- フルスタックエンジニアはやめとけといわれる5つの理由
- フルスタックエンジニアに向いていない人の特徴
- 【実例】未経験からフルスタックエンジニアは目指せる?やめておくべき?
- フルスタックエンジニアの将来性
- フルスタックエンジニアに関するよくある質問
- まとめ
フルスタックエンジニアはやめとけといわれる5つの理由
フルスタックエンジニアは、フロントエンドからバックエンドまで幅広い領域をカバーできるエンジニアとして注目されています。しかし、実際にはさまざまな課題があり「やめておいた方がいい」という意見も少なくありません。
ここでは、フルスタックエンジニアが「やめとけ」といわれる5つの理由を詳しく解説します。
以下で、具体的な内容を確認していきましょう。
学習コストが高く負担が大きい
「フルスタックエンジニアはやめとけ」と言われる理由には、目指す上で膨大な学習コストがかかることが挙げられます。フロントエンド、バックエンド、インフラなど、すべての領域の技術を習得するには、多大な時間と労力が必要になります。
技術は日々進化しており、継続的な学習が欠かせません。仕事と並行して学習を進める場合、プライベートの時間が削られる可能性があります。
最新技術の探求の難しさがある
フルスタックエンジニアは幅広い技術に興味関心を持ち、最新技術をキャッチアップしていく必要がありますが、IT業界の進化の速さから全てを学習し続けるのは困難です。
特に、得意分野や興味のある技術に偏りがある場合、バランスの取れた学習を継続することが難しくなります。結果として、特定の分野に特化したスペシャリストと比べて、専門性が低いと判断されるケースもあります。
求められる知識やスキルのレベルが高くて挫折しやすい
フルスタックエンジニアには、フロントエンドとバックエンドの両方で高度な知識とスキルが求められます。
特に、独学の場合、効率的な技術習得が難しいです。たとえば、フロントエンドの基礎を学んでいる途中でバックエンドの学習も始めると、どちらも中途半端になってしまう可能性があります。
また、幅広い分野を学ぶため個々の技術の習熟度が上がりにくく、成長を実感しづらいという問題もあります。
中途半端に見られるリスクがある
フルスタックエンジニアは、複数の技術分野に対応できる一方で、特定分野での専門性が不足していると評価されるリスクがあります。採用担当者からは、各技術の習熟度が不明確であり、不安を抱かれやすい傾向にあるため、スキルシートやポートフォリオで自身のスキルをアピールすることが大切です。
特に、転職市場では、「フルスタックエンジニアとして幅広い経験がある」という主張だけでは、具体的な技術力や成果をアピールすることが難しいです。スペシャリストと比較して相対的に低い評価を受ける可能性があります。ポートフォリオの作り方は以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:ITエンジニアのポートフォリオとは?作り方や参考例を紹介
何でも屋のように扱われる可能性がある
フルスタックエンジニアは幅広い技術スタックを持つことから、組織内で「何でも対応できる人材」として扱われがちです。チーム内での役割分担があいまいになることで、突発的な対応も含めて多くの業務を抱え込む可能性があります。
その結果、労働時間の増加や技術の専門性を深める時間の不足といった問題が発生しやすくなります。このような状況は、長期的なキャリア形成やワークライフバランスの観点からも望ましくありません。
フルスタックエンジニアに向いていない人の特徴
フルスタックエンジニアは、多岐にわたる技術を扱えるエンジニアとして注目されています。しかし、特定の性格や志向を持つ人にとっては、不向きな職種となる可能性があります。
フルスタックエンジニアに向いていない3つの特徴は、以下の通りです。
以下で、具体的な内容を確認していきましょう。
一つの分野を極めたい人
フルスタックエンジニアには、さまざまな技術分野を広く学ぶ姿勢が求められます。そのため、特定の分野を深く追求したい人にとっては向いていない可能性があります。
たとえば、フロントエンド開発の分野で成長したい人や、データベース設計のスペシャリストを目指す人には不向きです。複数の分野に取り組むため、専門分野に費やせる時間が限られ、深い知識や経験を積むことが困難になります。
また、成果が分散してしまい、技術的な達成感や成長の実感を得にくいという特徴があります。一方で、幅広い領域に対応していても、各領域でしっかりと成果を残していれば、達成感や成長の実感を得られる可能性は十分にあります。
自学するのが苦手な人
フルスタックエンジニアには、継続的な自己学習能力が不可欠です。技術の進化が速いIT業界では、常に新しい知識やスキルの習得が求められます。
日々の業務に加えて、最新のフレームワークやツール、開発手法などの情報を自主的に学習することが必要です。このような自己学習に苦手意識がある人や、指導者のもとで体系的に学ぶことを好む人には向いていない可能性があります。
マルチタスクが苦手な人
フルスタックエンジニアは、プロジェクトの状況に応じて異なる役割を担当する必要があります。
このような環境では、複数のタスクを並行して進める能力や、全体のバランスを見ながら優先順位を判断する力が重要です。また、チームメンバーとの調整や、スケジュール管理なども求められます。
一つのタスクに集中して取り組むことを好む人や、複数の作業を同時に進めることにストレスを感じる人には向いていないかもしれません。
【実例】未経験からフルスタックエンジニアは目指せる?やめておくべき?
未経験からフルスタックエンジニアを目指すことは、決して不可能ではありません。下記のインタビュー記事では、社会人二年目で大手IT企業のサーバーサイドエンジニアへの転職を成功させた内容を紹介しています。
成功の要因を分析すると、まずは「とりあえずやってみる」という積極的な姿勢が大切です。蓬莱さんは「まず飛び込んでみる、やってみるというのは大事だと思います。勉強してからやるんじゃなくて、とりあえずやってみる。わからないことが出てきたら、そのタイミングでネットで調べて解決します。」と述べています。
また、独学に加えてメンターから指導を受けることで、効率的に知識やスキルを習得することも重要です。メンターの方からアドバイスについて、「状況に応じて最適な選択を行うための考え方を学べるのは、とても貴重な機会だったと思います。」蓬莱さんは語っています。
そして、目標設定と達成を繰り返すことで、モチベーションを維持することも大切です。蓬莱さんは目標設定の効果について、「一つひとつ目標をクリアすることで「自分でもやればできる」という成功体験を得ることができました。」と述べています。
以上のことから、未経験からフルスタックエンジニアを目指す場合、一度に全てを学ぼうとするのではなく、まずはフロントエンドなど一つの分野に特化するのがおすすめです。その後、徐々に知識を広げることで、段階的にスキルを身につけられます。
出典:「未経験からフルスタックエンジニアへ!転職成功者にインタビュー」
フルスタックエンジニアの将来性
フルスタックエンジニアは、習得すべき知識が多く大変な職種です。しかし、さまざまな技術領域に精通していることで将来性を高め、多様なキャリアパスに繋がります。
この項では、フルスタックエンジニアの将来性について、以下の4つの観点から詳しく解説していきます。
以下で、具体的な内容を確認していきましょう。
少人数での開発で重宝される
フルスタックエンジニアは、スタートアップや小規模なプロジェクトで特に重宝される存在です。一人で開発の複数工程を担当できるため、人員やコストを抑えながらプロジェクトを進められる利点があります。
たとえば、Webサービスの開発において、フロントエンドからバックエンド、さらにはインフラ構築まで一貫して対応できることは、即戦力として評価が高いです。特に、アジャイル開発やスクラム開発のような柔軟な開発手法を採用している環境では、多様なスキルを持つフルスタックエンジニアの価値が一層高まります。
複数の領域に知見があることでキャリアの幅が広がる
フルスタックエンジニアは、開発から設計、運用まで幅広い工程を理解しているため、キャリアの選択肢が豊富です。さまざまな技術領域への理解があることで、部署間の橋渡し役として活躍できたり、他職種とのコミュニケーションがスムーズになったりします。この幅広い知識は、専門性を深めるだけでなく、多様な役割への適応力や新たなキャリアパスに繋がります。また、この経験は、フリーランスとして活動する際や、副業をする際にも大きなアドバンテージです。
フルスタックエンジニアと専門分野の知識を合わせて強みにできる
幅広い知識を持ちながら、特定の分野で突出した専門性を持つ「T字型人材」としての道も有効です。たとえば、フルスタックの知識をベースにしながら、セキュリティやパフォーマンスチューニングなど、特定の領域で高い専門性を持つことで、市場価値を高められます。
このような独自の強みを持つことで、特定のプロジェクトでの重要な役割獲得など、より自身の強みを活かした働き方を実現できる可能性が広がります。
関連記事:自由な開発環境を求めて転職。求職者と二人三脚で見出したフルスタックエンジニアへの道
上流職を目指すなら経験が有利になる面もある
フルスタックエンジニアとしての経験は、プロジェクトマネージャーやアーキテクトといった上流職を目指す際に、大きなアドバンテージとなります。開発の全工程を理解していることで、プロジェクト全体を見渡す視点や、各工程での課題を予測する力が養われるためです。
また、チームマネジメントの役割を担う際も、技術面での幅広い理解があることでより適切な判断や指示が可能になります。開発メンバーとの円滑なコミュニケーションや、技術選定での的確な判断など、マネジメント業務全般でフルスタックの経験が活きてきます。
転職を検討している方は、以下のロードマップに関する記事や、求人情報も参考にしてください。
関連記事:フルスタックエンジニアのロードマップを解説! 経験者・未経験者別に紹介
フルスタックエンジニアの求人・転職情報>
フルスタックエンジニアに関するよくある質問
フルスタックエンジニアについて、多くの方から寄せられる質問に答えていきます。特に、この職種の必要性や課題について、現場の実態を踏まえて解説します。
類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。
Q1. フルスタックエンジニアはいらないって本当ですか?
フルスタックエンジニアの必要性は、開発現場や企業の状況によって大きく異なります。
重要なのは、フルスタックエンジニアと専門職のバランスです。プロジェクトの規模や目的に応じて、それぞれの役割を明確にすることで、両者の強みを活かした効率的な開発が可能になります。
Q2. フルスタックエンジニアのデメリットはありますか?
フルスタックエンジニアには、いくつかのデメリットが存在します。まず、学習面での負担が極めて大きい点が挙げられます。また、複数分野を学ぶ必要があるため、技術の習熟度が専門職と比べて広く浅くなりがちです。さらに、「何でもできる」という認識から、1人に過度な業務が集中する可能性があります。
まとめ
フルスタックエンジニアには、学習コストの高さや技術の専門性不足、業務負担の集中といった課題が存在します。特に、継続的な自己学習の必要性や、中途半端に見られるリスク、便利な存在として扱われる可能性は、重要な懸念点として認識すべきです。
一方で、少人数開発で即戦力として重宝される点や、キャリアの選択肢の広さ、T字型人材としての発展可能性など、将来性も秘めています。また、上流職を目指す際には、幅広い経験が強みとなります。
フルスタックエンジニアを目指すかどうかは、自身のキャリアプランや適性を考慮して判断することが大切です。将来的には、特定分野での専門性を持ちながら、幅広い技術スタックを扱えるバランスの取れたエンジニアを目指すことで、より安定したキャリアを築けるでしょう。
※本記事は2025年4月時点の情報を基に執筆しております