可読性が高い
Perlの記述は、読みやすく書きやすい「可読性が高い」と評価されています。シンプルで、プログラミング初心者でも扱いやすい構成です。いわゆるスクリプト言語に分類されます。
この可読性の高さは、後から読み返した際の理解のしやすさ、多人数の開発にも適するという特徴に繋がります。
コンパイルが不要
Perlはインタプリタ言語で、プログラムを実行するタイミングで機械語への翻訳が行われます。事前にコンパイル(翻訳)する作業がいらないため、コードを記述して動作を確認しながら作成しやすいです。
一方で、実行するまで記述のミスに気付けない、実行速度が遅いという問題もあります。
後方互換性が高い
後方互換性とは、プログラミング言語がアップデートされても過去に作成されたプログラムが動作することを指します。Perlは後方互換性を重要視しており、Perlがアップデートされても過去のバージョン向けに作ったプログラムが動作してきたため、信頼度は高いです。
一度作成したプログラムを長く利用できるため、Perlを選択する際のメリットにもなります。
Perlの代表的なフレームワーク
フレームワークとは、骨組みや構造を意味する言葉です。プログラミングにおいては、特定の種類のプログラムを作成する際に共通的に必要となる機能とひな形をまとめたものを意味します。フレームワークを適用することにより、効率的で品質の高い開発が実現できます。
特にWebアプリケーションの開発においては、フレームワークの適用が一般的でその際に利用されるフレームワークはWebフレームワークと呼ばれます。本項では、PerlでのWeb開発に向けたWebフレームワークを紹介します。
Catalyst
CatalystはPerlで作られたPerl用のWebアプリケーションフレームワークです。特徴として、オープンソースであることやMVCアーキテクチャを採用していることが挙げられます。RubyのRuby on RailsやJavaのSpringなどのフレームワークに影響を受け、新たなWebパターンを多数持っています。イギリスの公共放送BBCのサイトで採用されるなどの実績を持っています。
Dancer
Dancerはオープンソースで軽量なWebアプリケーションフレームワークで、RubyのSinatraというフレームワークに影響を受けて開発されたマイクロフレームワークです。マイクロフレームワークは軽量で提供機能はフルフレームワークに比べて少ないものの自由度が高い特徴を持ちます。
Mojolicious
Mojoliciousは、Catalystと同じ作者が作ったリアルタイムWebアプリケーションフレームワークです。Catalystの経験をもとに、シンプルなWebアプリケーションにも複雑なWebアプリケーションにも対応できるよう作成されています。
TripletaiL
Tripletailは、Perlで日本語のWebアプリケーションを作成するためのフレームワークです。安全性、生産性、保守性の3点に重点をおいて作成されています。日本製のフレームワークで、ドキュメントも日本語で揃えられているという特徴を持ちます。
Amon2
Amon2は、Perlで開発されたWebアプリケーションフレームワークです。シンプルで軽量に作られており、初心者でもわかりやすい特徴を持ちます。また、シンプルなため拡張がしやすく、小規模なWeb開発に適しています。
Ark
Arkは、Catalystに似たWebアプリケーションフレームワークです。日本製のフレームワークのため、日本語ドキュメントが充実しているというメリットがあります。Catalystに強く影響を受けたため、Catlystを使ったことのある人には使いやすいといえます。
Kossy
KossyはRubyのSinatraに似たWebアプリケーションフレームワークです。シンプルでクリアーなことを特徴とし、最終リリースも2023-11-13と比較的近年です。直感的なインタフェースのため、学習コストが低いというメリットもあります。
Kelp
Kelpは、軽量なWebアプリケーションフレームワーク/マイクロフレームワークです。PlackというWebアプリケーションフレームワークを用いて作られており、拡張にも対応しています。
Perlの需要と将来性
オランダのTIOBEが毎月発表している、プログラミング言語の人気を指標化したTIOBEインデックスによると、2024年7月現在、Perlは30位にランクインしています。他のプログラミング言語の順位は、Pythonが1位、Javaが4位、Rubyが14位です。
今後、新たなアプリケーション開発でPerlが採用される機会はあまりないと予測されます。その理由として、他のプログラミング言語の充実があります。Perlで作成できるプログラムを作成する場合にも、他のプログラミング言語で作成したほうが、開発効率、品質、処理速度などの面で優れるためです。
ただし、新規での開発はなくとも既存の資産内には残り続けるでしょう。Perlの後方互換性が高い特徴もあり、既存アプリは継続的な稼働が見込めます。改修やメンテナンス案件は減少傾向ですが存続し、すぐに消滅することはないでしょう。
Perlと他プログラミング言語との比較
Perlの特徴や用途について、他のプログラミング言語と比較します。Perlの習得、アプリ開発への採用を行う際の参考としてください。
全体的にPerlは登場から年数が経過し、Perlを選択するメリットだったポイントは他の言語でも克服しているケースが多いです。今後、新規開発を行うためのプログラミング言語やエンジニアのスキルアップに向けた習得では、他の言語で代替できないかを検討するべきといえます。
PerlとPythonの比較
PerlとPythonは、どちらもテキスト処理に強みを持つプログラミング言語ですが、それぞれの言語の特徴や用途は異なります。
PerlとPythonはどちらもスクリプト言語ですが、Perlはテキスト処理に強い点が特徴です。文法が特殊かつ多様で、あらゆるパターンに対応できます。
一方のPythonは、シンプルで読みやすい文法で、初心者にやさしい言語です。テキスト処理においては、Perlほど柔軟ではありません。汎用性が高く、データサイエンスやAI開発、Webアプリケーション開発に向けたライブラリ、フレームワークが充実しており、将来性の高い言語と目されています。
関連記事:Pythonとは?特徴やできること・活用事例などを解説!
用途の違い
Perlはテキスト処理に強みを持つ汎用スクリプト言語であり、システム管理やログ解析などに多く用いられます。
Pythonはより汎用的なプログラミング言語であり、データサイエンス、Web開発、人工知能、自動化、科学計算、スマホアプリ開発など多岐にわたる分野で用いられています。
PerlとJavaの比較
PerlとJavaは、どちらもプラットフォーム依存性が低いプログラミング言語です。両言語ともオブジェクト指向を採用しているという点も共通します。しかし、異なる特徴も多く持っています。
一つは、Perlはインタプリタ(スクリプト)言語で、Javaはコンパイル言語という実行形式の違いがあります。また、Perlは動的型付け言語、Javaは静的型付け言語という違いもあります。
関連記事:Javaとは?特徴や学習方法などをわかりやすく解説
用途の違い
Perlの用途については、前述の通りです。Javaは、プラットフォーム依存性の低さから、大規模アプリケーションやWebアプリケーション、モバイルアプリケーション、組み込みシステムなど広範囲に用いられます。
PerlとRubyの比較
PerlとRubyは両者ともオブジェクト指向のプログラミング言語です。インタプリタ言語(スクリプト言語)であることも共通しています。
各言語の違いとしては、Rubyはオブジェクト指向が強く、クラスとオブジェクトの概念を中心にプログラムを記述することが挙げられます。また、Rubyは文字列処理が得意で、直感的に取り扱うことが可能ですが、Perlほどの柔軟性はないことも違いに挙げられます。
関連記事:Rubyとは?メリットやできること、将来性を分かりやすく解説
用途の違い
Perlの用途については、前述の通りです。RubyはWeb開発を重視したデザインとなっており、Ruby on Railsというフレームワークを用いることで開発効率を高められます。また、シンプルで可読性が高いため、一般的なプログラミングにも広く使用されます。
Perlの学習方法
Perlの効果的な学習方法を紹介します。
書籍やオンラインで独学で習得する場合には、以下のおすすめの書籍・サイトを参照ください。また、独学だけでなくPerlの関連コミュニティやカンファレンスに参加して学習するのも一つの手段です。独学では解決しづらいプログラミング上の課題発生時にも、力を借りて解決することができるでしょう。
書籍を用いる
プログラミング言語の学習方法として最も一般的なのが関連書籍の活用です。Perl自体を学ぶ書籍が主ですが、関連してテキスト処理を学べる書籍もあります。
Perlの学習におすすめの書籍
『かんたん Perl』(技術評論社、深沢千尋)
プログラミング言語Perlの入門書です。プログラミングの初心者が学習できるよう分かりやすく記載されています。サンプルコードも300本掲載されており、動かしながら理解を深めることができます。
『Perlではじめる プログラミング超入門』(技術評論社、高橋順子)
Perlではじめる プログラミング超入門 (かんたんIT基礎講座)は、はじめてPerlでプログラムを作成する人向けに書かれた入門書です。Perlの強みである日本語処理や正規表現などのテキスト処理についても解説しています。
『初めてのPerl 第7版』(オライリージャパン、Randal L. Schwartz、brian d foy、Tom Phoenix、近藤 嘉雪 (翻訳)、嶋田 健志 (翻訳))
初めてのPerl 第7版は1993年の第1版から、Perl入門の定番とされている書籍です。Perlの基礎だけではなく、より実践的に学びたい方にはおすすめの一冊ですが、他の書籍と比べると、初めての書籍としてはややハードルが高いでしょう。続編にあたる書籍として「続・初めてのPerl 改訂第2版」があります。
『Perlテキスト処理のエッセンス』(電子書籍のみ、木本裕紀、Perlクラブ、MNdesign (イラスト))
Perlテキスト処理のエッセンスは、Perlを用いてテキスト処理の基本と応用を学べる書籍です。Perlの強みであるテキスト処理を中心に学びたい方におすすめです。2024年7月時点では「Perlゼミ」で無料公開されている内容とされています。
オンラインでの学習方法
Perlをオンラインで学習する方法もあります。Perlの公式ドキュメントでは、プログラミング言語の解説、学習方法、コミュニティ、CPANなどの情報を参照できます。また、プログラミング学習サイトを活用するのもよいでしょう。
代表的なコミュニティやカンファレンス
Perlの代表的なコミュニティとカンファレンスを紹介します。
Japan Perl Association
Japan Perl Association(日本Perl協会)は、Perlプログラミング言語の普及促進およびPerlコミュニティの支援を目的とする組織です。モダンかつ実践的なPerlの使用方法やノウハウを研修やセミナーなどで提供し、企業の皆様が安心してPerlを使用していただけるよう全力でサポートしています。
YAPC
YAPC(Yet Another Perl Conference)は、Perlプログラミング言語のユーザーコミュニティによって開催される年次の国際カンファレンスです。Perl開発者やプログラミング愛好者が一堂に会し、技術的なプレゼンテーションやネットワーキングの場が提供されます。
Perlエンジニアの年収
2024年7月現在、レバテックキャリアに登録されているPerlエンジニアの求人情報で募集中の119件のうち、30件の求人情報の年収下限の平均値は約438万円で、年収上限の平均値は約814万円です。下限と上限の中間値の平均から、Perlエンジニアの平均年収は約626万円と推定できます。
最も高い年収はサーバーサイドエンジニアの募集で最大1,600万円となっています。ただし、多くの案件でPerlのみではなく、複数のプログラミング言語が扱えるスキルを持つエンジニアの一言語として扱われていることには注意が必要です。
関連記事:Perlエンジニア転職市場は?将来性や年収、必要なスキルも解説
Perlエンジニアのキャリアパス
Perlエンジニアには、技術要素を深めていく職種やマネージャー、企画職などさまざまなキャリアパスがあります。それぞれに求められるスキルを解説します。
Perlというプログラミング言語の将来性を考慮して、その他のプログラミング言語を習得することでキャリアパスは広がります。また、プログラミング言語に関わらずITエンジニアとして共通するスキルは他のキャリアパスでも活かすことが可能です。
Perlエンジニアのエキスパート
Perlエンジニアのエキスパートには、Perlに対する深い理解が求められます。その理解を開発チーム全体に伝え、開発効率を向上させるスキルも必要となるでしょう。
システムアーキテクト
システムアーキテクトは、システム設計やアーキテクチャ策定を担当し、システム全体の方向性を決定する役割を担います。設計の知識はもちろん、システム全体を考えた技術的な戦略を立てて実行するスキルや、他メンバーへの説明スキルも必要です。
テックリード
テックリードは開発チームのなかでリーダーシップを発揮し、メンバーを指導・サポートする役割を担います。そのため、開発進捗状況の把握、開発を進めるうえでの懸念事項の解消、コードの品質を担保するためのスキルが求められます。
エンジニアリングマネージャー
エンジニアリングマネージャーには、開発チームをリードしてプロジェクトを成功させること、エンジニアリング部門の効果的な運営に貢献することが求められます。プロジェクト管理スキル、人材マネジメントスキル、技術的なビジョンと計画を立てるスキルが必要です。
Perlの基本文法
Perlの基本的な文法について、サンプルを示し、解説します。
以下は、変数の定義、データ型、制御機構(繰り返し、条件分岐)、サブルーチン、ファイル操作におけるPerlプログラムの記述例です。概要を理解し、実際にプログラムを作成して動作を確認させることで理解が深まり、プログラミングスキルが向上します。
変数定義とデータ型
Perlで取り扱う主なデータ型にはスカラー、配列、ハッシュがあります。スカラーは単一のデータを表し、数値、文字列、またはリファレンスなどが含まれます。配列は複数のスカラー値を順序付けて格納するデータ構造です。ハッシュはキーと値のペアを格納するデータ構造です。キーは一意であり、それに対応する値を取得できます。
・変数定義の記述例
# スカラー変数
$number = 42;
$string = "Hello, World!";
$float = 3.14;
# 配列
@array = (1, 2, 3, 4, 5);
# ハッシュ
%hash = ('key1' => 'value1', 'key2' => 'value2');
制御構造
Perlで取り扱う制御構造としては、他のプログラミング言語と同様にif文やループ処理などが挙げられます。
・条件分岐の記述例
if ($condition) {
# 条件が真の場合の処理
}
elsif ($another_condition) {
# 別の条件が真の場合の処理
}
else {
# どの条件も満たさない場合の処理
}
・ループ処理の記述例
# forループ
for my $item (@array) {
# ループ内の処理
}
# whileループ
while ($condition) {
# 条件が真の間、ループ内の処理
}
# foreachループ(リストをイテレート)
foreach my $key (keys %hash) {
# ハッシュのキーに対する処理
サブルーチン
Perlのサブルーチンは、サブプログラムや関数とも呼ばれ、再利用可能なコードブロックを定義するための仕組みです。以下は、名前を引数として受け取り、挨拶のメッセージを出力するサブルーチンの記述例です。
・サブルーチンの定義と呼び出しの記述例
# サブルーチンの定義
sub greet {
my ($name) = @_;
print "Hello, $name!\n";
}
# サブルーチンの呼び出し
greet("Alice");
ファイル操作
Perlでは、ファイルの読み込みや書き込みなどのファイル操作を簡単に行えます。
・ファイル操作の記述例
# ファイルの読み込み
open(my $file, '<', 'filename.txt') or die "Cannot open file: $!";
while (<$file>) {
print $_;
}
close($file);
# ファイルへの書き込み
open(my $output, '>', 'output.txt') or die "Cannot open file for writing: $!";
print $output "Hello, File!\n";
close($output);
Perlに関するよくある質問
プログラミング言語Perlについて、よくある質問と回答をまとめました。
Perlというプログラミング言語の修得や開発での採用を検討している場合には、参考にしてください。また、Perlのメリット・デメリットおよび他のプログラミング言語との比較については、本文中でも詳細に触れていますので参照ください。
Q1. PerlとPythonの違いは何ですか?
PerlとPythonは、どちらもオブジェクト指向のスクリプト言語です。
違いとして、強みと用途が挙げられます。Perlはテキスト処理に強く、システム管理やログ監視などに利用されます。Pythonは、シンプルで読みやすい文法で汎用性が高く、データサイエンスやAI開発、Web開発などの分野で活用されます。
Q2. Perlのメリットは何ですか?
Perlは、可読性が高く、プログラミング経験がない人でも扱いやすいというメリットを持ちます。動的型付けのスクリプト言語のため、コンパイル無しに動かせ、動作を確認しながらプログラミングがしやすいです。クロスプラットフォームに対応しており、後方互換性が高いことやCPANというアーカイブを持つこともメリットに挙げられます。
Q3. Perlのデメリットを教えてください
Perlには、修得する言語や開発する言語として選択するにあたり、以下のデメリットが存在します。
-
・近年では主流ではなく、今後の新規開発で採用される機会は少ない・他のWeb開発に用いられる言語と比較し、ライブラリなどの充実度で劣る
・インタプリタ言語のため処理速度が遅い
・独特の記述と評されることがある
まとめ
Perlは1987年登場の長い歴史を持つプログラミング言語です。オブジェクト指向を採用したスクリプト言語(インタプリタ言語)であり、マルチプラットフォームに対応しています。テキスト処理やファイルの処理に強みを持っており、テキスト解析、ログ監視、バイオインフォマティックスなどの領域で活用されています。
Webアプリケーション開発用途でも多く採用されていましたが、他の言語の台頭などを理由に近年では採用されるケースは減っています。その一方で、既存アプリのメンテナンスや改修などで需要が残っている状況です。
これからPerlを修得し、Perlエンジニアとして活躍することや新規開発の言語への採用を検討している場合には、他の言語で代替できないかを検討してみてください。他のプログラミング言語の発展がPerlの人気衰退に繋がっているため、同じ用途で優れた言語が見つかる可能性は少なくありません。
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