ココナラが語る。少人数で”最高のサービス”を作る方法

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先日開催いたしました弊社イベント「ヒカ☆ラボ」。

前回の株式会社じげん 田口氏に引き続き、今回は株式会社ココナラ・恵比澤氏による講演「少人数スタートアップにおけるウェブアプリケーション開発」をレポートします。

※同日に行われた株式会社じげん 田口氏による講演「スクラム開発体制の広げ方」のレポートはこちらから

 ココナラ

株式会社ココナラのロゴ画像

【一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる】というコンセプトの元、誕生した「ココナラ」。
自分の経験・知識・スキルを、1回500円のサービスとしてオンライン上で売り買いできるウェブサービスです。
現在、恋愛相談から事業計画作りまで、様々なジャンルのサービスが 15,000件以上出品されています。

http://coconala.com/

登壇者紹介

恵比澤氏

株式会社ココナラでWebサービス「ココナラ」の開発全般を担当。
大学卒業後、8年間ルーターの開発に従事。

会社紹介

株式会社ココナラ

2012年、株式会社ウェルセルフとして設立。
その後、規模を拡大していき、2014年6月には株式会社ココナラへと社名を変更。
「ココナラ」の開発・運営を行っている。

ココナラのメンバー

株式会社ココナラでは、「ココナラ」を10名のメンバーで運営。
うち3名がエンジニア、1名がデザイナーというメンバー構成になっている。
加えて、フリーランスのエンジニアの方にもご支援をいただいているとのこと。

1. ココナラの開発体制は細部にこだわりあり

ココナラの開発は、

1.KPIに基づく目標設定・目標達成に向けた施策の企画立案
2.アプリケーション開発・コンテンツ制作・リリース
3.結果に対してのKPIレビュー

という流れで行われています。

企画から開発体制に至るまで、細かなところにある「少人数ならではの工夫」を今回ご紹介いただきました。
 

企画からエンジニアも参加


ココナラでは、企画立案の段階からエンジニアやデザイナーの方も参画されるそうです。

それにより、エンジニアやデザイナーを含めチーム全体に企画背景が共有されます。さらにエンジニアやデザイナーも含めて企画を検討することにより、KPIや機能の目的・目標を達成するための仕組みがチームで明確になる効果があるようです。

特に、触れていないと理解が難しいスマートフォンのサービスの開発では、スマートフォンの動きに強いエンジニアやデザイナーによる企画立案時からの参画は非常にメリットが大きいのだとか。
ただし、デメリットとしてエンジニアの開発リソースが企画によって削られるという点があるので注意が必要です。
 

2. ココナラの開発体制

ココナラでの開発の進め方を表にした画像

ココナラでの開発体制は、上の図のような流れで行われています。

ローカルのVirtualBoxで開発し、github上のリポジトリに修正した内容をPull Requestという形でそれぞれが投げて、レビューを行います。次にステージサーバにアップし、最後に本番サーバにアップします。本番サーバへのリリースは1日に数回は行っているとのことでした。

そして、ココナラには開発体制以外にも、注目すべきポイントがありました。
 

2週間でコードをリリース

ココナラでは、まず2週間の期間を区切り、期間内で対応するタスクを決定していきます。
これには遅くとも2週間以内にコードをリリースするルールとしての意味合いが含まれているとか。

「2週間でリリースする」と決めることで、不必要に開発規模が増大してしまうのを防ぐことができます。
このルールは、スマホサイトのリニューアルの際、結果的に数ヶ月もの開発期間がかかってしまい、旧バージョンからの移行やテストの面でも困難が生じてしまった、という過去の苦い経験を踏まえ適用されたそうです。

細かなスケジュール管理はしない

ココナラでは、タイトなスケジュール管理はしないという方針を持っています。
(チームで決めた目標設定は別にあるそうです。)
業務がひと段落したあとは積極的に自分から提案するための時間として使い、少人数ならではのボトムアップの組織作りを意識しています。

 

3. 開発を円滑に進めるためのコミュニケーション

「人が集まって会社をやっていると、一人では出せない力をチームで出していく必要があると感じる」と言う恵比澤氏。
チーム力を高めるために、ココナラではコミュニケーションをしっかりと取ることにも重点を置いています。

コミュニケーションの重要性

ココナラのような小規模な開発チームでは、従来行ってきた個人プレイとしてのやり方から、チームプレイに適したやり方への移行が課題になります。
特に重要なのがチーム内のコミュニケーションです。

それを解決するために、ココナラでは「ストック型のコミュニケーション」と「フロー型のコミュニケーション」に分けて改善しています。
 

「ストック型のコミュニケーション」

ココナラでは、情報をストックするためにconfluenceというツールを利用しています。

confluenceはオンデマンド版があるので、運用コストが低いのがメリット。
また、UIがエンジニア以外にも好まれるために、全社的に導入しやすい点もツールの良さなのだそうです。
 

「フロー型のコミュニケーション」

ココナラでは、会話の概要をHipChatというツールで共有し、情報が特定のメンバー間で埋もれてしまうのを防いでいます。

少人数のチームだと、どうしてもFace to Faceのコミュニケーションが増えてしまいがち。
「共有事項について全員に通達したつもりが、実際は一部の人間しか知らなかった」というトラブルを失くすため、口頭で決めたこともチャットで流すようにしているとのことでした。
 

4. 少人数開発での課題と対応

少人数開発の課題は「リソースが常に不足している」こと。
ココナラでは「少ない人数でどうすれば効率的に開発していけるか」を常に考えています。
 

「やりたいこと」と「やるべきこと」を考える

「ココナラをはじめとするwebサービスの『やるべきこと』とは、より多くのサービス価値をユーザーに届けること。
(自分達が)『やりたいこと』は、『やるべきこと』をしっかりとこなした上で着手しなくてはいけない」
と恵比澤氏は語ります。

「やるべきこと」をこなした上で「やりたいこと」も全て行うというのは、不可能です。
まずは、この「やりたいこと全てはできない」ということを理解する必要があります。
 

組織として「やるべきこと」は、なるべく低コストで実現する

Webサービス企業におけるエンジニアの「やるべきこと」には、「アプリケーション開発」「サービスインフラ」「社内ITの整備」などがあります。
その中で、可能なものは極力アウトソースしていくことで、これらに割くリソースを抑えることができます。

 

5. 注力すべきは、アプリケーション開発

ココナラのようなWebサービス企業では、アプリケーション開発が会社の事業と直結しています。
そのため、本来エンジニアのリソースはアプリ開発に集中させたいところ。
そこで、エンジニアのアプリ開発以外の仕事をいかに削減できるかを考慮し、少人数でも最大の効果が得られるよう工夫をされています。

ココナラのインフラ

ココナラでは、インフラはクラウドサービスやSaaSサービスを利用。

ココナラが社内ITとして利用しているクラウドサービスの画像

クラウドサービスの特徴として、「コスト削減」という金銭的なメリットばかりが注目されがちですが、サーバーを管理するための人的コストを低減できるという点も、大きなメリットということでした。

なお、SaaS型サービスの中では、とりわけNewRelicを利用しているとのことでした。
(NewRelicとはアプリケーションのパフォーマンス監視サービスです。)

このようにクラウドサービスやSaaS型のサービスを上手く利用し、専任のインフラエンジニアを置かずに対応しているとのことです。

ココナラの社内IT

「ココナラでは社内ITシステムは存在しません」と話す恵比澤氏。
社内IT設備の代わりとして、こちらでもSaaS型のサービスを利用しています。

ITシステムは自前で作るより、例え有料でもSaaS型のサービスを利用したほうが、コストパフォーマンス的に良いと判断されたためです。

開発リソース有効活用の取り組み

ココナラでは、開発リソースを有効的に活用するために、エンジニア以外のメンバーに対しても一定の技術を求めるそうです。

「スタッフ全員が一定のリテラシーを持つことで、円滑な業務遂行ができる」という理由で、定期的に社内勉強会も開催しています。
勉強会等を通して、簡単なSQLは、インターンも含めて全メンバーが書けるようにしている、とのことでした。
 

6. まとめ

IT企業で最も重要なのは、「サービス価値を向上していく仕事」。
その1点に集中するために、その他の業務は外部サービスを利用するなど、省略化を図っていくというお話が印象的でした。

「企画からコミットできるエンジニア」や「プログラミングが分かる企画」などスキルを横断的に捉えることにより、少人数でもパワフルな開発体制を構築することができるのですね。
 



いかがでしょうか。
少人数チームでの開発の課題は共通して”リソース不足”と聞きます。
ココナラさんのお話は、そのような共通の悩みを解決するヒントになるのではないでしょうか。

次回はSansan株式会社 藤倉氏の講演をレポートいたします。

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