PHPの資格は何がある?種類・難易度・出題範囲などを徹底解説

最終更新日:2024年3月12日

PHPは動的なページやコンテンツを作成するのに適したプログラミング言語であり、Webシステム開発の場面でよく活用されているのが特徴です。Webだけに留まらず、ゲームや基幹システムの開発に用いられることもあります。

本記事では、PHPエンジニアを目指す方に向けてPHPの知識を体系的に身に付けるのに役立つ資格試験を紹介します。また、勉強方法や資格取得のメリットについても解説します。

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この記事のまとめ

  • PHP技術者認定試験はPHPのバージョンに応じて、初級と準上級/上級の2種類ある
  • PHP資格の勉強は認定スクールに通うことで短期間で取得を目指せる。また認定教材や無料で利用できる学習サイトもあるため、独学でも学習可能
  • PHPの認定資格を取得することでPHPに関する技術力を対外的にアピールできるため、転職や社内評価の向上を目指せる

PHP技術者認定試験の概要と種類

最初に、PHP技術者認定試験の概要と試験の種類ごとの詳細を説明します。

PHPとは

PHP(正式名称Hypertext Preprocessor)は、Webシステムの開発においてよく用いられているプログラミング言語です。動的なページ・コンテンツの制作に向いています。Webシステムのみならず、ゲームや基幹システムの開発にも用いることも可能です。

資格の概要

PHP技術者認定試験は、一般社団法人PHP技術者認定機構が主催する資格制度です。受験者のPHPスキルを評価し、雇用機会・事業機会の拡大を目的として運営されています。全国200箇所で、一年を通じて実施されて、挑戦しやすい資格試験です。

資格の種類は、PHP5技術者認定初級試験、PHP5技術者認定上級/準上級試験、PHP5技術者認定ウィザードなどがあります。以下に、それらの試験内容の詳細をまとめています。

PHP5技術者認定初級試験

概要 PHPプログラミングスキルの基礎力を測る試験
ITスキル標準 レベル1
受験料 12,000円(税抜)
試験会場 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
試験日 ほぼ一年中実施
設問数 40問
試験時間 1時間
合格ライン 7割正解
出題形式 選択式(複数または単一選択)

PHPプログラミングスキルの基礎力を測る試験です。ITスキルの体系的な指標であるITスキル標準では、レベル1に設定されています。出題範囲は、テキスト・数の操作をはじめ、配列操作や関数、データベースへの情報保存など、基本的な内容です。

合格率は、独学の人が75パーセント、認定スクール生が85パーセントとなっており比較的合格しやすい試験となります。受験料は税抜12,000円。指定された学校に通う学生であれば、学生割引の適用が可能です。

また協賛会社に参加することで、最大15パーセント割引となります。

PHP5技術者認定上級/準上級試験

概要 PHPの言語仕様から実用的なプログラミングテクニックまでの知識を問う試験
ITスキル標準 準上級試験 レベル2 上級試験 レベル3
受験料 15,000円(税抜)
試験会場 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
試験日 ほぼ一年中実施
設問数 60問
試験時間 2時間
合格ライン 7割以上の正解 上級試験合格(1050~1500点/1500点) 5割以上~7割未満の正解 準上級試験合格(750~1049点/1500点)
出題形式 選択式(複数または単一選択)

PHP7技術者認定初級試験

概要 PHPプログラミングの基本知識を問う試験
ITスキル標準 レベル1
受験料 12,000円(税抜)
試験会場 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
試験日 ほぼ一年中実施
設問数 40問
試験時間 1時間
合格ライン 7割正解
出題形式 選択式(複数または単一選択)

PHPプログラミングスキルの基礎力を測る試験です。PHPのバージョンPHP7に対応しています。

PHP8技術者認定上級/準上級試験

概要 PHPの言語仕様から実用的なプログラミングテクニックまでの知識を問う試験
ITスキル標準 準上級試験 レベル2  上級試験 レベル3
受験料 15,000円(税抜)
試験会場 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター
試験日 ほぼ一年中実施
設問数 30問
試験時間 2時間
合格ライン 7割以上の正解 上級試験合格(1050~1500点/1500点) 5割以上~7割未満の正解 準上級試験合格(750~1049点/1500点)
出題形式 選択式

PPHPプログラミングの中級者から上級者向けの試験です。現在のPHPの最新バージョンであるPHP8に対応しています。

PHP技術者認定ウィザード

PHP技術者認定試験における、最も高位の資格に位置付けられています。

上級試験でスコア90点(90%)以上を取得した方が、所定の文章(PHP認定ウィザードに関する所信表明、PHPが好きなところ、将来の夢・展望、PHPコミュニティ活動や、勉強法など)を提出して承認された場合、認定ウィザードとされます。

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未経験からPHPエンジニアになるには

PHP技術者認定試験の難易度

ここからは、これまでに紹介したPHP技術者認定試験の難易度について解説します。

初級:ITSSレベル1

初級は、PHPプログラミングの基礎的な知識を確認するための試験です。経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」において、レベル1に位置づけられます。情報処理技術者試験に当てはめると、ITパスポート試験相当の難易度です。。初級は学生や新人プログラマーを対象としており、合格率も70%程度と高いため、初学者でも比較的取得しやすい傾向にあります。

準上級:ITSSレベル2

上級・準上級試験は、3年程度の実務経験を有するPHPエンジニアを対象にしており、PHP知識と実用的なプログラミング能力を確認する試験です。準上級はITSSレベル2に位置づけられます。また、基本情報技術者試験レベルに該当します。準上級はPHP技術者認定上級・準上級試験で得点率が50~69%の場合に認定されます。

上級:ITSSレベル3

上級はITSSレベル3に位置づけられます。また、応用情報技術者試験レベルまたはそれ以上のレベルに該当します。上級はPHP技術者認定上級・準上級試験で得点率が70%以上の場合に認定されます。上級は合格率が10%と難易度が非常に高く、持っているだけで高度なPHP技術者である証明になります。

参考:認定ウィザード

認定ウィザードは上級・準上級試験で得点率が90%以上の場合かつ所定の文章(500文字以上)を提出し、審査に合格した場合に認定を受けられます。高難度の上級試験を高い得点率で合格し、論文提出が必要となるため、知識だけではなくより実践的な能力が必要となります。しかし、PHPの認定資格で最高位の認定となるため、興味があれば目指してみてはいかがでしょうか。

PHP資格の勉強方法

PHP資格の勉強方法

次に、PHP資格の勉強方法について紹介します。

認定スクールに通う

短期間で確実に資格を取りたい方は、スクールの利用がおすすめです。一般社団法人PHP技術者認定機構には、「ゴールド認定スクール」「シルバー認定スクール」「学割プログラム参加校」の3種類の認定スクールがあります。

学割プログラム参加校に在籍する学生は、PHP技術者認定初級試験とPHP技術者認定上級試験の受験において学割価格を利用できます。

認定教材で学ぶ

試験対策には、主教材である『初めてのPHP5 増補改訂版』をはじめ、『PHP公式資格教科書 PHP5技術者認定初級試験合格教本』『徹底攻略PHP5技術者認定[初級]試験公式問題集』といった認定教材が活用できます。

初級試験向けには、公式Webサイト内でダウンロード可能な無料教材が公開されています。また、上級試験にも参考URLや模擬問題も紹介されているので、独学での合格を目指す方はそれらを積極的に利用してみましょう。

模擬試験を受けて受験に備える

受験本番を迎える前に、模擬試験を受けることも大切です。ネットで「PHP 模擬試験」等で検索するとPHPの模擬試験を無料で受けることができます。模擬試験を受けることで「今どれだけ理解できているのか」「理解できていない分野は何か」を明確にすることができ、本番に向けた学習をより効率的に行えます。

勉強に役立つサイト

独学の場合はプログラミング学習サイトを利用するのも有効です。次のようなサイトがPHP資格の勉強に役に立ちます。いずれも動画コンテンツを用いたオンライン学習が基本です。

Progate

言語バージョンはPHP7に対応しています。学習の目安時間は4時間程度です。変数、条件分岐、配列、繰り返し処理、関数などのPHPの基礎的な知識を学ぶ内容となっています。

ドットインストール

言語バージョンはPHP7に対応しています。PHPの基礎から実践的なWebサービスやデータベースシステムの開発まで学べます。基礎レベルのレッスンは無料で公開されていますが、高度な内容のものは有料のプレミアムサービスへの登録が必要です。

Udemy

PHPの基礎から応用までニーズにあったコースを受講できます。1800円からの有料コースです。Udemyは買い切り型のコンテンツなので、購入後は時間や費用を気にせず自分のペースで学習できます。

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PHPエンジニアの年収はどのくらい?フリーランスの単価相場も紹介

PHP資格を取得するメリット

最後に、PHP資格を取得するメリットについて確認しておきましょう。

知識を体系的に身に付けられる

PHP資格を取得するメリットとして、PHPに関する知識を体系的に身に付けられる点が挙げられます。上位の資格取得を目指して学習を継続することで、着実にスキルアップしていくことができるでしょう。実際に資格取得者は、PHPを扱うエンジニアとして高度なPHP開発力を有する技術者として認定されます。

技術力のアピールになる

PHPは、サーバーサイドにおいて高いシェアを誇る言語です。国内市場における求人・案件数が多く、その種類もWeb・オープン系やEC系、ゲーム系など多種多様。そうした求人・案件に応じるにあたり、PHP資格は同言語を操る基礎力・応用力を保有しているというアピールに繋がる可能性があります。

関連記事:PHPの将来性の噂を検証!現状から今後の需要まで徹底解説

PHPの資格に関するよくある質問

この章では、PHPの資格に関するよくある質問について回答します。

Q1. PHP技術者認定試験は国家資格ですか?

PHP技術者認定試験とは、2011年2月に設立された「一般社団法人 PHP技術者認定機構」が運営する民間資格です。国家資格ではありませんが、PHPの資格として幅広く認知されています。そのため、国家資格と遜色なく技術力をアピールできます。

Q2. PHP技術者認定試験の合格に必要な勉強時間は?

初級試験の合格に必要な勉強時間は、プログラマーとして2年程度の実務経験がある場合は約10時間です。また上級/準上級試験の合格に必要な勉強時間は、実務経験が5年程度ある場合には約50時間となります。ただし、現時点でPHPやプログラミングに関する知識をどの程度有するかにもよって異なるため、参考程度の勉強時間となります。

Q3. PHP技術者認定試験の有効期限は?

PHP技術者認定資格の有効期限はありません。そのため一度取得すれば、「一般社団法人 PHP技術者認定機構」が無くならない限り永久に有効となります。PHP5など、バージョンによっては将来的に取り扱いを終了し、新しいバージョンに移行することは考えられます。しかし、取り扱いが終了した場合も、取得したPHP5の認定資格が失効することはありません。

まとめ

PHP資格について、試験内容や勉強法などを紹介しました。PHPは比較的習得しやすい言語と言われていますが、実践的なWeb開発やゲーム開発には高度な知識も必要です。資格を取得してPHPエンジニアとしてのスキルと実務能力を高めましょう。

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この記事の監修

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