Vue.jsとは？特徴やできること、メリット、注意点などを解説

Vue.jsとは

Vue.jsとは、WebサイトやWebアプリケーションの見た目部分であるフロントエンドを効率的に構築するために開発されたJavaScriptのフレームワークです。Vue.jsは効率的な開発だけでなく、開発後の運用保守を意識して開発されています。公開されたWebサイトやアプリケーションの一部を改修する場合などに影響範囲を抑えて修正できます。また、機能の追加も可能です。

フレームワークとは

フレームワークとはソフトウェアの開発の枠組みのことです。ソフトウェアを開発するのに全てを1から開発するのでは非効率です。フレームワークはよく使う機能がまとまっており、利用すれば必要な機能のみ開発すればよくなるため、開発の生産性を大幅に向上できます。

フレームワークは「枠組み・骨組み」ですが、同様にソフトウェア開発効率を向上するものに「ライブラリ」があります。ライブラリは、よく使う機能がパッケージ化されたものです。ライブラリから必要な機能を呼び出して使えば、1からその機能を開発する必要がありません。

フレームワーク、ライブラリはともに開発に便利な部品です。それぞれ意味が異なるため、混同しないようにしましょう。

Vue.jsの特徴

Vue.jsは、次のような特徴をもつフレームワークです。特徴を知っていれば開発に際して最大限に活かせます。習得するか迷ったとしても、メリットとあわせて特徴を知っていることで前向きに検討できるようになるでしょう。

シンプルな開発工程と高速な動作

Vue.jsではHTMLやJSONを使用したView Modelの構築によって、アプリケーションの構造をシンプルにまとめることができます。このことが、開発工数の圧縮につながります。

また、DOM操作が容易でレンダリング処理が高速なことも見逃せません。Vue.jsでは、DOMを仮想化した「仮想DOM」を使うことで処理を高速化しており、頻繁に更新されるWebアプリケーションでも遅延が発生しにくい仕様になっています。「シンプルに作れてなおかつ高速」という点は、アプリケーション開発において大きな強みになるでしょう。

依存関係のないコンポーネント

Vue.jsでは「コンポーネントシステム」が採用されています。コンポーネントシステムとは、プログラムを構成する要素を「部品化」し、部品を組み合わせながらコーディングを行う仕組みのことです。Vue.jsにおけるコンポーネントは独立性が強く、相互に依存していません。

また、コンポーネントを共通部品化することも可能です。こうした特徴を活かしてコンポーネントをツリー状に組み上げていき、大規模なアプリケーションを小さな工数で構築することもできます。

コンパクトなファイルサイズ

Vue.js本体のファイルサイズはgzip圧縮で20kb程度です。さらにバージョン3.0以降は、重要ではないコードの削除によってファイルサイズを10kb台にまで圧縮できます。これは5000～10000文字程度のテキストファイルと同等のファイルサイズなので、非常にコンパクトなフレームワークであることが分かります。

アプリケーションの仕様変更に対して柔軟に対応

Vue.jsはアプリケーションの仕様変更に柔軟に対応できる特徴があります。Vue.jsは、コンポーネントベースのアーキテクチャを採用しており、仕様変更や新しい機能の追加などに対応するために、コンポーネントを作成して追加できます。

データの同期を自動化して画面に反映

Vue.jsはデータの同期を自動化することができます。Vue.jsはデータを双方向にバインディングして、モデルデータと画面表示を自動的に同期します。そのため画面表示を変更すると、モデルデータも同時に変更されます。

Vue.jsでできること

Vue.jsはコンパクトなJavaScriptフレームワークで、さまざまなWebアプリケーションの開発に使用されています。使用する際のイメージができれば、習得モチベーションも上がるでしょう。ここからは、Vue.jsでできることを3つ紹介します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

インタラクティブなUI作成

Vue.jsはほかのJavaScriptフレームワークと比較してイベント処理を得意としています。なぜなら、ライフサイクルフックと呼ばれるイベント管理用機能が充実しているからです。具体例を確認してみましょう。

マウスカーソルの動きを視覚化する

「ユーザーのマウス操作をトレースした線を描く」「クリックした場所の色を変更し、徐々に元に戻る」など、入力状況に応じてマウスの動きを可視化する例です。Vue.jsでは対話型のUI構築を通じて、UXの向上に役立つ機能を実装できます。

入力した値をリアルタイムに画面に反映する

Vue.jsでは入力した値を即座に表示に反映・連動させるリアクティブな仕組みを構築できます。たとえば、「体重と身長を入力すると即座にBMI値が表示されるBMI計算機」や「入力した文字に特定の符号（濁点など）をつける機能」などです。

図やチャートの描画

一般的な図やチャートの描画であれば、大抵のフレームワークで実現可能です。ただし、Vue.jsならば「アニメーションのように連続して滑らかにチャートを描く」など動的な表現ができます。動的なUI構築に強みを持つVue.jsならではの実装といえるでしょう。

SPAの構築

SPAとは「単一のページとして動作するアプリケーション」の総称です。ページ遷移が発生しないため通信負荷が小さく、外観の同一性も維持しやすいため、クロスプラットフォーム対応のアプリケーションなどで頻繁に使用されています。

また、画面遷移を最小限におさえることでユーザーのストレスを減らしつつ、トップページの情報量やインパクトを高めることでUX（ユーザー体験）を高められるメリットもあります。UXが重視される近年のWeb開発において、SPAが持つ強みは無視できません。

しかし、ゼロからSPAを作るとなると、JavaScriptによる大量のコーディング作業が必要です。そのため、フレームワークを用いた実装が一般的です。Vue.jsは独立したコンポーネント（ヘッダーメニューなど複数ページで使い回すパーツ）の組合せによって素早くアプリケーションを構築できるため、SPAの構築に適したフレームワークといえるでしょう。

関連記事：Vue.jsとは？他フレームワークとの違いやできることをわかりやすく解説

Vue.jsを使うメリット

Vue.jsは軽量なフレームワークでさまざまな開発に使用できます。ほかのフレームワークと比較して、どのようなメリットがあるのかも気になるところです。ここからはVue.jsを使うメリットを紹介します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

学習コストが低くフロントエンド構築経験が浅くても挑戦しやすい

Vue.jsはファイルサイズが非常に小さく、AngularやReactに比べるとコンパクトなフレームワークです。それだけに必須知識も少なく、数時間～数日の学習で基礎をマスターすることもできます。

また、Vue.jsのコンポーネントシステムは視覚的に分かりやすいため、フロントエンド構築の経験が浅い方でも挑戦しやすいです。

HTML内で手軽に扱える

Vue.jsは、jQueryのようにHTML内に一行追加するだけで簡単に開発を始められる点が魅力です。既存のアプリケーションの一部にscriptタグを追加することで、すぐにVue.jsの機能を使えます。つまり、改修や機能改善にかかるコーディング作業を非常に小さな手間で完了させられます。

DOM操作が自動化される

Vue.jsはjQuaryと同じような手間で扱える一方で、jQueryが苦手とする「DOM操作」を自動的に行えます。Webアプリケーション開発では、規模や機能の多さに比例してDOM操作が複雑になっていきます。

特にHTML側に大きな変更があると、idやクラス名が変わってしまい、DOM操作の修正に大きな労力が必要です。しかしVue.jsならばHTML側の変更を自動的にDOM操作へと反映させられるため、こうした労力を省けます。

シンプルで拡張性が高く開発時の補填に役立つ

Vue.jsはJavaScriptフレームワークの中でも必要最小限の機能だけを備えるシンプルな構成です。加えてほかのツールやJavaScriptライブラリも併用でき、高い拡張性をもっています。そのため、多機能なアプリケーションを開発する場合や、既存のソフトウェアへの部分的な導入など、さまざまな用途で利用できます。

関連記事：Vue.jsでできること｜メリットやデメリットについても解説

Vue.jsを使う際の注意点

Vue.jsのメリットを確認し、Vue.jsを使用したくなった方もいるでしょう。しかし、Vue.jsは使用する際の注意点があるので、事前に確認しておきましょう。ここからはVue.jsを使用する際の注意点を紹介します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

大規模な開発には不向き

一般的に大規模アプリの開発ではJavaScriptフレームワークのReactが適しているといわれており、Vue.jsは中小サイズのアプリ開発向けです。理由は以下の2点です。

これらの理由より、一般的にVue.jsは大規模開発に不向きとされ、リプレイスではない限りReactを採用するケースが多いようです。

ネイティブアプリ開発用としては発展途上

Vue.jsはほかのフレームワークと比較するとネイティブアプリ開発用機能がまだまだ発展途上です。たとえばReactの場合、React Nativeと呼ばれるWebアプリケーション開発と同様の文法でiOS/Androidアプリを開発するフレームワークが存在します。しかし、Vue.jsにはReact Nativeのようなネイティブアプリ開発用フレームワークがありません。このように、ネイティブアプリ開発用としては発展途上である点にご注意ください。

Vue.jsの勉強方法

Vue.jsを身につけるにはさまざまな方法があります。どのような勉強方法があっているかは個人により異なるため、ここで紹介する内容をもとにしながら試してみましょう。もし特定の勉強方法があっていなくても、別の方法なら容易に身につけられることもあるので、諦めないことが大切です。

公式サイトのドキュメントを読む

Vue.jsの公式ドキュメントを読むことが勉強方法としては基本です。Vue.jsの公式ドキュメントは、Vue.jsの使用方法やコンポーネントなど、Vue.js技術を理解するために必要な情報を豊富に用意しています。

動画で学ぶ

Vue.jsのオンラインチュートリアルは、Vue.jsの基本的な使い方やコンポーネントなどを学ぶための便利なツールです。

オンラインチュートリアルでは、Vue.jsの基本的なコンセプトや、実際にVue.jsを使ったWeb開発を行うためのコードの記述方法まで学ぶことができます。Vue.jsを使ったWeb開発を理解することができる学習手法です。

簡単なアプリを作ってみる

Vue.jsを使ったプロジェクトを作ることで、Vue.jsの機能を実際に使うことができます。また、オープンソースのプロジェクトを参考にすることで、ほかの人がどのような方法でVue.jsを使っているかを学ぶこともできます。

エンジニアの情報発信サービスも利用する

エンジニアが発信するブログやnote、Qiitaなど、インターネット上の情報発信サービスを利用する方法もあります。自分でアプリを作りながら、分からなかったり公開されているソースやライブラリを参考にすれば、独学でスキルが身につきます。

オンラインの学習サイトを利用する

時間がない人はオンライン学習サイトを活用して効率よく学習を進めるのもおすすめです。Vue.jsを学ぶことができる代表的な学習サイトをいくつかご紹介します。

Think IT（シンクイット）

Think IT（シンクイット）ではプログラミング言語、Web開発、ネットワーク技術、ビジネススキルなどを学ぶことができます。豊富なコースを提供するとともに、講師によるオンラインレッスンなども実施しています。Vue.jsに関する技術的な情報も記事として掲載されています。

ドットインストール

ドットインストールは、IT技術を身につけるための無料で利用可能なオンライン学習サービスです。 Vue.jsの入門コースのほかに、プログラミングやデザイン、サーバー構築など、多岐にわたるコースが用意されています。

プログラミングスクールに通う

まとまった時間が取れる人や、お金をかけてでもじっくり勉強したい人は、プログラミングスクールがおすすめです。実践的なスキルを身につけるためのカリキュラムが組まれており、着実にスキルが身につきます。また、講師がいるので、分からないところは質問して学習を進められます。さらにプログラミングスクールによっては就職支援も受けられます。

TechAcademy

TechAcademyはプログラミング学習を通じて、Webエンジニア、iOSエンジニア、Androidエンジニア、データサイエンティストなどの人材育成を行うプログラミングスクールです。豊富な学習教材とインタラクティブな学習環境を提供しています。Vue.jsの学習環境も含まれています。

侍エンジニア

侍エンジニアは専任講師によるマンツーマン形式に特化したプログラミングスクールです。オーダーメイドコースがあり、Vue.jsのほか、学びたい技術を自由に選んでカリキュラムを構成できます。また、24時間質問を受け付けてもらえるなど、サポート体制も充実しています。

各勉強方法のメリットとデメリット

紹介した勉強方法のメリット・デメリットをまとめました。

勉強方法	メリット	デメリット
ドキュメントを読む	・無料で基本的なスキルを身につけることができる	・ドキュメントを読むだけでは実践的なスキルは身につかない
動画で学ぶ	・無料で基本的なスキルを身につけることができる ・ドキュメントよりも理解しやすい	・Vue.jsのみにフォーカスがあたっているため、HTML/CSSなどの他要素もあわせて学ぶ必要がある
簡単なアプリを作る	・最も実践的なスキルが身につく	・解決できない問題が出たときに挫折しやすい
情報発信サービスを利用する	・実績のある情報が得られる	・エンジニアによって発信される情報に偏りがある
オンライン学習サイトを利用する	・基本的なスキルを低価格で身につけられる	・コストがかかるものもある
プログラミングスクールを利用する	・しっかりしたカリキュラムに沿って学べる ・有識者に質問できる	・コストが最も高い

可能であれば、各勉強法を併用することをおすすめします。たとえば、動画やオンライン学習サイトを利用し基本的な知識を得たうえで、簡単なアプリの開発を行います。そして、分からないところやライブラリの情報などを情報発信サービスやドキュメントで調べる、といった方法です。プログラミングスクール以外は、ほとんどコストをかけずに勉強を進めることができます。

しかし、独学では自身をしっかり管理できていないと計画どおりに進まなかったり、分からないところで挫折してしまったりしがちです。思うように学習が進まない場合は、プログラミングスクールの利用を検討すると良いでしょう。

Vue.jsの始め方

ここからは、実際にVue.jsで開発を始めるための手順を紹介します。Vue.jsの開発方法は2つあります。

CDNを使用すると、開発環境の構築が不要かつ簡単にVue.jsを呼び出せるため気軽に開発できます。一方Vue.js開発環境を構築する方法はSPA開発やサーバーにデプロイする場合に使用する方法です。事前準備こそ複雑ですが、Vue.jsの機能を100%発揮できます。それぞれの始め方を詳しく確認していきましょう。

CDNで呼び出す

Vue.jsの公式リファレンスに掲載されているScriptタグを埋め込んで使用する方法です。2024年3月時点では下記のScriptタグが掲載されていました。

〈script src="https://unpkg.com/vue@3/dist/vue.global.js"〉〈/script〉

こちらを任意のHTMLタグに埋め込むだけで開発を始められます。CDNを使用すると手軽に開発できますが、下記2点のデメリットがあります。

これらのデメリットが気になる方は後述のVue.js開発環境を構築する方法を試してみましょう。

参考：Vue.js公式リファレンス

Vue.js開発環境を構築する

Vue.jsで開発している人のほとんどはこれから紹介するVue.js開発環境で開発しています。ここからはVue.js開発環境「Vue CLI」の環境構築方法を紹介します。Vue CLIの環境構築前にまずは概要を確認してみましょう。

Vue CLIとは

Vue CLI（Command Line Interface）とは、Vue.jsの開発をコマンドで行う開発環境です。厳密にはツールでさまざまな機能で開発を支援してくれます。Vue CLIを使用することで、.vueファイルでの開発や開発したWebアプリケーションをビルドなどが可能です。ビルドすると、VueプロジェクトがHTML/CSS、JavaScriptファイルに変換されるため、静的サーバー上でも機能します。

Vue CLIのインストール手順は以下の2ステップです。
※Macの場合は3ステップ

Node.jsとはサーバーサイドで動作するJavaScriptフレームワークで、Node.jsをインストールするとJavaScriptのパッケージマネージャー※「npm」 を使用できます。
※Pythonのpip、Rubyのgem、MacOSのHomebrewと同様の機能

ここからはWindowsにおけるVue CLIのインストール手順を紹介します。

Vue CLIのインストール手順

・Node.jsのインストール
Vue CLIはNode.jsを用いてインストールするため、まずはNode.jsをインストールします。まずはコマンドプロンプトを開いて下記コマンドを実行してみましょう。

こちらのコマンドはWindowsにインストールされたNode.jsのバージョンを確認するコマンドです。すでにNode.jsのインストールが完了しているPCでは「v16.15.3」等バージョンを表す文字列が表示されます。Node.jsがインストールされていない方は下記英文が表示されます。

こちらは「nodeというコマンドが認識されませんでした」という意味のエラー文ですので、表示された方はNode.js公式ページからインストールしましょう。インストーラーをダウンロード後、実行するとNode.jsがインストールされます。インストールが完了してから、改めてコマンドプロンプトで下記コマンドを実行してみましょう。

バージョンを表す文字列が表示されたら適切にインストールされています。

・Vue CLIのインストール
Node.jsをインストールできたら、いよいよVue CLIをインストールします。コマンドプロンプトを開いて下記コマンドを実行してください。

こちらは「npmを用いて-g(PC全体へ)vue/cliをインストールする」という意味のコマンドです。実行するとコマンドプロンプト上で「vue」コマンドが使用できます。インストールが完了したら下記コマンドを実行してみましょう。

適切にインストールできていると「@vue/cli 4.6.1」などのVue CLIのバージョンが表示されます。これでVue CLIの環境構築は完了です。

Vue CLIを用いたプロジェクト作成

Vue CLIをインストールできた方は簡単なプロジェクトを立ち上げてみましょう。下記コマンドを実行してください。

※例

上記コマンドを実行すると「Please pick a preset:」と聞かれます。一番下の「Manually select features」を選択すると、VueのバージョンやTypeScriptを使用するかなどのオプション設定が可能です。今回は最も簡単な方法で実行したいので「Default([Vue3] babel, eslint)」を選択しましょう。選択するとプロジェクトの作成が始まります。

プロジェクト作成後はプロジェクトファイルに移動します。

cdとは「Change directory」を意味するコマンドで操作しているフォルダを移動します。フォルダを移動したら下記コマンドを実行してください。

こちらは「npmを用いてサーバーを起動する」という意味です。適切に起動すると「http://localhost:8080/」等のローカルホストが起動します。起動したらブラウザで開いてみましょう。Vue.jsのスタート画面を確認できたら起動完了です。

Vue.jsの将来性

Vue.jsの将来性は高いといえるでしょう。SPAの隆盛が期待できるからです。近年のWebアプリケーション開発は、異なるOSを使用するユーザーに対して均一なUXを提供できるクロスプラットフォームが主流です。このクロスプラットフォーム対応で良く用いられる手法がSPAです。

SPAは低負荷で高速に動作するという特長を持つことから、今後ますます増えていくことが予想されます。実際の開発プロジェクトでも、SPAを構築できるフレームワークは重宝されているのが実情です。Vue.jsはSPA構築に強みを持つことから、活用される機会が増えていくと考えられます。

Vue.jsとほかのフレームワーク・ライブラリとの違い

Vue.jsとほかのフレームワークを簡単に比較してみましょう。JavaScript向けのフロントエンド開発用フレームワークとしては、Vue.jsのほかにも「React」「Angular」などがあります。ここでは、各フレームワークの学習コスト・開発規模・コードの可読性などを比較していきます。

	Vue.js	React	Angular
学習コスト	低い ・JavaScriptの経験が浅くても開発できる	高い ・JavaScriptの理解が必要 ・日本語の情報が少ない	高い ・TypeScriptの知識が必要
開発規模	小規模～大規模	中規模以上	大規模向け
コードの可読性	容易 ・構造がシンプル	普通 ・HTML/CSSとJavaScriptが分離していない	高い ・TypeScriptの知識が必要

React

ReactはMeta社（旧Facebook社）が中心となって開発したJavaScriptのフレームワークです。Vue.jsと比較されることが多く、フロントエンド開発用フレームワークとしてはVue.jsと肩を並べる存在です。

ReactはMVVMを採用していないことから、双方向データバインディングではなく単方向データバインディングのみ利用できます。簡単にいうとデータの流れが常に一方通行で「データの変更を画面へ反映させることはできても、その逆はできない」という状態になるわけです。

ReactはVue.jsよりも日本語の情報が少ないため、初心者が身につけるためには時間がかかる傾向です。一方で公式サイトはどちらも日本語に対応しているため、チュートリアルやリファレンスの見やすさという点では差が生じにくいです。

Angular

Angularは、Googleが中心となって開発しているオープンソースのフレームワークです。Webアプリケーション開発では、UI構築以外にも対応できる「フルスタック型フレームワーク」として有名です。

MVVMフレームワークを採用するVue.jsに対し、Angularは「MVWフレームワーク」をベースとしています。「MVW」とは、「Model View Whatever」の頭文字をつなげた言葉で、「Model」「View」「その他あらゆるもの」を用いて設計を行う様を表す考え方です。

Vue.jsはJavaScriptがベースですが、、AngularはTypeScriptがベースとなっています。

jQuery

jQueryはWebアプリケーション開発のための効率的なJavaScriptライブラリです。jQueryは、アプリケーション開発をより簡単にするためのAPIやDOM操作などを提供します。

Vue.jsはUI開発を容易にするためのデータバインディングの機能を持っており、より効率的にWebアプリケーションを開発することができます。jQueryは、APIやDOM操作によってアプリケーション開発を容易にします。

Vue.jsに関するよくある質問

Vue.jsにまつわるよくある質問とその回答を紹介します。Vue.jsに興味関心がある方は、よく開発で使用される理由やできること、jQueryとの違いが気になることが多いようです。同様の疑問のある方には特に参考になるでしょう。

Q1. Vue.jsとjQueryの違いは何ですか？

最も大きな違いは、Vue.jsはフレームワークで、jQueryはライブラリという点です。また、Vue.jsはjQueryが苦手とする「DOM操作」を自動的に行える点も異なります。Vue.jsではHTML側の変更を自動的にDOM操作へと反映させられるため、JQueryよりも効率よく開発を進められます。

Q2. Vue.jsが使われる理由を教えてください

ほかのJavaScriptフレームワークと比べ習得が容易でコードの可読性に優れる点が挙げられます。プログラミング言語の知識がそれほど求められず、Vue.js自体が独自の文法を持たないため、技術習得が容易です。JavaScriptでの開発経験が浅い人でも扱いやすいため採用されています。

Q3. Vue.jsでできることは何ですか？

Vue.jsを使ってできることとして、以下があげられます。

まとめ

Vue.jsは、主にクライアントサイドの開発で使用されるJavaScriptフレームワークです。UI構築で活用されることが多く、「MVVM（Model View View Model）」を基本原理としています。昨今主流となっているクロスプラットフォーム開発に用いられる手法であるSPAに強みを持つことから、今後も活用される機会は増えていくと予想されます。JavaScriptをすでに習得している、またはこれから習得したいと考えている方は、Vue.jsもあわせて学習しておくとよいでしょう。

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