- フロントエンドエンジニアのキャリアパスが豊富な理由
- フロントエンドエンジニアのキャリアパスと必要なスキル
- キャリアパスを描く際の3ステップ
- フロントエンドエンジニアの仕事内容
- フロントエンドエンジニアのスキルを証明できる資格
- フロントエンドエンジニアの将来性
- フロントエンジニアに関するQ&Aはこちら
- まとめ
フロントエンドエンジニアのキャリアパスが豊富な理由
Web制作の現場においてフロントエンドエンジニアはHTMLやCSS、JavaScriptなどを駆使してWebサイトを実際に動作するように作り上げる仕事を担っています。WebデザイナーやWebディレクター、サーバーサイドのプログラマーなどとチームを組んで仕事を進めることもあります
このように多くのクリエイターやエンジニアとコミュニケーションしながら仕事を進めていくことから、仕事を通じてWeb制作に関する幅広い知識を身につけることができます。このようにほかの職種の仕事内容のイメージが付きやすいことから、幅広いキャリアパスを描きやすいといえるでしょう。
フロントエンドエンジニアのキャリアパスと必要なスキル
Webサイトの複雑化や高機能化にともない、フロントエンドエンジニアが担当する業務は広がり続けています。そのような状況のため、フロントエンドエンジニアには様々なキャリアパスが考えられます。フロントエンドエンジニアからはどのような職種が目指せるのでしょうか。その種類と磨くべきスキルを詳しく解説します。
関連記事:
フロントエンドエンジニアの仕事内容とは?スキルや年収、やりがいも解説
フロントエンドエンジニアに必要なスキル|勉強法も一挙紹介
フロントエンド全体への理解を深めるのに必要なスキル
フロントエンド全体への理解を深めるためには、まず基本となるHTML・CSS・JavaScriptの習熟が必須です。これらは基本的かつ古い技術ですが、現在でもバージョンアップが続けられており、数年おきに新しい仕様が策定されています。
特にJavaScriptはHTMLやCSSとは異なり、高度な知識が求められるプログラミング言語です。これまでもjQueryやReact.jsなどのライブラリやフレームワークが流行したことからわかるように、今後も新しい技術が誕生する可能性があります。特にJavaScriptの周辺技術の動向には目が離せません。
フロントエンドエンジニアとしてスペシャリストを目指す
HTMLコーダーやマークアップエンジニアの上位職であるフロントエンドエンジニアとして、今よりもさらに技術を磨くことでスペシャリストとして活躍できます。フロントエンドエンジニアのスペシャリストとなるためには、現在のスキルを高めるための努力を惜しまず、さらに新しい知識や技術を積極的に身につけようとする努力が必要です。
求められるスキル
フロントエンドエンジニアに求められる具体的なスキルとしては、HTML・CSS・JavaScriptのコーディングスキル、設計スキルなどです。詳細はプロジェクトによって異なりますが、少なくとも仕様に従ってWebサービスのフロントエンド側を一人で作れる必要があります。
設計については、繰り返しコーディング側の作業をしていることで身に付いていきます。設計書に従ってコーディングを行うので、設計書に触れる機会も多いからです。ただし上流工程をどれだけ意識するかによってもスキルアップのスピードが変わってくるので、設計や、可能であれば要件定義まで意識してコーディングするのが良いです。
適性
フロントエンドに向いている人、サーバーサイドに向いている人、というのは特にありません。どちらかというと、サーバーサイドはロジックが複雑な分苦手意識のある人もいるかもしれません。フロントエンドに特化するよりも、サーバーサイドとフロントエンドの両方できるようになることを目指すのがおすすめです。
肩書きがフロントエンドエンジニアであっても、サーバーサイドのスキルも有することでエンジニアとしての需要が高まります。
Webデザイナーに転職する
フロントエンドエンジニアからWebデザイナーに転職するのもキャリアパスの一つでしょう。フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーが制作したデザインデータをもとにしてHTMLやCSSを記述する仕事ですが、「自分もデザインの仕事をやりたい」とWebデザイナーに興味を示すケースは少なくありません。
関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介
求められるスキル
Webデザイナーに求められるのは、PhotoshopやIllustratorのようなグラフィックソフトの操作スキルと、デザインに関する一般的な知識です。2020年ごろからAdobe XDやFigmaという新しいグラフィックソフトを使うことも増えてきました。
Webサイトの目的や業種によって、デザインに取り入れる傾向はある程度決まっています。例えば女性向きのWebサイトであれば、女性らしさを感じるデザインや、少し堅い業種のWebサイトであれば、しっかりとしたレイアウトでスッキリとまとまったデザインなどです。
Webデザイナーとしてのセンスはもちろん重要ですが、クライアントのニーズや業種にふさわしいデザインを制作するために、常にデザインの引き出しを増やす努力も必要です。
適性
まずはWebデザイナーに必要な適性の一つに、他のWebデザイナーが制作した豊富なデザインを見て、新しいことを積極的に取り入れる柔軟さがあげられます。
WebデザインはWebサイトの訪問者が最初に見るポイントです。訪問者は自分が制作したWebサイトだけでなく、様々なWebサイトを見ています。訪問者に違和感を覚えさせたり、なんとなく使いづらい印象を与えたりすると、訪問者はすぐにそのWebサイトから離脱してしまいます。
流行りのデザインや使いやすいデザインを追求して、自分の仕事に取り入れることで、Webデザイナーとしての感性が磨かれて良い仕事ができるようになります。
UI・UXエンジニアに転職する
UI・UXエンジニアはWeb制作業界の中でも比較的新しい職種です。UIとはユーザーインターフェースのことです。人とWebサイトをつなぐ接点を表しています。Webデザインの見た目のデザインだけでなく、ボタンやテキストなど様々な要素を含めた情報をUIと言うことが一般的です。
UXとはユーザーエクスペリエンスのことです。Webサイトの訪問者がWebサイトを操作して得られる経験や体験を表している言葉です。使いやすいWebサイトを訪問した時に、「使いやすい」と感じることや、必要な情報を得られた時に「わかりやすい」と感じる体験をUXという言葉で表しています。
UI・UXエンジニアとは、Webサイトの視覚的な表現に加えて、情報へのアクセスや使い勝手を実装するエンジニアのことを言います。
求められるスキル
UI・UXエンジニアはWebデザイナーのようにPhotoshop®やIllustrator®といった定番のグラフィックソフトに加えて、Adobe XDやSketchなどのプロトタイピングツールを使用することもあります。さらにこれらのグラフィックソフトの操作方法だけでなく、優れたUIを設計し、リッチなUXを実現するためのスキルが求められます。
WebサイトのUI・UXは静的なデザインだけでなく、アニメーションなどの動的なデザインにも関わります。Webサイト上でキーボードやマウスを操作した時に、Webサイト上で要素がどのように変化するのか、ちょっとした動き一つをとっても見過ごすことはできません。
またUI・UXの改善により、コンバージョンにどのように影響したのか測定するのもUI・UXエンジニアの業務です。ツールとしてGoogle Analyticsを使ったユーザーの行動分析を行うため、セグメント抽出やカスタムレポートなどのGoogle Analyticsの高度なスキルも求められるでしょう。
一つ一つの改善は地道な仕事ですが、それを積み重ねることで大きな成果をあげられます。
適性
UI・UXエンジニアにはWebサイトのパーツに過ぎない一つのボタンに対しても、「よりクリックされるボタンにするにはどうするべきか」を考えて改善を続ける根気強さが必要です。きれいなデザインやかっこいいデザインのWebサイトと、目的を達成して高い成果を上げるWebサイトは少し異なることを意識しなければなりません。
Webディレクターに転職する
Webサイト全体の進行管理を行うWebディレクターへ転職する道もあります。Webディレクターは、プロジェクト計画の立案・提案、顧客との折衝、マネジメントなどの業務を行うプロジェクトの責任者です。フロントエンドエンジニアのスキルを活かせる業務に従事するだけでなく、Webディレクターとして新しいスキルを身につける必要があります。
関連記事:Webディレクターとは?仕事内容や求められるスキルについて
求められるスキル
WebディレクターはWebサイト制作における多くのスタッフを取りまとめてプロジェクトを推進する仕事です。スケジュール管理、品質管理、人員管理などのプロジェクトマネジメントスキルに加えて、Web開発の技術動向やデザイン動向の知識や提案力、交渉力なども求められるでしょう。
適性
WebディレクターにはWebサイト制作に関わるクライアントやクリエイターとの円滑なコミュニケーションが必要なので、人付き合いを苦痛に感じないことが適性として必要です。多くのWeb制作者がパソコンに向かってHTMLを書いたりグラフィックソフトを操作したりしているので、中には人付き合いが苦手なWeb制作者もいます。
特に高度なWeb制作スキルを持つフロントエンドエンジニアならなおさらかもしれません。もしこれからWebディレクターを目指すのであれば、Webサイトの技術面だけでなく、他のクリエイターやクライアントとのコミュニケーションを大切にする姿勢が求められることは意識しなければなりません。
Webマーケター
WebマーケターはSEO対策や市場のニーズを探る業務を行います。Webマーケターによって、どのように業務を進めるかは異なります。技術力があってエンジニア寄りの分析手法を用いるWebマーケターもいれば、技術的にはツールを使用する程度で、あとはコンテンツを見て提案する、といった手法のWebマーケターもいます。
求められるスキル
Webマーケターに求められるスキルは幅広いですが、いずれも必須というわけではありません。たとえばエンジニアとしての技術力があればより良い、多くのコンテンツを日頃見ていて消費者ニーズをよくわかっている方がより良い、といったことがあります。
しかしどのスキルをどのように役立ててマーケティングを行うかは人や状況によって異なるため、最終的に必要なスキルは環境によって変わってきます。エンジニア出身のWebマーケターであれば、技術力を活かす場合が多いでしょう。
適性
Webマーケターには幅広い視野と細かい分析の両方が求められます。まず消費者ニーズや市場動向を大枠で把握するには、幅広い視野、視点が必要です。マーケティングを行う際には、まずはこの大局的な見方が重要になります。
ただし大局的な見方だけで終わると、サービスをよく見ている一般消費者などとあまり変わりません。そこで重要になるのが細かい分析です。大局的な見方で全体を捉えたら、そこからは根気強く細かい分析を行い、最終的に収益に結びつくような提案を行います。
プログラマーに転職する
フロントエンドエンジニアは、JavaScriptなどのプログラミング言語やフレームワークをこなす仕事であることから、プログラマーへの転職も視野に入れられます。フロントエンドエンジニアはWebサイトのフロントエンドを担当する仕事ですが、PHPやRubyなどのサーバーサイドのプログラミング言語に触れることもあります。このようなサーバーサイドのスキルに触れたことで、フロントエンドとサーバーサイドの両方のスキルを使いこなせるプログラマーになれるでしょう。
関連記事:プログラマーの仕事内容をわかりやすく解説!必要なスキルも紹介
求められるスキル
プログラマーへ転職するにあたり、最も重視されるのがプログラミング言語やアルゴリズムなどの知識です。それに加えてGitなどのソースコード管理の知識や、サーバーサイドのプログラミング言語であるPHPやRubyの知識、MySQLなどのデータベースのスキル、各種フレームワークなど幅広いスキルを身に付けることで、市場価値の高いプログラマーへと成長できます。
適性
物事を論理的に考えられる方や、新しい技術に対して興味を持てる方が向いています。同じような仕事を繰り返すのではなく、積極的に新しい技術やスキルを学び、仕事に生かそうとする姿勢がなければ、進化の早いWeb制作業界で取り残されてしまうかもしれません。
またWebデザイナーやWebディレクターなどほかの職種との円滑なコミュニケーション能力も必要です。指示された仕事をしっかりと行うことはもちろん、より良いWebサイトを制作するために自身はプログラミングの専門家として、提案できることはしっかりと提案しましょう。
SEに転職する
プログラマーよりも一段階上流の工程を担うSEに転職することも可能です。SEはシステム開発の担当者であることから、サーバーサイドのエンジニアから目指すことが一般的ですが、フロントエンドエンジニアからの転職も十分に可能です。
求められるスキル
SEはクライアントが希望するWebサイトの機能を直接ヒアリングし、システム部分の要件定義や設計、開発などのディレクションを担当します。そのためフロントエンドとバックエンドの両方のプログラミングスキルに加えて、仕様書を作成するためのドキュメント作成スキル、クライアントや制作現場と円滑にコミュニケーションできる能力も重要です。
適性
フロントエンドエンジニアやプログラマーにはWebサイト制作の技術面が強く求められますが、それらよりも一つ上流工程のSEには、クライアントのニーズをヒアリングするスキルや、課題を解決できるシステムを分かりやすく提案するコミュニケーション能力も重要です。
もちろん、技術を学び続ける学習意欲の高さや、予期せぬトラブルや膨大な仕事量に対応できる精神的なタフさを持ち合わせていることもSEを目指すうえでの必要な適性です。
フルスタックエンジニアに転職する
フルスタックエンジニアとは、Webサイト制作の全工程を任されるほどの広い範囲の技術と知識を持ったエンジニアです。Webサイトのデザインからコーディング、プログラミング、ディレクション、マーケティングなど幅広く担当するため、非常に希少価値の高いエンジニアと言えるでしょう。
関連記事:未経験からフルスタックエンジニアになるには?1年間でやったこと【インタビュー】
求められるスキル
フロントエンドエンドエンジニアからフルスタックエンジニアを目指す場合、まずはWeb制作に必要なスキルを1つ選んで学習し、それがある程度身についたら、さらに別のスキルを目指す、というやりかたでスキルを高めるのがおすすめです。
具体的にはPhotoshop®やIllustrator®のようなグラフィックソフトの操作を覚えてWebデザインの仕事からスキルを身につけて、ある程度、業務で通用するようになったら、今度はPHPやRubyなどのプログラミング言語を覚えるという要領です。
またサーバーサイドのスキルもフルスタックエンジニアには必要です。サーバーサイドで動作するOS(特にLinux)に関するスキルが重要です。NginxやApache等のサーバーソフトウェアや、MySQLやRDS等のデータベースを扱うスキルも求められるでしょう。
また、PHP、Ruby、Javaなど、サーバーサイドで使用する言語を習得する必要もあります。近年では、クラウドサービスを使ってサーバーを構築するケースが多いため、AWSやAzureのスキルがあるとさらに高い評価を得ることができます。
他に求められるスキルとしては、Webマーケティングのスキルや、Web制作の上流工程であるWebディレクターのスキルなどです。
適性
フルスタックエンジニアになるために必要な適性の一つは、Web制作業界全体を俯瞰できる視点を持てるかどうかです。Web制作に関する技術は、この仕事が好きな人にとってはどれも魅力的ですが、自分が好きな技術や身につけたい技術をやみくもに学習するのは効率が悪くおすすめできません。
Web制作業界を冷静に捉えて、現在の市場や将来に流行りそうな技術動向を見極めて、市場ニーズの高い技術から優先して身につけましょう。Web制作に関する技術は多数あるため、それらのスキルを幅広く身に付けるための勤勉さも求められます。
フリーランスとして独立する
フロントエンドエンジニアは独立しやすい職種です。エンジニア全般独立しやすいのですが、フロントエンドの開発は特にフリーランス向けの案件が豊富です。フリーランスエンジニアとして独立するためにはどのようなスキルや適性が必要なのか解説します。
求められるスキル
フリーランスのフロントエンドエンジニアに求められるスキルは、会社員のフロントエンドエンジニアに求められるスキルとほぼ同じです。強いて言うなら、自分で仕事をもらう必要があるので実績をアピールする力や営業力は求められます。
しかし、フリーランス用の案件紹介サイトなどを使えば、プラットフォームに従って実績をアピールすることができ、また営業についても半自動的にマッチングが成立します。そのため、フリーランスとして仕事をもらう流れに慣れる必要はありますが、基本的にはフリーランスでも会社員でも求められる開発スキルは同じです。
適性
フリーランスでも会社員でも求められるスキルは同じですが、適正という点では違いがあります。フリーランスの場合は環境が不安定であることや、自己管理能力が求められます。一方で、会社員の場合はきちんと時間通りに出勤することや、会社側が指定した仕事をこなしていく必要があります。
どちらが難しいというわけではなく、フリーランスの方が合っている人もいれば、会社員の方が合っている人もいるでしょう。フリーランスは自己責任で自分で仕事を選んで作業したい人に向いていると言えるでしょう。
キャリアパスを描く際の3ステップ
キャリアパスを描く際に必要な3つのステップは以下です。
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ステップ1.目標を明確にする
ステップ2.必要なスキルや知識を身につける
ステップ3.思い描くキャリアパスに合った転職先を探す
ステップ1.目標を明確にする
エンジニアは常にスキルアップする必要があります。しかし、ひとことにスキルアップと言っても方向性はいろいろあります。自分がどのようなスキルアップをすべきか明確にするためには、キャリアパスの目標を明確にする必要があります。
目標を明確にすることで、効率的にスキルアップができます。ただし目標は一度決めたら変えてはいけないというわけではありません。市場の変化に合わせて目標が変化することもありますが、身に付けたスキルは無駄にはならないでしょう。
ステップ2.必要なスキルや知識を身につける
目標に対して必要なスキルや知識を身に付けます。業務を通してある程度スキルや知識は身に付きますが、目標とは身に付くスキルや知識が異なる場合や、業務で身に付く分だけでは不十分な場合も多いです。そのため、自分自身で勉強することが重要です。また自ら進んで勉強すれば現在の業務にも役立ち、評価アップにつながる可能性があります。
ステップ3.思い描くキャリアパスに合った転職先を探す
目標に対して必要なスキル、知識が身に付いたら、思い描くキャリアパスに合った転職先を探します。上記の事前準備をしっかり行っていれば、採用される確率が高まります。転職後は働きながらさらなるキャリアアップを目指します。
フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアはWebサイトのフロント部分の制作を担当するエンジニアです。フロント部分とは、Webサイトを閲覧した時に、ブラウザ上で動作する機能を指します。具体的にはHTMLやCSSなどのコーディングや、JavaScriptなどのプログラミングを担当します。
Webサイトのデザインや機能だけに注目するのではなく、Webサイトの使い勝手であるユーザビリティやアクセシビリティに考慮して実装を行います。
フロントエンドエンジニアの業務は、毎日のように新しい技術やツールが誕生しています。HTMLやCSSの新機能や、JavaScriptの新しいフレームワーク、プログラムのバージョン管理システムなど、フロントエンドエンジニアとして、新しい技術やツールの情報を追いかけることは、もはや業務の一部と言ってもいいでしょう。
またWebサイト制作の他の工程を担当するスタッフと協力するためのコミュニケーションも重要です。Webサイト制作の全体を管理するWebディレクターや、Webサイトのデザインを担当するWebデザイナーなどと連携して、クライアントのために一丸となってWebサイト制作に取り組む必要があります。
マークアップエンジニアとの違い
フロントエンドエンジニアはフロントエンド全体を担当するのに対し、マークアップエンジニアはHTML,CSSを中心に担当します。フロントエンドエンジニアはマークアップエンジニアの上位互換と言えるでしょう。
ただし、詳細はプロジェクトによって異なります。マークアップエンジニアという名称でもフロントエンドエンジニアのような業務内容になっている場合もあれば、逆にフロントエンドエンジニアがあまりJavaScriptを使用しない場合もあります。
そもそも、マークアップエンジニアという役職はあまり設定されていない場合が多いでしょう。フロントエンドエンジニアの方が一般的に使われることの多い役職名です。
バックエンドエンジニアとの違い
フロントエンドエンジニアがWebサービスのフロント側、ユーザーの目に触れる部分の開発を担当するのに対し、バックエンドエンジニアはサーバー側の処理を担当します。使用する言語にも違いがあり、バックエンドエンジニアはJava、Ruby、PHP、Pythonなどを使用する場合が多いです。
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアが明確に区分されている場合もあれば、一人の人が両方を担当する場合もあります。傾向としては、どちらも担当できるエンジニアの需要が伸びています。
フロントエンドとバックエンドの両方を担当できるエンジニアは、フルスタックエンジニアと呼ばれることが多いです。
Webデザイナーとの違い
フロントエンドエンジニアはフロントエンドの開発全般を担当するのに対し、Webデザイナーはフロントエンドの視覚的な部分を担当します。そのため、言語としてはJavaScriptよりもHTML,CSSを使用する機会が多いでしょう。
そういう意味ではフロントエンドエンジニアはWebデザイナーの上位互換とも言えますが、Webデザイナーは見た目の部分で他のエンジニアよりも力を入れています。フロントエンドエンジニアもフロントエンドのデザインには気を配りますが、デザイン性というよりはユーザビリティを重要視する傾向があるでしょう。
Webデザイナーには、唯一無二のデザインが求められる場合もあります。
フロントエンドエンジニアのスキルを証明できる資格
フロントエンドエンジニアに必須の資格はありませんが、スキルを身につけて証明するために、関連する資格を取得するのもおすすめです。ここではフロントエンドエンジニアのスキルを証明できる5つの資格を紹介します。
関連記事:フロントエンドエンジニア向けおすすめ資格12選!難易度順でご紹介
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験はサーティファイが運営している、HTMLとCSSを使ったWebサイトの制作能力を証明できる資格です。基本的なHTMLとCSSを使ったWebページの制作スキルが求められるスタンダードと、マルチデバイスへの対応やユーザービリティ・アクセシビリティを考慮したWebページの制作スキルが求められるエキスパートの2つのレベルがあります。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが運営しているHTML5・CSS3・JavaScriptのスキルを認定している資格です。マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎の実力を測るレベル1と、システム間連携やマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的なWebサイトを開発できる実力を測るレベル2の2つのレベルがあります。
資格には5年間の有意性の期限が設けられており、認定日から5年以内に再度「同一レベルの試験」か「上位レベルの試験」を再受験して合格することで、新しく資格の5年間の資格の有意性が維持されます。
CIW JavaScript Specialist
CIW JavaScript Specialistは、CIW(Certified Internet Web Professional)が運営しているインターネットやWebの知識・技術などに関する国際認定資格のうちの一つです。試験は英語で出題されます。JavaScriptの開発者を対象とした資格であり、DOM操作やフォーム認証、プログラムの制御などJavaScriptに関する幅広いスキルが問われます。
PMP
PMPは、PMI(プロジェクトマネジメント協会)が運営しているプロジェクトマネジメントのスキルを認定する資格です。プロジェクトマネジメントの知識体系である「PMBOKガイド」を元に試験が実施されています。国際資格ということもあり、試験合格者は多くの国や企業で高く評価されます。
資格保有者はCCRという更新プログラムに従事することになり、3年毎に資格を更新することになります。資格の取得及び更新の難易度は高めですが、その分、実践的なプロジェクトマネジメントのスキルを身につけることができます。
Ruby技術者認定試験
Ruby技術者認定試験は、Rubyアソシエーションが実施しているプログラミング言語Rubyのスキルを認定する資格です。SilverとGoldの2つの区分の試験が実施されています。サーバーサイドの開発やCMSの構築など、Rubyの活用範囲は非常に広く、フロントエンドエンジニアにとってもサーバーサイドのプログラミング言語を身につけるときの候補となることも多いようです。
フロントエンドエンジニアの将来性
インターネットの発展により、Webサイトの高機能化が進んでいます。HTMLとCSSに加えてJavaScriptによる動的な機能や、サーバープログラムと複雑に連携したWebサイトが続々と登場しています。さらにブラウザのバージョンアップやHTMLとCSSの進化も無視できません。
このような状況に適応できるフロントエンジニアの需要は、これからもますます増えていくでしょう。しかし適応すると言っても一筋縄では行きません。フロントエンドエンジニアとして経験を積むほど、周囲から求められるスキルも高くなりますし、新しく参入する若手のエンジニアとの競争も避けられません。
将来性があるとはいえ、現在のスキルを維持するだけでは不十分です。続々と登場する新しい技術を身につけ、第一線で活躍し続けるためには、フロントエンドエンジニアとしてスキルアップにのめりこむことができる適性が必要でしょう。
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フロントエンジニアに関するQ&Aはこちら
フロントエンドエンジニアに関するQ&Aをまとめました。
Q1. フロントエンジニアの典型的なキャリアパスは何ですか?
フロントエンドエンジニアの主なキャリアパスとして、スキルアップ後リーダー職につく以外に、Webデザイナーとして転職するキャリアプランや、UI/UXエンジニアに転職するキャリアプランが考えられます。
Q2. キャリアプランを立てる際の注意点はありますか?
キャリアプランを立てるに際して、目指す職種に必要なスキルや、当職種の将来性について前もって確認したほうがいいでしょう。また、新しいスキルの習得が必要であれば、勉強時間も合わせて確認しておきましょう。
Q3. フロントエンジニアのキャリアアップに役立つスキルは何ですか?
リーダー職(PM)を目指すのであれば、マネジメントスキルは必須になります。UI/UXエンジニアへの転職を目指すのであれば、デザイン力、ユーザーデータの分析スキルを身につける必要があります。
Q4. フロントエンドエンジニアの年収レンジはいくら?
レバテックキャリアに掲載されている求人情報によると、フロントエンドエンジニアの年収は350~700万円程度となっています。経験とスキルによって年収は変わりますが、プログラミングだけでなく、企画や設計など上流工程に関するスキルがあると、年収が高くなる傾向にあります。
まとめ
この記事では、フロンエンドエンジニアの仕事内容やスキルから考える、5つのキャリアパスと必要なスキルについて解説しました。フロントエンドエンジニアのキャリアパスはいくつかありますが、フロントエンドエンジニアとしてスキルアップをすることでも高い年収を得ることができるため、必ずしもキャリアチェンジをする人ばかりではないでしょう。
しかし、フロントエンドエンジニアに限らずITエンジニアのニーズは日々変化しているため、市場動向を確認しながら、定期的にキャリアパスを見直すことをおすすめします。
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