EVENT REPORTイベントレポート

ヒカラボレポートとは、開催されたヒカラボにおいて、登壇者が伝えたい講演内容を記事としてまとめたものです。ご参加された方はもちろん、ヒカラボに興味があるという方も是非ご覧ください。

イベントレポートvol.50

【ものづくり×デジタル】あなたの"ほしい"をカタチにしよう!~オンリーワンのアイデアを生み出すワークショップ~

2018/02/01(木)更新2017/12/21(木)19:30~21:30

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2017年12月21日のヒカラボでは「ものづくり×デジタル」をテーマに、合同会社techika(テチカ)の矢島佳澄氏に登壇いただきました。会場にはエンジニア、デザイナーをはじめ、ディレクター・マーケターなどさまざまな立場の参加者が集まりました。
電子工作・手芸・プログラミングを組み合わせた矢島氏の活動実績や、ものづくりの最新事情、アイディアの秘訣についての講演のあと、ワークショップ、トークセッションと続いたイベントの概要を、レポートにてお届けします。

講演者プロフィール

合同会社techika 代表
矢島 佳澄 氏
「柔らかいハードウェア」をテーマに、乙女電芸部というグループを主宰し、
手芸と電子工作を組み合わせたワークショップを全国の科学館やFablabなどで開催している。
近年は家電メーカーとコラボレーションをして製品のコンセプトモデル制作なども行っている。
活動実績
MAKERS #9「合同会社techika 代表 矢島佳澄」 by DMM.make AKIBA - DMM.make

 

アイディアさえあれば誰もがメーカーになれる、最近のものづくり事情

 

講演パートでは、最近のものづくり事情についてお話しいただきました。まずは有名なハンドメイドのECサイトやイベント名を挙げ、個人間のハンドメイド作品の売買が一般的になったと語ります。

また、プログラミング技術を学びやすくなったことや、少数のロット生産に対応する工場の増加などの社会背景もあり、「ものづくり」はメーカーが大衆に向けて行うものだけでなく、個人単位でも行われるものになりつつあると言及しました。

▲都内の代表的なメーカーズスペースの紹介

さらに、アイディアを形にするスペースとして「メーカーズスペース」も紹介。アイディアを持ってスペースに行けば、ものづくりに詳しいスタッフに相談できたり、プロトタイプを作ったりすることが容易になったといいます。

矢島氏自身の活動の例として、おしゃれな防犯グッズ「しっぽコール」を制作中とのこと。これは「夜道を歩く女性に安心してもらいたい」という思いから制作に至ったそうです。女性メンバーを中心に4人で開発中で矢島氏はハードウェアを担当しているそうです。

▲握ると電話の音が鳴り、ひっぱると実際に指定の番号に電話がかかる仕組み

「しっぽコール」は現在国内でのみ特許を申請しているという矢島氏の発言に対し、参加者からは「海外にも特許申請をしないと、海外で模造品を安く作られてしまうのでは?」という質問が挙がりました。

矢島氏はそれに対し「私は『女性が夜道を安心して歩けるようになればいい』と思っているので、むしろ模倣品が出て、さらに多くの女性に防犯ブザーを持ってもらうきっかけになるのはいいことだと考えています」と返答し、ものづくりに必要なのは「これを叶えたい」という強い思いであることを強調しました。

しっぽコールについて詳しくはこちら

 

アイデアワークショップ:あなたの"ほしい"をカタチにしよう!

 

講演のあとは、参加者が実際にアイディアを出し合うワークショップが行われました。

テーマは「自転車」と「自分の生活の中にあるモノ」の2つ。参加者は熱心にアイディア出しに取り組み、発表タイムは大いに盛り上がりました。

ものづくりのアイディア出しのコツとして、矢島氏は「技術を基に解決法を考えるより、実現の可能性を一旦考慮せずに、『こうしたい』という目的をはっきり意識することが大事」と語りました。

 

トークセッション:ものづくりに関するQ&A

 

最後は、参加者から矢島氏への質疑応答が行われました。その中からいくつかのやりとりをご紹介します。

 

Q(参加者):ものづくりを始めたきっかけは何ですか?

A(矢島氏):もともと他の人が作ったマウスやモニターなどのデバイスに合わせて作業をするのが苦手で、自分が使いやすいデバイスを作りたいと思い、電子工作を学んだのがはじまりです。誰かが決めたルールや規定を打ち破り、自分の作ったものを使って生活できるといいと考えています。

Q(参加者):ものづくりのコストや採算はどのようにとっているのでしょうか?

A(矢島氏):企業からの受託案件のコストは企業から出資していただいています。また、収入源もほぼ受託制作です。受託案件の内容としては、企業のデザイナーがデザインしたものを、展示会用のプロトタイプ(コンセプトモデル)として作ることが多いです。
自分が作りたいものは自己資本で行っていますが、乙女電芸部ではものづくりの資金源のひとつとしてワークショップを行っています。

Q(参加者):案件を得るための企業へのアプローチはどのように行っているのですか?

A(矢島氏):乙女電芸部の活動やワークショップなどをWebで公開し、それを見た企業の方からお声を掛けていただくことが多いです。そこから数珠つなぎに案件が続いたりもします。1人でなんでも作り、小回りが効く点を評価をしていただけているのかもしれません。自分の活動や作品はできるだけ発表し、社会に埋もれないよう気をつけています。

Q(参加者):受託開発と自分の作品づくりのバランスはどのように取っていますか?

A(矢島氏):受託が忙しいときはそちらに集中しつつ、その間にワークショップを開いたりアイディアを溜めておきます。そして時間ができたら一気制作に取り組みます。オリジナルワークの締切は、展示会に合わせて決めることで「とにかく形にする」ことを重視するようにしています。
最後に矢島氏は、ものづくりに携わる人、特に女性を増やしたいと話し、ワークショップやIoT女子会などを今後も精力的に開催していくと締めくくりました。

ヒカラボでは、このようなものづくりに関するイベントも随時開催していきます。興味の沸いた方は、下記のURLから今後のヒカラボスケジュールをチェックして、気になるイベントにぜひ参加してみてください!

https://career.levtech.jp/hikalab/

 

 

 

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