Web業界の仕事とは?代表的な企業や職種9選を紹介

最終更新日:2024年4月9日

Web業界(インターネット業界)は、インターネットが普及してから年々成長を続けている業界です。Webサイトを閲覧して知りたい情報を得たり、ネットショップを利用したりとWeb業界が提供するサービスの利用が当たり前になりました。

Web業界にはテレビで紹介されるようなベンチャー企業も多く、Web業界の仕事に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。Web業界といっても多くの職種があり、さまざまなキャリアパスが考えられます。

本記事では、Web業界に興味がある方に向け、業界を構成する職種とその仕事内容について解説します。

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この記事のまとめ

  • Web業界とはWeb上で法人や個人に向けてサービスを行う全般のビジネスを指し、年々拡大する市場を持つ
  • 一方でIT業界とは「IT=情報技術」を活用したビジネス全般を指し、各種開発などコンピューターに関係するほぼすべてのビジネスを指す言葉である
  • Web業界はさまざまな仕事が存在し、未経験からでも参入しやすい職種と、専門的な知識と経験が必要な職種に分かれている

Web業界とは

Web業界とは、インターネットの世界を介して法人や個人に向けてサービスを提供し、その対価を得ることをビジネスとしている業界です。

たとえば、動画やスポーツ中継などをWebで閲覧できるサブスクリプションサービスや支払いで使えるQRコード決済サービス、商品をオンライン上で購入できるECサイトなどは、Web業界のビジネスとして分類できます。

Web業界の仕事の魅力

Web業界で働くことの魅力としてよくいわれるのはパソコンとインターネット環境で完結できる点です。

オフライン(対面)の必要性が他業界よりも少ないことから、昨今増えつつあるリモートワークも導入が進んでいます。フリーランスとして活躍している人も多く、ライフスタイルに合わせたキャリアプランを描きやすい点も魅力といえるでしょう。

Web業界の主な仕事内容とは

web業界の仕事


Web業界の主な仕事内容は、Webサイトや自社Webサービスの開発・管理です。そのほかにも、WebデザインやWebシステムの開発・メンテナンス、Webアプリ開発、ネットメディアの管理など、Webブラウザを通じたさまざまな仕事を行っています。また、顧客とのコミュニケーションや商談を行う営業部門も存在します。

Web業界の市場規模と今後の展望

総務省の「情報通信白書 令和3年版」によると、2019年におけるインターネット付随サービス業の国内生産額は4.1兆円です。2005年〜2019年の年平均成長率は9.1%と他の部門と比べても高い成長率を誇っており、市場規模は年々増加傾向にあることが分かります。

内訳としては、ウェブコンテンツ配信業が全体の30%ほどの売上高を占めており、ショッピングサイト・オークションサイト運営業(約17%)、課金・決済代行業(約7%)がそれに続く形です。

新型コロナウイルス感染拡大による在宅時間が増えた影響を受け、インターネット付随サービス業の需要や売上はさらに伸びることが予想されます。アフターコロナ・ウィズコロナという言葉が広がっていることも追い風に、Web業界はさらなる市場成長が期待できる業界です。

しかしその一方で、AIの進化がWeb業界の衰退をもたらす懸念も存在します。米国のAI研究者であるレイ・カーツワイル氏は、2045年にAIが人類の知能を超えると予測しています。コーディングやプログラミングなどの業務は、将来的にはAIが担う可能性があります。

しかし、創造性や感性が求められる分野はAIには難しいです。Web業界はクリエイティブ性が求められる一面もあるため、今後もインターネットの発展に貢献し続けるでしょう。

Web業界が扱う主なサービス

Web業界に属する企業が提供しているサービスは、主に8つに分類されます。インターネットを日常的に使っている人にとって、馴染みのない言葉もあるでしょう。ここでは、Web業界が扱う主なサービスについて、それぞれ解説していきます。

Web広告

Web業界が扱う代表的なサービスとして、Web広告が挙げられます。Web広告とは、検索結果や各Webサイト、SNSなどWeb上に表示される広告のことです。Web広告は、広告主ないしは広告主から委託された代理店などの第三者が運用しており、テキストや画像、動画などさまざまな形式のWeb広告が存在します。

eコマース

いわゆるインターネット通販(電子商取引)のサービスがeコマースと呼ばれます。最近では決済機能や顧客管理機能だけを提供するサービスも登場しており、個人規模のWebサイトでもインターネット通販のサービスを提供できるようになりました。

SNS

SNSはソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で、インターネットを介し他者との交流ができるプラットフォーム(Webサービス)のことを指します。文面や画像による投稿・交流が基本ですが、広義で捉えると動画や配信を通じて交流ができるものもSNSの1種といえるでしょう。

ソーシャルゲーム

SNSをプラットフォームとして提供されるゲームは、「ソーシャルゲーム」と呼ばれます。SNSアカウントと連携することで、SNSで利用しているプロフィールをゲーム上でも利用することができ、多くのゲームにチャットやランキングなど、他者との交流ができる機能が付いているのが特徴です。ソーシャルゲームは、若者を中心に利用者が増加しています。

eラーニング

eラーニングとは、インターネットを介した学習サービス全般を指します。たとえば、Web業界の職種であるWeb系エンジニアには、JavaScriptなどプログラミング言語のスキルが必要になります。現在では、eラーニングのサービスが発展したことで、分厚い本を読まずともPCやスマートフォンで学習できるようになりました。

電子書籍

電子書籍もWeb業界が扱うサービスのひとつです。電子書籍とは、紙の書籍を電子データ化することで、PCやスマートフォン、タブレットなどで閲覧できるようにしたものを指します。eコマースを通じて書籍の電子データを購入することで、電子書籍リーダーを使って読むことができます。

ポータル

ポータルとはインターネットを利用する時の入口になるWebサービス全般を示す言葉です。ポータルには複数の種類があります。

総合ポータルサイト ニュースや天気、ファイナンスなどのあらゆる情報を網羅的にまとめたサイト
検索ポータルサイト 世界中の情報を検索することができる、検索エンジンが代表的なサービス
業種特化ポータルサイト 特定のジャンルに絞って運営されているサイト

キュレーション

キュレーションサービスとは、ウェブ上のコンテンツを、ある特定のテーマや切り口で読みやすくまとめたものを指します。

Web業界の代表的な9つの職種と仕事内容

Web業界には、幅広いサービスを提供しているため、さまざまな職種が存在します。Web業界の代表的な職種は9つあります。ここでは、Web業界の代表的な9つの職種と仕事内容について、それぞれ解説していきます。

関連記事:Webディレクターになるには?仕事内容や必要となる知識・スキルなどを徹底解説

1.Webデザイナー

Webデザイナーは、Webサイトのデザインを担当する職種です。センスが必要な専門職ですが、基本的な作業を把握し専門知識を身につけることで、未経験者でも転職はできます。しかし、Webデザインのトレンドは日々変わり続けるため、最新のデザインに関する知識やスキルが求められます。そのため、学習し続ける姿勢が必要です。

関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介

Webデザイナーの仕事内容

Webデザイナーは、WebサイトやWebサービスの制作において配色やサイトレイアウト、フォントの選定といったデザインを主に担当します。見た目だけでなく視認性や回遊性といったユーザビリティも含めてデザインを作成することが求められます。作成するサイトはコーポレートサイトやECサイトなどさまざまです。

グラフィックソフトで作成したデザインをサイトに反映するコーディングまで担当することもあります。クライアントニーズを満たすため、近年ではモバイルを含めたレスポンシブデザインが主流であるなど、常にトレンドの情報を追いかけることが重要です。

Webデザイナーに必要なスキル

Webデザイナーは、デザインに関する知識、Adobeなどのグラフィックソフト操作スキル、フロントエンドのコーディングスキル(HTML・CSS)に精通していることは必須です。仕様書やデザインデータの通りに正確に行うスキルが求められるでしょう。

関連記事:Webデザイナーに必要なスキル・スキルマップとは

Webデザイナーの平均年収

2024年2月20日時点でレバテックキャリアにて公開中のWebデザイナーの求人・転職情報で、上位表示されたデータ30件をもとにして、Webデザイナーの想定平均年収を算出しました。Webデザイナーの平均年収は650万円ほどです。下限240万円から、上限は1000万円を超すような求人例もあります。

Webデザイナーの将来性

インターネット広告やホームページ制作などの現場で活躍することの多いWebデザイナーですが、電通が発表した「2021年(令和3年)日本の広告費」によると、インターネット広告の市場はコロナ禍でも成長を続け、マスコミ四媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の広告費を超えました。このことからも、Webデザイナーの需要はしばらく続くと考えられます。

関連記事:Webデザイナーは将来性がない?後悔しないために知るべきこと

2.Webマーケター

Web上でビジネス戦略を行う場合に欠かせないプロモーションを行うWebマーケターも、Web業界の代表的な職種です。Webマーケターには、Web業界の深い知識と必要な情報を選び取るセンスやアンテナが求められます。以下では、Webマーケターの仕事内容や必要なスキル、平均年収、将来性について解説します。

Webマーケターの仕事内容

Webマーケターとは、インターネットを活用したプロモーション活動に従事する職種のことをいいます。Webマーケティングのさまざまな技術やサービスを用いて商品の宣伝や販売を行い、集客やブランド認知向上、売上につなげることが役割です。

オフラインのマーケティングと違って、Webマーケティングは訪問者数や成約率、ページ滞在時間などのあらゆる状態を数字で計測できるため、検証や改善が容易である点がメリットです。代表的なWebマーケティングの施策としては、検索エンジンに上位表示する施策であるSEOや、検索連動型広告やディスプレイ広告などの、有料の出稿媒体を活用するインターネット広告があります。

ほかにも、SNSマーケティング、Webアクセス解析からのデータ分析などの業務があります。また、CRMツールの代替としたリストマーケティングも取り入れられています。

3年前の技術が役に立たないといわれるほど変化の激しい分野であるため、常に新しい情報を仕入れて身につけることが重要です。

Webマーケターに必要なスキル

Webマーケターには、各種インターネットマーケティングに関する知識と技術、戦略設計力、分析力、ロジカルシンキングなどのスキルが必要です。Google AnalyticsやGoogle AdWordsといったマーケティング用ツール、レポーティングのためのExcelが使いこなせることが必須です。

Webマーケターの平均年収

レバテックキャリアが保有するマーケティング求人のデータからWebマーケターの平均年収を計算すると約663万円でした。また、下限平均は約516万円、上限平均は約809万円です。Webマーケターという職種で飛び抜けて高い年収を得ている方は稀ですが、下限平均が高く収入的には安定しやすい職種といえるでしょう。

Webマーケターの将来性

インターネット広告市場は拡大し続けており、Webマーケターの将来性とも密接な関連性があります。近年、SNSマーケティングや動画マーケティングが注目されているように、トレンドとなるプラットフォームの移り変わりは激しいです。しかし、Webマーケティングという仕事がなくなることは考えづらく、Webマーケターも将来性のある職種といってよいでしょう。

3.Web系エンジニア

Web系エンジニアとは、Webコンテンツ全般のシステム開発・保守を担う職種のことです。Web系エンジニアは、主にフロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアなどに分類され、Webシステム構築のためには欠かせない職種といえます。Webサービス開発用の言語をクライアントの要望に合わせて使いこなす必要があり、需要が高い職種です。

関連記事:Webエンジニアが転職を成功させるには?6つのステップで解説

Web系エンジニアの仕事内容

Webエンジニアは、WebサイトやWebサービスに関連するシステムの開発・保守を主に行う仕事です。Webサービスとは、Google ChromeやFirefoxなどのブラウザを通じて、ユーザーにサービスを提供するシステムのことをいいます。身近なものにはECサイトのショッピングカート機能やSNS、動画配信サービスなどが挙げられます。

Webエンジニアは、JavaScriptを用いたフロント開発、RubyやPHPを用いたサーバーサイドの開発などに携わります。担当する領域によって、フロントエンドエンジニアやサーバーサイドエンジニアのように職種が分けられるケースが多く、案件によってはHTMLやCSSを用いてデザインコーディングに携わるケースもあります。

関連記事:フロントエンドエンジニアとWebデザイナーの違い|多角的に比較

Web系エンジニアに必要なスキル

Webエンジニアに必要なスキルは、Webサービス開発用の言語を用いたプログラミングスキル(PHP・Ruby・JavaScriptなど)です。案件によってはサーバー構築を任されるケースもあります。データベース連携するWebサービスがほとんどであり、SQLなどのスキルも求められます。

Web系エンジニアの平均年収

レバテックキャリアが保有するフロントエンドエンジニア求人のデータからWeb系エンジニアの想定年収を計算すると、平均年収は約698万円でした。下限年収は300万円、上限年収は1400万円と年収の幅が広いのが特徴です。高い年収になるほど、優れたスキルやマネージメントスキルなどが求められる傾向が多くあります。

Web系エンジニアの将来性

WebサイトやWebサービスを支えるWeb系エンジニアの需要は、現在既に高い状況ですが将来的にも有望です。自動化やAIの発達による将来性への懸念の声もありますが、保守や改修のようにそもそも自動化が難しい業務もあり、仕事内容が変化していく可能性はあるものの、エンジニアが不要になる将来は現状考えづらいといってよいでしょう。

4.Webライター

Webライターとは、Webサイト上に掲載される文章やキャッチコピー、ネーミングなどの制作を手掛ける専門職です。Webライターの仕事は、Webコンテンツ制作の分野において、デザインと並ぶ重要なクリエイティブな役割を担います。

Webライターが創り出す文章は、Webコンテンツの魅力を大きく左右し、その成否に直結するため、Webコンテンツの制作工程において欠かせない存在とされています。

Webライターの仕事内容

Webライターとは、Webサイト上の文章を書く仕事です。主にWebサイトのコラム記事や広告記事など幅広いジャンルのライティングを行います。

特定のジャンルに限ったWebライターもいますが、ジャンルを絞らず文章を請け負うこともあり、比較的幅広い知識が必要となります。また、文章力は前提として検索エンジンや集客SEOの知識、Googleアルゴリズムの理解などWebサイトや関連コンテンツの専門知識も必要です。

WebディレクターやWebデザイナーがWebライターを兼任する場合もあり、Webライターのみの求人は比較的少なめです。

Webライターに必要なスキル

Web上での集客を意味するWebマーケティングの知識、情報収集能力が大切なスキルです。記事作成にはテキストエディタやオンラインエディタも使用するため、素早く記事を作成する能力も求められるでしょう。

ライティングのみを行うWebライターは少なく、基礎的なコーディングスキルやプログラミング知識、Webデザイン能力があると重宝されます。

Webライターの平均年収

厚生労働省のjobtagによると、Webライターにも含まれると考えられるコピーライターの平均年収は697.6万円でした。同資料では一般的な就業形態として、自営業やフリーランスとして活躍する人材が多いとされています。個人のスキルが正当に評価され収入に反映されやすい職業といえるでしょう。

Webライターの将来性

WebコンテンツのテキストはAIでも作成可能です。しかし、コンテンツにテキストを載せる目的が「SNSでシェアされたい」「特定の人に向けたPR」「実際の体験や対話を掲載する記事」など多様な限り、人が作成した文章にAIが勝ることは現状すぐには考えられません。AIは正しい記事は作成できても、人の感情までは書き起こせないからです。

仮にAIがライティングを担うようになっても、最終チェックや修正を行うのはWebライターです。AIを導入するのに積極的な企業がいないこと、修正や既存記事の見直しをするリライトがあるという点で、Webライターの将来性は決して低くないと考えられます。

5.Webディレクター

Webディレクターはある程度のWeb関連職種からなるメンバーをまとめ、現場の指揮を執る監督的な役割を持ちます。現場側とクライアント側の双方の落としどころを見つけ、Webにまつわる制作を目的に向かって進めることが主な仕事です。

関連記事:
Webディレクターとは?仕事内容や求められるスキルについて

Webディレクターの仕事内容

WebディレクターはいわばWebサイト制作やWebサービス開発における現場監督のような存在です。クライアントからヒアリングしたニーズをもとに企画を立てて調整を行い、メンバー選定やスケジュールの仕様を決定してプロジェクトを立ち上げます。営業に代わって、現場目線で予算の交渉や契約を行う場合もあります。

プロジェクトが立ち上がったらスケジュールに従って、Webデザイナー、Webマーケター、Webエンジニアなどから構成されるチームを率いて、プロジェクト全体を進行・管理します。納品前には、クライアントから求められているニーズを満たせているか品質の最終チェックを行うのもWebディレクターの仕事です。

Webディレクターに必要なスキル

Webディレクターに必要なスキル・知識は、以下のように多岐にわたります。

  • ・Web全般の知識

    ・コミュニケーションスキル

    ・言語スキル(文章力)

    ・ロジカルシンキング

    ・統率力

    ・企画力

    ・提案力

    ・交渉力

    ・問題解決能力

    ・財務の知識

    ・著作権をはじめとしたWeb表示の法律知識

    ・プロジェクトマネジメントスキル

デザインやプログラミングなどの実務スキルは必要ありませんが、プロジェクトを監督する立場上、Webに関する豊富な知識が必要です。一般的には、WebデザイナーやWebエンジニアが経験を積んでから目指すパターンの多い職種です。

関連記事:
Webディレクターに必要な20のスキル|役立つ資格も紹介
Webディレクターにおすすめの資格!効率的な勉強方法も紹介

Webディレクターの平均年収

レバテックキャリアが保有するWebディレクター求人からWebディレクターの平均年収を計算すると、約598万円という結果になりました。Webディレクター兼プロジェクトマネージャーといった求人は高年収になりやすい傾向があります。

関連記事:Webディレクターの年収や必要スキルとは?他業種からの転職についても解説

Webディレクターの将来性

Webサイト、Webサービスの進化スピードは目覚ましく、競合他社に遅れを取らないためには定期的に改修を行う必要があります。

実際に手を動かすのはデザイナーやエンジニアですが、各タスクを取りまとめる舵取り役であるWebディレクターは自動化やAIでは代用が難しい存在であり、今後も必要不可欠といえるでしょう。

関連記事:Webディレクターに将来性はない?今後の需要やスキルアップする方法

6.Webプロデューサー

Webディレクターが現場監督としての役割を持つなら、Webプロデューサーは全体の責任者という立場を持ちます。クライアントとのやり取りも増えるため、多角的な視点でWebプロジェクトを進める必要があります。

Webプロデューサーの仕事内容

WebプロデューサーはWebサイト制作やWebサービス開発のプロジェクトの責任者です。クライアントの要望をくみ取り、制作すべきWebサイトの企画を考えて顧客に提案します。Webディレクターの仕事とも重複する部分もあり、プロジェクトによっては、WebディレクターがWebプロデューサーの業務を兼任することもあります。

Webプロデューサーに必要なスキル

Webプロデューサーに必要なスキルは、Webディレクターとそれほど変わりません。しかし、WebプロデューサーはWebディレクターよりも上流工程を担当するため、広い視野が必要となるでしょう。

たとえば、プロジェクトの企画立案やクライアントとのコミュニケーション、プロジェクトの予算管理などを行えるスキルが必要です。それに加えて、顧客のビジネスを深く理解し、収益を上げるために必要な経営者視点が重要です。

Webプロデューサーの平均年収

レバテックキャリアが保有するWebプロデューサー求人のデータから平均年収を計算すると、Webプロデューサーの平均年収は約623万円という結果になりました。Webディレクターよりも上流工程を担当することから、より平均年収も高くなる傾向にあります。

7.Webプランナー

クライアントから要望を聞き取り、Web的戦略を立てるのがWebプランナーです。制作するWebサイトへの深い理解が必要となり、Webディレクターが兼任する場合も多い仕事となります。以下では、Webプランナーの仕事内容や必要なスキル、平均年収、将来性について解説します。

Webプランナーの仕事内容

Webプランナーは、クライアントの要望やイメージを元に、制作するWebサイトやWebサービスのプランを立てる職種です。立場的には、WebプロデューサーとWebディレクターの間に存在するイメージです。Webディレクターよりもクライアントよりの仕事といえるでしょう。

しかし、Webプランナーという職種で分けることは日本ではあまり少なく、会社やプロジェクト規模次第で上記業務を営業かWebディレクターが担当するケースが多いです。

Webプランナーに必要なスキル

WebプランナーはWebサイトやWebサービスをプランニングする職種なので、Webサイト全般の知識が必要です。場合によってはクライアントの要望をヒアリングすることもあるので、それにふさわしいコミュニケーション能力も求められるでしょう。

Webプランナーの平均年収

レバテックキャリアが保有するWebプランナー求人のデータから平均年収を計算すると、Webプランナーの平均年収は約599万円という結果になりました。Webプランナーという職種自体がそれほど認知されていなく、WebディレクターがWebプランナーの業務を兼務することも多いです。そのため、Webディレクターの平均年収とほぼ変わらないと考えて差し支えありません。

8.Webオペレーター

Webオペレーターとは、Webサイトの運用・管理を主に担う職種です。Webサイトの情報更新や顧客とのやり取りがメインです。以下では、Webオペレーターの仕事内容や必要なスキル、平均年収、将来性について解説します。

Webオペレーターの仕事内容

主な仕事内容はWebサイトの情報更新や不具合対応、カスタマー窓口などで、サイト全体の運用や管理を行います。Webオペレーターが開発やスタートアップに立ち会うことはなく、ほとんどの場合で既存Webサイトと関わります。

Webオペレーターは企業によって業務内容の違いが大きく、事前に仕事内容を確認する必要があります。必須スキルは必要なく、マニュアルさえあれば始められる未経験からでも参入しやすい職種です。

Webオペレーターに必要なスキル

必要なスキルとしては、問い合わせに答えられるためのWeb制作に関する知識、基本的なパソコン操作など、難しい技術は求められません。また、Webサービスによっては対応時間が決められていることもあり、ライフワークバランスが取りやすい職種でもあります。

Webオペレーターの平均年収

Webオペレーターは業務委託やアルバイト・パート採用が多く、時給換算すると始めたばかりのオペレーターで1,200〜1,800円が相場といわれています。年収換算すると250〜350万円となり、副業や時短で働きたい人向けの仕事といえるでしょう。

9.Webコーダー

Webコーダーとは、Webライターが作成したテキスト、Webデザイナーの制作した画像やデザインなどを、Web上で閲覧できるように記述(コーディング)する職種です。Webサイトを指定されたデザイン通りに仕上げるには、そのデザインを正確に表現する技術力と、精密なコーディングの知識が欠かせません。以下では、Webコーダーの仕事内容や必要なスキル、平均年収、将来性について解説します。

Webコーダーの仕事内容

主な業務内容として、コーディング作業や文章構造の設計、制作ページのデバッグなどが挙げられます。コーディングにはHTMLやCSSの知識が必要であり、バグを見つけて修正もすることから、コーディングの知識が必要不可欠です。

Webエンジニアとの違いは、Webコーダーがコーディングをするのに対して、Webエンジニアは開発業務にも携わります。Webコーダーとしての経験を積み、Webエンジニアに転身する人も多いです。

Webコーダーに必要なスキル

最近では視覚的に操作できる記述不必要なWebツールも増えつつありますが、クライアントの細かな要望に答えられるコーディングスキルの高いWebコーダーは市場価値が高いです。基本的なコーディングスキルに加えて、SEOやWeb制作の知識があるとWebコーダーとしての活躍の場を広げられます。

また、バグを修正するデバッグも仕事内容に含まれるため、コンテンツ管理の知識・スキルも必要です。

Webコーダーの平均年収

レバテックキャリアが保有するWebコーダーの求人データから平均すると、およそ535万円が平均年収です。求人の中には年収800万を超えるものもあり、コーディングだけでなくWebエンジニアとしての仕事も任せられるようになると、年収アップが期待できます。

未経験からWeb業界の仕事へ転職するには

Web業界は、Webに関するさまざまな職種が存在します。そのため、未経験で転職しやすい職種もあれば、Web業界における一定以上の経験が求められやすい職種もあります。ここでは、未経験からWeb業界の仕事に転職するためのポイントについてお伝えします。未経験からWeb業界に転職を検討する際の判断材料として役立ててください。

関連記事:未経験からWeb業界へ転職する方法を職種別に解説

未経験から転職しやすい職種

未経験から転職しやすい職種としては、WebデザイナーやWeb系エンジニア、Webライターが挙げられます。これらの職種に転職するには、必要なスキルを身につけ、実績を作り、成果物として提出できるポートフォリオを準備しておきましょう。ポートフォリオを作ることで、自分の実力を選考段階でアピールできるようになります。

未経験からの転職は難しい職種

WebディレクターやWebプロデューサーは、Webサイト制作やWebサービス開発に関する幅広いスキルや知識が求められるため、未経験可の中途求人は少ない傾向にあります。

これらの職種を希望している方は、Web業界の第一歩として、まずはWebデザイナーやインフラエンジニア、コーダーとして転職し、現場での実践を積んでから目指すことを検討するとよいでしょう。

関連記事:未経験からWebディレクターになるには?転職のポイントを解説

志望動機の解像度を上げる

未経験の場合、経験者と比べると業務に直結するスキル面ではどうしても見劣りしてしまうため、志望動機でのアピールは重要なポイントになります。しかし、熱意ばかりが先行して志望動機が抽象的な内容になってしまうと、「自社への志望度がそこまで高くないのでは?」という印象を採用担当に与えてしまいがちです。以下の4つをおさえつつ、具体的なエピソードも交えて志望動機を伝えられるようにすると、より好印象を与えやすくなります。

  • ・なぜその業界/職種で働きたいと思ったのか

    ・数あるWeb業界の会社の中で、なぜその会社を志望したのか

    ・現在のスキルや経験をどのように活かせるか

    ・将来、Web業界で自分がどうなりたいか(キャリアプラン)

関連記事:
Webデザイナーの志望動機の書き方|書き方のポイントを例文つきで紹介
Webディレクターの志望動機の書き方のコツを例文付きで徹底解説

業界研究を入念に行う

志望動機の解像度を上げるためには、自分の意向やスキルを振り返ることも大事ですが、業界研究を入念に行うことも大切です。ここでいう「業界」はWeb業界という大きな枠組みではなく、ECやSaaS、インターネット広告など「志望する企業がビジネスを行っている業界」を指しています。

自分の志望する業界については、業界研究として以下の4つを最低限押さえておき、志望動機を考えるというステップを踏むことをおすすめします。

  • ・現在の市場規模

    ・業界の課題

    ・将来の展望

    ・最新ニュース

エンジニアなど作業系職種の経験があると転職に有利

Web業界にはさまざまな職種があり、未経験からでも挑戦できる職種も多く存在します。ただし、WebディレクターやWebマーケターのような上流工程の職種は難易度が高いと考えたほうがいいでしょう。

まずはWebエンジニアといった作業系職種で経験を積むことが、キャリア形成上有利になることが多いです。Web制作やエンジニアリングの現場経験があると、予期せぬ問題が生じた際に対処できる能力が養えます。

Web業界での長期的なキャリアを目指す方には、作業系職種の実務経験を積むことをおすすめします。

関連記事:SIer・SESや未経験からWeb系企業への転職を成功させるには

キャリアプランを明確にする

志望動機の書き方やそもそもの会社選びにあたっては、キャリアプランを明確にしておく必要があります。Web業界は技術革新のスピードが目覚ましく、トレンドとなる分野やスキルも移り変わりが激しいため、描いたキャリアプラン通りに5年後、10年後と歩みを進められるとは限りません。

しかし、「将来のことは分からないからあまり考えないようにする」というのはおすすめできません。採用担当はキャリアプランの「実現可能性」よりも「一貫性・論理性」を重視して見ることが多いです。

そのため、将来的にキャリアプランが変わる可能性があることは当然として、現時点でのキャリアプランから逆算して「~であることから、まず●●の実務経験を積みたいと考えました」といった形に落とし込めると、その職種に就きたい理由として説得力が上がるでしょう。

関連記事:Webディレクターの転職状況|成功のコツやキャリアパス例も

Web業界の仕事に関するよくある質問

Web業界への転職を検討している方から、Web業界の仕事に関するさまざまな質問が寄せられます。よくある質問には、文系からの転職についての疑問や在宅勤務など勤務形態に関するものなどが挙げられます。ここでは、Web業界の仕事に関するよくある質問に回答します。この内容を通じて、Web業界への転職に対する不安や疑問を解消し、転職活動に役立ててください。

Q1. Web業界への転職は文系からでもできますか?

文系からの転職も可能です。Web業界は出身学部や学歴、年齢、性別による差はなく、未経験からも比較的転職しやすい業界といえます。特定の職種は経験が必要とされるため、それらの職種につきたい場合には下流工程を担う職種などで経験を積みチャレンジすると良いでしょう。

Q2. Web業界は残業が多いですか?

働く業種や職種次第といえます。制作会社や代理店などはクライアント事情に合わせて動く必要があるため、残業が多くなりやすい傾向にあると考えられます。同業種・職種であっても、企業によって違いがあるでしょう。

Q3. Web系の職種だと在宅で仕事ができますか?

Web系の職種は遠隔でも作業ややりとりが完結できるため、在宅によるリモートワークがしやすいといえます。一部のクライアントによっては対面での打合せを希望される企業もいるため、窓口に近い職種に関しては、出社の可能性もあります。

Q4. Web業界とIT業界の違いは何ですか?

ITとは情報技術を指します。IT業界とは、システム開発やアプリケーションの開発、スマートフォンアプリやゲームなど、コンピュータに関係するほぼすべてのビジネスを包括的に指す言葉です。

Web業界もコンピュータを活用する業務を行うため、IT業界という大きな枠組みの中にWeb業界が含まれているイメージです。

Q5. Web業界に向いている人とはどんな人ですか?

Web業界に向いている人は、論理的に物事を考える人や集中してタスクを遂行する持続力がある人、コミュニケーション能力が高い人、常に自己改善を求める意欲がある人などです。このような特徴のある人は、Web業界での活躍が期待されるでしょう。

まとめ

Web業界は多岐にわたる職種が存在し、市場の拡大が年々見られる注目の分野です。一見なじみが薄いですが、Web関連職種の中には未経験からでも入りやすいものも存在します。

リモートワークもしやすく、従来の働き方の常識を覆すWeb業界で自分にぴったりの仕事を見つけたら、まずは業界知識を学び今後のキャリアプランに活かすとよいでしょう。Web業界に興味がある方は、本記事を参考にWeb業界への転職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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