ITコンサルタントのキャリアパスの描き方は?年齢別の転職市場価値

最終更新日:2024年4月23日

クライアントが抱える経営課題の解決策を提案するITコンサルタント。ITに関する深い知識が必要な職種ですが、企業のDX化が推進される昨今ではその需要も高まりを見せています。

ITコンサルタントとして活躍するためには、クライアントを納得させられるだけの提案力・営業力をもっているかが重要です。また、グローバルスキルを持っていると、さらに活躍の幅を広げることができるでしょう。そのほかにも業務領域によって必要なスキルは多種多様なため、この記事で順番に説明します。

ITコンサルタントをこれから目指される方や、ITコンサルタントとして働いている方がこれからどんなキャリアパスを目指せばよいかの参考にしてください。

今もらっている年収は高い?低い?

支援実績10年の登録者データを基にした エンジニア・クリエイター専門 年収診断 無料診断START

この記事のまとめ

  • ITコンサルタントは、業務系SEから目指す方法とインフラ系SEから目指す方法の2パターンがある
  • ITコンサルタントがキャリアアップする方法は、社内昇進やコンサルティング会社・事業会社への転職などがある
  • ITコンサルタントは、提案力が基本スキルとなり、ほかに求められるスキルは年代によって異なる
  • ITコンサルタントの業務領域はPMO・ビジネスアナリスト・セキュリティコンサルタントなどさまざま

ITコンサルタントとは

ITコンサルタントとは、クライアントが抱える経営課題をITの力で解決する職種です。課題解決に向けた具体的な構想を策定し、それを実現するためのシステム設計や開発におけるプロジェクトマネジメントも担当します。そのため、経営陣と密接に連携し、プロジェクトを推進する能力も求められます。本章では、ITコンサルタントの仕事について解説します。

関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル・年収を紹介

ITコンサルタントとSEの違い

ITコンサルタントとSEの違いは、担当する業務内容です。

ITコンサルタントは顧客の抱える課題の解決策を出すのが目的であるのに対して、SEは顧客が利用するツールの具体的なシステム化が目的となります。

つまりITコンサルタントは、SEの上流工程を担当します。ただしITコンサルタントは上流工程だけではなく、プロジェクトの管理やSEの支援などプロジェクト全体をトータルでサポートする場合もあります。

ITコンサルタントへのキャリアパスについて

ITコンサルタントへのキャリアパスをあらかじめ理解しておくことは、効果的な転職戦略を立てる上で重要な要素です。多くの場合、業務系SEやインフラ系SEからITコンサルタントへのキャリアアップを目指す傾向があります。以下では、ITコンサルタントへのキャリアパスについて解説します。ITコンサルタントへの転職時に参考にしてください。

業務系SEから目指す

業務系SEからITコンサルタントへのキャリアパスは一つの選択肢です。このキャリアパスを選んだ場合、設計や開発、テストなどの下流工程と、要件定義や分析などの上流工程の経験を積んでから、ITコンサルタントへキャリアアップしていきます。業務系のシステム開発プロジェクトを通じてクライアントの業界や経営に関する知識を習得することも重要です。

インフラ系SEから目指す

インフラ系SEからITコンサルタントを目指すことも可能です。このキャリアパスの場合、ネットワークやデータベース・サーバーなどインフラ関連の基本的なスキルを身につけることが重要です。

これらの基礎を固めた上で、仮想化技術やクラウドサービスなどの最先端技術に関する知識と経験を積むことが求められます。このような最新技術に詳しくなると、最適なシステムインフラを提案するITコンサルタントとしての道が開かれます。

ITコンサルタントのネクストキャリア

ITコンサルタントとしての転職後も、さらなるキャリアの選択肢を理解しておくことは重要です。多くのITコンサルタントは、社内で昇進を目指して、活躍の場を広げています。

また、ほかのコンサルティング会社や事業会社の情報システム部、大手外資系企業へ転職することも選択肢の一つです。さらに、フリーランスとしての独立を考える方もいるでしょう。以下では、ITコンサルタントのネクストキャリアについて解説します。

社内で昇進

社内にて数々の経験を経て、マネージャー・パートナーとして昇格するケースです。地道に経験を積んでいくことによって、社内で着実にキャリアアップを図ることができるでしょう。

ただし、パートナークラスへと昇格するためには、営業力が必要となります。40歳前後までにはパートナークラスへと昇格できるよう、営業力を磨くことがカギとなります。

ほかのコンサルティング会社へ転職

コンサルティング会社の系統は、戦略系、財務系、IT・業務、シンクタンク系など幅広い業種が存在します。営業力の高いITコンサルタントは、コンサルティングファームはもちろん、SIerから声がかかることも多いようです。

特に外資系のコンサルティングファームで活躍した経験をお持ちの方は、多様な企業から声がかかる可能性が高いでしょう。

事業会社の情報システム部へ転職

企業によって差はありますが、30代前半までであれば、ポテンシャル採用が行われることが多いようです。情報システムや経営企画に携わったり、IT以外のコンサルティング会社に転職したりなど、多様な働き方が選択できるという長所があります。

30代後半以降の場合、自身の知識や経験に応じ、専門的な業界への転職を果たす方が多いようです。即戦力として求められることが多く、これまで積み上げてきた知識やノウハウを活かしながら幅広く活躍することができます。

大手外資系企業へ転職

語学スキルを活かして働きたい方は、大手外資系企業への転職がおすすめです。企業によっては外国人スタッフとのコミュニケーションを求められるシーンが多いため、自身の語学力を発揮しながら働けます。

また大手外資系企業は日本の企業とは異なり、年功序列や終身雇用といった制度がなく、実力に応じた報酬が支払われる企業が多いです。そのため当人の実力次第では、自由な働き方をしつつ、現状よりも高待遇で働けます。

フリーランスとして独立する

フリーランスとして独立することも、ITコンサルタントのネクストキャリアの一つです。フリーランスの魅力は、仕事の量・時間を自由にコントロールできることや組織に縛られない点にあります。

しかし、安定した収入を確保するためには、クライアント開拓とリスク管理が欠かせません。そのため、最初は人脈を活かして仕事を得ることから始め、徐々に実績を積み重ねていくことが重要です。

ITコンサルタントのキャリアパスの描き方

ITコンサルタントのキャリアパスを考えていくには、最初に将来像を明確にすることが大切です。そして、自分が求める将来像に到達するために、どのようなスキルが必要なのかを理解しましょう。

必要なスキルを把握できたら、いつまでに実現するのか期限を決めることが重要です。本章では、ITコンサルタントのキャリアパスの描き方について解説します。

将来像を明確にする

ITコンサルタントのキャリアパスを描くには、最初に自分自身の将来像を明確にすることが重要です。そのためには、自己の強みや関心のある分野を理解することから始まります。

強みや関心がある分野を理解できたら、キャリアアップするための具体的な目標を設定するようにしましょう。将来像が不明確の場合、思わぬ遠回りをしてしまうリスクが高まるため、注意が必要です。

将来像に到達するために必要なスキルを知る

明確にした将来像に到達するためには、どのようなスキルが重要なのかを知る必要があります。ITコンサルタントには、専門知識や技術、コミュニケーション能力など、さまざまなスキルが求められます。

このようなスキルを習得するには、実務経験を積むだけでなく、効率的な学習計画と学習に取り組む姿勢も重要です。また、専門分野の最新動向を把握することも大切になります。

いつまでに実現するのかを設定する

将来像を明確にして、必要なスキルを理解できたら、いつまでに実現するのかを設定することが重要です。目標の期限を決めることで、責任感や集中力、真剣に取り組む姿勢が育まれます。

期限を決める場合は、「2年後にリーダー職に昇進」など期限を数値化するようにしましょう。数値化した後は、それを達成するために必要なタスクを細分化することで、達成する確率が高まります。

ITコンサルタントに求められるスキル

ITコンサルタントは、クライアントの経営課題を解決するためにさまざまなスキルが求められます。ITコンサルタントにはアナリスト→コンサルタント→マネージャーというスキルレベルが存在していますが、それぞれに必要なスキルは異なってきます。本章では、ITコンサルタントに求められるスキルについて詳しく解説していきます。

関連記事:
ITコンサルタントの資格16選をスキル別に紹介します
ITコンサルタントに必要なスキルを基礎・領域別に紹介
ITコンサルタントにプログラミングスキルは必要?具体例から解説

基本のスキル

新卒として働き始める人も、ベテランの人もITコンサルタントとして働くのであれば必ず必要になるのが「提案力」になります。また、ITコンサルタントの基本のスキルとしては、持っていれば各スキルレベルに共通して有利になる「グローバルスキル」も挙げられるでしょう。

提案力

ITコンサルタントには、技術的な知識をはじめ、顧客企業の業務知識・コミュニケーション能力に至るまで、非常に幅広い知識・経験が求められます。特に、「提案力」が必要です。ITコンサルタントが関わる人物は、経営者・役員・事業部長など経営に携わる方々が多い傾向にあります。

そのような方々に対して、物怖じせず堂々と切り込み、相手を納得させることができるように話をすることが求められるのです。

自信を持って提案をするためには、情報収集が欠かせません。クライアントの業務やビジネスに対して日頃から関心を持ち、情報収集に努めるとよいでしょう。また、経営的な志向を持つことで、よりクライアントの視点に立って提案することができます。

グローバルスキルがあれば、需要が増える可能性も

近年、海外企業の買収に伴う海外へのシステム導入や、海外に支社を設立するなどといった、海外進出を果たす企業も増加しています。今後、英語力はじめとするグローバルスキルをもつITコンサルタントの需要が伸びてくるでしょう。

グローバルスキルを持っている方は、活躍の場をさらに広げることができる可能性があります。

関連記事:
ITコンサルタントの将来性とは?仕事内容や年収も紹介
ITコンサルタントに必要なスキル

アナリストに求められるスキル

アナリストとは、新卒入社や比較的経験が浅いITコンサルタントが最初に経験するポジションです。情報収集・分析、資料作成などが主な仕事内容になります。そのため、統計学の基礎知識やデータベースの知識、分析ツールを扱うスキルが求められます。以下では、アナリストに求められるスキルについて、それぞれ解説していきます。

統計学の基礎知識

アナリストとして仕事をする際、大量のデータ解析・分析をしてユーザーエクスペリエンスの改善や広告配信の最適化などに活用する必要があります。データ分析においてデータを正しく読むためには統計学の基礎知識が必要不可欠となります。

データベースの知識

大量のデータを扱うために、データベースは必須です。そのため、アナリストにとってデータベースの知識は欠かすことのできない必須スキルとなるでしょう。

データベースから自在にデータを取り出し扱うために、データベースで扱うデータモデルの設計や読み方、データベースからデータを抽出するときに利用するSQL言語については是非とも押さえておくようにしましょう。

分析ツールを扱うスキル

データ分析をするにあたって、PythonやRといったプログラミング言語を活用するのも一つの手段ですが、分析ツールを活用することで分析フローの効率化を図れます。例えば、TableauなどのBIツールや、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールがこれに該当します。

ツールといえども、専門的な概念など理解が難しい場合もあり、腰を据えてスキル取得にあたるのがよいでしょう。

コンサルタントに求められるスキル

アナリストとしてある程度経験を積むと、コンサルタントに昇格します。コンサルタントとは、顧客と直接やり取りをしたり、プロジェクトマネージャとしてチームを動かすスキルが必要になるポジションです。

コンサルタントに求められるスキルには、顧客折衝力やプロジェクトマネジメント力、プレゼンテーション能力などがあります。以下では、これらのスキルについて解説します。

顧客折衝力

コンサルタントとして顧客との信頼を勝ち取るためには、顧客と円滑な関係を築く能力が必要不可欠です。また、質の良いコンサルティングを提供するためには、顧客が求めていることを正しく理解し、仕事に落とし込むスキルが必要になります。

プロジェクトマネジメント力

顧客の利益を向上させるためには、コンサルティングの結果立ち上がったプロジェクトを円滑に運用していく必要があります。こうしたプロジェクトには、同じITコンサルタントであるアナリストが参加することもあるでしょうし、エンジニアやデザイナーなどの異業種の人材と協業し、まとめあげるプロジェクトマネジメント力が求められます。

プレゼンテーション能力

顧客に自分たちが考えていることを正しく伝えたり、コンサルティングの内容が優れていて効果が期待できるものだと納得してもらったりするために、プレゼンテーション能力が必要です。聴き手となる方にはさまざまな立場の方がいることもあり、時には外国人の場合もあるため、いろいろな状況を想定してプレゼンテーション能力を磨いておくことが重要です。

マネージャーに求められるスキル

マネージャーとは、コンサルティングやそれによるプロジェクトの責任者となるポジションです。チームに指針を示し、まとめあげるスキルが求められます。マネージャーに求められる具体的なスキルには、問題解決力や洞察力、コミュニケーションスキルなどが挙げられます。以下では、マネージャーに求められるスキルについて解説します。

問題解決力

マネージャーのもとには、チームやプロジェクトメンバーからさまざまな課題が集まってきます。そうした課題を適切に把握し、臨機応変に対処方法を考え、チームへ適切に指示することで、舵取りをしていく力が求められます。

洞察力

マネージャーとして適切な判断を下すためには、状況や人の状況を正しく判断し、その状況に応じた対応が求められます。とかく人は判断を下すために、もろもろのバイアスに影響されがちなのですが、マネージャーとしてはそういったバイアスを丁寧に排除しながら、公平な立場からものごとを評価することが求められます

コミュニケーションスキル

マネージャーは配下に多数の部下となるメンバーを抱える職種となります。このメンバーと良好な関係を築けているかどうかで、チームとしてのパフォーマンスは大きく変わります

言いたいことを言いやすい良好な関係を築けていたほうが、コンサルティングやプロジェクトを良い方向に動かすアイディアが出やすいことでしょう。マネージャーは、普段から良好な関係をメンバーと築いていけるような、人間力が求められるポジションです。

ITコンサルタントの業務領域

一口にITコンサルタントといっても、細かな業務内容や活躍の場はさまざまです。ITコンサルタントの業務領域には、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)やビジネスアナリスト、セキュリティコンサルタントといった職種が挙げられます。以下では、これらのITコンサルタントの業務領域について、それぞれ紹介していきます。

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)

PMOとは、個々のプロジェクトマネジメントの支援を行う部門のことで、プロジェクトに関連するさまざまな業務を担っています。

例えば、マネジメント方式の標準化や人材開発、業務の支援、管理、プロジェクト環境の整備などが挙げられます。各プロジェクトにPMはいますが、プロジェクトの規模や難易度などによってはカバーしきれないこともあります。そこで、PMOがプロジェクトマネジメントの能率や品質を向上させるために、さまざまな支援を行います。

ビジネスアナリスト

ビジネスアナリストは、ステークホルダーのあいだに立ち、各所とコミュニケーションを取って中立的な立場から要件定義を取りまとめるのが主な役割です。そのため、伝える対象に応じて言葉を変えるなど、相手に分かりやすく説明するための工夫が重要となります。

もちろん、業務には問題解決のための改善案の提示を行うといった、コンサルタント的な仕事も含まれているため、経営層から現場までを俯瞰する視点も必要です。

セキュリティコンサルタント

セキュリティコンサルタントとは、企業の情報資産を守るための支援を行うコンサルタントのことです。業務内容としては、情報セキュリティポリシーの策定支援や、企業が持つ情報セキュリティ上の課題抽出、セキュリティレベルの向上などがあります。

ITへの依存度が高い現代において、情報セキュリティのリスクマネジメントは重要な経営課題の一つです。そのため、セキュリティコンサルタントのニーズは非常に高いと言われています。

【年齢別】ITコンサルタントの転職市場価値とキャリアパス

ITコンサルタントと一口に言っても、その経験やポテンシャルによって転職市場での価値は大きく変わってきます。また年齢別によって、企業が求めることやキャリアパスのポイント、平均年収は異なります。本章では、年齢別に、ITコンサルタントの転職市場で求められていることと、期待できる収入の多寡について考えていきます。

関連記事:
ITコンサルタントからの転職|転職先例や面接のポイント
ITコンサルタントの志望動機の書き方|経歴や業界別の例文も紹介

20代ITコンサルタント

20代ではITコンサルタントとしての経験や知見が少ないケースが多く、実績をアピールすることが難しい場合が多いです。その分、基本的なスキルが備わっていれば未経験でもポテンシャル採用されやすい傾向にあります。

平均年収

20代のITコンサルタントの平均年収は、約400万円が相場になります。20代のITコンサルタントは実務経験がまだ乏しい層ですので、人によっての年収額の差があまりないのが特徴と言えるでしょう。実務経験を重ねることで、平均年収も上がるため、スキルアップを欠かさないことが重要です。

関連記事:ITコンサルタントの年収が高い理由や転職活動のポイントを徹底解説

企業が求めること

20代のITコンサルタントに実務経験が不足しているのは企業も承知しているため、代わりにITコンサルタントとしての基本のスキルが求められることが多いです。具体的には、提案力・プレゼンテーション能力・コミュニケーション能力といったビジネスの根幹となるスキルになります。

ITコンサルタントとしての実務経験のみならず、これまでの経験からアピールできる要素を洗い出しておくとよいでしょう。

キャリアパスのポイント

20代のITコンサルタントは、採用側から見ると将来性のある育成人材です。実務経験が浅く業務知識は上の年代に劣るため、社会人としての常識や論理的思考力・書類作成・コミュニケーションスキルを磨き、仕事に対して熱量を持って取り組むことが重要になります。

30代ITコンサルタント

ITコンサルタントとしてもっとも需要があるのがこの年代と言えます。実務経験をしっかり積んでいて、その過程でITコンサルタントとして必要な各種スキルを積んでいることが多いので、即戦力として期待されています。20代よりも求められるものが多いですが、その分見返りも大きい年代です。

平均年収

20代のITコンサルタントの平均年収は、おおよそ600万円前後になります。20代と比較すると求められるものも多岐にわたり、次に示すようなスキルを持っていれば持っているほど得られる年収も高くなる傾向があります。

企業が求めること

企業が求めることとして最たるものは、さまざまなプロジェクトの経験を有していることです。もちろん、IT技術やビジネススキルが求められるのは確かですが、転職市場でそれを裏付けるのは実務経験です。

これまでの実務経験をしっかり洗い出し、豊富な経験を持っていることをアピールしましょう。また、プロジェクトマネジメントやリーダーの経験、グローバルなプロジェクトへの参加経験なども高く評価される傾向にあります。

キャリアパスのポイント

30代のITコンサルタントは、即戦力となる人材として需要が高い年代です。豊富な業務経験を踏まえたプロフェッショナル性が評価されます。SEやエンジニアの経験を通して身につけてきたIT技術や専門知識をアピールすることが大切です。

販売管理・財務会計などの業務知識やITシステム導入プロジェクトへの参加経験、部下の育成経験などがあればさらに強みとなるため、機会があれば積極的に取り組みましょう。

40代ITコンサルタント

40代のITコンサルタントは、マネージャー職やその候補として活躍することが期待されるようになります。会社としての業績についての責任も求められるポジションであり、自社の方針をしっかりと理解し、これに即した提案ができることを期待されます。

平均年収

40代のITコンサルタントの平均年収は、800万円程度が一般的です。40代のITコンサルタントは、これまでどのような仕事を手掛けてきたかや、これからどのような仕事を手掛けていくかで大きく年収に差がつきます。また、スキルや知識によっても平均年収が変わります。

企業が求めること

チームを率いて仕事を進めていくことが多くなるため、プロジェクトマネジメントやリーダーの経験が評価されることが多いです。また、自社や顧客について、経営戦略を理解してそれに沿った業務計画を立てる能力を求められます。

キャリアパスのポイント

40代のITコンサルタントは、30代よりもさらに能力への期待が高くなるでしょう。40代になるとITコンサル業界では、クライアント企業の経営者層にプラン策定・提案して案件獲得する業務を行う「パートナー」というポジションに就くことが多いです。

また、企業の経営戦略を理解することでマネージャー以上の即戦力としても扱われます。さらに新たな仕事への意欲と実行力をアピールすることで、評価に繋がります。

キャリアアップする前に知っておくべきITコンサルタントの実情

ITコンサルタントがキャリアアップをする前に、ITコンサルタントの実情を把握しておくことは重要です。ITコンサルタントの仕事の実情としては、継続的な成果が求められることや幅広い領域のスキルを求められることが挙げられます。

そのため、キャリアアップしていくには、適した環境へ身を置くのが大切です。本章では、キャリアアップする前に知っておくべきITコンサルタントの実情について解説します。

継続的な成果が求められる

ITコンサルタントは、プロジェクトが完了するまで継続的な成果が求められる職種です。例えば、ITシステムによる業務効率化やコスト削減などといった成果を継続的に出し続けることは、クライアントの信頼を獲得し、将来的なビジネスチャンスにつながります

また開発職種と異なり、ITコンサルタントにはクライアントと密接にコミュニケーションを取り、経営上の細かな問題に対応する柔軟性も必要です。

幅広い領域のスキルを求められる

ITコンサルタントの仕事は、幅広い領域のスキルを求められる特徴があります。クライアントの問題解決に向けたアドバイスと支援を行う職種であるため、専門外の領域にも対応しなくてはいけない場面に遭遇することも少なくありません

主な業務がデータ分析や経営支援であっても、開発チームが突然の問題に直面した際は、豊富な知識と技術を活用して素早く解決策を出すこともありえます。そのため、幅広い領域のスキルを習得し続けることが重要です。

キャリアアップしていくには適した環境へ身を置くのが大切

ITコンサルタントとしてキャリアアップするには、適切な環境を選ぶことが極めて重要です。充実したトレーニング制度のある企業に所属すれば、業務に必要な知識の習得はもちろん、新しいスキルを身につける機会も広がります。

また、知識の共有文化がある企業に所属することも、コンサルティングのテクニックや顧客対応のコツなどが学べ、キャリアアップに役立ちます。そのため、企業を選ぶ際にはキャリアアップに適した環境であるか見極めることが重要です。

ITコンサルタントのキャリアパス形成に役立つ資格

ITコンサルタントのキャリアパス形成には、ITコンサルタントの業務に関連する資格の取得は有効な手段です。ITコンサルタントのキャリアパス形成に役立つ資格には、中小企業診断士やSAP認定コンサルタント、ITコーディネータといった資格が挙げられます。本章では、これらのITコンサルタントのキャリアパス形成に役立つ資格について解説します。

関連記事:ITコンサルタントになるには?役立つ資格や向いている人の特徴とは

中小企業診断士

中小企業診断士とは、企業をさまざまな角度から診断し適切なアドバイスができる人を認定する資格で、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格です。中小企業診断士の資格を取得すると、経営全体を幅広く診断し、解決策を立案できる能力が身につきます。

そのため試験勉強を通してコンサルティング能力を身につけられ、資格を取得することでコンサルティング能力を対外的に示せます。

SAP認定コンサルタント

SAP認定コンサルタント資格は、ドイツSAP社が公式にSAPに関する知識を有していると認定する資格です。SAP認定コンサルタント資格を取得することで、顧客により適切なSAP製品を選択できる人材であるという印象を与えられるでしょう。

ITコーディネータ

ITコーディネータは「経営とITの橋渡し役」として、経営とIT両方に関する幅広い知識・スキルを持つことを示す経済産業省推進資格です。IT経営のための戦略をはじめとした実務的な知識が問われます。ITコーディネータの資格保有者はハイスキル人材に分類されますが、合格率は60〜70%程度と比較的高いため、キャリアアップの第一歩の資格としておすすめです。

ITコンサルタントのキャリアパスに関するよくある質問

ITコンサルタントを目指す方にとって、ITコンサルタントのキャリアパスに関する疑問や質問は少なからず存在するでしょう。

ITコンサルタントのキャリアパスに関するよくある質問としては、ITコンサルタントになるための年数や向いている人の特徴、仕事内容、SEとの違いなどが挙げられます。本章では、これらのITコンサルタントのキャリアパスに関するよくある質問に回答します。

Q1. ITコンサルタントは何年でなれるでしょうか?

一般的には、SEとしてシステム開発の上流工程に当たる要件定義や基本設計を3年から5年ほど経験していれば目指すことは可能です。 上流工程の経験がない状態でITコンサルタントを目指すのは難易度が高いため、目指すのであれば早めに上流工程の経験を積んでおくことが大切です。

Q2. ITコンサルタントに向いている人を教えてください

ITコンサルタントに向いているのは、以下の3点に該当する人です。


  • ・IT技術に興味があり、成長意欲が高い人

    ・課題解決力がある人

    ・コミュニケーション能力が高い人


最新情報を追求する意欲が無い方、課題を見つけるアンテナの鈍い方、相手の重視することやスキルレベルを理解し、柔軟に対応するコミュニケーション能力が乏しい方には難しいでしょう。

関連記事:未経験からITコンサルタントになるには?書類選考・面接対策も解説

Q3. ITコンサルタントは何をやるのでしょうか?

ITコンサルタントの仕事はITを利用してクライアントの経営課題や問題を解決することです。具体的な仕事はIT戦略やシステムの構想、システム導入の提案などが挙げられます。

システムの導入にあたり、提案だけでなくシステムの設計や開発、テストなどシステム導入までの工程をトータルで請け負う場合もあります。

Q4. ITコンサルタントとSEの違いは何ですか?

端的に言えばITコンサルタントは「プロジェクトの立案や支援を行うなど、SEやプロジェクトの関係者を管理する人」、SEは「システムの設計やプログラミングなどシステムを実際に作る人」と区別されます。

まとめ

ITコンサルタントとして求められているスキルにも、ポジションや年代によってある程度の幅があることを紹介しました。ITコンサルタントとしてのキャリアパスを効率的に進めていくためには、自分の置かれた状況を把握し、適切なスキルを身につけていくことが重要です。

これからITコンサルタントへの転職を希望している方も、今後ITコンサルタントとしてのキャリアアップを図りたい方も、この記事で紹介した内容を参考にしてみてください。

ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア

レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。

「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。

「個別相談会」に申し込む

転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。

レバテックキャリアのサービスについて

この記事の監修

レバテックキャリア編集部

レバテックキャリアは、IT/Web業界のエンジニア・クリエイター向けに特化した転職エージェントです。当メディアでは、エンジニア・クリエイターの転職に役立つノウハウから、日々のスキルアップや業務に活かせる情報まで、幅広いコンテンツを発信しています。

プロのアドバイザーがあなたのお悩みや疑問にお答えします

- 転職個別相談会開催中 -

相談内容を選択してください

※転職活動や求人への応募を強制することはありません

関連する記事

人気の求人特集

内定率が高い

ITコンサルタントの求人・転職一覧

今もらっている年収は高い?低い?

簡単60秒 エンジニア・クリエイター専門 年収診断 無料診断START ×