MySQLとは?学ぶメリットやできること、習得方法を解説

最終更新日:2024年4月19日

MySQLとは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システムで、多くのアプリケーションで利用されています。データベースはデータを格納する仕組みで、Webをはじめとした各種のシステムやアプリケーションでバックエンドでデータを保持するために採用されています。たとえば、ECサイトの場合にはユーザーや商品、注文などがデータベースに格納されるデータです。

本記事では、MySQLに興味を持ち、活用を検討する方や転職に向けて習得を考えるエンジニアに向けて、MySQLとは何か、MySQLでできること、学習のメリットを解説します。また、スキルを活かしやすいITエンジニア職種、経験別の転職ポイントなども紹介します。

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この記事のまとめ

  • MySQLとは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システムであり多くのアプリケーションで利用されている
  • MySQLのスキルを活かしやすいITエンジニア職種は多数存在するため、自身のキャリア志向に応じて職種を選択する
  • MySQLに関するエンジニア職への転職では、経験者は経験やスキルの活用方法を整理し、未経験者は実務経験を積むことが重要

MySQLとは?初心者にもわかりやすく解説

MySQLとは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。データベース管理システムとは、さまざまなデータを格納する仕組みで、大量のデータをルールに沿って扱うことができます。リレーショナルデータベースは、データ間に関連付けを行うことで、データを取り扱いやすくし、高速な処理を実現します。

MySQLをはじめとしたRDBMSでは、「SQL」(Structured Query Language、構造化クエリ言語)を使用してデータの操作や管理が可能です。SQLを通してデータを操作することで、データの整合性を保ちながら大量のデータを扱うことができるため、大規模なアプリケーションでも安定して動作します。

MySQLはオープンソースでありながら高性能で信頼性が高く、拡張性やセキュリティ機能も充実しているRDBMSであるため、世界中で幅広く採用されています。

MySQLは世界中で利用されているデータベース管理システム

MySQLは2024年3月時点で、Oracle社が開発元として提供するデータベースです。同時点でDB-Enginesによるデータベースの世界人気ランキングでOracleに次ぐ2位にランクインしており、FacebookやTwitter、Netflixなどアクセス数の多いサービスでも採用されています。

オープンソースであり、GNU GPLライセンスに沿った利用が可能なことがMySQLの世界的な普及に大きく貢献しています。また、Oracle社による商用ライセンスも提供されています。

MySQLの動作について

MySQLはリレーショナルデータベースというデータ格納形式を採用し、ソフトウェアとしてはクライアントサーバーモデルを採用しています。ここでは、その詳細について説明します。

リレーショナルデータベース

リレーショナルデータベース(RDB:Relational DataBase)では、全てのデータを同じところに保存するのではなく、テーブルというデータ格納のための器を用意して保持します。テーブルは複数定義でき、テーブル間には関係性を定義することができます。

たとえば、ECサイトのユーザー情報と注文情報をイメージしてみてください。ユーザー情報にはユーザー名やメールアドレス、パスワードなどの情報が必要です。注文情報には、注文番号や注文したユーザー名、商品番号、注文数などの情報が必要となります。

RDBでは、ユーザー情報と注文情報に対してそれぞれテーブルを定義し、データを格納します。また、注文情報には注文を行ったユーザーの名前などの情報を格納するため、ユーザー情報と関連付けられます。

クライアントサーバーモデル

クライアントサーバーモデルでは、クライアントはサーバーに対して要求を行い、サーバーは要求に応じた返答を行うという処理順序を取ります。クライアントサーバーモデルのデータベースは、サーバー上で動くソフトウェアサービスとして提供されます。

RDBの場合、クライアントはサーバーへの要求をSQLというデータ操作言語で行い、サーバーは操作の結果を返すという形式が一般的です。なお、ここでいうクライアントはプログラムやアプリケーションが該当します。

そもそもデータベースとは

データベースとは、構造化したデータを集めたものです。ここでいうデータは、通常は電子的なデジタルデータを指します。

リレーショナルデータベースは、データベースの一種です。ほかにもデータ間に関係を持たないNoSQLなどのデータベースも存在します。

データベース管理システム(DBMS:DataBase Management System)は、データベースを管理・利用するためのソフトウェアです。テーブルというデータ格納のための器を作り、テーブルへのデータの登録や、テーブルからのデータの抽出操作などをサポートします。

DBMSを用いる場合、利用者は直接的にデータベースの記憶領域にアクセスすることはできず、DBMSを通したSQLによる操作のみが許可されます。SQLによる操作にデータへのアクセスを限定することで、データの整合性を保ち、高速なアクセスを実現しています。

MySQLの特徴

MySQLは世界中で多くのユーザーに利用されるデータベース製品です。その人気の理由として、下記があげられます。

オープンソースでソフトウェアを無料で使用・修正できる

MySQLはオープンソースソフトウェアです。オープンソースとは、ソフトウェア製品を形成しているコードが公開されていることであり、誰でもソフトウェアを無償で利用・変更することができます。ただし、MySQLはGNU GPLというライセンスで提供されており、商用で配布する場合にはライセンスの購入が必要です。

拡張性が高く、カスタマイズしやすい

オープンソースには、無料で利用できることだけでなく、仕様が公開されているためニーズに合わせたカスタマイズが可能というメリットもあります。たとえば、現在のMySQLにはない機能が必要な場合には、MySQLを変更して機能を追加することも許されています。この拡張性の高さも、MySQLの特徴です。

ストレージエンジンが採用されており高性能

MySQLでは、データベースの基本的操作であるデータの作成・更新・削除などの読み込み書き込みの処理を行う独自の「ストレージエンジン」を採用しています。また、MySQLではストレージエンジンを複数搭載しており、テーブルごとに選択することが可能です。適切なストレージエンジンを選択することで、高いパフォーマンスを発揮できます。

信頼性が高い

MySQLは1995年に提供が開始され、25年以上さまざまな企業などで活用され続けています。これは、豊富なシナリオによるテストが行われているとも言え、信頼性の高さを裏付けるものです。

また、バックアップやリカバリのための機能を持ち、24時間体制の稼働にも対応しています。

トランザクションによりデータの一貫性を保てる

MySQLはトランザクション機能を備えており、データの一貫性、整合性を保つことが可能です。

トランザクションとは、一連の処理の完了までのデータの更新をまとめて反映する機能です。処理の途中で問題が発生した場合には、一連の処理中の全ての更新を処理の前に戻す(ロールバック)ことでデータの整合性を保てます。

セキュリティが強力

欧州連合一般データ保護規則をはじめとした、業界および政府規制に対する保護とコンプライアンスに対応したデータセキュリティをMySQLは備えています。認証/認可、透過的なデータの暗号化、監査などの高度なセキュリティ機能により、データの安全性が高いことも特徴です。

MySQLでできることとは

MySQLは一般的なRDBMSと同様に、データベースの利用と管理に必要な機能が一通り揃っています。以下に、MySQLを利用して実現できることについて、代表的な内容を具体的に解説します。

関連記事:SQLとは?概要や種類などを初心者にもわかりやすく解説

データの格納

MySQLを用いて、データをテーブルに格納することが可能です。テーブルは、テーブルの名称やデータの持つ複数の項目(フィールド)などを定義し、そこに登録する一行ごとのデータ(レコード)から構成されます。また、テーブル間の関係性を定義して、関係性に沿ったデータのみを格納することで、データの整合性を実現します。

格納したデータの操作

SQLと呼ばれるデータ操作言語を用いてデータ操作を行います。代表的なコマンドとして、SELECT(データ参照)、INSERT(データ追加)、UPDATE(更新処理)、DELETE(データ削除)などが挙げられます。また、テーブルやデータベースオブジェクトの定義・変更・管理についてもSQLで行うことが可能です。

インデックスを用いた検索の高速化

MySQLでは、テーブルのデータに対し、インデックスを作成することにより高速なデータ検索が可能です。インデックスは本の索引を意味する言葉です。データベースではテーブルにつける付箋のようなオブジェクトであり、インデックスを作成することによりデータ検索の効率化を図れます。

トランザクション管理

MySQLはACIDトランザクションをサポートし、データの一貫性と信頼性を保ちます。トランザクションを使用して、データベース内のデータの変更をグループ化し、ロールバックやコミットにより一括で反映(または全て取り消し)することが可能です。

セキュリティとアクセス制御

MySQLでは利用するユーザーに対して、ユーザー認証を行います。一般的なユーザー名とパスワードによるユーザー認証やLinux Pluggable Authentication Modules、Windows Active Directoryといった外部モジュールを用いた認証にも対応しています。

また、ユーザーごとに異なる権限設定を行い、細やかなアクセス制御をすることも可能です。

データベースのレプリケーション

MySQLのデータベースは、レプリケーション(複製)が可能です。さらには、ソース(コピー元)とレプリカ(コピー先)のデータを同期することもできます。

レプリケーションを活用することで、高可用性の実現やデータの冗長性向上にもつながります。

ストアドプロシージャー

MySQLには独自のストアドプロシージャーを定義することができます。ストアドプロシージャーとは、繰り返し利用される複数のSQLをひとまとめにした処理です。たとえば、特定条件に合致するデータを参照し、参照したデータに対して更新処理を行うことが可能です。

トリガー

MySQLにはトリガーの機能も備えられています。トリガーは、特定の条件が発生した場合に処理を起動する仕組みです。トリガーを活用することで、特定のイベントが発生した場合に処理を自動で実行できます。

バッチ処理とスケジューリング

MySQLはイベントスケジューラを持ち、タスクの設定、実行および管理をすることが可能です。定期的なバッチ処理やデータのバックアップなどを自動化できます。イベントスケジューラによる自動化により、運用業務の効率化が図れます。

MySQLを学ぶメリット

MySQLを学習し、利用できることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、MySQLを習得することで得られるメリットを紹介します。

関連記事:SQLの勉強方法を解説|おすすめのサイトや本、構文例まで紹介

Webアプリの理解が深まる

MySQLは、Web開発で採用されることの多いRDBMSです。Webでよく利用されるオープンソースや無償利用可能なソフトウェアを組み合わせたLAMP環境とは、LinuxとApache、MySQL、PHPの頭文字をとったもので、MySQLのWebでの活用機会が多いことを示しています。WebシステムではバックエンドにRDBMSを利用して情報の保持を行うことが一般的で、MySQLを学習することでこの仕組みの理解に役立ちます。

サーバー構築などの業務に役立つ

MySQLはシンプルでインストールから学習のための情報が多数提供されています。セットアップから取り組むことで、サーバー環境の構築などの際にも役立つ知識を得られます。アプリケーション領域のエンジニアの場合は業務の範囲を広げることにつながり、インフラのエンジニアであれば環境構築の選択肢を増やすことができるでしょう。

大企業や世界中で使用されている

MySQLは大企業や大手サービスで多数利用されているデータベースです。FacebookやTwitter、Netflix、Uber、Airbnb、Shopify、Booking.com、WordPressと多種多様な環境で利用されており、利用するためのスキルは広く役立つものであることが分かります。ITエンジニアにとっては、MySQLを学習することで、活躍する機会を増やすことに繋がります。

費用削減になるため採用している企業が多い

Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverなどの商用データベース製品を使う場合には、利用のためのライセンス料金の支払いが必要です。その分、充実した機能、高い性能とサポートが存在するなどのメリットがあります。

しかし、近年ではMySQLなどのオープンソースのデータベース製品も機能の充実が図られ、高性能化が進んでいます。費用削減に向けて、商用データベース製品からMySQLにデータベースを変更するケースも見られ、そこにはエンジニアへの需要が存在しています。

MySQLとほかのデータベース管理システムの比較

MySQLとほかのデータベース管理システムで基本的な機能に大きな違いはありませんが、それぞれ特性があります。特性を理解することで開発するシステムとの相性などの判断材料にもなるため、MySQL以外のデータベース管理システムとMySQLとの違いを見ていきましょう。

PostgreSQL

PostgreSQLはオープンソースのリレーショナルデータベース管理システムで、高度な拡張性、トランザクションサポート、JSONデータ型のサポートなどが特徴です。特に、GIS(地理情報システム)データの操作に強みがあります。

PostgreSQLとMySQLの違い

MySQLと比べて、柔軟なデータ型と拡張性を持っており、大規模なデータを取り扱うアプリケーションに向いています。

Microsoft SQL Server

Microsoft SQL Serverはマイクロソフトが提供するリレーショナルデータベース管理システムで、Windows環境で広く使用されています。企業向けの大規模なアプリケーションやデータウェアハウスに適しています。

Microsoft SQL ServerとMySQLの違い

MySQLとの違いは、Microsoft SQL Serverは利用するために商用ライセンスが必要であり、商用サポートも提供される点です。また、MySQLはWindows環境以外に、LinuxやmacOSでも利用できます。

Oracle

OracleはOracleCorporationが提供する商用のリレーショナルデータベース管理システムで、高いパフォーマンス、セキュリティ、拡張性が特徴です。大規模な企業アプリケーションに広く利用されています。

OracleとMySQLの違い

MySQLとの違いとしては、Oracleを利用するためには商用ライセンスが必要である点と、Oracleは高可用性かつ堅牢性が高い点が挙げられます。

SQLite

SQLiteは軽量かつサーバーレスなパブリックドメインのリレーショナルデータベース管理システムです。C言語のライブラリとして提供され、埋め込み型データベースとして多く使用されます。モバイルアプリケーションやデスクトップアプリケーションに適しています。

SQLiteとMySQLの違い

SQLiteはサーバーレスであることから、低負荷なアクセス状況でパフォーマンスを発揮できます。そのため、MySQLよりもさらに小規模なアプリケーションで活用されます。

MongoDB

MongoDBはNoSQLデータベースの一種で、ドキュメント指向(BSON形式)のデータベースです。柔軟なスキーマ、スケーラビリティ、高速な読み書き能力が特徴で、非構造化データを扱うのに適しています。

MongoDBとMySQLの違い

MongoDBは水平スケーリングに向いており、データベースの読み書きのアクセスを分散させることに長けているため、MySQLよりも大規模なデータを取り扱うことに向いています。

Cassandra

Cassandraは、2024年3月時点でApacheソフトウェア財団が開発元となっている分散型NoSQLデータベースで、大量のデータを高い可用性で管理できます。時系列データの取り扱いやイベントログ記録などに適しています。

CassandraとMySQLの違い

MySQLと比べて、大規模なデータの高可用性、分散処理、柔軟なスキーマが求められるアプリケーションに適しています。

Redis

Redisは、AWSの提供するインメモリデータストアで、高速なデータアクセスを提供します。キャッシングやセッション管理、キューシステムとして使用されることが多いです。

RedisとMySQLの違い

Redisはインメモリデータストアで、高速なデータアクセスを提供します。キャッシングやセッション管理、キューシステムとして使用されることが多いです。

MariaDB

MariaDBはMySQLのフォークとして開発されたオープンソースのリレーショナルデータベース管理システムで、MySQLとの高い互換性を持ちつつ、新しい機能を提供しています。

MariaDBとMySQLの違い

MySQLとMariaDBは、一部の機能や拡張性の違いやストレージエンジンなどの違いはあるものの、多くの共通点を持ちます。

データベースのスキルが必要なITエンジニアの業務

ITエンジニアの業務の中で、データベースのスキルはどのようなシーンで必要とされ、活用されるのでしょうか。本項では、データベースのスキルが必要となる業務を具体的に解説します。

アプリケーション開発

今日ではWebをはじめとした多くのシステム、アプリケーションでデータ保持のためにデータベースを利用しています。アプリケーションの機能を実現するために、データベースとの連携の設計および開発を行います。また、開発の現場で利用するデータベースも管理・メンテナンスが発生します。

データベースの管理

運用中のデータベースに対しては、管理業務が発生します。データベースは一つだけでなく複数のシステムやアプリケーションから利用される場合も多く、同一のテーブルでもアクセスするアプリケーションが複数あることは珍しくありません。データベースの管理では、これらのすべてに対し整合性を保ちながら、テーブルなどのオブジェクトの追加や変更、格納されているレコードのメンテナンス、バックアップ、復元、アップグレード、パフォーマンスチューニングなどを行います。

SQLの実装・最適化

アプリケーションや運用業務の中で、必要に応じてデータベースから情報を取得、更新、削除、メンテナンスなどをするためにSQLによる操作を行います。また、運用中のアプリケーションなどで利用しているSQLに実行時間がかかる、メモリ負荷が高いなどのパフォーマンス上の問題が見られた場合、SQLの最適化を行います。

データの移行とETL

データ移行では、システムの更新や大幅な変更などにあわせてデータベースに保管済みのデータを移行します。システム更新や環境の構築などの機会で発生する業務です。

ETLとは、データベースの統合における一般的なデータ処理プロセスを指す言葉です。それぞれデータの抽出(Extract)、データの変換(Transform)、データのロード(Load)を表しています。データウェアハウスなどのデータを統合・集積した環境作成にはETLを行う機会があり、その際にはデータベースに関するスキルが必要となります。

データ分析

データサイエンスなどのデータ分析を行う際には、大量のデータが必要となります。この際にもデータベースが活用されます。データを分析するための基盤を作り、データの収集、前処理や分析そのものを行う業務でもデータベースに関するスキルは必要です。

セキュリティ設定

データベースに格納されるデータには、組織の機密情報や個人情報などが含まれます。これらの重要性の高い情報資産を扱う場合には、データ漏洩や不正アクセスからデータを保護することが必要です。ITエンジニアは、データベース上のデータを安全な状態に保つためにデータベースのセキュリティ設計と監視を行います。

スケーリング

スケーリングとは、サーバーやデータベースなどの利用者が増加し、扱うデータ量などが増えた際に拡張を行うことです。データ増加傾向などを予測し、データベースのスケーリング戦略を策定することもITエンジニアの業務に含まれます。

モニタリング

データベースの監視を行うモニタリングもITエンジニアの業務の一つです。データベースのパフォーマンスをモニタリングし、問題があった場合にはクエリの最適化を行います。また、データ記憶領域の空きが減っている場合や、サーバー負荷が高い場合にはスケーリングによる対応なども検討します。

トラブルシューティング

データベース上でのトラブルが発生した場合の原因特定や対策の検討は、ITエンジニアのスキルが問われるシーンです。データベース上で発生したエラーでも、その原因はアプリケーションやSQL、環境的なものなどさまざまです。データベースに関する知識を総動員して原因の特定を行い、対処します。

MySQLの習得方法

MySQLの習得は、プログラミング言語の習得と同様に書籍での学習や資格を目指して学習する方法などがあります。

ここでは、おすすめの書籍や資格情報について解説します。

書籍を用いて習得する

MySQLについて体系的に学びたい場合は、書籍を活用するのがおすすめです。用途別に3つの書籍を紹介します。

短期間でMySQLの基礎知識を身につけたい場合

1週間でMySQLの基礎が学べる本 』(著:亀田 健司、出版:インプレス)
データベースの基礎知識と基本的なSQL操作を習得できる参考書です。今回紹介している3冊の中で、最も初心者向けの内容となっています。タイトルの通り、短期間でMySQLについて学びたい方や、ほかの書籍では難しくて挫折してしまった方におすすめです。

アプリケーション開発と関連づけて学びたい場合

基礎からのMySQL 第3版 』(著:西沢 夢路、出版:SBクリエイティブ)
前半はMySQLの基礎知識について、後半はPHPとMySQLを関連づけて、アプリケーション開発の中でどのようにMySQLを用いるのかを解説しています。そのため、アプリケーション開発のためにMySQLを学びたい方にはおすすめの書籍です。

基礎からMySQLの知識を深く学びたい場合

MySQL徹底入門 第4版 MySQL 8.0対応』(著:yoku0825、坂井 恵、鶴長 鎮一、とみたまさひろ、深町 日出海、福山 裕大、斑石 悦夫、山﨑 由章、出版:翔泳社)
MySQLの基礎から応用まで幅広く解説している1冊です。後半では、MySQLの運用に必要な知識、運用設計、実際の運用作業について学ぶことができます。

関連資格を取得する

関連資格を取得することも、体系的な知識を習得する方法として効果的です。また、資格の保有によりMySQLに関する一定の知識やスキルがあることを、客観的に証明できます。転職や社内での評価に向けたアピールとしても有用です。

関連記事:
MySQL認定資格の概要、難易度、対策ポイントを徹底解説
SQLの資格とは?メリットや資格の種類について詳細を解説!

データベース管理者向け資格

Oracle Certified Professional, MySQL 8.0 Database Administrator

MySQL 8.0を管理するために必要な専門知識があることを証明する資格です。MySQLのインストール、アーキテクチャの理解、監視、セキュリティ、クエリパフォーマンスの最適化、バックアップ、レプリケーションの設定などのトピックに関する知識が必要となります。出題形式は選択式の73問で、試験時間は130分、合格ラインは正答率62%となっています。

開発者向け資格

MySQL 8.0 Database Developer Oracle Certified Professional Certification

MySQL 8.0データベースの設計、開発、最適化に関するスキルを証明する資格です。取得するためには、MySQLアーキテクチャの理解、SQLクエリの最適化とチューニング、トランザクション管理、インデックスの設計と最適化、セキュリティの実装などの知識が求められます。出題形式は選択式の65問で、試験時間は90分、合格ラインは正答率62%となっています。

MySQLスキルを活用しやすいITエンジニアの職種

MySQLスキルを活用しやすいITエンジニアの職種は多数存在します。そのため、自身のキャリア志向やスキルに合わせて職種を選択するとよいでしょう。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、データベースの設計、運用、最適化、保守、セキュリティ管理などに携わるため、MySQLスキルを活用できます。データベースのパフォーマンス向上や、セキュリティ設計に関心があるエンジニアにおすすめの職種です。

サーバーサイドエンジニア

アプリケーション開発においてデータベースとの連携を行うサーバーサイドエンジニアも、MySQLスキルを活用しやすい職種です。また、データベースエンジニアと同様に、データベースの設計、最適化、保守、セキュリティ管理に携わることもあります。そのため、アプリケーション開発を行いながら、データベースにも関心があるエンジニアにおすすめです。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、クラウドサービスプラットフォーム上でアプリケーションをデプロイ、管理、運用する役割を担います。データベースを取り扱う場面も多く、MySQLが多くのクラウドサービスプラットフォームでサポートされているため、MySQLスキルを活用できるでしょう。クラウドサービスを用いたインフラに関心があるエンジニアにおすすめの職種です。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、データの収集や分析、分析結果を踏まえて意思決定を行います。データの保存、クエリ実行、データの前処理にMySQLを使用することがあります。開発業務に専念するのではなく、何を開発するべきなのかを検討するためのデータ分析や意思決定に興味があるエンジニアにおすすめの職種です。

MySQLデータベースエンジニアの経験別転職のポイント

MySQLデータベースエンジニアへ転職する際のポイントを経験別に解説します。MySQLのスキルや知識を活かし、ほかのエンジニア職種に転職する場合にも役立つ情報です。

MySQLを用いた業務経験者の場合

MySQLの業務経験がある場合は、自身のスキルをアピールしやすいでしょう。下記で具体的なポイントを解説します。

これまでの業務経験やスキルを整理する

MySQLを用いた業務経験がある場合や、MySQLのスキルを持っている場合は、これまでの経験やスキルを転職先でどのように活かせるのかを整理することが重要です。たとえば、携わっていた業界やシステムの特徴、特有の知識を活かせることをアピールできます。また、認定資格を取得していれば、業務上必要なスキルを保有していることを示せるでしょう。

習得済みスキル以外のスキルアップについて整理する

これまでの業務経験やスキルを活かすだけではなく、ITエンジニアには新しいスキルを学び続けていくことが求められます。そのため、普段からどのように技術要素を学んでいるのかを整理しましょう。たとえば、データベースに関するカンファレンスなどへの社外登壇、社内でのノウハウ共有などの取り組みを行っている場合は、自身のスキルアップだけではなく、周囲の技術レベルを底上げすることにもつながります。

MySQLを用いた業務未経験者の場合

MySQLの業務未経験の場合、現状持っているスキルと繋げて論理的に納得できるようなアピールが必要です。以下にポイントを解説します。

ほかのデータベース管理システムの業務経験がある場合

MySQL以外のデータベース管理システムの業務経験がある場合、MySQLとの違いはありますが、データベースを用いた業務経験や基礎知識を習得していることをアピールしましょう。

データベースを用いた業務やプログラミング業務未経験の場合

データベースを用いた業務経験やプログラミング業務経験がない場合は、独学で学んできたことを整理し、まずはテスターやプログラマーへの転職を検討しましょう。アプリケーションの開発工程に携わるなかで、データベースに関わる機会を作り、データベースエンジニアとして貢献できるスキルや経験を身につけることが重要です。

MySQLに関するよくある質問

MySQLについてよくある質問と回答をまとめました。MySQLの習得を検討する方は参考にしてください。

Q1. MySQLはどのようなときに使いますか?

WebアプリケーションやITシステムで、大量のデータを格納して利用する場合にMySQLをはじめとしたデータベース管理システムが利用されます。特にMySQLはオープンソースで無料で利用できるため、コストを抑えたWebアプリ開発で利用される機会が多いです。

Q2. MySQLは何の略ですか?

MySQLの「My」は共同設立者のミカエル・ウィデニウスの娘の名前である「My」からとっています。また、SQLについては標準規格上では略語ではなく固有名詞とされていますが、広く「Structured Query Language」が語源ともいわれています。

Q3. MySQLはなぜ必要なのですか?

各種のシステムやアプリケーションで過去に入力した情報などを保持しておくために、データベース管理システムが必要とされます。Webアプリケーションなどの開発において、コストを抑えてデータベースを利用できる選択肢としてMySQLは人気があります。

まとめ

MySQLはリレーショナルデータベース製品です。Oracle社が開発元となり、各種のデータベースの中でも人気が高い製品の一つです。

MySQLの特徴には、オープンソースでありコストを抑えて利用できること、柔軟な拡張性、信頼性の高さ、セキュリティ性能、高いパフォーマンスなどがあげられます。1995年の登場以来、大企業や著名なサービスでも長期間利用され続けていることから、人気の高さと信頼性の高さがうかがえます。

MySQLとほかのデータベース製品を比べた場合、それぞれに一長一短があり、要件にマッチした製品選定を行うことが重要です。

MySQLに関するスキルは、ITエンジニアの業務の中で幅広く活用することが可能です。データベースエンジニアやWebアプリケーション開発者などは特に利用する機会が多くあります。

関連するスキルの習得に向けては、書籍を用いた独習や資格の取得に向けた学習が有効です。MySQLのスキルを得ることで、エンジニアとしての活躍フィールドを広げることにお役立てください。

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この記事の監修

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