- 未経験からクラウドエンジニアを目指すのは可能?
- クラウドエンジニアになるためのロードマップ
- クラウドエンジニアとして年収アップするためのロードマップ
- クラウドエンジニアのキャリアプラン
- クラウドエンジニアに向いている人の特徴
- クラウドエンジニアになるために必要なスキル
- クラウドエンジニアのロードマップに関してよくある質問
- まとめ
未経験からクラウドエンジニアを目指すのは可能?
まずは未経験からクラウドエンジニアを目指すことは可能なのかについて解説します。
エンジニアの経験の有無に分けて解説するので、ぜひ参考にしてください。
エンジニア未経験者の場合
結論として、エンジニア未経験の方でもクラウドエンジニアを目指すことは可能です。しかし、基礎からしっかりと学ぶ必要があります。最初に学ぶべき基礎知識としては、クラウドに関する知識
やクラウドサービスを扱うスキル、サーバーやネットワークの知識が挙げられます。
これらの知識がないと、クラウドの概念自体の理解が難しく、実務に取り組むことができません。学習方法としては、スクールやオンライン学習サービスの活用がおすすめです。特にクラウド専門のコースを提供しているスクールであれば、効率的に必要なスキルを習得することができます。
エンジニア未経験の方が身につけるべきスキルと資格は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:クラウドエンジニアへの未経験転職は可能?必要スキルと資格を解説
エンジニア経験者の場合
エンジニアの経験がある方の場合、比較的スムーズにクラウドエンジニアへの転向が可能です。なぜなら、すでにエンジニアとしての学習方法が確立しており、学習ノウハウを活かし効率的にクラウド特有の技術やツールの使い方を身につけられるからです。
学習内容としては、主要なクラウドサービスの理解やコンテナ技術(Docker、Kubernetes)などが中心です。これらの技術は、実際の開発環境で広く使用されているため、重点的に学習しましょう。
クラウドエンジニアになるためのロードマップ
ここからは、クラウドエンジニアになるためのロードマップを紹介します。クラウドエンジニアに挑戦したいと思っている方は、以下のステップを参考にしてください。
それぞれ解説します。
1. 実務に必要な基礎知識を身につける
クラウドエンジニアとして働くためには、まずIT基礎知識の習得が不可欠です。具体的には、以下の知識とスキルが必要です。
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・クラウドに関する知識
・クラウドサービスを扱うスキル
・サーバー/ネットワークの知識
・プログラミングの知識
特に重要なのは、主要なクラウドプラットフォーム(AWS・Google Cloud・Azure)の基本的な仕組みと操作方法の習得です。未経験の方は、各プラットフォームが提供する無料学習コンテンツを活用し、実際にクラウド環境を構築・運用する経験を積むことをおすすめします。
上記の必要な知識・スキルについては、後述する「クラウドエンジニアになるために必要なスキル」で詳しく解説します。
2. 就職に役立つ資格を取得する
就職を成功させるためには、資格の取得がおすすめです。特におすすめの資格が、以下の3つです。
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・AWS認定
・Google Cloud認定資格
・Microsoft Azure認定資格
クラウドエンジニアに必須の資格はありませんが、上記の資格を取得することで、スキルアップや評価アップにつながります。上記の資格の詳細は、以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
関連記事:クラウドエンジニアとは?資格や年収・需要・向いている人を紹介
3. ポートフォリオを作成する
クラウドエンジニアに転職するためには、実践的なスキルを証明するポートフォリオの作成が重要です。具体的には、以下のような実務で必要とされる技術をGitHubなどで公開することをおすすめします。
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・クラウド環境を使用したWebアプリケーションのデプロイ
・自動スケーリングの設定
・監視システムの構築
これらの成果物をまとめておくことで、面接時に自身の技術力をアピールする重要な材料となります。ポートフォリオを作るメリットと参考例は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:インフラエンジニアにポートフォリオは必要?作るメリットや参考例を紹介
4. クラウドエンジニアの仕事を探す
実践的なスキルと資格を身につけた後は、求人に応募します。クラウドエンジニアの求人は、IT系転職サイトや人材紹介会社で多く見つけることができます。
応募時は、自身が持つスキルや資格、作成したポートフォリオを効果的にアピールすることが重要です。また、技術力だけでなく、学習意欲や成長意欲も重要な採用ポイントとなります。
転職市場では、特定のクラウドプラットフォームに特化した求人も多いため、自身が学習してきたプラットフォームに関連する求人を中心に探すことをおすすめします。
なお、転職が初めての方は、転職エージェントの活用がおすすめです。IT特化型の転職エージェントであるレバテックキャリアは、ITエンジニアの転職を成功させるための書類作成や面接対策といったサポートを行っています。以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:ITエンジニア転職の全ノウハウ!面接・職務経歴書の書き方など
クラウドエンジニアとして年収アップするためのロードマップ
クラウドエンジニアとしてスキルアップ・年収アップするには、段階的な学習が重要です。基礎的な知識から専門的なスキルまで、計画的に習得していく必要があります。
以下が、クラウドエンジニアに必要なスキルの習得ステップです。
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1. 基礎知識の習得
2. クラウドサービスの基本の学習
3. 実践的なスキルの習得
4. 専門性の確立
基礎知識の習得には、ネットワークやLinuxコマンド、セキュリティの基本を理解することから始めましょう。これらの基礎知識は、クラウドサービスを扱う上で必須となります。この段階では、2〜3ヶ月程度の学習期間を見込むことをおすすめします。
次のステップでは、AWS・Azureなどの主要なクラウドサービスの基本を学びます。特に、クラウドアーキテクチャの理解は重要です。たとえば、AWSであればCloud Practitionerの資格取得を目指すことで、体系的な知識を得ることができます。
なお、これらのスキルは、実務経験やオンライン学習などを通じて習得することがおすすめです。たとえば、AWSやAzureの無料枠を活用して、実際の環境で試行錯誤することで理解が深まります。
クラウドエンジニアのキャリアプラン
まずは、現職がクラウドエンジニアの方向けに、クラウドエンジニアのキャリアプランを紹介します。クラウドエンジニアになった後に目指せる主な職種には、以下が挙げられます。
一つずつ紹介します。
スペシャリスト職
スペシャリスト職は、クラウド技術のエキスパートとして専門性を極めていくキャリアパスです。具体的に、スペシャリスト職には以下の職種があります。
職種 | 特徴 |
---|---|
クラウドセキュリティ エンジニア |
クラウド環境におけるセキュリティ対策を 設計・実装・運用する専門職。企業や 組織がクラウドサービスを安全に利用 できるよう、セキュリティポリシーの 策定やリスク評価、セキュリティ インシデントの対応などを行う。 |
クラウドネットワーク エンジニア |
クラウドサービスを利用して、企業の ITインフラを設計・構築・運用・保守 する専門職。クラウド型システムの環境 構築と運用保守が主な仕事。 |
クラウド アーキテクト |
クラウドインフラストラクチャの設計や 構築、管理、運用などを担当する専門職。 企業がクラウドを利用して業務を効率化 したり、新しいサービスを開発したり する際に運用する役割を担う。 |
これらのキャリアパスには、特定の分野に関する深い知識とスキルが必要です。また、職種によってはクライアントとやり取りする機会も多いため、コミュニケーション能力も求められます。
マネジメント職
マネジメント職は、チームや組織のマネジメントを担当する立場へのキャリアパスです。プロジェクトマネージャーとして複数のチームを横断するプロジェクトを統括したり、現場経験を生かし、テクニカルマネージャーとして技術戦略の立案や育成を担当したりします。
このキャリアパスは、技術的な知識に加えて予算管理やリソース配分、リスクマネジメントなどのプロジェクトマネジメントスキルが必須です。また、クライアントとの折衝力、チームメンバーのモチベーション管理、技術的な意思決定能力なども重要です。
そのほかの職種
クラウドエンジニアは、実務で培った技術を活かしながら異なる領域でキャリアを築くことも可能です。たとえば、インフラからアプリまで対応できるフルスタックエンジニアに転身するのも一つの方法です。
フルスタックエンジニアになるには、プログラミングの基礎からシステム設計、クラウドの知識、要件定義まで幅広いスキルを習得する必要があります。
また、フルスタックエンジニアは、技術の選定や開発方針の決定、チーム内の課題解決など、リーダーシップが求められる場面も少なくありません。そのため、プロジェクト管理やチームビルディングのスキルを磨くことも重要です。
このように、キャリアパスは一度決めたら固定というわけではなく、経験やスキル、市場のニーズに応じて柔軟に変更できます。クラウド技術の進化は速く、新しい職種や役割が生まれる可能性も高いため、柔軟な姿勢でキャリア形成に取り組むのがおすすめです。
関連記事:フルスタックエンジニアのロードマップを解説! 経験者・未経験者別に紹介
クラウドエンジニアに向いている人の特徴
クラウドエンジニアに挑戦したいと思った方は、以下で解説する内容から、自身が向いているか確認してみてください。
一つずつ見ていきましょう。
地道な作業が得意
クラウドエンジニアは、地道な作業が得意な方に向いています。クラウドエンジニアの業務には、システムの構築や運用、監視など地道な作業が多く含まれます。これらの作業は、一見地味で単調に見えるかもしれませんが、システムの安定性や信頼性を支える重要な業務です。
たとえば、システムの監視ログを定期的にチェックしたり、セキュリティアップデートを適用したりする作業は、継続的な注意力と忍耐力が必要です。また、問題が発生した際には、原因を特定するために膨大なログを調査する必要があることもあります。
このような地道な作業を面倒がらず、むしろ着実に進めることに充実感を感じられる人は、クラウドエンジニアに向いていると言えます。
コミュニケーションが好き
クラウドエンジニアは、開発者やビジネス部門、クライアントなどさまざまな立場の人と協力して仕事を進める必要があるため、コミュニケーション能力が必要です。
具体的には、システムの要件をビジネス部門と確認したり、障害発生時の状況を開発者と共有したりする機会が多くあります。また、チーム内でのナレッジ共有や、新しい技術の導入提案なども重要です。
技術的な内容を非技術者にも分かりやすく説明できる能力や、異なる意見や要望を調整できるコミュニケーション力を持っている人は、クラウドエンジニアとして活躍できる可能性が高いと言えます。
IT技術に対する興味が強い
クラウド技術は非常に速いペースで進化しており、新しいサービスや機能が次々とリリースされているため、常に最新の技術動向をキャッチアップし、学習し続ける姿勢が必要です。
たとえば、新しいクラウドサービスがリリースされた際には、その機能や特徴を理解し、既存のシステムへの適用可能性を検討する必要があります。また、セキュリティ対策や運用管理の手法も日々進化しているため、継続的な学習が欠かせません。
IT技術全般に強い興味を持ち、新しい技術を学ぶことに喜びを感じられる人は、クラウドエンジニアとして成長していける素質があると言えます。
論理的に物事を考えられる
クラウドシステムの設計や構築、トラブルシューティングには、論理的な思考力が不可欠です。システムの要件を分析し、適切なアーキテクチャを設計する際には、さまざまな要素を考慮しながら最適な解決策を導き出す必要があります。
たとえば、システムの可用性やセキュリティ、コストなどを時には相反する要件のバランスを取りながら、最適な設計を行う必要があります。また、システム障害が発生した際には、ログやモニタリング情報を分析し、論理的に原因を特定する能力が必要です。
このような事態でも、原因と結果の関係を明確に理解できる論理的思考力を持っている人は、クラウドエンジニアとして成功する可能性が高いと言えます。
クラウドエンジニアになるために必要なスキル
クラウドエンジニアになるためには、以下のスキルが必要です。
それぞれ解説するので、これからクラウドエンジニアを目指す方はしっかりと押さえておきましょう。
クラウドに関する知識
クラウドエンジニアには、クラウドに関する知識が必須です。クラウドエンジニアの基盤となるのは、クラウドコンピューティングの基本概念と仕組みの理解です。まずは、IaaS・PaaS・SaaSといったクラウドサービスモデルの違いと特性を十分に理解しましょう。
たとえば、IaaSはサーバーやストレージなどの基盤インフラを提供するのに対し、PaaSはアプリケーション開発環境やミドルウェアまでを含みます。これらの違いを理解することで、顧客のニーズに合わせた適切なソリューション設計が可能になります。
また、クラウドセキュリティについての深い理解も不可欠です。共有責任モデルの概念やデータ暗号化、ネットワークセキュリティなど、セキュリティ課題と対策を熟知していることが、安全なクラウド環境の構築には欠かせません。
クラウドサービスを扱うスキル
クラウドエンジニアとして成功するためには、主要なクラウドプラットフォームとそのサービスを扱う実践的なスキルが必要です。具体的には、AWS・Azure・GCPといった主要クラウドプロバイダーのうち、少なくとも一つのプラットフォームについて深い知識を持っていることが求められます。
理想的には、複数のプラットフォームについて理解していると、マルチクラウド環境にも対応できるためキャリアの幅が広がります。また、現代のクラウド環境では、インフラストラクチャのコード化(IaC)が標準的なアプローチです。
TerraformやAWS CloudFormationなどのツールを使って、インフラを宣言的にコードとして管理するスキルは非常に重要です。
サーバー/ネットワークの知識
クラウドエンジニアには、クラウドの基盤となるインフラ技術の理解も重要です。オンプレミス環境での経験がなくても、基本的な知識は必要です。
具体的には、Linuxサーバーの基本的な操作やシステム管理の知識、TCP/IPを中心としたネットワークの基礎知識は必須です。また、ファイアウォール、ロードバランサー、DNSなどのネットワークサービスについての理解も求められます。
さらに、システムの可用性や性能に関する知識、セキュリティ対策の基本的な考え方なども、クラウドシステムの設計・運用に不可欠です。
プログラミングの知識
現代のクラウド環境では、プログラミングスキルも重要な要素となっています。クラウドエンジニアがコードを書く機会は少ないため、開発者レベルである必要はありませんが、PythonやJavaScriptなどのプログラミング言語の基本的な理解が必要です。
なぜなら、クラウド環境では、サーバーやネットワークなどのインフラをコードで定義・管理するからです。加えて、たとえばPythonなどの言語を習得すれば、一部システムを自分でコーディングし、作業を自動化できます。
1回自動化できれば、同じような開発を行うときにコードを流用できるため、作業効率アップにつながります。
これらのスキルは、一度に完璧に習得する必要はありません。まずは取得する言語を一つ選択し、オンライン学習リソースを活用したり、実務経験を積みながら徐々にスキルを広げていくことが現実的なアプローチです。
クラウドエンジニアのロードマップに関してよくある質問
最後に、クラウドエンジニアのロードマップに関してよくある質問を紹介します。
Q1. クラウドエンジニアになるためにおすすめの資格はありますか?
Q2. クラウドエンジニアに必須のスキルはありますか?
それぞれについて解説します。
Q1. クラウドエンジニアになるためにおすすめの資格はありますか?
クラウドエンジニアを目指す方には、以下の資格がおすすめです。
-
・AWS認定
・Google Cloud認定資格
・Microsoft Azure認定資格
これらの資格は、クラウドの基本概念や用語を体系的に学ぶのに適しています。特にAWS認定は、クラウドの入門資格として広く認知されている資格です。
Q2. クラウドエンジニアに必須のスキルはありますか?
クラウドエンジニアになるためには、以下のスキルが必要です。
-
・クラウドに関する知識
・クラウドサービスを扱うスキル
・サーバー/ネットワークの知識
・論理的思考力
・コミュニケーション能力
これらのスキルは、チームでの協働や顧客とのやり取り、トラブルシューティングなど、実務のさまざまな場面で必要となります。
関連記事:クラウドエンジニアへの未経験転職は可能?必要スキルと資格を解説
まとめ
クラウドエンジニアは、未経験からでもクラウドエンジニアになることは可能ですが、計画的な学習と準備が必要です。
また、クラウドエンジニアとしてのキャリアは、スペシャリスト職やマネジメント職、その他の職種といったさまざまな方向に発展させることができます。自身の適性や興味に合わせて、柔軟にキャリアパスを選択しましょう。
最後に、クラウド技術は急速に進化し続けており、新しい技術やサービスが次々と登場しています。そのため、クラウドエンジニアとして成功するためには、継続的な学習意欲と向上心を持ち続けることが重要です。
この記事で紹介したロードマップを参考に、着実にスキルを積み重ねていくことで、クラウドエンジニアとしてのキャリアを築いていくことが可能です。
※本記事は2025年4月時点の情報を基に執筆しております