ノウハウ0・広告費0円で350万DLのアプリ誕生秘話|アンジーインタビュー

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今回は累計350万DLの写真加工アプリ「My Heart Camera」「Pico Sweet」で話題の有限会社アンジー 森 英信氏、川野辺 亮氏にお話を伺いました。

お2人には9月11日のヒカ☆ラボ「宣伝費0円×社員数3名で350万ダウンロードを突破した写真加工アプリの秘密とは?徹底したユーザー視点における企画とデザイン。」にも登壇していただきます。

アプリ「My Heart Camera」の画像
【My Heart Camera】
ハートでデコれる女性向けiPhone向けカメラアプリ。
Adobe AppBox Awards 2013 ユーティリティ賞受賞。

アプリ「Pico Sweet」の画像
【Pico Sweet】
ワンタッチでデコれるiPhone向け写真加工アプリ。
リリースから僅か2ヶ月で100万DLを突破し、2014年6月には200万ダウンロードを突破。
毎日7万人〜10万人の女性iPhoneユーザーが利用。


有限会社アンジー CEO 森英信氏の画像
有限会社アンジー CEO
森 英信氏

リクルートやアスキーなどで出版物やモバイルサイトの
企画制作運営を行った経験から2005年にアンジーを創業。
変化し続ける消費者向けメディアづくりに携わり、
2011年からスマホアプリ事業に参入した。
趣味は自転車とスケボー。


有限会社アンジー デザイナー/エンジニア 川野辺 亮氏の画像
有限会社アンジー デザイナー/エンジニア
川野辺 亮氏

アンジーには2006年からWebデザイナー/エンジニアとして参加。
現在は、スマホアプリを中心に、デザインから開発までを一貫して担う。
My Heart Camera」「Pico Sweet」の企画・開発担当。
牛乳が大好き。

1. アプリのノウハウはなんにもなかったです

増谷(インタビュアー):本日はよろしくお願い致します。
早速ですが、元々アンジーさんはアプリに特化した会社ではないですよね。
どうしてアプリ開発に力をいれようと思ったんですか?


森:創業してから今年で10年目になるですが、これまでは出版企画とFlashブログをやっていたんです。

ただ、2011年にこれからはPCの時代ではなく、スマホの時代が来ると考え、Web系エンジニアの川野辺君に「スマホアプリを作ってください」ってお願いしたんです。

増谷:その頃川野辺さんはアプリ開発のノウハウはあったんですか?

川野辺:いえ、ないです。なんにもなかったですね(笑)

その当時、僕はガラケー持ちだったんですよ。
だから会社のiPodTouchを使って開発をしていたんですが、ダメですよね。
自分で使ってないので、分かんないんですよ。

iPhoneを使い始めてやっと
「あ、これがいけてるんだー」
「これはいけてないんだー」

という感覚が分かるようにはなりました。

増谷:ではアプリ開発はiPhoneを手に入れるところから始めて、そこから触ってみて…

川野辺:そう。iPhoneを購入したのがアプリ開発を始めて半年位経ってからです。もっと早く使うべきだったなとは思いますけど。

2. 最初のアプリは作れそうなところから

増谷:最初はどのようなアプリを作られたんですか?

森:一番初めは目覚ましアプリを作ったんですよ。
素材もありましたし、目覚まし時計くらいは作れるだろうって。

増谷:それはどのくらいダウンロードされたんですか?

森:いやーほとんどされてないんじゃないですかね。

川野辺:いきなり有料のアプリにしたんですよ。
最初はアプリのマネタイズ方法がまったく分からなかったんです。
アプリ内課金や広告は、技術的な知識や設計が必要ですので、当時はハードルが高かったんですよ。

それで「とりあえず有料アプリなのかな」って初めてアプリをリリースしたんです。

で、有料アプリを出したらやっぱり全然ダメで…

森:全然さっぱりでしたね。

3. アプリ作成100本ノック

増谷:初めてのアプリを作ってから「My Heart Camera」まで、短時間にたくさんのアプリを開発してますよね?

森:そうですね。最初の1年はその1個しか作らなかったんですけど、次の年はもっとアプリに力を入れようと考えました。

それで年間100本位できるんじゃないかと計画しました。
作る人は川野辺くん1人しか居ないんですけど(笑)

1個基本的なアプリを作ればコンテンツを入れ替えて100個くらいは作れるんじゃないかという無謀な計画です。

増谷:アプリを100個作ると聞いた時,川野辺さんはどういう反応でしたか?

川野辺:ほんと、どうしていいか分かんなかったですね(笑)でもやるって決まっていたほうが楽ですよね。

森:最初は、数を経験をしていけば何か得られるものがあるだろうって思っていました。
実際に「My Heart Camera」ができるまでに60個くらいはアプリを作りましたね。

そして、アプリを次々と作っていく中で徐々に画像編集や写真加工など技術や売り方を積み重ね、アプリ開発を学んでいきました。
それが「My Heart Camera」「Pico Sweet」のヒットにつながっているんです。

アプリ「あぶらみくんのカロリー暗算」の画像

増谷:「My Heart Camera」ができるまでに、アプリ開発をやめようかなって思うことはなかったのですか?

森:「My Heart Camera」が出る時、マーケットにリリースされる直前までやめようかと思っていましたね。
アプリを60個作ったけれど、全部合わせて30万ダウンロード位で大したことなかったんです。

受託もあんまり実績が無いので難しいですし。
ちょうど、取引先からアプリ開発の受託は取れなかったというタイミングだったんです。
それで、もう違うことやんないとって思っていたところでした。

「My Heart Camera」はそこにぎりぎり間に合ったって感じですね。
もうほんとギリギリでした。

増谷:「My Heart Camera」をリリースされてすぐにランキング上位に上がりました。その時はいかがでしたか?

森:いやーびっくりしました。炎上か何かがあったのかなと思いましたよ。
まあ川野辺君は色々仕込んでたので、売れるだろうと分かっていたみたいですが。

川野辺:今まで僕らがリリースしたアプリよりは「絶対行くな」って思っていましたが、いきなりランキング1位になるところまでは全く想像してなかったですよ。

増谷:「絶対売れるな」という自信はどういうところから出てきたんですか?

川野辺:「My Heart Camera」を作るにあたり、写真加工アプリを片っ端からダウンロードして使ってみたんです。
すると「どのアプリも意外と遠い存在じゃないな」と感じました。
デザイン面もそうですし、技術的に凄く難しいことをしてるわけじゃない。
実際、「もうちょっと手の施しようがありそうだな」ってアプリでもランキング上位にいました。
とりあえず「短期間であれば上にいくのは出来そうだな」と他のアプリを実際に使ってみて思いました。

しかし、機能面では2~3年ぐらい機能改善しいるアプリが多かったので、そこに僕らが半年と3ヶ月そこらで追いつくのは難しい。

なので、僕らはまず単機能に絞って、見た目だけとにかく「かわいいアプリにする」という点を一番重要視しました。

「My Heart Camera」のヒットまでの経緯を語る森氏と川野辺氏の画像

4. 「My Heart Camera」のヒットは「かわいい」から

「My Heart Camera」をリリースする当時の写真加工アプリは少し幼稚なデザインのものが多かったんです。
当時は海外のアプリが日本で流行ったこともあり「My Heart Camera」も差別化のために海外から持ってきたような、おしゃれさを持たせたデザインを目指しました。

ただ、あまりに海外のフラットデザインのようにすると、今度は使いづらくなります。なので海外アプリに寄り過ぎないように、微妙なこう、ちょっと憧れるなみたいなラインを狙いたいなと思ってました。

繰り返しになってしまいますが、とにかく「かわいい」は一番最優先でしたね。
そこだけは他に負けないようにしました。

5. 「かわいい」の秘訣は奥様

増谷:その「かわいい」デザインはどうやって生まれたんですか?

川野辺:実は、妻の意見を聞いてとにかくブラッシュアップしたんですよ。
僕もデザインが好きで、デザインの見る目は結構あると思っています。
ただ、女性向けに特化したデザインは、今までやったことがなかったんですね。

僕の妻は可愛いものがとにかく好きなんですよ。
例えばスタバも好きで、スタバマークがあるだけで多分1000円位のグッズを買っちゃうんですよ。

増谷:あー、その気持ちはすごく分かります。

川野辺:妻はデザインは分からないのですが、「かわいい」ものを見る目はあったんです。

なので「かわいい」に敏感な妻に聞いて、デザインが「かわいい」かどうか判断してもらいながら進めていきました。

実際、妻に聞くと最初に僕が考えたものより全然良くなるんですよ。
そして、結構細かいことも言われるんですよ。

「このボタンなんか可愛くない」とか。

それで僕はボタン背景を手書きで塗りつぶしたり、紙に実際にスプレーしたものをスキャンしたり、試行錯誤するのですが「んーっ」て感じで。
何度か試行錯誤繰り返してやっと「これかわいい」と言うので、「じゃあボタンはそれだ」というように決めていきました。

また、妻は僕にはわからない感性を持っているんです。

僕が「これちょっと無いでしょ」と思っていたのが「My Heart Camera」の中で、ボタンを押すとハートが飛び散るのがありまして。
Webでは「そういうの余計でしょ?」と言われているのですが、女性にはそれがかわいい。

「あ、これが女性にとって「かわいい」なんだ」と思うようになると、見方が全然変わりましたね。
ハートの演出もウザイ演出じゃなくて、見る人にとってはかわいいんだって。
実際にレビューでも好評だったので、女性向けデザインてやっぱり全然違うなって今でも思いますね。

6. スマホをもっと便利に、楽しく使ってもらいたい

増谷:アンジーさんの今後の展望はどのようにお考えですか?

森:スマホをちゃんと便利に楽しく使ってらっしゃる方って、まだまだ少ないんじゃないかと思うんですね。
なのでもっと気軽に、楽しんでもらえるようなものを、写真に限らず作っていく予定です。
まずは「Pico sweet」にコミュニティ機能を付けつつ、違うメディアも提供していき、少しでも楽しんでいただくような感じにしたいと思っています。

増谷:ありがとうございます。では、最後に今回のイベントはどのような人に聞いてもらいたいか教えてください?

森:今回はアプリ開発をする人向けに集客やデザイン、アプリの企画についてのお話をする予定です。
我々のノウハウを元に、「ヒカ☆ラボ」に来てくださる方が我々よりももっとヒットするものを作っていってもらえたらと思います。

増谷:ありがとうございました。ちなみに現在アンジーさんではエンジニアさんを募集されているんですよね。

川野辺:はい。技術はあるけど、自分で何作ったらいいか分からないエンジニアの方はいっぱいいると思うんですよ。
僕もついこの間までそうだったんです。
そういう「なんか作りたいけど、目標がない。ただ技術はある」という人は、うちに凄いマッチしてると思うので、よかったらイベントでお会いできるといいですね。

インタビューを終え、にこやかな表情で腕を組んでいる森氏と川野辺氏の画像



いかがでしょうか。

【My Heart Camera】【Pico sweet】と華やかな大ヒットアプリを創りだした裏側は、0からのアプリ開発でした。

※イベントは既に終了しております。

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