- データサイエンティストはやめとけと言われる5つの理由
- やめとけと言われてもデータサイエンティストを続けるメリット・魅力
- データサイエンティストが向いている人の特徴
- データサイエンティストとして働くメリット
- データサイエンティストはやめておくべき?に関してよくある質問
- まとめ
データサイエンティストはやめとけと言われる5つの理由
データサイエンティストはやめとけと言われる理由として、以下の5つが挙げられます。
それぞれ解説するので、データサイエンティストに挑戦すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
高いコミュニケーション能力が求められる
データサイエンティストは、データ収集の段階からさまざまな部署と連携する必要があり、高いコミュニケーション能力が求められます。加えて、データ分析の結果をクライアントに分かりやすく説明するスキルも必要です。
時には、データ分析の結果が既存の業務プロセスの変更を示唆することもあり、関係者との調整や説得も行います。プレゼンテーションスキルも必須で、分析結果を視覚的に分かりやすく表現する能力も求められます。状況によっては、PCと向き合う時間よりも、人とコミュニケーションを取る時間の方が長いというケースも少なくありません。
専門的な知識やスキルが必要
データサイエンティストには、以下のような専門的な知識・スキルが必要です。
-
・データサイエンススキル:分析設計スキル/データ集計スキル/統計モデリングおよびモデルの評価、調整スキルなど
・データエンジニアリングスキル:プログラミングスキル/アルゴリズムの開発、実装スキル/ビックデータの処理スキルなど
さらに、業界知識や経営の基礎知識も必要です。これらの習得には膨大な時間と労力がかかり、学習を継続し続けなければなりません。実務では、データの前処理やクレンジングなどの地道な作業も多く、理想とのギャップに苦しむことも少なくありません。
データサイエンティストに必要なスキルの詳細は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:データサイエンティストに必要なスキル!スキルチェックの仕方も紹介
人数が少なく責任が重くなる
データサイエンティストの需要は年々高まっていますが、人材の供給が追いついていないのが現状です。そのため、1人で複数のプロジェクトを抱えて、精神的ストレスを感じる人は珍しくありません。
また、チームメンバーが少ないことで、相談できる相手も限られ、問題解決を1人で抱え込まざるを得ない状況も発生します。さらに、データ分析の結果から一人で経営に関わる判断をすることも多く、その責任の重さも人によっては大きなプレッシャーです。
このように、チーム内に相談できる先輩や同僚がいない場合、データサイエンティストは自力で解決しなければなりません。
常に学ぶ姿勢が求められる
データサイエンスの分野は技術革新のスピードが極めて速く、新しい手法やツールが次々と登場します。たとえば、深層学習の分野では数ヶ月単位で新しいアルゴリズムが発表され、それらを実務に活用するためのフレームワークも日々アップデートされています。
このため、一度習得した知識やスキルはすぐに陳腐化してしまう可能性が高いです。最新の技術トレンドをキャッチアップし続けるには、平日の業務時間だけでは足りず、休日も自己学習に充てる必要があります。
また、担当する業界や事業についての深い理解も必要で、ビジネス知識の習得も欠かせません。技術書を読んだり、オンライン講座を受講したりと、学習のために相当な時間と費用の投資が必要です。このように、学習を継続しなければいけない点が、人によっては負担となっています。
やめとけと言われてもデータサイエンティストを続けるメリット・魅力
データサイエンティストはやめとけと言われる理由を紹介しましたが、以下のような続けるメリット・魅力があります。
一つずつ紹介します。
市場価値が高い
データサイエンティストは、現代において需要の高い職種の一つです。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に伴い、データ分析の専門家への需要は年々増加しています。
その中でも専門性が高く、幅広い業界での需要があるデータサイエンティストは、特に不足が懸念される職種です。このような市場環境により、データサイエンティストの市場価値は高く、安定した雇用と高い年収が期待できます。
このように、「データサイエンティストは飽和している」と言われることもありますが、むしろ足りていないのが現状です。データサイエンティストの平均年収や給料が気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:データサイエンティストの平均年収・給料の統計
さまざまな業界で活躍できるスキルが身につく
データサイエンティストとして働くことで、業界を問わず活用できる普遍的なスキルを習得できます。具体的には、可視化スキルをはじめとするテクニカルスキルに加え、ビジネス課題の解決力やプレゼンテーション能力も磨かれます。
また、さまざまな部署や役職とのコミュニケーションを通じて、ビジネスの全体像を理解する力を身につけることが可能です。これらのスキルは、どの業界でも求められるスキルで、転職や将来的にマネジメント職や事業責任者としてのキャリアを目指す際にも大きな強みとなります。
転職で年収アップが期待できる
データサイエンティストは、経験を積むことで着実に年収アップが見込める職種です。レバテックキャリアが算出したデータサイエンティストの平均年収は526万円で、エンジニア全体の平均年収504万円と比較すると、21万円の差があります。
また、職業情報提供サイトのjob tagによると、データサイエンティストの平均年収は554万円でした。ただし、データサイエンティストはITSSレベルで年収が変わり、レベル5以上になると1,100万円になることも珍しくありません。
もし、これまでスキルを磨いてきたのに昇給されないという場合は、会社から正しく評価されていない可能性が考えられます。転職すれば、これまでの実績やスキルを評価され、年収アップが期待できます。今の年収に不満がある方は、転職を一つの選択肢として検討してみてください。
関連記事:
データサイエンティストの平均年収・給料の統計
データサイエンティストの転職!各業界の需要や求人例も紹介
データサイエンティストが向いている人の特徴
データサイエンティストが向いている人の特徴として、以下の3つが挙げられます。
それぞれ解説するので、これからデータサイエンティストを目指す人や、データサイエンティストを続けるべきか不安な方は、ぜひ参考にしてください。
定量的に事象の理由が知りたくなる人
データサイエンティストは、定量的に物事を捉えられる客観的な視点を持った人に向いています。なぜなら、データサイエンティストは、常に数値データを扱いながら顧客の課題に向き合う仕事だからです。
たとえば、「なぜ今月の売上が下がったのか」「どうすれば顧客満足度を上げられるのか」といった課題に対して、勘や経験だけでなく、データを用いて客観的に解明することが求められます。また、定量的な数値データから仮説を立てて検証することに喜びを感じ、粘り強く真因を追求できる探究心も、根拠のある施策を実施するためには重要です。
このような特徴を持つ人は、データ分析を通じて新たな発見を見出す喜びを感じられ、仕事にやりがいを感じられる可能性が高いと言えます。
数字・情報を扱うのが得意
数字・情報を扱うのが得意な人も、データサイエンティストに向いています。データサイエンティストの仕事は常に数字を扱うためです。データサイエンティストに必要なスキルである統計学は、数字への苦手意識があると習得に時間がかかりやすい傾向にあります。
また、データサイエンティストは大量のデータから意味のある情報を見出し、整理・分析しなければなりません。こうした作業を苦に感じない人に向いています。
コミュニケーション能力がある
データサイエンティストには、データ分析のスキルだけでなく、その結果を他者に分かりやすく伝えるコミュニケーション能力も重要です。具体的には、経営層や他部署のメンバーなど、技術的な知識を持たない相手に対して、複雑な分析結果を理解できるよう説明する力が求められます。
また、データ収集の段階からさまざまな部署と協力する必要があるため、円滑なコミュニケーションを取れることが必須です。相手の立場や視点を理解し、適切な提案ができる人、そして時には相手を説得できるような交渉力を持つ人が、データサイエンティストに向いていると言えます。
データサイエンティストとして働くメリット
データサイエンティストとして働くメリットとして、以下の3つが挙げられます。
以下でそれぞれ解説するので、特にこれからデータサイエンティストに挑戦したいと思っている方は最後までご覧ください。
人材が少なく売り手市場
データサイエンティストは、現在の日本において人材が不足している職種の一つです。経済産業省の「IT人材育成の状況等について」によると、IT人材は2030年までに40〜80万人の規模で不足が生じるとされています。
特に、多くの企業がデジタル化を推進する中、データ分析のスキルを持つデータサイエンティストの需要は年々高まっています。一方で、実務経験を持つデータサイエンティストの数は限られており、企業間での人材の取り合いが起きているのが現状です。
このような需給バランスにより、データサイエンティストは常に売り手市場であり、自分の希望や条件に合った職場を選びやすい環境にあります。また、人材不足を背景に、未経験者の採用や育成に積極的な企業も増えており、キャリアチェンジの機会も豊富です。
幅広い業界で活躍しやすい
データサイエンティストのスキルは、業界を問わず必要とされています。現在は多くの企業がデジタル化を推進していることから、小売や製造、金融、医療など、あらゆる分野でデータ活用のニーズが高まっており、活躍の場が広がっています。
また、一つの業界で培った分析スキルは、他の業界でも応用が効くため、業界を越えた転職も比較的容易です。さらに、データ分析の経験を積むことで、業界特有の課題や業務プロセスへの理解も深まり、より戦略的な立場でビジネスに関わることも可能になります。
転職や独立がしやすい
データサイエンティストは、その専門性と需要の高さから、実務で経験を積みスキルを磨くことで、より条件の良い企業への転職やフリーランスとしての独立も視野に入れられます。
特に、データサイエンティストは具体的な成果を数値として示せるため、企業がスキルの高さを判断しやすく、年収アップを伴う転職も十分に可能です。
データサイエンティストはやめておくべき?に関してよくある質問
最後に、データサイエンティストに関するよくある質問を紹介します。
回答を参考に、今後の方針を検討してみてください。
Q1. 未経験や30歳以上からデータサイエンティストはやめておくべき?
結論から言えば、データサイエンティストの仕事において、年齢や経験の有無は必ずしも障壁にはなりません。むしろ、前職での経験が強みになることも多いです。たとえば、営業経験者であれば顧客ニーズの理解力や提案力を活かすことができ、エンジニア経験者ならプログラミングスキルを応用できます。
また、企業側も即戦力だけでなく、ポテンシャル採用にも積極的です。実際に、30代後半や40代でキャリアチェンジし、活躍しているデータサイエンティストも少なくありません。大切なのは、学習意欲と論理的思考力、そして目の前の課題に真摯に取り組む姿勢です。
Q2. データサイエンティストになると後悔する?
データサイエンティストになると後悔するかどうかは、個人の期待値や価値観によって大きく異なります。確かに、華やかなイメージと現場の実態とのギャップに戸惑う人もいます。データの前処理や品質管理など、地道な作業も多いのが現実です。
しかし、自身の分析が事業の成長に直結する経験や、新しい発見を得られる喜びは、他の職種では味わいにくいものです。後悔しないためには、事前に職務内容や必要なスキルをよく理解し、自身の適性を見極めることが重要です。
Q3. データサイエンティストになるために資格は必要?
データサイエンティストになるうえで資格は必須ではありませんが、学習内容を定着させるうえで役立ちます。代表的な資格としては、統計検定やデータサイエンティスト検定、G検定などがあります。
ただし、企業が重視するのは実践的なスキルです。プログラミング経験や機械学習の基礎知識、そしてビジネス課題を解決した実績などがより重要視されます。資格取得は、体系的な知識を身につける良い機会となりますが、実際のデータ分析の経験を積むことも大切です。
まとめ
データサイエンティストは、確かに「やめとけ」と言われるほどの課題や困難も存在します。人手不足による業務負担の大きさ、高度な専門知識の習得、継続的な学習の必要性など、決して楽な道のりではありません。
しかし、その一方で、データサイエンティストには市場価値の高さや幅広い業界での活躍機会、キャリアの選択肢の豊富さなどの魅力があります。
重要なのは、「やめとけ」という声に単純に従うのではなく、自身の適性や興味、キャリアプランに照らし合わせて判断することです。数字を扱うことが得意で、論理的思考力があり、新しいことを学び続ける意欲がある人であれば、データサイエンティストは十分に検討に値するキャリア選択肢となるでしょう。
※本記事は2025年3月時点の情報を基に執筆しております