EVENT REPORTイベントレポート

ヒカラボレポートとは、開催されたヒカラボにおいて、登壇者が伝えたい講演内容を記事としてまとめたものです。ご参加された方はもちろん、ヒカラボに興味があるという方も是非ご覧ください。

イベントレポートvol.58

Yellow Paperから読み解くEthereumブロックチェーンの詳細仕様

2018/12/20(木)更新2018/11/13(火)19:30~21:20

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ブロックチェーンとしての存在感が非常に大きくなってきているイーサリアム(Ethereum)。内部通貨イーサ(Ether)の時価総額はビットコイン、リップルに次ぐ3位を誇ります(2018年11月30日現在)。

アプリケーション作成のプラットフォームとして、最近ではイーサリアムを利用した分散型アプリケーション(Dapps)の開発も増えてきており、開発に挑戦してみたいと考えるエンジニアの方もいるのではないでしょうか。

イーサリアムには、概念レベルで仕様を定めたWhite Paperと、詳細仕様レベルで書かれたYellow Paperの2つが存在します。後者のYellow Paperには、ブロックのマイニングやトランザクションの構造、スマートコントラクトの動作仕様なども細かく書かれており、開発時にはこれらの広範な知識が有用になるケースもあります。

2018年11月13日のヒカラボでは、ブロックチェーンビジネス向けのセキュリティおよび分析プラットフォームを開発する株式会社catabiraのChief Blockchain Officerである花村直親氏に登壇いただき、Yellow Paperをできるだけ平易な言葉で読み解きながら、イーサリアムの詳細仕様を理解するための勉強会を実施しました。

Yellow Paper原文

講演者プロフィール

株式会社catabira
花村 直親 氏
株式会社catabiraのChief Blockchain Officer。エンジニアとしてブロックチェーンデータの分析基盤構築や実証実験、仮想通貨監査の技術アドバイザリー業務の経験を持つ。現在はcatabiraにて、ブロックチェーンの分析SaaSの開発に取り組んでいる。個人ブログ「Neutrinoで働くブロックチェーンエンジニアのブログ」では、ブロックチェーンに関する最新の情報や自身の取り組みを発信中。

■会社HP
https://www.catabira.com/

■Neutrinoで働くブロックチェーンエンジニアのブログ
https://www.blockchainengineer.tokyo/

解読のための第一歩は、Yellow Paper独自の定義を理解すること

講演では、そもそもイーサリアムのYellow Paperとは何なのか、といった確認からはじまり、Yellow Paperの特徴である「詳細すぎるほどに多くの記号や数式が用いられている」ことがリーディングへのハードルを高めていると説明。

しかし、その一見複雑に思える記号や数式は、定義を覚えてしまえば決して難しいものではないと花村氏は語りました。 記号や数式の定義を確認しながら、この講演ではYellow Paperの次の章について解説を行いました。

1. Introductuon
2. The Blockchain Paradigm
3. Conventions
4. Blocks,State and Transactions
5. Gas and Payment
7. Contract Creation
8. Message Call
9. Execution Model
10. Blocktree to Blockchain
11. Block Finalisation
14. Conclusion

講演内容の詳細は登壇スライドにまとまっていますので、ぜひご一読ください。

講演当日のスライドショー

また、イーサリアムのYellow Paperの内容に関しては、花村氏の以下のブログ記事でも詳しく取り上げられています。

(関連記事)
「EthereumのStateについて - Yellow Paper4章より」

「EthereumのGasについて-Yellow Paper5章より」

「Ethereumのトランザクション(Message Call)について-Yellow Paper8章より」

「EthereumのRLPエンコーディングについて-Yellow Paper AppendixBより」

 

イーサリアムは新しい世界を創出していく

イーサリアムをはじめとしたブロックチェーン開発に多くのエンジニアが惹かれる理由として、ブロックチェーンは中央管理ではなく分散型管理であることから、一個人の開発によって与えられる影響範囲が大きい点が挙げられます。

つまり、ブロックチェーン業界の成功は、限られた大手企業のみに大量のデータが集まり、権力や利益が集中する中央集権的な世界から脱却する可能性を秘めているのです。

講演後、花村氏は参加者との懇親会において「ブロックチェーン開発に取り組んでいるエンジニアであれば、既存の中央集権的な仕組みを壊していこうというブロックチェーンの思想に多かれ少なかれ共感しているもの。今日の講演は、同じような想いを持ってブロックチェーン開発に挑戦したいと思っている人に向けて、ひとつの指針となるような内容を目指した」と話してくれました。

また、同講演に出席した参加者も

「ビジネスとしてブロックチェーン事業に参入しようとしている企業は必ずしも思想の部分に価値を置いているわけではなく、ブロックチェーンという全く新たな領域で次世代のGoogleになりたいと考えて参入しているパターンもある。それはそれでこの業界のおもしろさだと思っている」

「エンジニアとしてブロックチェーン独自の世界観に感動した人と、ビジネスチャンスがあると思って参入した企業、その両方がマッチしたからブロックチェーン業界は盛り上がってきている。あとはイーサリアムで開発されたアプリケーションを利用するユーザーが増えれば、本当に新しい世界が完成する。その世界を創っていきたい」

など、ブロックチェーンの未来に対する想いを語ってくれました。

エンジニアからの注目度も高まってきているイーサリアム。技術者としてブロックチェーン開発に取り組みたい方は、花村氏のスライドを参考にしながら勉強をはじめてみてはいかがでしょうか。

ヒカラボでは、ITエンジニアやクリエイターの方を対象とした勉強会を毎月開催しています。ブロックチェーンのような最新技術にまつわる内容はもちろん、今後のキャリアを考える上で役立つテーマの勉強会も多く開催しています。今後のスケジュールは以下のページにて随時更新していきますので、ぜひチェックしてみてください。

https://career.levtech.jp/hikalab/

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