- JavaScriptとjQueryそれぞれの特徴
- JavaScriptとjQueryの違い
- JavaScriptとjQueryをどう使い分けるべきか
- JavaScriptとjQueryのどちらを習得すべき?
- JavaScriptとjQueryの学習方法
- JavaScript、jQueryに関するよくある質問
- まとめ
JavaScriptとjQueryそれぞれの特徴
まず、JavaScriptとjQueryそれぞれの特徴について解説します。
JavaScriptとは
JavaScriptとはWeb開発で使われるプログラミング言語です。Javascriptは主にWebページやアプリケーションの動的な挙動の制御に使用されます。例えばポップアップ画面の表示やサイト内での検索といった、ユーザーの行動にWebページが応えるような「動き」をつけられます。そのため世界中ほとんどのWebページの実装に使用されており、Webページに関する多くのことが実現可能です。また最近では、サーバーサイドやスマホアプリ、デスクトップアプリでも使用されています。JavaScriptとはWeb開発で使われるプログラミング言語です。
JavaScriptの特徴
JavaScriptは、コンパイル不要のインタプリタ型言語です。Webページで動的な表現が可能になった1990年代中盤以降に普及し、ブラウザ上で複雑な処理を実装するために使われてきました。
例えば「Webページ上のボタンを押すとポップアップが表示される」といった動きはJavaScriptが得意とする処理のひとつです。
JavaScriptは長い間、Webブラウザ上で動的な表現を可能とする唯一のプログラミング言語として重宝されてきました。新興言語が続々と登場している現在でも、Javascriptは高いシェアを誇っています。
ちなみに一般的なWebページでは、HTML、CSS、JavaScriptの3階層で用いられることが多く、代表的なライブラリとしては「Node.js」「jQuery」「React」「Vue.js」などがあります。
もともとは「LiveScript」という名称の言語でしたが、同時期に大流行していたJavaの名前を一部流用し、現在の名称になったと言われています。
jQueryとは
jQueryとはJavascriptのライブラリです。ライブラリとは「汎用的なプログラムをまとめたもの」です。使いたい機能やコードを構築するのではなく、ライブラリに格納されているものを用いることで簡単に実装できます。例えばjQueryを使用することで、Webページをスクロールしたときにテキストや画像が浮かび上がる動作や、ボタンをクリックしたときの動きを簡単に実装できます。
jQueryの特徴
jQueryは豊富なプラグインを持ち、複数のブラウザに標準対応しているため、ブラウザごとの差を気にせず記述出来ます。
また「DOM操作」が容易になることもjQueryの大きな特徴のひとつです。DOMとは「Document Object Model」 の略で、日本語に訳すと「ドキュメントをモノ(オブジェクト)として扱う型」となります。具体的には、HTMLやXMLを取り扱うためのAPIであり、HTML探索・スタイルの変更・イベント設定・HTML要素の取得・振る舞いの変更・ユーザー操作時の処理などが容易に設定できるようになります。DOM操作の例は「ユーザーの操作に合わせてCSSを変更」「テキストボックスの中身変更」などです。
さらに、Ajax処理が容易になることも見逃せません。Ajax処理とは「非同期で行われるJavaScriptとXMLの通信」を指します。ユーザーが何らかの操作を行った場合、普通であればHTMLからサーバーへとデータを送信し、その応答を待って処理が進みます。一方Ajax処理では、ユーザー操作によって発生したHTML処理と、その裏で動くJavaScriptの処理が断絶されており、JavaScriptとサーバーが通信中であってもHTML画面の操作が可能になるのです。HTMLとサーバーの処理が同期していないため、ユーザーはサーバーからの応答を待つことなく、画面を操作できます。
例えば、GoogleMapのようにページ遷移なしでも様々な情報が追加表示されていく動きは、Ajax処理のおかげで実現できています。このAjax処理を容易に実装できるのがjQueryです。
jQueryは無償で使うことができ、JavaScriptを理解していない初心者にとって非常に有用なライブラリです。「jQueryの使い方さえ理解していればデザイン編集やメンテナンスができる」と言われるほどで、手っ取り早く即戦力を目指すのであれば、jQueryを先に学んだほうが良いこともあります。
JavaScriptとjQueryの違い
JavaScriptとjQueryの最も大きな違いは、「プログラミング言語」と「ライブラリ」であるという点です。jQueryは、その使い勝手の良さから独立したプログラミング言語だと勘違いされることもあります。しかし、その本質はあくまでもライブラリです。つまり、JavaScriptの処理をパーツ化し、汎用性や使い勝手を高めたものがjQueryだと考えてください。
またそれぞれの違いについてより詳しく解説していきます。
構文の違い
「JavaScriptを習得すればjQueryの扱いはすべて理解できるのでは?」と考える方がいるかもしれません。しかしこれは間違いです。なぜなら、jQueryには通常のJavaScriptには無い、特有の命令文があるからです。したがって、JavaScriptの学習とは別にjQueryのスキルも磨いていくことをおすすめします。
習得難易度
JavaScriptもjQueryもどちらも習得難易度は低く初学者にもおすすめのプログラミング言語であると言えるでしょう。比較するとJavaScriptよりもコード量が少ないことやシンプルに記述できる点で、jQueryのほうが学習しやすいとされています。またJavaScriptで難しく感じやすいオブジェクト指向やDOMをあまり意識せずに構文を書けるため、jQueryは初心者でも学習しやすいです。
コーディング量
原則として、jQueryで可能なことはJavaScriptでも実現できます。ただし、コーディング量はjQuery側がかなり少なくなります。これは、jQueryがJavaScriptの複数の機能をひとつにまとめていることに由来しています。JavaScriptで実装する場合は数十行もコーディングしなくてはならない処理も、jQueryなら数行のコーディングで済むわけです。また、jQueryにはプラグインが用意されており、Google CalendarのようなUIや、画像のSliderなどの便利な機能を簡単に付け加えることができます。
標準で複数のブラウザに対応
JavaScriptではブラウザごとに微妙な記述の違いがあります。しかしjQueryはこうしたブラウザ間の差異を吸収してくれるため、記述の違いを意識せずにコーディングを進めることが出来ます。
JavaScriptとjQueryをどう使い分けるべきか
JavaScriptとjQueryのどちらを使用すべきかは、「対象となるシステムの規模」「性質」などによって変わります。
JavaScriptが向いているケース
システム全体が「パフォーマンスを重視」している場合は、JavaScriptが適しています。同じ処理を実装する場合でも、JavaScriptを使用したほうがjQueryよりも高速だからです。したがって、大量のデータを処理する機能の実装や、大規模なWebサービスの開発では、あえてJavaScriptが使われることもあります。
jQueryが向いているケース
一方、jQueryは「開発効率を重視」している場合に選択されることが多いです。例えば、複数のブラウザに対応しつつ、各ブラウザの挙動を完全一致させたいなどは、jQueryのクロスブラウザ対応がコーディング作業を効率化してくれます。
特に中小規模のWebシステム制作では、jQueryが使われることが多いようです。それほど規模が大きくないシステムでは、処理速度を重視したコーディングよりも「簡素で誰でも触れるコーディング」が好まれるからです。ベテランのエンジニアを確保しにくい中小のWeb制作などでは、デザイナーがメンテナンス作業を兼務することもあるため、jQueryの利便性が光ってきます。
JavaScriptとjQueryのどちらを習得すべき?
この章ではJavaScriptとjQueryのどちらを習得すべきかそれぞれ紹介します。
大規模Webシステム・サービス開発をするならJavaScript
何らかのプログラミング言語を学んだ経験があり、プログラミングの基礎がある人はJavaScriptを習得すべきだといえるでしょう。当然同時並行でjQueryを身に着けてもよいのですが、大規模なWebシステム・サービスの開発に携わりたいのであればJavaScriptの習得に力を入れましょう。職種としては、「フロントエンドエンジニア」「アプリケーションエンジニア」などが挙げられます。
短期間でWebサイト制作に携わるならjQuery
jQueryの習得に向いている人は、プログラミングを本格的に学習したことが無い人や、エンジニアよりもデザイナー指向が強い人です。jQueryは「JavaScriptの持つ機能をカプセル化し、使いやすくしたライブラリ」と言えるため、使いこなすために高度なプログラミング能力は必要ありません。未経験から短期間でWebサイトのメンテナンス・デザイン修正などの仕事に就きたいのであれば、jQueryの習得をおすすめします。
JavaScriptとjQueryの学習方法
この章ではJavaScriptとjQueryの学習方法について解説します。
書籍を活用し独学で学ぶ
まず書籍を利用した学習方法です。書籍を利用することで自分のレベルや実装したいものに合わせて書籍を選べます。書籍にはサンプルコードも掲載されているため、実際にコードを書いて動かせます。実際にコードを動かしつつ、自分でコードを変更してみたりすることでコードへの理解を深められます。
プログラミングスクールに通う
独学が難しい方や、予算に余裕のある方はスクールへ通うのもおすすめです。IT系の専門学校では、エンジニアになるために必要かつ実用的な技術を講師から直接学べます。また資格取得の支援や、就職のサポートも受けられるため、エンジニアとして活躍したい方にとって、スクールへの通学は効率的です。
学習サイトを活用する
最後にサイトを利用した学習方法です。Web上には動画や実際にプログラミングができる学習サイトが多くあります。そのため書籍やスクールよりも手軽に学習を始められます。また学習サイトの中には自分のレベルを測定できるサイトもあるため、そういったサイトを利用して学習を進めることで自分のレベルに合った教材で学習でき、より効率的にスキルアップが可能です。
JavaScript、jQueryに関するよくある質問
この章ではJavaScriptとjQueryに関するよくある質問について回答します。
Q1. jQueryは何に使いますか?
jQueryを使うことで実現できることは多岐にわたりますが、代表例として以下が挙げられます。
-
・Webページに動きをつけられる・図形や表などの作成が簡単にできる
・SNSなどへのシェア
Q2. JavaScriptとjQueryの関係は?
JavaScriptとjQueryの関係は「プログラミング言語」と「ライブラリ」です。JavaScroptはプログラミング言語のため、ものを作るためには1からコーディングする必要があります。対してjQueryはJavaScriptのライブラリで、JavaScriptで使えるコード部品がたくさん入っているようなものです。そのためjQueryに入っている部品を使うことで、本来数十行と書かなければならない動作を1行で実現できます。
Q3. JavaScriptとjQueryのメリットは何ですか?
・JavaScriptのメリット
JavaScriptのメリットは主に以下の3点が挙げられます。
-
1.環境構築が不要2.フロントエンドとバックエンドの両方を開発可能
3.優秀なフレームワークやライブラリが多い
・jQueryのメリット
jQueryのメリットは主に以下の2点が挙げられます。
-
1.少ないコード量で実装可能
2.どのブラウザでも使用可能
どちらにもそれぞれの利点があるため、必要に応じて活用するのが良いでしょう。
Q4. JavaScriptとjQueryはどちらが良いですか?
JavaScriptとjQueryのどちらが良いかは目的によって異なります。長期にわたって大規模なWebシステムやサービス開発をするならJavaScript、短期間でWebサイトのメンテナンス・デザイン修正などの仕事をするならjQueryというように目的に応じて学習しましょう。
まとめ
JavaScirptとjQueryは、ともにWeb開発の分野で頻繁に使用される技術です。両者はプログラミング言語とライブラリの関係にあります。またjQueryはJavaScirptの主要ライブラリのひとつであるため、JavaScriptを学ぶ上で学習はほぼ不可避でしょう。どちらを優先的に学ぶべきかは、目指す職種によって変わるため、それぞれの違いや使い分けを十分に理解しておくことがポイントです。
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