- セキュリティエンジニアはやめとけといわれる4つの理由
- セキュリティエンジニアに向いている人の特徴
- 激務?セキュリティエンジニアはやめておいたほうが良い人の特徴
- 未経験からセキュリティエンジニアはやめておくべき?
- セキュリティエンジニアに必要なスキルや資格
- まとめ
セキュリティエンジニアはやめとけといわれる4つの理由
セキュリティエンジニアは、企業のシステムやネットワークを守る重要な職種です。そのため、セキュリティエンジニアの仕事には多くの課題や困難が伴います。ここでは、セキュリティエンジニアの仕事が「やめとけ」といわれる4つの理由を解説します。
以下で、これらの理由について詳しく見ていきましょう。
責任が重い
セキュリティエンジニアは、企業の情報資産を守る重要な責任を担います。セキュリティインシデントが発生した場合、その対応や原因究明、再発防止策の策定などを行うことが必要です。その場合、責任がセキュリティ担当者に集中する傾向があります。
たとえば、個人情報の漏洩や不正アクセスが発生した場合、企業の信用失墜や多額の損害賠償につながる可能性があります。このような事態を防ぐため、常に緊張感を持って業務にあたる必要があり、精神的な負担も大きくなりがちです。
また、セキュリティ対策の予算配分や投資対効果の説明を求められることも多く、経営層への説明責任も発生します。自分の判断や対応の遅れが企業に致命的な影響を与える可能性があるため、常に慎重な判断が必要です。
深夜や休日対応が発生する
セキュリティインシデントは、時間を選ばず発生します。そのため、深夜や休日であっても緊急対応が必要になることがあります。特にサイバー攻撃は、システムの稼働が少ない夜間や休日を狙って行われることが多く、常に対応できる体制を整えておくことが必要です。
緊急時の対応に備えて、交代制の勤務体制やオンコール対応を導入している企業もあります。不規則な勤務体制が続き、ワークライフバランスを保つことが困難になるケースも少なくありません。
スキルの習得の難易度が高い
セキュリティ分野は技術の進歩が著しく、新しい攻撃手法や対策技術が日々登場します。そのため、セキュリティエンジニアには継続的な学習と技術力の向上が求められます。ネットワークやOSの基礎知識はもちろん、暗号化技術、クラウドセキュリティ、法規制など、幅広い知識が必要です。
これらの知識を習得し維持するために、資格取得やセミナーへの参加など、継続的な自己学習が必要になります。また、実際の攻撃に対応するための実践的なスキルも求められ、机上の知識だけでは対応できないことも多いです。継続的な学習負担は、精神的・時間的な制約となる可能性があります。
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成果が見えにくい
セキュリティエンジニアの仕事は、問題が発生しないことが成功とされる職種です。新機能の開発や売上向上といった目に見える成果とは異なり、日々の地道な監視や対策が主な業務となります。セキュリティパッチの適用やログ監視、ポリシーの策定といった業務は、直接的な成果として見えづらいものです。
このように成果が可視化しにくい特性があるため、日々の努力や成果が正当に評価されにくい場合があります。また、経営層や他部署からの理解を得にくく、必要な予算や人員の確保が困難になることもあります。セキュリティ対策の重要性を理解してもらうための説明力やコミュニケーション能力も必要です。
転職を検討している方は、以下の求人情報も参考にしてください。
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セキュリティエンジニアに向いている人の特徴
セキュリティエンジニアには、特定の資質や適性が求められます。この仕事に向いている人の特徴を理解することで、自身のキャリア選択の参考にできます。
以下で、向いている人の特徴を詳しく見ていきましょう。
セキュリティの重要性を理解し、興味を持てる人
サイバーセキュリティの世界は日々進化しており、常に新しい脅威や対策方法が登場します。そのため、最新の技術動向やセキュリティニュースに関心を持ち、自主的に学び続けられる人が向いています。技術の進歩に興味を持ち、自己啓発を楽しめる姿勢が重要です。
リスク管理が得意な人
セキュリティエンジニアの重要な役割は、起こりうるリスクを予測し、事前に対策を講じることです。過去の事例から学び、新たな脅威を予測する能力が求められます。また、リスクの重要度を判断し、適切な対策を選択できる分析力も必要です。
プレッシャーの中でも冷静に対応できる人
セキュリティインシデントが発生した際には、冷静な判断と迅速な対応が求められます。パニックに陥ることなく、状況を正確に把握し、論理的に問題解決を進められる能力が重要です。緊急時でも落ち着いて行動できる精神力が必要です。
責任ある仕事にやりがいを感じられる人
セキュリティ業務は企業の信用や事業継続に直結する重要な仕事です。その責任の重さをプレッシャーではなく、やりがいとして捉えられる人が向いています。企業を守る重要な役割を担うことに誇りを持てる人が、長く活躍できる傾向にあります。
激務?セキュリティエンジニアはやめておいたほうが良い人の特徴
セキュリティエンジニアは、企業のシステムを守る重要な役割を担う職種です。しかし、その特性上、向いていない人もいます。ここでは、セキュリティエンジニアとして働くことを検討している方に向けて、避けたほうが良い人の特徴を解説します。
以下で、詳しく見ていきましょう。
最新情報を追うのが苦手な人
セキュリティエンジニアには、常に最新の技術動向やサイバー攻撃の手法を把握することが求められます。新しい脆弱性や攻撃手法は日々報告されており、それらの情報の継続的なキャッチアップが必要です。
たとえば、新種のマルウェアや攻撃手法が発見された場合、特徴や対策方法を素早く理解して対策する必要があります。このような継続的な学習や情報収集に意欲的でない人は、セキュリティ業務についていけなくなる可能性が高いです。
また、技術的な好奇心も重要です。新しい攻撃手法や対策技術に対する探究心がないと、効果的な防御策を講じることが難しくなります。
地道な作業が苦手な人
セキュリティエンジニアの日常業務には、地道な作業が数多く含まれています。システムログの確認、脆弱性診断、セキュリティパッチの適用など、根気のいる作業を継続的に行う必要があります。
また、セキュリティポリシーや社内教育資料の作成など、文書作成業務も重要な仕事の1つです。これらの作業は、直接的な成果は見えにくいですが、セキュリティ対策の基盤となる重要な業務になります。地道な作業や細かい確認作業を面倒に感じる人は、やめておいたほうが良いかもしれません。
プレッシャーに弱い人
セキュリティインシデントが発生した際には、迅速な対応と的確な判断が求められます。また、インシデントの影響を最小限に抑えるため、素早い決断を迫られることも少なくありません。その際、強いプレッシャーにさらされる可能性があります。
緊急時には冷静な判断力を保ちながら、複数の対応を並行して進めることが必要です。このようなストレス環境下での業務が苦手な人は、向いていない可能性があります。
チームでの連携が苦手な人
セキュリティ対策は、一人で完結する仕事ではありません。システム部門や開発部門、さらには経営層や一般社員との連携が必要不可欠です。たとえば、新しいセキュリティ施策を導入する際には、関係部署との調整や説明が求められます。
また、インシデント発生時には、さまざまな部署と協力して対応を進める必要があります。このため、コミュニケーション能力や調整能力が重要になります。
さらに、セキュリティ対策の重要性を社内に浸透させるため、分かりやすい説明も必要です。対人業務に苦手意識がある人は、セキュリティエンジニアとしての活躍が制限される可能性があります。
柔軟な判断が苦手な人
セキュリティ対策には、状況に応じた柔軟な判断が必要です。新しい脅威や予期せぬ事態に対しては、既存の対応策が通用しない場合もあります。
セキュリティ対策の強化と業務の利便性のバランスを取ることや、インシデント発生時の優先順位付けなど、状況に応じた判断が重要です。また、新しい攻撃手法に対しては、過去の経験や知識を応用して対策を考える必要があります。
このように、マニュアル通りの対応だけでは不十分で、その場の状況に応じて柔軟に判断することが必要です。決められたルールに従って行動することを好む人や、臨機応変な対応が苦手な人には向いていない可能性があります。
未経験からセキュリティエンジニアはやめておくべき?
未経験からのチャレンジは簡単ではないものの、計画的にスキルアップを行えば十分に可能性があるため、一概にやめておくべきとはいえません。未経験でも就職できる可能性がある理由には、IT業界では深刻な人材不足が続いており、特にセキュリティエンジニアの需要が高まっていることが挙げられます。
未経験からセキュリティエンジニアを目指す場合、まずはIT基礎知識の習得が不可欠です。ネットワークやOSの仕組み、プログラミングの基礎を理解していないと、セキュリティ対策の本質を理解することは困難です。第一のステップとして、基本情報技術者試験の取得を目指すことをおすすめします。この資格では、ITの基礎知識を体系的に学ぶことができます。
IT基礎知識を習得した後は、セキュリティに特化した知識の習得が必要です。情報セキュリティマネジメント試験は、セキュリティ分野への入門として適しています。その後、より高度な資格である情報処理安全確保支援士試験(登録セキスペ)に挑戦することで、プロフェッショナルとしての知識を身につけることができます。
セキュリティエンジニアに必要なスキルや資格
セキュリティエンジニアに必要なスキルや資格は多岐にわたります。技術的な専門知識はもちろん、コミュニケーション能力や判断力なども重要です。ここでは、必要なスキルと取得をおすすめする資格について詳しく解説します。
以下で、詳しく見ていきましょう。
必要なスキル
セキュリティエンジニアとして活躍するためには、技術的なスキルだけでなく、さまざまな能力が必要です。特に、セキュリティの専門知識とインフラの基礎知識は必須であり、それに加えてコミュニケーション力や判断力も求められます。
・サイバー攻撃の手法と対策
・情報セキュリティの基本原則
・セキュリティ製品の知識
・法令や規制の理解
【インフラやネットワークの基礎スキル】
・OSやネットワークの基礎知識
・ サーバー構築・運用の経験
・クラウドサービスの理解
・脆弱性診断の技術
【コミュニケーション力】
・他部署との連携能力
・経営層への説明能力
・セキュリティ教育の実施能力
・インシデント発生時の報告能力
【判断力】
・優先順位の決定能力
・インシデント対応時の決断力
・コスト対効果の判断能力
関連記事:セキュリティエンジニアになるには?必要なスキルや知識も紹介
おすすめの資格
セキュリティエンジニアのキャリアアップには、専門的な資格取得が有効です。初級から上級まで、段階的に取得することで、着実にスキルアップを図ることができます。以下に、主なセキュリティ関連資格を紹介します。
資格名 | 難易度 |
---|---|
情報セキュリティ マネジメント試験 |
初級 |
基本情報技術者試験 | 初級 |
CompTIA Security+ | 中級 |
ネットワーク スペシャリスト試験 |
中級 |
情報処理安全 確保支援士試験 |
上級 |
CISSP | 上級 |
情報セキュリティマネジメント試験や基本情報技術者試験では、セキュリティやITに関する基礎的な知識を身につけられます。難易度の高い資格を取得することで、より専門性を高めていくことができます。
資格についての詳しい解説は、セキュリティエンジニアにおすすめの資格一覧!難易度や取得順も解説をご覧ください。
まとめ
セキュリティエンジニアは需要がある職種ですが、責任の重さや高度なスキル要求、成果の見えにくさなど、考慮すべき点が多くあります。
また、この職種に向いていない特徴として、最新情報への関心の低さやプレッシャーへの弱さ、柔軟な判断が苦手であることなどが挙げられます。
ただし、未経験からでもセキュリティエンジニアを目指すことは可能です。必要なスキルを段階的に習得していくことで、キャリアを築いていけます。重要なのは、自身の適性を見極めた上で、計画的にスキルアップを図っていくことです。
セキュリティエンジニアを目指す際は、これらの特徴や課題を十分に理解した上で、自身のキャリアプランを検討することをおすすめします。
※本記事は2025年4月時点の情報を基に執筆しております