EVENT REPORTイベントレポート
ヒカラボレポートとは、開催されたヒカラボにおいて、登壇者が伝えたい講演内容を記事としてまとめたものです。ご参加された方はもちろん、ヒカラボに興味があるという方も是非ご覧ください。
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イベントレポートvol.5
2016/02/17(水)更新2016/01/07(木)19:30~21:30
こんにちは、エンジニアの吉澤です。
2016年1月7日、『IoT×車×ビッグデータ』という新しい領域のサービス「DriveOn」を運営する株式会社スマートドライブから、堀口祐樹氏、村山嗣氏、吉岡誠氏の3名がヒカ☆ラボに登壇しました。
講演者プロフィール
堀口氏の講演は、同社が運営するサービス「DriveOn」の紹介からスタート。
「DriveOn」とは、自動車に取り付けたデバイスとスマートフォンから速度やガソリン残量、緯度経度、加速度などデータを取得し、ユーザーの運転診断ができるサービスのことです。
堀口氏によると、このようなデバイス製作は自作PCをつくるような感覚で気軽に始められるとのこと。今回は湿度センサーを用いた例を通して、簡単なデバイスのつくり方をご紹介してくださいました。
まずデバイスの構成は下記のスライドのように中心となるマイコンがあり、湿度計測やGPS探索など様々な種類の周辺モジュールがバスを通じてつながっているそうです。
この周辺モジュールは、sparkfunやadafruitなどのサイトでたくさんまとめられていて、ここからモジュールを選びマイコンとつなげていくことで、様々なハードウェアのアセンブリを実現できるとのことです。
実際に湿度計測デバイスのデモも行ってくださったので、具体的にイメージすることができました。
次の村山氏の講演では、実際に製作したプロトタイプをどのように量産品として生産していくのかについて実例を交えて紹介してくださいました。
まず、量産品はプロトタイプと違い、コストについても十分考慮しなければなりません。1つのミスがハードウェア回収などの膨大な損失につながってしまうこともありますし、部材が生産中止になっている場合もあるので注意しなければならないそうです。
そして製品化において一番重要なのは、頭の中にあるアイディアを実際に具現化することだとおっしゃっていました。
次に、量産品を生産するうえで大変だったポイントについても詳しくお話くださいました。
実際にデバイスのテストを行ってみると、車種ごとの違いで、警告灯が点いてしまったり、バッテリーが上がってしまうなどの問題が起こったそうです。
また、量産開発時には工場員なども含め非常に多くのプレイヤーが関わるので、コミュニケーションと計画が大事だとおっしゃっていました。
最後の吉岡氏の講演では、「DriveOn」が実際にどのようなデータを取得し、処理しているのかについてご説明いただきました。
「DriveOn」ではデバイスとスマートフォンからデータを取得し、下記のようなドライブデータを作成しているとのことです。
ドライブデータは連続したデータが集まることで意味を持ちます。そのため、デバイス、スマートフォンそれぞれ別々のタイミングでアップされたデータを時系列に並べる処理や無効なデータのフィルタリング、有効な値の補間処理などが必要とのことでした。
また、データは時系列にアップされるわけではないので、後から追加されたものは先に処理されたものと合わせて再度処理を行うことで、ドライブデータの精度を高めているとおっしゃっていました。
実際の開発時の苦労についてもお話ししてくださいました。
最後の質疑応答では参加者の皆さんが積極的に質問なさっていて、より実践的な内容にも触れられていました。
IoTの分野で活躍する3名の実体験を交えた講演で、参加者の興味と理解はより深まったのではないでしょうか。