EVENT REPORTイベントレポート
ヒカラボレポートとは、開催されたヒカラボにおいて、登壇者が伝えたい講演内容を記事としてまとめたものです。ご参加された方はもちろん、ヒカラボに興味があるという方も是非ご覧ください。
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7月28日(月)に、「サラリーマンからフリーランス」など異色のキャリアを持つ3人のエンジニアさんがヒカ☆ラボにお越しいただき、キャリアについてお話をしていただきました!
今回は参加できなかったけど、キャリアについて悩んでいるエンジニアさんはたくさんいらっしゃるはず・・・
そこで今回の記事で「ナビタイムジャパン→起業」という経歴を持つ曽川義秀氏の講演レポートをお送りします。
講演者プロフィール
私は学生時代を愛媛県で過ごしたので、東京で行われるエンジニア向けのイベントに参加出来ず、いつも悔しい想いを噛み締めていました。
地方ではプログラミングに詳しい人との出会いが少ないことを痛感して、大学入学と同時に上京し、新卒でナビタイムジャパンに入社しました。
2010年の入社時はAndroidの黎明期で、どんどんAndroidを作っていく流れに乗り、私はフルスクラッチのプロジェクトを担当しました。『乗換NAVITIME』、『自転車NAVITIME』、『バスNAVITIME』などに関わることでかなり勉強できたと思います。
勉強が進むにつれて腕試しがしたくなり、企画からリリースまでができるようにメンバーを集めました。Androidエンジニア、DBのエンジニア、ボカロP(ボーカロイドのプロデューサー)やデザイナーが集まったんです。せっかくなので「作る、生みだす、育てる」という意味を込めて「チームEGG」と名づけて活動を始めました。
会社から帰宅後は、ひたすらチームEGGの活動に勤しむ日々を送り、アプリをリリースしました。これがなんとテレビで取り上げられ、10万ダウンロードを達成したんです。
「独立できるのはないか」と喜んだのですが、現実はそんなに甘くありませんでした。それ以降のアプリは伸び悩みました。
Androidのアプリもどんどん進化してレベルが上がってきているのに、私達は業務の裏で行っていたため、アプリにかけられる時間が圧倒的に少なかったんです。
さらに忙しさも増してきたので活動が難しくなり「ここで終ってしまうのかな」と一瞬頭をよぎりました。ですが「考えることをやめたくない」という想いが強かったんですね。
「自分の世界を広げたら変わるかな?」
「もっとスキルを伸ばすにはどうしたらいいのかな?」
「自分の時間を確保したいな」
と考えだした時に後輩がフリーランスになった、と聞いたのです。
早速、後輩に話を聞いて、偶然「ヒカ☆ラボ」の『なれる!フリーランス~2時間で分かる?多様な働き方~』というイベントに参加しました。
話を聞けば聞くほど、「フリーランスは面白いんじゃないかな」と感じ、サラリーマンを辞めました。
実は、記念すべきフリーランスの最初の仕事は「ヒカ☆ラボ」だったんです。
以前に参加したイベントのアンケートで「講演したいですか?」という項目にチェックをいれていたんですね。発表の日はちょうど会社の最終出社日で、会社を定時に出て、ここで『Android4.2まとめてみた』という講演をしました。「あぁ、ほんとに仕事が変わったな」と感じた1日でした。
それからは、リクルートライフスタイルでAndroid開発を主な業務として常駐していました。大企業の規模感とか開発体制を学べたのは良かったです。
常駐の仕事を基盤として、チームEGGで開発も始めました。営業を兼ねて講演をいっぱい行い、稼いだ資金をチームEGGに回し、開発環境を整えたりしていましたね。
講演を繰り返すうちに講師業に興味を持ち始め、知り合いに連絡をしました。最初は条件が合わなかったり、繁忙期を逃していたりしてすぐには始められませんでした。
しばらくして、スマホ関係のスクールを運営する会社から返信がきて「Rainbow Apps」というところで講師の仕事を始めることができ、今でも続けています。
フリーランスの時は日中はリクルートライフスタイルで開発、夜はチームEGGで自分達の開発を行ない、週末はAndroidの講師というように週に6日働いていました。ですがほんとに好きな仕事なので楽しかったです。
この時アプリを出した効果もあって、いろんな人から連絡をもらって会うようになりました。
その中の案件の1つに惹かれて話を聞きに行ったんですが、「法人としか秘密保持契約ができないんですよね」と言われて衝撃を受けたんですね。それで法人を考え始めました。
ちょうどチームEGGは起業を視野にいれて集まっていたこともあり、もっとチーム活動を大きくしたい、と考えている時でした。
そして、個人にかかる税金が法人化することで安くなることに気づきました。
さらに、もっと講師の仕事を増やしたいと思っていたので常駐の仕事を辞めようと思っていたんです。
そこで「起業すれば全部一発で解決できるじゃない!」とエイヤっとフリーランスを辞めて起業することにしました。
起業するには、まず「定款」というものを作成しなければなりません。
「定款」は会社名、何をする会社か、誰が株を持つのかなどのプロフィールのようなものです。他にも税金関係のことを用意したりして、1ヶ月くらいで30万かけて準備しました。
そうして「チームEGG株式会社」を3人で設立しました。
小説を書いたり、音楽を作ったり、アプリ開発や講師をしたりして収益を上げているんです。せっかく独立したので、何にも縛られない、新しいことをする会社にしていきたいんです。それから1番のコンセプトとして「自由に開発するために稼ぐ」ということをやっていこうと思っています。
講師業の方は、先ほどのRainbow Appsと同時に新卒研修の仕事も始めました。
辞めたリクルートライフスタイルで今は週2、3日だけ勤務しています。
今までのキャリアで学んだことは4つあります。
1つ目は、人脈を大切にすること。今やっている仕事はほとんど人とのつながりでもらっているな、と実感しています。
2つ目は、成果を出すこと。連絡などもすぐ返すようにすること。
3つ目に専門外のことは専門家や人に頼ることです。信頼できる人を見つけて、自分達の負担をお金を出して解決しています。
最後の4つ目は仲間ですね。仲間は自分より優秀な人を集めるといいと思います。
会社全体への意識は、「これからどういう方向に進んでいくか」とかは合わせておくといいですね。
最後に、『ジョジョの奇妙な冒険』のキャラクターの空条承太郎の名言を一つ紹介します。
「道というものは、自分で切り開くものだ」
以上です。ありがとうございました。
いかがでしたか?
曽川氏はサラリーマン、フリーランス、起業とキャリアチェンジしながら自身のやりたいことを実現されていますね。
承太郎の名言もキャリアを考えるときに大事な心構えだと思います。
ぜひ、今回のレポートを機にご自身のキャリアを考えてみてください!