C++とJavaはどちらがおすすめ?言語の特徴や学習難易度を解説

最終更新日:2023年12月21日

エンジニアとしてキャリアアップするために、扱えるプログラミング言語を増やそうと思っているものの、どの言語を勉強するべきか判断に迷うことはありませんか。なかでもC++とJavaはよく似ているため、習得する順番に悩む方は多いでしょう。

本記事では、C++とJavaの特徴や学習難易度、活用事例を紹介します。また、キャリアプランごとに、どちらの言語がおすすめなのかについてもまとめました。本記事を読むことで、C++とJavaの違いを理解し、自身のキャリア形成に合わせた最適な言語を選択しましょう。

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この記事のまとめ

  • C++よりもJavaのほうが、ポインタの概念や手続き型としての考え方を学ぶ必要がない分、学習難易度は低いと言える
  • C++は主に組み込みシステムやゲーム開発で使われるのに対して、Javaは業務システム・基幹システムやAndroidアプリ開発で多く使われる
  • C++は、組み込みシステムやゲーム開発に特化した開発者として活躍したい方におすすめ
  • Javaは、開発だけではなくマネジメントなど上流工程で活躍したい方におすすめ

C++とJavaの概要と歴史

まず、C++とJavaの概要と歴史について見ていきましょう。C++とJavaが誕生した経緯や、C++とC言語の関係性、元となった言語を解説します。

C++の概要と歴史

C++は、1980年前後にC言語を拡張して作られたプログラミング言語で、オブジェクト指向の要素が追加されています。C言語でできることは基本的にC++でも可能であり、C言語の上位互換言語と言えます。
ただし、C++は習得難易度が高い言語として知られています。元々難易度が高いC言語に、さまざまな要素が追加されているためです。その反省もあって、JavaやC#などの後継言語が誕生したと言われています。

Javaの概要と歴史

Javaは、1996年に発表されたプログラミング言語です。文法はC言語やC++に近いものの、C++で見られる複雑な仕様や、バグの原因となりやすい機能がいくつか除去されています。Javaは2006年以降、オープンソースのプログラムとして提供されるようになり、現在でも多くの分野で活躍している人気の高い言語の一つです。

関連記事:C++とはどんな言語?特徴やC言語との違いをわかりやすく解説

C++とJavaの言語の特徴

続いて、C++とJavaの言語としての特徴を解説します。C++とJavaは、ポインタの有無やソースコードを機械語に翻訳して実行する方法、ソースコードの記述形式などが異なります。

C++の特徴

C++の特徴は「ポインタの概念がある」「コンパイラ型言語」「マルチパラダイム言語」の3つです。Javaよりも学習難易度が高い分、処理速度が速い、自由度が高いという長所を持っています。C++の各特徴について詳しく見ていきましょう。

ポインタの概念がある

C++は、C言語にあったポインタの概念を受け継いでいます。変数を宣言すると、変数のサイズ分、コンピュータのメモリが割り当てられます。ポインタ変数とは、変数がメモリのどの場所に格納されたか、すなわち変数の住所を示すための変数です。
変数の住所がわかれば、そこに直接アクセスでき、メモリ使用量などを調整することができます。ポインタのおかげでできることが増える一方、初心者がC++を理解しにくい原因の一つにもなっています。

コンパイラ型言語

C++はコンパイラ型言語であり、インタープリタ型言語に比べると処理速度が速い傾向があります。コンパイラ型は、ソースコードをオブジェクトコードにあらかじめ翻訳したうえで実行するためです。加えて、C++は機械語(アセンブリ言語)に近く、コンピュータが理解しやすいことも処理速度が速い理由です。

マルチパラダイム言語として扱われる

マルチパラダイム言語とは、プログラミングの記述における考え方を示したものです。C++は手続き型やオブジェクト指向など、複数のプログラミング手法に対応している点も特徴です。手続き型はプログラムの処理手順に従って記述する考え方、オブジェクト指向は処理対象(オブジェクト)に着目して記述する考え方を指します。マルチパラダイム言語の場合、開発分野に応じて書き方を変更できるため、開発効率を高めることが可能です。

Javaの特徴

Javaの特徴は「ポインタの概念がない」「中間言語方式」「オブジェクト指向言語」の3つです。プログラミングの自由度ではC++に劣りますが、学習難易度が低いという長所を持っています。Javaの各特徴について詳しく解説していきます。

ポインタの概念がない

Javaは、ポインタの概念が除去されており、変数の住所にアクセスすることはできません。そのため、C++に比べてプログラミングの自由度は低いと言えます。一方で、ポインタの機能がない分、覚えるべき知識が少ないことはメリットです。

中間言語方式

JavaはC++同様に、コンパイルを経由して実行されます。しかし、一般的なコンパイラ型言語とは少し実行方法が異なるため、区別するために中間言語方式と呼ばれています。Javaのソースコードをコンパイルすると、中間言語(バイトコード)に変換され、拡張子が「.class」のクラスファイルが生成されます。このクラスファイルをJavaの仮想マシンが読み込んで実行する仕組みとなっています。この仕組みにより、仮想マシンが導入されていれば、Javaはどのような環境でも実行することが可能です。

オブジェクト指向言語として扱われる

C++はマルチパラダイム言語として扱われるのに対して、Javaはオブジェクト指向言語として扱われています。オブジェクト指向は処理対象(オブジェクト)に着目して記述する考え方であり、チーム開発がしやすくなる点がメリットです。Javaを習得する場合、オブジェクト指向の知識を中心に学ぶことになります。

C++とJavaの活用事例

続いて、C++とJavaの活用事例について解説します。プログラミング言語はそれぞれ学習難易度や処理速度などが異なります。各言語の得意分野を知ることで、開発したい分野に参入するにはどの言語を学ぶべきかを判断できるでしょう。

C++の活用事例

処理速度が速いC++は、組み込みシステムやゲームの開発で多く使われています。これらの分野は、リアルタイムでの動作が求められるためです。各分野でC++がどのように使われているのかを詳しく解説します。

組み込みシステム

組み込みシステムとは、家電製品やカーナビなどに組み込まれて機械・機器を制御するプログラムです。家電製品などはユーザーの元でリアルタイムに動く必要があるため、処理速度が速いC++が好まれます。また、組み込みシステムには元々C言語が使われていたため、C言語と互換性があり、組み込みシステム関連のライブラリを同じように扱えるC++が採用されやすいと言えます。

ゲーム

C++はNintendo Switchなどの家庭用ゲームの開発にも使われています。C言語よりも、オブジェクト指向に対応しているC++のほうが、チームでのゲーム開発を効率的に行うことが可能です。また、Unreal EngineCocos2d-xなど、C++に対応したゲームエンジンも多くあります。

ただし、ゲーム開発をメインに行いたい場合は、C#を選択することも一つの手です。C#はC++よりも文法がシンプルで学習難易度が低く、ゲーム企業で多く採用されています。

Javaの活用事例

Javaは、業務システムやAndroidアプリの開発で多く使われています。これらの分野は開発規模が大きくなる傾向があるため、学習難易度が低く、チーム開発に向いているJavaが採用されることが多いようです。各分野でJavaがどのように使われているのかを詳しく解説します。

業務システム・基幹システム

給与計算システムや顧客管理システムなどの業務システム・基幹システム開発でJavaは多く使われています。Javaは学習難易度が低く、実行環境に依存せずに動かせるため、Javaプログラマーの数は増えつづけています。多くの人材を必要とする大規模な業務システム開発では、プログラマー数が多いJavaを選択したほうがコストダウンを図りやすくなるメリットがあります。加えて、オブジェクト指向で書けるJavaは、大人数での開発に適しています。

Androidアプリ

JavaはAndroidアプリ開発でも使われています。Androidアプリ開発用の統合開発環境である、Android Studioを使って開発できる点がメリットです。家庭用ゲーム開発をしたい場合はC++、Androidで動くゲームを開発したい場合はJavaがおすすめです。

ただし、Androidアプリ分野では、Kotlinも多く使われています。KotlinはJavaよりも学習難易度が低いと言われているため、Androidアプリ分野に特化したいのであればKotlinを選択してもよいでしょう。一方、幅広い分野で活躍したい方にはJavaがおすすめです。

C++とJavaはどちらが簡単か?

続いて、C++とJavaの学習難易度について解説します。一般的に、Javaのほうが学習難易度は低いと言われていますが、C言語をすでに学んだ方であればC++のほうが覚えやすいでしょう。

C++の学習難易度

C++は、ポインタの概念や手続き型としての考え方を学ぶ必要があり、学習難易度は高めです。初心者がいきなりC++でプログラミングを学ぶと、挫折してしまうおそれがあります。また、プログラミング経験者であっても、ポインタなどを理解するまでに時間がかかることがあります。

ただし、C言語をすでに習得している場合は、比較的簡単にC++を習得できるでしょう。C言語を習得した時点でポインタやライブラリの使い方などに関する知識はあるため、あとはオブジェクト指向の考え方を中心に学ぶだけです。

Javaの学習難易度

Javaはポインタの概念がないうえに、手続き型の書き方を選択できないためC++よりも自由度は低くなりますが、その分学習難易度は低めです。C++よりは、学習の途中で挫折してしまう心配が少ないでしょう。

ただし、KotlinやPHP、Pythonなど、Javaよりもさらに難易度が低いと言われる言語もあります。Javaを勉強してみて難しいと感じた場合は、ほかの言語に切り替えてみるのもおすすめです。

C++とJavaはどちらがおすすめ?

ここまで解説したことを踏まえ、C++とJavaはどちらがおすすめなのかを解説します。
C++は組み込みシステムやゲーム分野に特化した開発者として活躍したい方、Javaは開発だけではなくマネジメントなど上流工程で活躍したい方におすすめです。

C++とJavaの需要

転職を視野に入れている場合は、各言語の需要もどちらを学ぶべきかの判断材料となるでしょう。
2023年11月現在、レバテックのC++の求人数約1,800件Javaの求人数約6,900件です。Javaのほうが3倍以上も求人数が多く、言語としての汎用性の高さや人気の高さが伺えます。転職の選択肢を広げたい場合、Javaは相性が良いと言えます。ただし、C++も極端に求人数が少ないわけではないため、参入できる分野を加味して決めるとよいでしょう。

C++がおすすめの人の特徴

C++がおすすめなのは、組み込みシステムや家庭用ゲーム開発に興味があり、その分野の専門家になりたい人です。また、すでにプログラマーとしての基礎力がある方のほうがポインタの概念などを学びやすく、よりスキルを高めスペシャリストとして活躍できます。

加えて、C言語の経験がすでにある人にもC++が適しています。C++の勉強にそこまで時間を費やす必要がなく、参入できる求人の幅を少ない労力で広げることが可能です。

Javaがおすすめの人の特徴

Javaがおすすめなのは、Androidアプリや業務システム開発の分野で活躍したい人です。また、C++よりも難易度が低いため、プログラミング経験が少ない人にも向いています。

ただし、Javaは案件数が多い一方、エンジニアの数も多いため競争率が高くなります。Javaエンジニアとして活躍したいのであれば、プログラミングだけではなくマネジメントなどの上流工程のスキルも身につけるなど、ほかのエンジニアとの差別化を図ることが重要です。

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この記事の監修

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