「インフラエンジニアはやめとけ」といわれる理由とは?
インフラエンジニアはサーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニア、クラウドエンジニアなどの複数の職種から構成されており、業務内容によって役割が異なります。しかしながら、やめとけといわれる共通の理由があります。
インフラエンジニアはやめとけといわれる理由は、主に以下の5つです。
理由1:夜勤や休日出勤が多いため
インフラエンジニアは夜勤や休日出勤が多い傾向にあります。これは、平日の日中の時間帯はシステムが稼働しており、インフラを停止できないため、定期メンテナンスは夜間や休日に行うケースが多いことに起因します。
休日出勤や夜勤が多いことは、生活リズムを崩す原因につながるでしょう。不規則な生活リズムは心身に負荷がかかりやすく、インフラエンジニアのつらさを強く感じさせます。このような理由で、インフラエンジニアはやめとけといわれることがあります。
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理由2:緊急のトラブル対応が多いため
インフラエンジニアはトラブルが発生した際に緊急対応をしなければなりません。もちろん、トラブル発生時は他のエンジニアも対応が必要ですが、インフラはシステムの基盤であり、トラブルはシステム全体に影響を及ぼすためです。
一刻も早くトラブルを解決しなければシステムの稼働に重大な影響を与えてしまい、最悪の場合業務が停止するおそれもあります。ネットワークやサーバーのトラブルは平日の日中に起こるとは限りません。いずれの場合も迅速に対応することが求められます。
こうした緊急対応の多さは心身の負荷がかかるため、インフラエンジニアはやめとけといわれる原因になっています。
理由3:成果が見えにくく評価されづらいため
業務の成果が見えにくく、評価されづらい点もインフラエンジニアはやめとけといわれる大きな理由のひとつです。
インフラエンジニアの仕事はシステムの基盤を支える役割を担っているものの、成果が目に見えにくい傾向にあります。そのうえ、システムは正常に稼働していることが当たり前のため、トラブルが発生すると非難の的になってしまうケースもあります。
例えば、ネットワークに少しでも問題があるとクレームを受けてしまう一方で、何もないときには成果を感じられません。
こうした理由により、インフラエンジニアはやめとけといわれるようです。
理由4:技術習得が常に必要なため
インフラエンジニアは常に知識のアップデートを求められるのも特徴です。
例えば、ネットワーク、サーバー、データベース、ミドルウェアなど、インフラエンジニアとして習得すべき技術は幅が広く、細かなパラメーターの意味や設定方法についても理解をする必要があります。近年ではクラウドが普及していることもあり、クラウドの技術や操作方法についても習得しなければなりません。
このように、常に幅広く技術をする必要があるため、負荷がかかります。
理由5:プレッシャーが大きいため
インフラエンジニアはプレッシャーが大きい点もやめとけといわれる理由のひとつだといえます。インフラはシステム構成の基盤を成す部分であり、インフラが止まるとシステム全体に影響を及ぼすためです。
定常業務の中で設定変更を行う際、ミスは許されません。メンテナンス時間が決められている場合は時間内に作業を終わらせなければならず、プレッシャーがかかります。
ミス防止や作業をスムーズに完遂するために、事前にユーザーが使用しないテスト環境で入念に確認を行いますが、システムの何かを変更する際はトラブルが付き物となるため、プレッシャーがかかる状況が多いのが実態です。
インフラエンジニアの仕事のきつさについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:インフラエンジニアはきつい?楽すぎ?相反する意見が生まれる理由を解説!
インフラエンジニアに向いている人の特徴
インフラエンジニアはやめとけといわれる一方で、インフラエンジニアに向いている人もいます。共通していえることは技術に対する興味があり、プレッシャーに強いという点です。
インフラエンジニアに向いている人の特徴は、以下のとおりです。
IT機器やクラウド技術に対する興味が強い
IT機器やクラウド技術に対して強い興味がある人は、インフラエンジニア向きといえます。インフラエンジニアはネットワーク機器、サーバー、クラウドなどさまざまな要素を扱う機会が多いためです。機器の特性や操作方法の知識は設計や構築、運用業務などあらゆる場面で求められます。
例えば、ネットワークの構成設計を行ううえで機器のスペックを知らなければ設計時の機器選定ができません。システム最適化のためには、サーバーやクラウドに関する知識も必要です。
ITに関する技術への興味が強い人はこうした技術を継続的に学び続ける傾向にあるため、インフラエンジニア向きであるといえるでしょう。
論理的思考が得意
論理的思考が得意な人はインフラエンジニア向きです。インフラの設計やトラブルシューティングの際には、論理的思考が求められるためです。
設計の際には、ネットワーク構成の整合性やサーバーの処理能力を論理的に考え、設計に反映させなければなりません。またトラブルシューティングの際には、トラブルの事象、状況を整理し原因を特定する必要があります。
こうした場面では論理的思考力を求められることが多いため、普段から物事を論理的に考えられる人はインフラエンジニアに向いています。
冷静でプレッシャーに強い
インフラエンジニアはシステムの安定稼働を担うため、プレッシャーに強く、常に冷静でいられる人が向いています。プレッシャーがかかっている状況下でスムーズに業務を遂行する必要があるためです。
例えば、メンテナンス時の設定や操作ミスはシステムの停止時間に影響を与えるため、限られた時間内に作業を完了させる必要があります。トラブル発生時の問題解決では素早い対応が求められ、できるだけ早く復旧させなければなりません。
そのため、日頃から冷静でプレッシャーに強い人はいざというとき慌てることがなく、インフラエンジニアに向いているといえます。
効率化や自動化が好き
日頃から業務効率化を考え、できるだけ自動化しておこうと工夫する人はインフラエンジニアに向いています。インフラエンジニアは定常的な運用も多く、できるだけ効率化や自動化しておくと、ミスを軽減しながらスムーズに作業を進行できるためです。
例えば、定常運用時のモニタリングを自動化するためにスクリプトを作成したり、設定を間違えないように自動化するスクリプトを作成したりして工夫をする点などが挙げられます。
効率化や自動化を得意としている人はどのような作業を効率化すべきかがわかるため、インフラエンジニアの仕事に向いているといえます。
インフラエンジニアに向いている人についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:インフラエンジニアに向いている人の特徴一覧!人柄や向いてない人の特徴は?
【体験談】インフラエンジニアのやりがいを感じる瞬間
インフラエンジニアの仕事は多岐にわたり、その中でやりがいを強く感じる瞬間が数多くあります。
実際にどのような瞬間にやりがいを感じるのか、体験談をいくつか紹介します。
自分次第でさまざまな仕事に挑戦できる
インフラエンジニアにとって、さまざまな仕事に挑戦できるのはやりがいを強く感じる瞬間です。
転職先の企業は新しい事業を立ち上げるスタートアップ企業という環境に魅力を感じました。
特に、メイン事業であるスマートビルの構想がすごく面白くて、ここなら自分のネットワークに関する経験を活かしながら、いままでにないものを作っていけるんじゃないかなとワクワクしましたね。
出典:【転職体験記】元美容師ネットワークエンジニアの新たな挑戦
難しい課題に挑戦し評価をいただいた
インフラエンジニアは技術的に難しい課題に直面することもあり、課題に挑戦して実力を認められたときに強くやりがいを感じます。
AWSの現場では、スクリプト作成とAWSの知識が身に付きました。しかし、現場で気軽に話せる先輩が辞めていき、分からないことを抱え込むことが多くなり体調不良になりました。
10ヶ月のAWSシステム保守の経験と様々なインフラエンジニアの経験が評価されて2次システム運用保守として採用されました。
今では大型案件でシステム運用保守として今までのインフラエンジニアの経験を活かしながらフルリモート環境で働いています。
出典:Qiita 自分のキャリア振り返ってみた
成長過程を実感できる
インフラエンジニアとして働くことは成長過程を実感でき、やりがいを感じられます。
新卒入社2年目からの3年間、金融系プロジェクトでインフラ運用保守業務を担当していました。当時を振り返ると、参画した頃はインフラの経験が全くなく、毎日が苦労の連続でした。それでも、ひたむきに努力を重ねた結果、短期間で業務を独り立ちし、気づけば周りをサポートできるようになっていたあの頃の自分を褒めてあげたい!とはいえ、冷静に振り返ると、あのとき周りからのサポートや尊敬できる人たちに囲まれていた環境があったからこそ、成長できたんだなと、改めて実感しています。
そんな中、運用保守だけにとどまらず、上流工程にも携わりたいという思いが芽生え、さらに努力を重ねました。その結果、基本的に一度配属されると異動が難しいとされている部署から、上流工程に携わることができる部署への異動を実現しました。
出典:インフラ運用保守から上流工程にジョブチェンジして1年半が経ちました。(コラム)
多くの人にシステムが利用されることにやりがいを感じる
インフラエンジニアは自分が携わったシステムが多くの人たちに利用されることにもやりがいを感じられるでしょう。
今まで自分はアプリの開発だけしかしておらず、インフラ面でどのようなことが行われているかをあまり気にしませんでした。これは個人単位では問題ないですが、実際の会社だと複数のプロダクトを運用する場合、プロダクト間の疎通、ログの配送等の時にきっと苦労していたと思います。インフラエンジニアの業務を通して、アプリケーション、ネットワーク、サーバー、セキュリティ、クラウド技術等全体を見るという癖ができたのは良かったなと思っています。
出典:新卒インフラエンジニアが半年働いた結果を振り返る
このほかにもインフラエンジニアにやりがいを持ち働いている人が数多くいます。インフラエンジニアのやりがいについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事:インフラエンジニアのやりがいは?仕事内容や年収も紹介
インフラエンジニアの転職を成功させる方法
インフラエンジニアとして転職を成功させたい場合、いくつか意識するポイントがあります。
主なポイントは以下の4点です。
業務経験を積む
インフラエンジニアになるためには、業務経験を十分に積む必要があります。インフラに関する業務経験がインフラエンジニアの土台となるためです。
例えば、ネットワークやサーバーのログの見方、設定方法、リソースの見方といった業務経験はインフラエンジニアの経験として活かせます。そのほかにも、実機の操作方法や構築作業で手を動かすことで、スキルを上げられます。
できるだけ設計や構築といった業務を担当して業務経験を積みましょう。同時に運用業務を確実にこなしミスをしないように心がけることも、インフラエンジニアとしての貴重な経験につながります。
必要なスキル・資格を取得する
未経験者と経験者向けにおすすめの資格をいくつか紹介します。
資格名(おすすめの人) | おすすめ理由 |
---|---|
基本情報技術者試験 (未経験向け) |
ITに関する基礎知識を 網羅的に学べる |
CCNA (未経験者向け) |
ネットワークの基礎を 理解できる |
応用情報技術者試験 (初級者~中級者試験) |
ITに関する応用力を 網羅的に学べる |
LinuC (初級者~中級者向け) |
Linuxに関する基礎から応用まで 幅広い知識を身につけられる |
AWS Solution Architect Professional (上級者向け) |
クラウドのアーキテクチャに 関する応用力を身につけられる |
インフラエンジニアに必要なスキルや資格については、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:
インフラエンジニアに必要なスキルは?知識、資格まで徹底解説
インフラエンジニアに必要な資格一覧!勉強方法や難易度なども解説
インフラに関する資格はさまざまなものがあるため、興味のあるものから順に取得してみましょう。
企業分析を行う
インフラエンジニアに必要なスキル・資格を取得し、ある程度レベルアップを果たした段階で転職に向けた活動を開始します。その際に重要なポイントのひとつが企業分析です。
企業分析を行ううえで、以下の点を確認しましょう。
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・企業理念
・社風
・事業内容
・従業員の声
・募集要項
・福利厚生
特に企業理念や社風、募集要項を重点的に確認することが重要です。従業員の声は業務のやりがいや企業の雰囲気について、率直な感想が述べられています。入社後にミスマッチを起こさないように、募集要項に記載の業務内容や求められているスキルといった項目を確認することもポイントです。
転職エージェントを活用する
転職活動を効果的に進めるために、転職エージェントを活用しましょう。
転職活動を進める中で企業分析や自己分析、求人情報をひとりで収集するのは限界があります。企業の目に留まる履歴書が作成できているか、あるいは面接での受け答えがしっかりできるか不安に思うことも多いでしょう。
こうした転職活動にまつわる悩みを解消するうえで、転職エージェントの利用は効果的です。レバテックキャリアではIT業界に特化したエージェントとして専門的な知識のあるキャリアアドバイザーが、あらゆる面で求職者をサポートします。インフラエンジニアへの転職に興味がある人は、まずは相談してみるのがおすすめです。
関連記事:未経験からインフラエンジニアになれる?転職方法や求人例を紹介
まとめ
インフラエンジニアはやめとけといわれる理由は、夜勤や休日出勤があり、緊急対応で呼び出されることなどが挙げられます。
一方で、不規則な作業スケジュールを苦にせず、新しい技術を学び続けるのが好きな人、効率化や自動化などの工夫が好きな人はインフラエンジニアに向いています。
インフラエンジニアへの転職を成功させるためには、業務経験によってスキルを上げ、資格を取得したうえで転職エージェントを活用しましょう。
レバテックキャリアはIT業界に特化したエージェントが在籍しており、求職者の希望に沿った転職を成功させるために全力でサポートします。各種サービスを無料で利用できるため、インフラエンジニアへ転職する際にはお気軽にご相談ください。