- セールスフォースエンジニアが「やめとけ」といわれる5つの理由
- セールスフォースエンジニアに向いている人の特徴
- やめとけといわれるセールスフォースエンジニアとして働くメリット
- セールスフォースエンジニアに必要なスキル
- セールスフォースエンジニアにおすすめの資格
- セールスフォースエンジニアに関するよくある質問
- まとめ
セールスフォースエンジニアが「やめとけ」といわれる5つの理由
セールスフォースエンジニアは、将来性や安定した需要から人気の職種です。しかし、実際の現場では「やめとけ」という声が存在します。ここでは、セールスフォースエンジニアが「やめとけ」といわれる代表的な理由として、以下の5つを紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
1. 機能が幅広く習得コストが高いから
セールスフォースエンジニアが「やめとけ」といわれる理由の1つに、習得コストが高いことが挙げられます。Salesforceのプラットフォームには多くの機能が搭載されており、効果的に活用するためにはそれぞれの理解と運用スキルが必要です。
Salesforceの主な機能は以下のとおりです。
機能名・サービス名 | 概要 |
---|---|
Sales Cloud | 営業活動や顧客データの管理が できるCRMの中核機能 |
Service Cloud | カスタマーサポート業務を効率化し、 顧客満足度を向上させるための機能 |
Marketing Cloud |
クロスチャネル対応の マーケティングプラット フォーム |
これらの機能の学習のために、Salesforceが公式のオンライン学習プラットフォームとしてTrailheadを提供しています。しかし、1つの機能を学ぶだけでも、数時間以上の学習時間が必要になります。また、機能同士の連携や相互作用についても理解しなくてはならず、全体の習得には相当な時間と労力が必要です。
このような幅広い知識の習得が必要であり、習得コストが高いことから、セールスフォースエンジニアは「やめとけ」といわれることがあります。
2. 技術者が少なく専門的な質問がしづらいから
技術的な課題に直面した際、有識者に質問して解決することが難しいため、セールスフォースエンジニアは「やめとけ」といわれています。Salesforce技術者の数は、ほかの一般的なプログラミング言語やフレームワークを扱う技術者と比べて限られています。
たとえば、JavaやPythonなどのプログラミング言語であれば、Stack OverflowやGitHubなどのプラットフォームで多くの解決事例や参考情報を見つけることが可能です。しかし、Salesforceに関する質問や課題については、情報源が限られており、特に日本語での情報は十分とはいえません。
また、社内でも Salesforce に詳しい先輩エンジニアが少ないケースが多く、実践的なアドバイスを得られる機会が限られている可能性があります。このため、問題解決に時間がかかったり、独力での解決を強いられたりすることがあるのです。
このように、Salesforce技術者が少ないために、課題に直面した時にセールスフォースエンジニアは大変なので、セールスフォースエンジニアはやめとけといわれています。
3. 常に新しい技術を習得し続けなければならないから
セールスフォースエンジニアが「やめとけ」といわれる理由として、常に新しい技術を習得し続けなければならないことが挙げられます。
IT業界は技術の進歩が速く、知識の更新が常に求められます。特に、Salesforceは年3回のメジャーアップデートがあるため、定期的に最新知識を学習しなければなりません。
具体的には、アップデートの内容や、既存のシステムへの影響を確認し、今後の対応を検討する必要があります。
このように、新しい技術を学び続ける負担が大きいことが、セールスフォースエンジニアは「やめとけ」といわれる要因の1つとなっています。
4. キャリアの選択肢が狭まる可能性があるから
キャリアの選択肢が狭まる可能性があることも、セールスフォースエンジニアは「やめとけ」といわれる理由です。Salesforceは独自の技術スタックを複数採用しており、Salesforce環境でしか使用できないことから、汎用性に欠けるのが難点です。
Salesforce独自の技術スタックに、Apexと呼ばれるJavaに似たオブジェクト指向のプログラミング言語が挙げられます。また、SOQLというSQLに似たデータベースクエリ言語があります。これらの技術は、ほかのシステム開発では使用できません。そのため、Salesforce以外の分野に転向しようとした場合、新たに別の技術スタックを習得する必要があります。
セールスフォースエンジニアとして専門知識に特化することにより、キャリアパスの選択肢が狭まる可能性があるため、「やめとけ」という意見が挙がっています。
5. 障害発生時の心身的負担が大きいから
Salesforceのシステム障害は、企業の業務に直接的な影響を及ぼすため、エンジニアへの負担が高くなりがちです。これが、セールスフォースエンジニアは「やめとけ」といわれる要因となっています。
Salesforceは営業活動や顧客管理の中核システムとして利用されているため、障害が発生すると即座に業務が停止してしまうことも少なくありません。
このような状況下では、エンジニアは長時間の作業を強いられたり、精神的なストレスにさらされたりすることがあります。特に、顧客データを扱うシステムは、データの整合性を保ちながら迅速な復旧を行う必要があり、その責任の重さも大きな負担となるのです。
Salesforceの障害が業務に直接影響し、エンジニアへの負担が大きくなる傾向があるため、セールスフォースエンジニアは「やめとけ」といわれることがあります。
セールスフォースエンジニアに向いている人の特徴
セールスフォースエンジニアには、「やめとけ」という意見もありますが、特定の素質や興味を持つ人にとっては、やりがいのある職種です。ここでは、セールスフォースエンジニアに向いている人の特徴を3つ紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
クラウドやSaaSに興味がある人
クラウドやSaaSの技術に関心がある人は、セールスフォースエンジニアとして活躍できる可能性が高いです。Salesforceは世界有数のクラウドサービスであり、最新のクラウド技術やSaaSのトレンドを実践的に学べる環境です。
クラウド・SaaS環境での主な業務には、以下が挙げられます。
-
・クラウドベースのアプリケーション開発
・マルチテナント環境での運用管理
・クラウドサービス間の連携設計
このような業務を通して、クラウド技術のスキルを身につけることが可能です。また、ほかのクラウドサービスとの連携も多いため、幅広いクラウド技術の知識を習得できる可能性があります。
そのため、クラウドやSaaSに興味がある人は業務を通してやりがいを感じやすいため、セールスフォースエンジニアに向いているといえます。
新しい技術をキャッチアップするのが好きな人
技術や知識の習得を楽しめることも、セールスフォースエンジニアに向いている人の特徴です。
Salesforceは定期的なアップデートにより、頻繁に新しい機能や技術が追加されるため、学習意欲の高い人に適しています。また、Salesforceは学習環境も充実しており、新技術の習得をスムーズに進めることが可能です。
そのため、新しい知識や技術の習得に意欲的な人に向いています。
設定作業やカスタマイズが好きな人
設定作業やカスタマイズが好きなことも、セールスフォースエンジニアに向いている人の特徴の1つです。
Salesforceは、豊富なカスタマイズ機能を持つプラットフォームです。セールスフォースエンジニアは、完成されたプラットフォーム上でシステムのカスタマイズや機能追加を行うことが主な業務となります。たとえば、画面レイアウトのデザインやワークフローの自動化などの作業を通じて、顧客の業務効率化や問題解決に直接貢献できます。
そのため、設定作業やカスタマイズが好きな人は、セールスフォースエンジニアの適性があるといえるでしょう。
やめとけといわれるセールスフォースエンジニアとして働くメリット
「やめとけ」といわれることの多いセールスフォースエンジニアですが、メリットも存在します。ここでは、具体的なメリットとして以下の3つを紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
コーディングが苦手でも活躍しやすい
セールスフォースエンジニアとして働くメリットとして、コーディングが苦手でも活躍しやすいことが挙げられます。Salesforceでは、高度なプログラミングスキルがなくても、多くの機能を実装できます。これは、ポイント&クリックで設定できる機能が充実しているためです。
Salesforceの主なノーコード・ローコード機能は以下のとおりです。
機能名 | 概要 |
---|---|
Flow Builder | 業務プロセスの自動化 |
Process Builder | 自動化ルールの設定 |
Lightning App Builder | 画面レイアウトの作成 |
Formula Field | 計算項目の設定 |
これらの機能を活用することで、コーディングスキルが高くなくとも、顧客の要望に応えることができます。
コーディングが得意でなくともエンジニアとして活躍しやすいことは、セールスフォースエンジニアのメリットです。
運用/保守の負担が比較的軽い
セールスフォースエンジニアは、ほかのエンジニア職と比べて運用/保守の負担が比較的軽いことがメリットです。
Salesforceはクラウド型のプラットフォームであり、インフラやセキュリティの管理はSalesforce社が行っています。そのため、エンジニアがサーバー側の監視や障害対応などを個別に行う必要がありません。
たとえば、Salesforceでは、アップデートが4半期ごとに自動で適用され、インフラレベルの対応はプラットフォーム側で完結します。これにより、セールスフォースエンジニアは開発業務に専念できます。
Salesforceを利用するとエンジニアの負担が少なく働きやすいということも、セールスフォースエンジニアのメリットです。
将来性が高い
セールスフォースエンジニアとして働くことは、高い市場価値と将来性を兼ね備えたキャリアを築けるというメリットがあります。
Salesforceは世界中で導入が進んでおり、国内外でニーズが高いプラットフォームです。企業のDX推進や業務の効率化を支える重要な存在であるため、Salesforceエンジニアの需要も増加傾向にあります。
Salesforceエンジニアは今後も需要が続くと見込まれ、安定した将来を見据えた働き方ができる職種といえます。
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セールスフォースエンジニアに必要なスキル
セールスフォースエンジニアに必要なスキルとして、以下の3つを紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
Salesforce特有の開発スキル
Salesforce独自の開発スキルは、セールスフォースエンジニアにとって必須です。
Salesforceは独自のプラットフォームで動いており、ApexやSOQLなど、Salesforce特有の技術を使いこなす必要があります。これらを理解していないと、要件を満たすシステム開発ができません。
たとえば、Apexのトリガーと呼ばれるプログラムを利用して、特定のイベントが発生した際に自動で処理を行うなど、業務ロジックに密着したコードを書く場面があります。また、トリガー内でのレコード取得や、バッチ処理で大量にレコードを操作する際には、SOQLを使いこなせる必要があります。
そのため、セールスフォースエンジニアにはSalesforce独自の開発スキルが不可欠です。
ドキュメント作成スキル
セールスフォースエンジニアには、ドキュメント作成スキルも重要です。
Salesforceはノーコード・ローコード開発が可能である反面、「何をどう構築したか」がブラックボックスになりやすい傾向があります。そのため、ほかの開発メンバーや将来的な保守担当者が仕様や設計を理解しやすい状態にドキュメントを作成・整備することが必要です。
たとえば、以下のようなドキュメントを作成するスキルがあると業務に役立ちます。
-
・ER図:データ間の関係を明確にし、データベース構造を視覚化する
・画面遷移図:画面間の遷移を視覚的に示す
・シーケンス図:処理の流れやシステムの概要、仕様を記載する
Salesforceエンジニアにとって、ドキュメント作成スキルも備えておくべきスキルの1つです。
ソフトスキル
顧客の業務課題をSaleceforceで解決するセールスフォースエンジニアにとって、ソフトスキルは重要な要素です。セールスフォースエンジニアの業務では、現場担当者からのヒアリングやチームとの連携など、技術を活用するだけでなく人と関わる機会が比較的多いためです。
たとえば、営業から「入力項目が多過ぎて現場が困っている」と相談を受けたとき、その背景にある業務フローや制約をヒアリングし適切な解決策を提案することが求められます。ここで重要なのは、「課題の本質を聞き出す力」や「非エンジニアでも分かる説明力」といったソフトスキルです。
セールスフォースエンジニアは、業務課題を技術で解決する役割があるため、ソフトスキルが必要です。
セールスフォースエンジニアにおすすめの資格
セールスフォースエンジニアになるために法的な資格要件はありません。ただし、実務で必要となるスキルや、キャリアの向上に役立つ資格として、Salesforceの認定資格があります。おすすめの資格は以下のとおりです。
No. | 資格名 | 概要 |
---|---|---|
1 | アドミニス トレーター |
基本的な設定・運用知識を 証明する初級資格 |
2 | Platform アプリケーション ビルダー |
・カスタムアプリケーションの 設計や構築、リリースのスキルと 知識があることを証明する資格 ・6ヶ月から1年程度のLightning プラットフォーム、または同様の プラットフォームのアプリケー ション構築経験者が対象 |
3 | 上級アドミニス トレーター |
・Salesforceの高度な管理者機能を 使用した経験を有し、高度な レポートやダッシュボード、 自動化プロセスの設計に精通して いることを証明する資格 ・Salesforce認定アドミニストレーター の資格を持ち、「Salesforce 管理Ⅱ」 を修了している人が対象 |
これらの資格はすべてSaleceforce社が公式に認める「一定レベルのスキルを持っている」という証明になります。
Salesforceに関する資格についてさらに詳しく知りたい方は「Salesforce認定資格とは?取得のメリットや難易度を紹介」をご覧ください。
セールスフォースエンジニアに関するよくある質問
セールスフォースエンジニアについて、よくある質問と回答を紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
Q1. セールスフォースエンジニアはつまらないですか?
セールスフォースエンジニアの仕事が面白いかどうかは、個人の興味や価値観によって異なります。以下のような点で、やりがいを感じる人も多くいます。
-
・顧客の業務改善に直接貢献できる
・最新技術に触れる機会が多い
・幅広い業界の知識が身につく
ただし、独自の開発環境や制約があるため、自由な開発を好む人にとっては物足りなさを感じる可能性もあります。事前に自身の志向性と照らし合わせることをおすすめします。
Q2. 未経験からセールスフォースエンジニアを目指せますか?
未経験からでもセールスフォースエンジニアを目指すことは可能です。ほかの言語やフレームワークの先入観がないため、Salesforce特有の考え方や手法を素直に習得できる可能性があります。ただし、セールスフォースエンジニアにも、開発プロセスに関する知識やドキュメント作成スキルなどの一般的な設計・開発のスキルや、ヒアリング力や説明力などのソフトスキルは必要です。
Q3. セールスフォースエンジニアは何がすごいですか?
セールスフォースエンジニアの「すごさ」は、将来性の高さと、やりがいの感じやすさです。企業のDX推進とクラウドサービスの普及に伴い、その重要性は今後さらに高まることが予想されます。また、顧客の課題解決に直接貢献でき、やりがいを感じやすい点は、セールスフォースエンジニアという職種の大きな強みといえます。
まとめ
この記事では、セールスフォースエンジニアが「やめとけ」といわれる理由や向いている人の特徴、メリット、必要なスキルや資格について詳しく解説してきました。
セールスフォースエンジニアが「やめとけ」といわれる理由として、習得コストの高さ、技術者の少なさ、継続的な学習の必要性、キャリアの専門性、そして障害時の負担などが挙げられます。
しかし、クラウドやSaaSに興味がある人、新しい技術の習得を楽しめる人、設定作業やカスタマイズが好きな人にとっては、やりがいを感じやすい職種です。
将来性が高いことやコーディングが苦手でも活躍しやすいこと、運用/保守の負担が比較的軽いことなどは、セールスフォースエンジニアならではの魅力といえるでしょう。
セールスフォースエンジニアとしてのキャリアは、DXが推進される現代社会において、ますます重要性を増していくと考えられます。セールスフォースエンジニアに転職するかどうか迷っている方は、自分の適性や興味をよく考えた上で、転職を検討することをおすすめします。
※本記事は2025年4月時点の情報を基に執筆しております