CADオペレーターになるには?仕事内容や未経験者の目指し方を解説

最終更新日:2024年5月2日

CADオペレーターは、CADを使用してさまざまな図面を作製する職種です。一般的には、工業製品や設備関係の設計工程に携わることが多いでしょう。

構造が存在するものであればCADが使用されるため、汎用性が高いスキルと言えます。ただし、業界特有の知識が必要なこともあるため、入念に情報収集したうえで転職したいところです。

本記事では、CADオペレーターになる方法を知りたい非IT・クリエイター職の方に向け、CADオペレーターの仕事内容やなるための方法などを解説します。

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この記事のまとめ

  • CADとは、「Computer Aided Design」の略語で、コンピュータを使って設計や製図を行うツールの総称
  • CADオペレーターとは、CADを使用して作図や製図を行う職種
  • CADオペレーターを目指すなら「資格取得などを独学でする」「専門学校で学ぶ」等複数の経路がある

未経験からCADオペレーターになるには?

CADオペレーターになるための方法について解説します。一人前のCADオペレーターになるためには、専門知識やCADソフトウェアの操作スキルなどが必要です。ただし、免許や学歴が必要な職種ではありません。したがって、未経験からCADオペレーターを目指すことは十分に可能です。

一方で、未経験者は職歴が無いために、CADオペレーターとしての知識・スキルを証明する手段がありません。そこで資格を取得し、基礎知識や意欲をアピールするという方法がおすすめです。

CADオペレーターになるためのキャリアパス

CADオペレーターになるためのキャリアパスとして、以下が挙げられます。

・高校卒業後にメーカーに就職

・専門学校、短期大学、4年制大学などを卒業後にメーカーに就職

・別職種などを経てメーカーに転職

いずれの場合も、最初の一歩は未経験の場合が多いでしょう。学校でCADに特化して学ぶことは少ないと考えられます。ただし建築学科や工業学科などで、学習の一環としてCADを扱うケースはあります。

CADオペレーターの未経験者歓迎の求人の有無

CADオペレーターの未経験者歓迎求人は多いです。正社員だけでなく、派遣社員やアルバイトの募集も多い状況です。ただし、未経験と言っても業務未経験を指す場合が多いでしょう。就職前に、後述するスキルを身に付けておく方が好ましいです。また年齢的には若い方が未経験者採用されやすいです。

CADオペレーターとは

CADオペレーターとは、CADを使用して作図や製図を行う職種です。一般的には、CADデザイナーや設計士、設計技術者などの指示をうけて図面を作成する職種と言えます。

CADオペレーターは、家具・家電・自動車・機械部品・建築物・電気や水道の配線・服飾デザイン用の紙型などさまざまな分野で活躍しています。どちらかといえば上位者の指示を受けて仕事を進める「作業者」としての側面が強い職種です。

しかし、単に黙々と作業を進めれば良いわけではありません。企業・業種ごとに決められた設計ルールや、CADデザイナー・設計士の意図を理解する能力・知識、上位者と円滑にやり取りできるコミュニケーション能力などが求められます。

関連記事:CADオペレーターの将来性は?AIに代替される可能性と転職先候補を解説

CADとは

CADは、「Computer Aided Design」の略語で、コンピュータを使って設計や製図を行うこと、もしくはそのためのツールの総称です。CADには、あらゆる業種に対応できる汎用的なものや特定の業種(建築・土木系、機械系)に特化したものなど、いくつかの種類があります。

また、「2次元CAD」と「3次元CAD」の2つに分類することも可能です。2次元CAD(2D CAD)は平面図を作成するために、3次元CAD(3D CAD)はバーチャルな空間に3次元の立体構造を作成するために使用されます。これまでは2次元CADの需要が多かったものの、今後は3次元CADの需要増が予測されているようです。

CADオペレーターの分類

CADオペレーターの仕事は、いくつかの専門分野に分かれており、それぞれ専用のCADシステムを駆使して図面を作成します。代表的なCADオペレーターの分類には、機械系CADオペレーターや建築・土木系CADオペレーター、内装系CADオペレーター、電気・電子系CADオペレーターの4つがあります。以下では、これらのCADオペレーターの分類について解説します。

機械系CADオペレーター

機械系CADオペレーターとは、自動車や電化製品、精密機械など、さまざまな機械の図面をCADを通じて作成する職種です。また、必要な全ての部品の図面を描いた後、これらを組み立てて部品同士の干渉がないかをチェックすることも業務に含まれます。

最近では従来の2D CADに加えて、立体的な製図が可能な3D CADを採用する企業が増加しています。3D CADを活用することで、部品間の干渉チェックをより効率的に、システム上で行うことが可能になりました。

建築・土木系CADオペレーター

建築・土木系CADオペレーターとは、ビル・家屋などの建造物やインフラ設備・土地開発といった土木工事の設計図や立面図、断面図などを作成する職種です。建築・土木系CADオペレーター施工に必要な全ての図面を作成する責任を担っています。

そのため、さまざまな工事に関する幅広い知識が必要です。また、状況に応じて柔軟に対応する能力も求められます。

内装系CADオペレーター

内装系CADオペレーターとは、居住空間やオフィスなどの室内デザイン、家具のレイアウト図面などを作成する職種です。この職種の主な業務は、室内のデザイン案や家具の配置図の作成、照明や配線に関する図面作成、インテリアの素材や色彩の選定案を図面化するなどがあります。

デザインの細部に至るまでの精密な作業が求められるため、インテリアデザインや照明など内装に関する知識が必要です。

電気・電子系CADオペレーター

電気・電子系CADオペレーターとは、電気設備や電子機器の図面作成に特化した職種です。電気・電子系CADオペレーターは、単線結線図や展開接続図、板金の図面、部品図、端子配列図など、さまざまな種類の図面を作成します。

これらの図面を作成するには、部品の配置や機能に関する基本的な知識が必要です。基本的な知識があることで、より複雑で技術的な設計課題にも対応できるようになります。

CADオペレーターの仕事内容

図面を作成することがCADオペレーターの仕事と思われがちです。しかし、実際には幅広い業務が存在します。CADオペレーターの業務は、設計者やデザイナーとの初期の打ち合わせからスタートし、打ち合わせ内容をもとにCADを使用して作図や製図を行います。

作成した図面のデータ修正や調整などもCADオペレーターの仕事です。本章では、CADオペレーターの仕事内容について解説します。

設計者、デザイナーとの打ち合わせ

CADオペレーターの仕事のひとつは、設計者やデザイナーとの打ち合わせです。作図や製図を行うためには、設計者やデザイナーとの打ち合わせを行う必要があります

正確に作図や製図をするためにも、この打ち合わせ段階で必要な情報を聞き取ることが重要です。そのためには、設計者やデザイナーとの円滑なコミュニケーションが求められます。

CADを使用した作図、製図

作図、製図とは、簡単に言えば「設計図面」や「完成予想図」を作成し、視覚化する作業です。一般的には、設計技術者やCADデザイナーが作成した図面をもとに、CADソフト(SOLIDWORKSやAutoCADなど)を使用して、より具体的な図面を仕上げていくことが多いでしょう。

例えば建築・土木設計などでは、クライアントからの発注内容を正確に反映できるように、設計技術者の指示をうけながらCADで設計図面を作成します。ここで作成した図面をもとに工事費用の見積り、材料・資材の調達などを行うため、正確さが要求されます。実際に建物が完成した後は、改修などの参考資料としても使われるでしょう。

また、機械設計では、3次元CADで試作品や金型製作などが行われます。3次元CADで大枠となる形状を決定し、何度かの修正を重ねながら試作品や金型を完成させていくわけです。さらに、より精緻なシミュレーションを行うために、CAE(Computer Aided Engineering)の基礎データを作成することもあります。

データ修正、調整など

CADで図面データを作成したあとは、修正や調整を行います。実際にCADでデータ化すると、それまで見えてこなかった細かい不具合が見つかることがあるからです。一般的にCADデータの作成は一度の作業で終わらず、幾度かの修正・調整を経て完成します。

また、制作途中に仕様変更などが入り、修正を余儀なくされる場合があります。こうした変更に対応する作業もCADオペレーターの仕事です。特に、建築・自動車といった大型の工業製品のデザインは、変更が複数回にわたることも珍しくありません。

さらに、完成した図面データを管理・複製することもCADオペレーターの仕事です。図面データは複数人が長期に渡って使用するため、常に最新化しておき、紛失や破損が無いように管理していきます。

CADオペレーターに求められるスキル

CADオペレーターの仕事には、CAD作成に関連するさまざまなスキルが求められます。CADオペレーターに求められるスキルには、業界に必要なCADソフトの経験や最新ソフトの知識が必要です。

また、集中して作業を行うため高い集中力が欠かせません。さらに仕事の関係者との打ち合わせなどがあるため、コミュニケーション力も大切です。

これらのスキルを習得するには、資格の取得が効果的です。本章では、CADオペレーターに求められるスキルについて解説します。

業界に必要なCADソフトの経験

ひとことにCADソフトと言っても、業界によってCADソフトの種類が異なります。具体的には、建設、製造、インテリアなどの業界が挙げられ、それぞれCADソフトが異なるということです。

そのため、自分が就職したい業界に合わせてCADソフトを選択する必要があります。ただし同じCADソフトなので共通部分も多いです。一つの種類を扱えれば、他の種類に応用が利くでしょう。

最新ソフトの知識

CADのソフトは定期的に更新されています。すべての企業で最新のソフトに変更しているわけではありませんが、最新ソフトに変更されることもあります。そのため、最新ソフトの知識は持っておいた方が良いでしょう。実際に触れる環境ではない場合も多いので、知識を入れておく程度が現実的です。

集中力の高さ

CADオペレーターは黙々と作業することも多いです。そのため、高い集中力が必要になります。また業務中だけでなく、CADや業務に関する情報を収集する必要があります。勉強という意味でも、集中力の高さが武器になります。

コミュニケーション力

CADオペレーターのメイン業務はCADの操作なので黙々と作業しますが、仕事はチームで進めることになります。そのため、コミュニケーション力が必要です。またクライアントとやり取りする機会もあるので、クライアントから要望をヒアリングするスキルや提案力も必要です。

CADオペレーターへの転職には資格の取得が効果的

CADオペレーターに必須の資格はありません。資格がなくても、CADの業務であればすべて担当できます。しかし、CAD関連の資格を取得することで転職に有利にはなります。客観的なスキル証明、勉強熱心さの証明などにつながるからです。

関連記事:CADオペレーターには資格が必要?役立つ資格9選!

CADオペレーターへの転職に役立つ資格

CADオペレーターへ転職する際に役立つ資格をご紹介します。CADの資格は初心者向けから上級者向けまで幅広く展開されているため、学習レベルにかかわらず挑戦するのがおすすめです。未経験者や初心者がCADオペレーターへの転職するために役立つ資格は以下の4点になります。


  • ・3次元CAD利用技術者試験

    ・2次元CAD利用技術者試験

    ・建築CAD検定試験

    ・オートデスク認定プログラム AutoCAD ユーザー


本章では、これらのCADオペレーターへの転職に役立つ資格について詳しく解説します。

3次元CAD利用技術者試験

3次元CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催するCAD関連の資格試験です。3次元CADに関する知識・スキルを基礎から応用レベルまで幅広く身に着けることができます。難易度別に「1級」「準1級」「2級」の3段階に分けられており、1級および準1級を受験するためには2級を取得しなければなりません。以下では、主に未経験者を対象とした2級および準1級の内容を紹介します。

3次元CAD利用技術者試験2級

3次元CAD利用技術者試験2級とは、3次元CADシステムオペレーターを目指す方や初心者を対象とした資格試験です。3次元CAD利用技術者試験2級の詳細を、以下の表に記載します。

対象者 3次元CADシステムを利用した機械系・製造系のモデリング・
設計・製図などの業務に従事することを目指す人、
実際に3次元CADシステムの周辺業務に従事している人
受験資格 なし
受験料 7,700円(税込)
受験方式 筆記試験60分(CBTによる多肢選択方式)
試験内容 3次元CADの概念、3次元CADの機能と実用的モデリング手法、
3次元CADデータの管理と周辺知識、3次元CADデータの活用など
合格基準 各分野5割、総合7割以上の正解で合格
3次元CAD利用技術者試験準1級

3次元CAD利用技術者試験準1級とは、3次元CADシステムオペレーターを目指す方や仕事に就いてからまだ間もない人を対象とした資格試験です。3次元CAD利用技術者試験準1級の詳細を、以下の表に記載します。

対象者 3次元CADを学び、基礎知識と操作を習得し、
設計補助業務やCADオペレーターを目指す人
受験資格 2級の合格
受験料 11,000円(税込)
受験方式 実技試験120分(3次元CADソフトを使用したモデリング、
モデルの体積や表面積計算など)
試験内容 CADリテラシー、形状認識能力、
2次元図面からのパーツモデリング能力
合格基準 各分野5割、総合7割以上の正解で合格

2次元CAD利用技術者試験

2次元CAD利用技術者試験は、同じく一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する資格試験で、平面図の作成を想定しています。こちらも「基礎試験」「2級」「1級」の3段階にグレードが分かれています。未経験者であれば、まずは「基礎試験」および「2級」を目指していくべきでしょう。

2次元CAD利用技術者試験基礎

2次元CAD利用技術者試験基礎とは、CADについて本格的に学び始めたい方や、3ヶ月程度の学習経験を持つ方を対象とした試験です。2次元CAD利用技術者試験基礎の詳細を、以下の表に記載します。

対象者 これからCADを本格的に学ぶ人、もしくは就学後3ヶ月程度の人
受験資格 なし
受験料 4,400円(税込)
受験方式 筆記試験50分(IBTによる多肢選択方式、真偽方式)
試験内容 CADシステムの知識と利用、CADシステムのプラットフォームについて、製図の基礎知識、図形
合格基準 総合7割以上の正解で合格
2次元CAD利用技術者試験2級

2次元CAD利用技術者試験2級は、CADオペレーターへの就職を目指している方や、実務経験がまだ浅い方を対象とする試験です。2次元CAD利用技術者試験2級の詳細を、以下の表に記載します。

対象者 CADシステムを利用した設計・製図業務に従事することを目指す人、従事して間もない人
受験資格 なし
受験料 6,050円(税込)
受験方式 筆記試験60分(CBTによる多肢選択方式)
試験内容 CADシステムの概要と機能、製図など
合格基準 各分野5割以上、総合7割以上の正解で合格

建築CAD検定試験

建築CAD検定試験は、一般社団法人 全国建築CAD連盟が主催する資格試験です。準1級・2級・3級・4級の4グレードで構成されており、未経験者向けとしては3級および4級が該当するでしょう。ここでは、最も簡単なグレードである4級を紹介します。

建築CAD検定試験4級

建築CAD検定試験4級は、基本的なCAD操作のスキルが問われる試験です。建築CAD検定試験4級の詳細を、以下の表に記載します。

対象者 設計者から与えられた詳細な指示のもとに、建築設計図を描けるレベルの人
受験資格 なし
受験料 10,500円(税込)
受験方式 実技試験120分
試験内容 建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、一定時間内に完成図を作成する
合格基準 200点満点中、130~140点で合格

オートデスク認定プログラム AutoCAD ユーザー

オートデスク認定プログラム AutoCAD ユーザーは、AutoCADに関する基本的な知識を有し、知識を実践的に応用する技術を持つことを証明する資格試験です。この試験では、AutoCADの使用経験が重視され、受験者の実践的な技術力を評価することで、その能力を公式に認定します。オートデスク認定プログラム AutoCAD ユーザーの詳細を、以下の表に記載します。

対象者 最新のAutoCADコースおよび50時間以上の使用経験がある方
受験資格 同上
受験料 7,700円程度(試験センターに要問合せ)
受験方式 選択式 + 実技操作:50分
試験内容 基本的な作図・線や円などのオブジェクトの作成・図面への注釈など
合格基準 7割以上の正解率

CAD未経験からスキルを身につけるための勉強法

CADオペレーターへ転職する際のおすすめ資格を確認したところで、ここからはCADスキルを身につけるための学習方法を確認していきましょう。CADに関するスキルをスキルを身につけるための勉強法には、書籍などで独学する方法があります。

また、専門学校やスクール、職業訓練校で学ぶこともスキルを習得する方法のひとつです。さらに、派遣社員として経験を積むことも、スキルを身につけるために役立ちます。本章では、CAD未経験からスキルを身につけるための勉強法について解説します。

書籍などで独学

書籍などを活用して独学する方法は、よくある勉強方法のひとつです。独学でスキルを身につけると、費用を抑えられる、自身のペースで学習できるなどの利点があります

また、CADに似たフリーソフトも多数あるため、インプットとアウトプットを合わせて行えるでしょう。一方で実際の図面を利用できないなどのデメリットもあります。

既に建築系や電機機器系企業に就職している方でしたら問題ありませんが、図面が手に入らない方は実務を意識するのが難しいでしょう。

専門学校で学ぶ

いきなり資格取得を目指さずに、専門学校などで教育を受ける方法もあります。一般的には、CADオペレーター養成コースを持つ専門学校への入学が近道だと言えるでしょう。

また、より深く専門知識を学びたいのであれば大学の建築学科に入学するという方法もあります。ただし、建築や工学などの専門知識を学ぶ機会が多く、CADはほとんど使用しない可能性も否定できません。

したがって、CADオペレーターとして実務家を目指すのであれば、専門学校への入学が適しているでしょう。

スクールで学ぶ

専門学校とスクールは似ていて、また定義上明確な違いがあるわけではありません。なのであくまでもイメージですが、専門学校は高校卒業後に学歴に載るような形で進学する場所で、スクールはタイミングに関わらず学歴にも載せないようなイメージで利用するものです。もちろん上記でない場合もあります。

専門学校というほどでなくても、CADのスクールは全国にあるので通ってスキルを身に付けられます。通信制のスクールもあるので、自宅から教育を受けることも可能です。

職業訓練校で学ぶ

職業訓練校とは、特定のスキルの訓練を実施し、再就職を支援するための公的機関です。受講料がかからず、むしろ失業保険の受給資格者であれば通学期間中に手当を受けられます。安く学習したい人や、就職まで支援してもらいたい方には合っているでしょう。

派遣社員として経験を積む

未経験者の場合、正社員としてCADオペレーターに転職できる可能性はそれほど高くありません。CADオペレーターの求人は「実績、経験重視」のものが多いため、新卒以外の未経験者を採用するケースは少ないのが実情です。

そのため、中途採用で正社員を目指すのであれば、まずは派遣社員として最初の一歩を踏み出し、基礎的な業務の経験を積んでから正社員として転職する方法がおすすめです。

未経験から効率よくスキルを身につけていくポイント

未経験から効率よくスキルを身につけていくには、要点を押さえて行動することが重要です。効率よくスキルを身につけるには、難易度の低いものから挑戦するようにしましょう。

また、繰り返し練習することや人の製図を見て学ぶことは、CADのスキルを身につけるために大切です。わからないことがあった場合は、人に聞くことも必須です。そして、実務経験を重ねることは、スキルを身につけるために効果的な方法と言えるでしょう。

本章では、未経験から効率よくスキルを身につけていくポイントについて解説します。

難易度の低いものから挑戦する

いきなり難易度の高いものから挑戦すると挫折してしまったりできなかったりする可能性が高いので、難易度の低いものから挑戦するのがおすすめです。難易度の低いものから挑戦していくことで着実にスキルが身に付き、最終的には難易度の高いものもクリアできます

繰り返し練習する

CADに慣れるには繰り返し練習することが重要です。ノウハウを学ぶことも重要ですが、ノウハウを活かして実践してみることも重要になります。ある程度知識が身に付いたら、実際に手を動かして挑戦し、わからない部分を調べるやり方がおすすめです。

人の製図を見て学ぶ

人の製図を見て学び、真似してしまうのもスキルアップに効果的です。最初は自分でやってみることが重要ですが、ある程度できるようになってきたら、より効率的な方法やより良い方法を模索する必要があります。

自分だけでやっていると本来もっと良いやり方があるのに非効率なやり方で固定されてしまうかもしれません。そこで、人の製図を見て学ぶことが現状打破に有効なのです。

分からないことは人に聞く

分からないことを自力では解決できない場合、人に聞いてみるのも得策です。もちろん基本的には自分で試行錯誤したり調べた方がスキルアップに有効なのですが、それでも分からない部分は放置しておくよりも人に聞いた方が良いということです。

実務経験を重ねる

最終的には、実務経験を重ねることがもっともスキルアップに有効でしょう。実務では、早く正確な作図が求められます。ただし単に実務をこなせば良いというわけではなく、自身でより良い仕事を追求していくことや、勉強を続けることは重要です。

CADオペレーターが利用するツール

CADオペレーターが利用するツールは、関わる分野や仕事内容によって異なります。CADオペレーターが利用するツールは、高いシェアを誇る「AutoCAD」やフリーの2D CADソフト「Jw_cad」、建築用の「Rebro」や「Tfas」などが代表的です。本章では、これらのCADオペレーターが利用するツールについて解説します。

AutoCAD

AutoCADはオートデスク社によって開発された、業界で広く認知されているCADソフトウェアのひとつです。建築や土木、電気、電子工学など多岐にわたる分野で利用されており、その汎用性と高い機能性から業界のトップシェアを誇っています。

主な特徴は、3Dおよび2Dの作図が可能であること、そして初心者でも使いやすい優れた操作性です。アドオンも多くあり、特定の業務や業種に合わせたカスタマイズができます。

Jw_cad

Jw_cadとは、インターネット上で無料で入手可能な2D(2次元)汎用CADソフトウェアです。建築士の実務経験とアイデアをもとに開発されたため、建築設計に特化した機能を数多く搭載しています。

また、操作性にも優れており、マウス操作だけで作業を行えます。カスタマイズした設定の共有などもできるなど、無料ながらも多くの企業で活用されているソフトウェアです。

Rebro

Rebroは、建築設備を専門とする3D CADソフトウェアで、BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)技術に対応しています。パラメトリックモデリングの手法を採用しており、特定の部品の寸法や形状を変更すると、それに連動して関連する他の部品も自動で調整されます。

また、設計内容をチームメンバーと簡単に共有できるため、全体の設計検討や改善提案を円滑に進めることが可能です。

Tfas

Tfas(CADWe'll Tfas)は、建築設備専門のCADソフトウェアです。直感的な操作性と、設計の意図を明確に伝える高度な図面作成機能を搭載しています。

他のCADソフトウェアで作られた2D図形を3Dの建築要素に変換する機能や、他のソフトウェアでも閲覧しやすい形式でのIFC出力機能など便利な機能を備えています。

CADオペレーターの年収と求人傾向

CADオペレーターへの転職を目指す方にとって、CADオペレーターの年収と求人傾向などの情報は貴重です。本章では、CADオペレーターへの転職を目指す方に向けて、CADオペレーターの年収傾向や求人数、労働条件などを解説します。併せて、レバテックキャリアに掲載されていたCADオペレーターの求人例も紹介します。

CADオペレーターの年収傾向

CADオペレーターの年収傾向は、年収はあまり高くないと言えます。厚生労働省の職業情報提供サイトjobtag(日本版O-NET)に掲載されているCADオペレーターの平均年収は約461.8万円(※1)です。しかし、3D CADなどの専門的な技術を習得できれば、年収アップも期待できます。そのため、CADオペレーターには常に学習し続けることが求められます。

※1 引用元:jobtag(日本版O-NET)厚生労働省

CADオペレーターの求人数

2024年3月時点でCADスキルを求められる求人は85件掲載されております。また、プログラミングスキルや建築業界のスキルなどを掛け合わせた求人まで確認すると415件まで跳ね上がりました。目指す業界に応じた別スキルによって求人数が大きく異なることを覚えておきましょう。

CADオペレーターの労働条件など

CADオペレーターの求人は正社員だけでなく、派遣労働者や業務委託など幅広い雇用形態の求人があります。また、主な業務内容が設計であるため納期近くは残業が発生する可能性があるようです。

CADオペレーターの働き方は今後もソフトの進化で変化するでしょう。最近のCADソフトはクラウドサービスに対応したものも増えているため、リモートワークの求人が増えています。さらにメタバースやVRといった最新技術の設計にも使用されるので今後労働条件が好転すると予測されています。

CADオペレーターの求人例

CADオペレーターを目指す方には、実際のCADオペレーターの求人内容は気になる情報です。以下では、レバテックキャリアに掲載されていた、実際のCADオペレーターの求人例を紹介します。CADオペレーターへの転職の参考として、活用してください。

【想定年収】
300〜540万円

【業務内容】
・自動車技術の開発
・自動車部品の設計
・家電用電化製品の開発、設計
・産業用機械のハーネス回路設計補助 など

【求められるスキル・経験】
・機械設計の実務経験
・CADを使用した設計の経験
・機械工学の基礎知識

CADオペレーターに関するよくある質問

本章では、CADオペレーターに関するよくある質問に回答します。よくある質問には、在宅ワークの可否や業界における年齢制限、女性の転職の可能性などがあります。

また、CADオペレーターに向いている人の特徴についての質問も少なくはありません。これらのよくある質問と回答を、CADオペレーターへの転職活動に役立ててください。

Q1. CADオペレーターは在宅ワーク可能ですか?

CADオペレーターは在宅ワークも可能です。最近のCADソフトはクラウドサービスに対応するなどの進化を遂げています。そのため、CADソフトとPC、インターネット環境さえあればどこからでも働けるでしょう。

Q2. CADオペレーターは何歳までなれますか?

CADを扱うための年齢制限や学歴制限はありません。そのため、何歳からでもCADオペレーターを目指せます。一方でCADオペレーターの求人は未経験を歓迎している求人が少ないので、早めに挑戦した方が有利といえるでしょう。

Q3. CADオペレーターは女性でもなれますか?

CADオペレーターの主な就職業界は建築や電機機器と男性の多い業界ですが、多くの女性が活躍されています。前述の通りCADオペレーターの雇用形態は正社員に限らず幅広い求人があるため、結婚や出産を機にCADオペレーターへ転身する女性も多いようです。自身の状況に応じて働き方や勤務先を選べるCADオペレーターは女性にもおすすめの職業になります。

Q4. CADオペレーターに向いている人はどんな人ですか?

CADオペレーターは、技術的な専門性が求められる職種であり、個人の適性が大きく影響します。この仕事に向いている人は、ものづくりが好きな人や細部にわたる作業に集中できる高い集中力がある人、コミュニケーション能力が高い人が挙げられます。

まとめ

CADオペレーターは未経験からでも目指せる職種です。専門学校、スクールなどで専門スキルを学ぶこともできますが、独学でもスキル習得は可能です。CADでの作図作業に集中する必要があるので、高い集中力が必要になります。逆に言えば高い集中力があれば、勉強することで着実にスキルが付いてくるでしょう。

CADオペレーターになるのに必要な資格はありませんが、資格取得はスキルアップと評価アップに役立ち、転職でも有利になります。実務経験や実際にCADを扱う経験が最重要なのは間違いありませんが、資格取得も検討するとよりCADオペレーターになりやすいです。

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この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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