EVENT REPORTイベントレポート

ヒカラボレポートとは、開催されたヒカラボにおいて、登壇者が伝えたい講演内容を記事としてまとめたものです。ご参加された方はもちろん、ヒカラボに興味があるという方も是非ご覧ください。

イベントレポートvol.39

ユーザビリティで受賞多数の「HOME’Sアプリ」。その開発秘話に迫る!

2017/07/19(水)更新

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今回は6月3日にヒカ☆ラボに登壇された株式会社ネクスト 大坪氏、小屋敷氏の講演内容をレポートします。
お2人には「スマートデバイス開発秘話」というテーマで語っていただきました。

講演者プロフィール

株式会社ネクスト エンジニア
大坪 五郎氏
2011年より株式会社ネクスト勤務。「おもしろくなければ技術革進じゃない」という旗印の元、日々妙なものを制作中。

講演者プロフィール

株式会社ネクスト エンジニア
小屋敷 圭史氏
2007年より株式会社ネクスト勤務。「HOME’S」のPCやスマホのWebサイトの開発を経て、現在はiOSアプリ開発を担当。 ユーザー満足度No.1のサービスを目指して日々奮闘中。

今回のテーマであるHOME’Sのアプリ。
実はこのアプリ、ユーザビリティの「評価の場」で数々の評価を得ているんです。


≪主な受賞実績≫
★2010年3月「第5回JWDAウェブデザインアワード」奨励賞 (日本WEBデザイナーズ協会主催)


そんなユーザービリティに優れたアプリを作る2人の講演内容をピックアップしてお届けします。

 

HOME’Sアプリの開発秘話

アプリエンジニア0での開発

ネクストでは2009年の12月にHOME’Sのアプリver.1をリリースしています。

2009年といえばまだ、iOSアプリが普及し始めた段階です。
当然iOSの開発者はネクスト社内にいませんでしたが、10数名のエンジニアが手を挙げ、業務時間の10%を希望するテーマの研究開発やプロジェクトに充てられる「クリエイターの日」を活かして、アプリ開発が始まりました。

実は、不動産情報検索のiOSアプリを出したのは『HOME’S』のアプリが初だったんです。
 

業界初アプリの全面リニューアル

その後ネクストでは2012年にHOME’Sのアプリver.2をリリースしてます。

業界でどこよりも早く、iPhoneアプリをリリースしたネクストでしたが2012年まで大幅な改修はしておらず、業界の中で遅れてしまいました。
ですので、UIや内部ロジックは全て0から作り直すことに…。

また、ver.2には、先行してPCサイトで導入しユーザーに好評だった、異なる種別の物件をまとめて探せる横断検索等の検索ロジックを追加。
PCでの成功も、うまくアプリ開発に取り入れられています。
そして、現在リリースされているver.3は、iPadとiOS7に対応しています。

 

iPhoneとiPadそれぞれのUIを提供


HOME’SのアプリではiPhone、iPadでそれぞれ異なるUIを提供しており、機能も最適化されています。

iPhoneの物件検索は、スマホの使用シーンを考慮して設計しています。

例えば、スマホは電車の中などで使用されることを想定し、一度条件を入力して検索すればそれ以降は起動するだけで最新の物件がチェックできるようなシステムを使用しています。

条件を入力すること無く物件探しができるのは便利ですね。

一方、iPadの物件検索では大きな画面をどう活かせるかを考え、物件ごとの間取りや値段を比較しやすい横レイアウトを採用されています。

検索条件も画面の遷移なく変更可能で、物件詳細も全画面を活用できるデザインに設計されています。

 

HOME’S アプリはユニバーサルアプリ

HOME’Sのアプリはユーザービリティを考慮した結果、HOME’SAPIを活用したネイティブアプリとして作っています。

さらに、すでにiPadでアプリをインストールしていた方々も、アップデートで最新のUIを利用できた方がいいと考え、ユニバーサルアプリにされています。

ユニバーサルアプリではiPhoneとiPadのダウンロード数が合算されるためApp Storeの順位的にも有利になります。

また、見た目は違いますが、ユニバーサルアプリにすることで内部ロジックやデータ管理が共通化できるため工数の削減にも繋がっているそうです。

アプリでは、物件の情報や路線の情報はHOME’S APIから取得しています。

ただ、毎回全データを取得しているとかなりの時間がかかってしまいます。
なので、アプリを開いた時点で最適な地域の情報県単位で取得しているそうです。

かつそれを内部でキャッシュするようにしています。
通信時間を削減する工夫を行い、ユーザーのストレスを軽減。
ユーザーの検索や閲覧の履歴、お気に入りはローカルのDBに保存される仕組みだそうです。

 

HOME’S iOSアプリのチーム開発

開発メンバーは企画担当が2名、デザイナーが2名、エンジニアが5名という構成で行われています。

施策のアイデアは他企画担当だけではなく、全員で出し合っています。
また最終テストもエンジニアだけではなく、企画やデザイナーも参加し、チーム一丸となって作り上げています。

そんな開発チームが大切にしていることの1つに挙げるのが、密なコミュニケーションです。

企画・デザイナー・エンジニアの席が近く、朝会やアプリレビューランチといった仕組みをつくり、コミュニケーションをとる機会を設けているそうです。
 

チームで利用しているツール

最後に開発チームで利用しているツールをいくつか紹介して頂きました。

チームのタスク管理は、施策のアイデアやちょっとしたタスク、バグまでRedmineで管理。

また上記には入っていませんが、Appleからはクラッシュレポートがなかなか集まらないことを受け、クラッシュ情報を自動で収集するCrashlyticsを導入していました。

導入したことで、クラッシュの統計情報が可視化され、なおかつクラッシュの発生箇所やクラッシュして端末情報の確認ができるので、解決までの時間が大幅に短縮されたそうです。


いかがでしょうか。

アプリの開発は既にメジャーになりつつありますが、UI/UXの点はまだ頭を悩ませる方もいるはず。
今回のレポートが開発のヒントになれば幸いです。

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