SESのサーバーサイドエンジニアからSIerへと転職した男性にインタビュー。習得言語はJavaのみでも、3ヶ月で5つもの内定を獲得した秘訣とは? 実際に行った転職活動の方法や、転職後の給与明細なども公開してもらいました。
裁量のある働き方を求めSESから転職
─まずは簡単な自己紹介をお願いします。
これまでは新卒で入社した会社にサーバーサイドエンジニアとして6年間勤めていたんですが、今年の11月に初めての転職を経験しました。
年齢は今年29歳になります。世代的には大谷翔平さんや羽生結弦さんと同級生です。彼らが凄すぎて比較されがちですが……。
─前職での業務内容を教えてください。
具体的には開発者としてプロジェクト先に常駐して、 主にウェブサイトの設計から製造、試験までを全体的に担当していました。 いわゆるSESという形です。
言語はJavaを扱っていました。
─在職中はいくつのクライアント先で働きましたか?
5年間で3つですね。基本的には1年スパンで切り替わっていたんですが、最後に参画していたプロジェクトでは3年間も携わっていました。
─最後のプロジェクト参画中に転職を決意したんですか?
そうなりますね。この働き方ではあまり裁量を持ってプロジェクトに取り組めないぞ……と気が付いたんです。
就職1年目や2年目の頃は、とにかく業務についていくことに必死でそこまで考えが及ばなかったのですが。
─「言われたことだけをやる」というような感じでしょうか?
そういう側面が強いと思います。もちろんプロジェクトによってはそんなことないケースもあるとは思いますが。
3年間も同じプロジェクトに携わっていると「ここはこうした方がいいんじゃないか」とか「自分だったらこうするんだけどな」というような場面にも、それなりに出くわすんです。
でも、それを自分で何とかできる立場じゃなかったり発言力がなかったり……。そういうところに歯がゆさというか、課題を感じて、いっそのこと転職してガラリと環境を変えた方がいいんじゃないかなと思ったんです。
3ヶ月で内定5社!成功の秘訣は面接にあり
─転職が頭によぎってから、実際に動き出すまでどれくらいの期間がありましたか?
ふつふつと「転職した方がいいのかも」という想いはずっと抱えていたので、「転職しよう!」と決意してから30分後くらいにはレバテックキャリアに登録していました。
先延ばしにしちゃうと、ズルズルといまの環境に甘んじてしまいそうだったので、勢いで登録まで進めちゃおうと思って。
─レバテックキャリアを使っていただいて転職したということなんですけど、当サービスを知ったきっかけは?
結論から言うとネット検索ですね。
単純に「IT業界 転職エージェント」とかで検索して、一番最初に目についたので。なんだか申し訳ないんですが本当にそれだけの理由です。
転職をしようと思った時に、 自力じゃなくてエージェントさんの力を借りようと考えていたので、そのまま登録まで進みました。
─転職エージェントを利用したほうが、スムーズに転職活動を進められそうだと判断したんですね。
その通りです。転職活動で一番懸念していたのが時間と体力だったので。
まだ働いている状況で転職活動を始めたので、 自力で1から10まで進めるほどの余力はないなと……。
─実際にレバテックキャリアを使ってみてどうでしたか?
こんなに楽でいいのか?というくらいスムーズに転職活動を進められました。
特に応募先の企業とのやりとりや面接日の調整、 あとはエントリーシートの確認など、そういった細々としたところまでサポートしていただけるのはとても助かりましたね。
─どのような流れで選考が進むんですか?
まず「こういう求人がマッチしそうですよ」と紹介されて、納得のいく求人があったらエントリーの意思表示をします。
エントリー後は企業側が書類選考をして、通過したらエージェントさんが面接の候補日を提案してくれます。
ちなみに履歴書などはレバテックキャリアのフォーマットに則って作成したので、それほど労力はかかりませんでした。
僕の場合はオンライン面接だったんですけど、 面接用のURLとかもエージェントさんから連携いただいて、という感じです。 なので面接本番になって初めて企業側と直接やり取りをしました。
ある意味、自分であれこれ考えることなくエージェントさんの指示通りに動くだけだったので物凄く楽でした。
あと、エージェントさんとのやり取りも全てLINE上で行えるのが地味に良かったですね。メールをいちいち確認するのも大変だったり、埋もれちゃったりもするので。
─転職活動期間はどれくらいかかりましたか?
登録から内定承諾するまで、約3ヶ月くらいかかったと思います。
だいたい20社くらい応募して、内定をいただけたのが5社でした。
─3ヶ月で5社も内定をもらえた秘訣は?
エンジニアなのでもちろんスキルや経験も大切なんですが、それ以上に面接でどれだけ意思疎通を図れるか、が大事だと思います。
ちなみに私はJavaしか使えないんですが、エンジニアによっては「PHPしか使えないけど違う職場でやっていけるだろうか」「Javaしか使えないのに転職できるのか」と心配になる人も多いんじゃないでしょうか。
私自身もそういう心配もあったのですが、面接においては「どの言語で何をどこまでできるのか」をしっかり伝えることが大事なんだと気づきました。
あとは「今は○○しか経験ありませんが、どんな言語でも勉強をしていち早く身に着けるつもりです!」という心構えもアピールできるといいかもしれませんね。
面接はお互いの認識の擦り合わせの場
─面接内容を覚えていますか? どういうことを聞かれてどういう回答をしたとか。
どの企業も、基本的には“職務経歴書の内容を確認し合う場”というような感じでした。
「サーバーサイドってことはこういうこともやっていたの?」「こういうことはできる?」みたいなことを聞かれて「はいそうです」「ちょっとそこまではできなくて……」というようなやり取りが多かったですね。
面接の定番質問のイメージがある「志望動機は?」とか「長所・短所は?」みたいなことは一回も聞かれなかったので、そこは意外でした。
─面接は業務内容やスキルを擦り合わせる場なんですね。ちなみに転職活動においての失敗談ってありますか?
失敗談ですか……。僕はJavaだけをずっとやってきたのですが、 そのうえで「他にどんな言語に興味がありますか?」と聞かれたんです。
ただ、ぶっちゃけて言うと、そんなに興味がある言語はなかったんですよね。 でも「ないです」なんて答えられないので、その場で取り繕って「これこれこういう理由で〇〇言語に興味があります」って答えたんですけど、すごい変な空気になってしまって……。恐らく、全然知識がなかったのでとんちんかんな事を言ってしまったんだと思います。
なのでエンジニアで転職する方は、自分が業務で使っている言語以外にも多少は勉強しておくべきかなと思います。
快適なだけじゃない…残業ゼロの働きづらさ
─最終的にいまの会社に決めた理由を教えてください。
1番の理由は会社としての安定感ですね。上場もしているし、社員数も2000人くらいいるので、この先長い目で見ても安心して働いていけるなと。
─転職先の会社はどんな職場か、ざっくりとした概要で良いので教えてもらえますか?
一般的な言い方をすると独立系のSIerです。基本的にはプロジェクト先に常駐して、そのプロジェクトをマネジメントする立場の会社になります。
いま僕が参画しているのは、大手通信会社の社内開発のプロジェクトです。
─Oさんが参画するプロジェクトでの業務内容を教えてください。
プロジェクトとしては開発がすでに完了しており、テストを随時実施する工程に入っています。
その中に僕が入って、それぞれのテストの進捗を管理したり、パートナー企業さんから参画されている方の状況をヒアリングしたりと、マネジメントする立場でお仕事をやらせてもらっています。
─11月に入社されたということですが、入社前と入社後で何かギャップは感じましたか?
働き方としてはとても良いことだと思うんですが、残業をまったくさせてもらえない点です。これまでの自分のやりかたは、ある程度残業して最終的に良いものを仕上げるという感じだったんですが、そのやり方が通用しないんです。
つまり、これまではおざなりにしてきた「限られた定時の中できっちりと仕事をやりきる」というタスクマネジメント能力が必要なんです。
正直言うと少しやりづらさを感じるところもあるんですが「時間内にやりきる能力」は大事だと思うので頑張っていきたいです。ただまあ、それぐらいですかね、ギャップとして感じているところは。
年収40万アップ!転職成功者のリアル給与明細
─転職後、給料は上がりましたか?
前職は年収360〜370万円ぐらいで、今は400万円弱とかですね。年収で30〜40万くらいは上がっているのかなと思います。残業なしでもそれくらいアップしているので給料については満足です。
─リモートワークの実施率はどうでしょう?
結局、参画するプロジェクトによりますね。積極的にリモートワークをとり入れている現場もあれば、直接対面した方がやりやすいという考えのもと出社ベースの現場もあります。
僕がいま従事しているプロジェクトでは完全出社ですね。
─SIerでの働き方はどうでしょうか? 良い点や、大変な点などがあれば教えてください。
一番苦労するのは人間関係の構築なのかなと思っています。
いまの会社はいわゆる一次請けのSIerなので、我々からパートナー企業に仕事を委託するケースがあるんです。そのため、同じプロジェクトに参画するメンバー内で所属会社が違ったり年齢も違ったりします。
そのメンバーたちに対して指示を出したり、ヒアリングを受けたりするなど、マネジメントをしないといけないんです。かなり年上の方を相手にすることもあるので、そういったところのコミュニケーションがすごく難しいなと。
─そういったマネジメント業務において意識していることはありますか?
もともと前職では自分が作業している側(マネジメントされる側)の立場だったので、作業者の考えに寄り添うというか、同じ目線になって考えることを意識しています。
「この作業はこうして欲しい」とひとつ伝える場合にも、頭ごなしに言いつけるのではなく「そのやり方も効率的で良いと思うんですが、これこれこういう理由があるのでやり方を変更することは可能ですか?」というような感じで。
そうすると「お、こいつ現場のこともわかってるな」と、一定の信頼関係を築きやすいんです。
昔は逆の立場で、一方的に指示を出されて不信感を抱くことがあったので、そういうマネージャーを反面教師にしています。
エンジニアは文系でも数字に弱くても問題なし
─現在、OさんはJavaをメインに取り扱っているとお話がありましたが、そのほか何かしらのスキルや資格は保持していますか?
習得している言語はJavaだけで、IT系の資格としては基本情報技術者試験を持っています。
そのほか経験のあるスキルで言うと、DBでオラクルを使っています。あとOSで言うと、基本作業はWindowsなんですけど、 Linuxで色々と作業するケースが多いので、Linuxに関してはそこそこ実績がありますね。
今後のスキルアップに向けた取り組みとしては応用情報技術者の取得に向けて勉強を進めています。
─働きながらだと勉強時間の確保が大変だと思いますが、どう捻出していますか?
勉強時間の確保はそんなに大変じゃないですよ。残業が全くできない分、終業後は時間があるので。
会社帰りに自宅近くの喫茶店で1時間ぐらい勉強しています。
1日1時間くらいのゆっくりとしたペースで、2024年の秋試験での合格を目指してます。基本情報の時も同じようなペースで勉強を進め、1年くらいかかりました。
─プログラミングをはじめとするIT技術の勉強や業務って、もともと理系だったり、数字が強かったりしないと苦労するイメージがあります。
私はもともと文系で数学とかほとんどできないんですが、そのことが原因で苦労したことはほとんどないですよ。
何よりもまず「ロジカルシンキングが大事」と言われているので、そういった部分で理系的なイメージが強いのかもしれませんね。
例えば何かしらの課題が生まれたとき、そこには必ず原因があります。その原因から解決方法までの繋がりを順序立てて考えられれば問題ないんです。
あとIT業界に入ってみて気づいたんですけど、意外と人と人との繋がりや日本語能力がすごく大事なんです。特に今はテレワークを実施している企業も多いので、何かしら意思を伝えるのはチャットかメールが主流になります。となるとテキストベースで、自分の意図するところを正しく伝えないといけないので。
─いわゆるコミュニケーション能力なども重要なんですね。Oさんの平日のタイムスケジュールをざっくりで良いので教えてもらえますか?
大体7時半頃に起きて、8時くらいに家を出ます。
1時間ぐらいで職場に着くので、9時ちょい過ぎぐらいに出社して、そこから準備をし始めて9時30分から18時まで業務です。
退社して19時ぐらいに地元の駅について、喫茶店で1時間ぐらい勉強して、20時過ぎくらいに帰宅ですね。
Oさんの平日のタイムスケジュール
7:30…起床
8:00…家を出る
9:00…出社・業務準備
9:30…始業
18:00…終業
19:00…地元の喫茶店で勉強
20:00…帰宅
いち早く新しい環境に慣れ、より良いマネジメントを
─ここからはちょっとプライベートなお話とかもお伺いしていきたいのですが、Oさんはご結婚されてますか?
まだ結婚はしていないんですが、2年間付き合っている彼女がいます。2〜3ヶ月前から同棲を始めました。
─もしかして同棲のきっかけのひとつに転職が?
どうなんですかね。転職と同棲にはあまり直接的な繋がりはないんですけど、結果的に同時期になったという感覚に近いですね。
前に住んでいた家がちょうど更新のタイミングだったので、じゃあどうせなら引っ越して同棲しようか、という話になりました。
ただ、転職とは時期をずらせば良かったなと、その時は若干後悔しましたね。さすがにドタバタしすぎてしんどかったです……。
─確かに体力的にも疲れそうですね……。家賃をはじめとする生活費の支出についてお伺いしてもいいですか?
固定費の支出はこんな感じです。
まず家賃が13万円で、光熱費が20000円くらいですかね。食費は細かく計算していないんですが、外食費も含めて5万円くらいかなあ。あとは通信費とサブスクで大体1万円。
これらの、合計20万円くらいの固定費を二人で折半して支払っています。お互いの服とか遊ぶお金とかは把握していないのでわからないです。
─休日の過ごし方をお伺いしてもいいですか?
インドア派なので、休日は家にいることが多いです。漫画読んだりゲームをしたり。あとは スポーツ観戦もよくしますね。
─私も漫画は好きです! おすすめはありますか?
今更感もあるんですが、本当に現在進行形でハマっているのはD.Gray-manっていう……。
─懐かしい! 昔、少年ジャンプで読んでました。あれってまだ連載してるんですか?
一応連載はしています。ただ最新巻がほとんど出ない。ハンターハンターと同じ現象が起きてます(笑)。
─では最後になりますが、エンジニアとしての今後の目標や展望をお聞かせください。
まず喫緊の目標としては、転職したばっかりでプロジェクトにも参画したばかりなので 、いまの環境に適応することを一番の目標としています。
うまく馴染めたならば、より他の人を上手にマネジメントできるようなスキルとか知識とかを身につけたいなと思っています。
あとはそうですね…… Java以外の言語の知識も身に着けていきたいです。特にJavaはオブジェクト指向型なので、 オブジェクト指向型以外の言語に興味がありますね。
─新しい職場でのご活躍をお祈りしています。本日はありがとうございました。
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