E2D3インタビュー

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すべてのExcelユーザーがデータ可視化技術を利用可能にユーザベースCTO竹内秀行氏の挑戦「世界10億人が『E2D3』を使える日を夢見て」

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プロフィール
竹内 秀行氏(タケウチ ヒデユキ)
東京工業大学大学院数理・計算科学専攻でソフトウェア工学を学ぶ傍ら、システム開発の受託を行う会社を2社起業。その後、ユーザベースの稲垣氏と知り合い、2011年5月に同社へ入社する。「SPEEDA」「NewsPicks」の設計・開発を担当

Excel内でデータのビジュアライズを実現するソフトとして、注目を集める「E2D3」。オープンソースプロジェクトでもある「E2D3」には、多種多様な人々が参画している。 

レバテックキャリアでは、そんな「E2D3」のプロジェクトメンバーのインタビュー企画を実施。初回は、チーフ・イノベーション・オフィサーの竹内秀行氏に話をうかがった。 

普段、ユーザベース社でチーフテクノロジストを務め、開発をリードしている同氏が、「E2D3」の活動を通して得たものとは? 

プログラミングと出会ったのは小学校1年生のとき

—竹内さんがプログラミングを始めたのは、いつ頃のことでしたか? 

竹内氏:最初にプログラミングに触れたのは、小学校1年生の頃でした。N88-BASICという言語で、本を写しながらインベーダーゲームのようなものを作りました。当時はブラインドタッチもできなかったんですけどね。「こういうことができるんだ」と感動したのを覚えています。 

それから中学生に入ってC++をやろうと思ったんですけど、1冊目の本で配列くらいまで終えたところで止めてしまいました。あの頃は環境が整っていなくて、ひとりでアプリケーションを作るには難しすぎました。その後、高校2年生になって、友達が一緒にやろうと言い始めたのをきっかけに、WindowsのBorland C++ Builderという開発環境でC++を使い始めました。 

—小学校1年生の頃からとは、すごいですね。大学に入ってからもプログラミングは続けていらっしゃったのですか? 

竹内氏:はい。大学の学部生時代には、弓道部で将来は弓道家になるんじゃないかと思うくらい弓道に打ち込んでいたんですけど、アルバイトというか個人事業主として受託でプログラミングの仕事を始めていましたね。 

起業のしくみについて興味があったので、修士1年生のときに友達3人と起業もしました。特に何を作ろうということではなく、3人が個人事業主としてすでに受けていた仕事を、会社でやっていただけですけど。 

その会社を残しつつも、2社目の会社を立ち上げました。これは6年くらい続いたんですよ。個人事業主の頃から仕事を取ってきてくれていた、ものすごく営業力のある人と一緒に経営をしていました。

僕が一応社長でしたが、その人が取ってきた仕事を僕が開発するという体制でした。このときは受託というよりも、会社のIT部門をまるごと請け負う感じで、BtoCのサービスをいくつも作っていました。 

—その後、ユーザベースに入られた経緯をお聞かせいただけますか? 

竹内氏:たまたま僕の弟が、弊社取締役の稲垣の後輩で。梅田・新野・稲垣の3人がユーザベースを立ち上げようというときにエンジニアを探していて、僕に声がかかったというのがきっかけです。 

ジョインを決めた理由はいろいろあるのですが、「何か新しいものを作りたい」という思いがあったこと。また、3人に実際会ってみて、「世界で戦えるサービスを作りたい」という話に共感できたことが決め手になりました。

あとは、金融系のBtoBシステムに興味を持っていたこともあり、少しずつ関わり始めました。 

2011年の春までは個人事業主として関わっていたのですが、自分の会社もそろそろ潮時だなと感じていたので、同じ年の5月には正式に入社することにしました。 
 


ユーザベース社チーフテクノロジストの竹内秀行氏

基幹サービスを一手に請け負うユーザベース チーフテクノロジストの仕事術

—「SPEEDA」と「NewsPicks」というサービスのシステムの基礎部分をほぼおひとりで開発されたそうですが、苦労された点などございませんでしたか? 

竹内氏:これを言うと驚かれてしまうこともあるのですが、正直、苦労した点には、あまり思い至らなくて…。作るものが決まっていたとしたら、僕自身、それを作ること自体はなんでもないというか、基本的になんでも作ってみせるという自負があります。

「SPEEDA」には、今まで人が多くの労力をかけてやっていたことを、一瞬で終わらせてしまう機能をたくさん入れているので、ワクワクしながら作っていました。 

「NewsPicks」を作ったときは、ヒットするかどうか全然わからなかったので、少人数でお金をかけずにやるということは決まっていました。僕がバックエンドシステム部分を開発して、他にアプリの開発者が2人というチーム体制でした。 

2013年の2月から開発を始めて、7月にはリリースしたので、開発期間は半年弱くらいですね。システム的に難しいものではないので、スピード勝負で出さないといけなかったんです。 

でも、どうしても「SPEEDA」で何かトラブルが起こると、そちらに呼ばれてしまい、並行して作業することになってしまうのは、つらかったですね。中断されると、どうしても集中力が切れてしまうので。

—今はユーザベースのチーフテクノロジストとして、どのようなお仕事をされているのですか? 

竹内氏:少し前までは、新しい機能を作ったり難しい修正があるときに呼ばれて、開発していました。今はエンジニアたちが楽しく働ける環境を作っています。 

—今も手は動かされているのですか? 

竹内氏:はい。逆に、人のリソースマネジメントやタスク管理、スケジューリングといったことは一切やっていません。それは取締役の稲垣が見てくれていますので。 

—そうなんですね。普段、お仕事をされながら意識されていることはありますか? 

竹内氏:「エンジニアはこんな風に働くべきじゃないか」ということを提案できるよう、常に意識しながら動いています。一番強く思っているのは、エンジニアはエンジニアリングだけに興味があるだけではダメで、“ビジネスを見ながら、本当に世の中で必要とされているものは何なのかというのを考えるべきだ”ということです。 

それに加え、“簡単に作れるものなら、プロトタイプをサッと作って、実際に見せよう”ということですね。企画する人をはじめ、一緒に開発するエンジニア同士でも、その方がイメージも湧きやすいですから。


竹内氏は「SPEEDA」と「NewsPicks」の生みの親

チーフテクノロジスト自ら外に出ることで、社内の自由な文化を生み出す

—竹内さんがE2D3に関わり始めたきっかけは何でしたか? 

竹内氏:去年の11月に、主催者の五十嵐さんに声をかけてもらいました。「Excelでデータをビジュアライズするソフトを開発しているんだけど、興味ない?」と。 

弊社の「SPEEDA」も「NewsPicks」もデータを取り扱うサービスで、特に「SPEEDA」では大量の数字データを扱っています。数字を眺めているだけでは気が付かないことがたくさんあるので、データをビジュアライズする技術には前々から興味がありました。 

「NewsPicks」でも、佐々木編集長が“データ・ジャーナリズム”の重要性についてよく話をしているのですが、データを基にして記事を書くにあたり毎回エンジニアが必要になるのでは、作業がスムーズに進まず、事業の拡大スピードが遅れてしまいます。

記事のライターや編集者が、自分でデータを可視化できるツールがあれば、世の中の記事の価値が高まっていくんじゃないかという思いがあります。 

—なるほど。E2D3のアプリケーションとしての強みは何ですか? 

竹内氏:“データの可視化”というのは、最近いろんなところで耳にする言葉ですが、データを可視化するには、通常どうしてもエンジニアの作業が発生してしまいます。しかしE2D3は、エンジニアがいなくても、Excelユーザーであれば誰でも使えるようなソフトになる予定です。 


「データビジュアライズに以前から興味があった」と語る竹内氏

—オープンソースのプロジェクトであるE2D3のなかで、竹内さんはどのようなお仕事をされているのですか? 

竹内氏:僕は、E2D3の基礎となるシステムの開発をしています。データをブラウザ上でビジュアライズするためのプログラムとは別で、Excelとそのプログラムの橋渡しをする部分だとか、そのプログラムがサーバ上で動くような環境づくりですね。 

—E2D3で実際に活動されてみて、どうですか? 

E2D3では、勤務が終わった後にミートアップする機会が多いので、社外の人と触れ合う機会がすごく増えました。特に、エンジニア以外の人との関わりが増えたことが、面白いですね。 

E2D3は60人のメンバーで構成されていますが、エンジニアはそのうち10人ほどしかいないんです。しかもWeb界隈の人だけじゃなく、清涼飲料水メーカーで営業として働く人やメディアの記者などもいたりします。普通にエンジニアとして働いているだけでは、なかなか触れ合えない人たちと出会えるのが、いいですね。 

一番よかったのは、データサイエンティストの人の話を聞けたことです。社内にも何人かいるんですけど、飲みに行って深く話すような機会はなかったので。例えば、ゲーム会社で人の行動分析をしているような方の話など、自分の知らない世界の話を聞けるのは、すごく刺激的です。

—E2D3の活動から何か得られたことはありますか? 

竹内氏:「こういう仕事のやり方もあるんだ」と気づかされることが、結構ありますね。 

E2D3ではハッカソンのイベントをよくやるのですが、イベントの作り方なんて、エンジニアをやっているだけだと、わからないじゃないですか。今後、実際には業務でハッカソンを僕がやることはあんまりないと思いますけど、そこから学ぶべきことがたくさんありますね。

—ユーザベースのお仕事に良い影響はありましたか? 

竹内氏:まだまだこれからですが、会社としてオープンソースに関わっていくことや、社外活動を容認する空気、文化を作っていけるということは、すごく重要だと思っています。 

あとは、データビジュアライズの専門家と知り合うことができたので、「世の中には、データビジュアライズのアプローチとして、こういう手法があるんだ」ということを教えてもらえたりして、すごく勉強になります。 

E2D3で作ったものを、今後「SPEEDA」や「NewsPicks」にも取り入れていけたらと考えているので、そういった面でもサービスの価値を上げていけるのかなと思っています。 

—E2D3は社外活動ということで、タスクマネジメントはどのようにされているのですか? 

竹内氏:僕は、結構やりたいときにやりたいようにやるタイプなので、適当です(笑)。ユーザベースは会社として“自由”をすごく尊重しているので、基本的にちゃんと仕事をやっていれば、あとは何をやってもいいんですよ。活動の幅は制限されません。


「E2D3で社外のいろんな人に出会えたことが、一番の収穫です」と笑顔を見せる

 E2D3を世界中の人に使ってもらいたい

—非エンジニア向けのデータビジュアライズソフトとして、E2D3を今後どのように使ってもらいたいですか? 

竹内氏:Excelの全ユーザがE2D3を知っている状態になるのが理想ですね。E2D3の動的なチャートを使って、表現を広げてほしいなと思っています。Excelのユーザーは10億人くらいいるといわれているので、10億人が使ってくれるようになれば、すごく面白いなと。 

まだ制作段階なので、実際に利用しているユーザーはほとんどいないのですが、展示会でデモを見せると、大きな反響をいただいています。特に教育関係の方が「授業に役立てたい」と興味を持ってくださったり、あとは営業の方に「プレゼンに使いたい」と言っていただいたり。 

—E2D3は今後どのようなフェーズに入っていくのですか? 

竹内氏:今まではテンプレートを増やしたり、ソフトとしての完成度を上げるところに注力してきましたが、今後はユーザーを増やしていくために、ユーザーが使いやすくなる機能を開発しているところです。 

具体的には、Facebook上で共有できるようにしたり、ブログに貼り付けられるような機能を作っているところです。オープンソースプロジェクトであり、本業の課外活動としてやっているので、進むペースはそれほど速くはないです。まだまだ、これからですね。 


「世界中の人が使ってくれるツールを作りたい」(竹内氏)

—今後の展望は? 

竹内氏:僕自身、「多くの人に影響を与えたい」という思いが個人的なモチベーションとしてあります。だからこれからもE2D3に関わることで、世界中のユーザに使ってもらえるようなものを作っていきたいと考えています。 

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職業紹介優良事業者第1402022(01)号
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