- エンジニア2年目が「何もできない」と感じる4つの理由
- 本当に何もできない?2年目エンジニアに必要な2つのスキル
- 【悩み別】何もできないと悩む2年目エンジニアにおすすめの方法
- 何もできない自分に疲れた2年目エンジニアへ
- 3年目以降のエンジニアから必要になるスキル
- エンジニア2年目に関するよくある質問
- まとめ
エンジニア2年目が「何もできない」と感じる4つの理由
まずは、2年目のエンジニアが「何もできない」と感じる理由を紹介します。「何もできない」と感じる理由を知ることで、漠然とした不安から具体的な改善点に変えることができます。「何もできない」と感じる主な理由は、以下の4つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
タスクの難易度が上がった
2年目のエンジニアが「何もできない」と感じる原因の1つに、エンジニア1年目の頃と比較してタスクの難易度が上がっていることが挙げられます。
2年目のエンジニアは、業務の難易度が上がることで戸惑いを感じやすい状況に置かれます。たとえば、1年目はコードレビューを受ける側でしたが、2年目になると後輩のコードレビューを任されることがあります。また、システムの設計段階から関わることを求められたり、クライアントとの直接のやり取りを任されたりすることも少なくありません。
このような業務の難易度の変化により、上手くタスクをこなせないことが増えることから「自分には何もできない」という不安を感じるようになります。
フィードバックの機会が減少した
フィードバックを得られる機会が少なくなることも、2年目のエンジニアが「何もできない」と感じる原因の1つです。フィードバックの機会が減少することで、自分の進んでいる方向が正しいのかを確認できるタイミングが少なくなり、不安を感じやすくなります。
1年目では、定期的な進捗確認やこまめな成果物のチェックを受けることが一般的でした。しかし2年目になると、これらのサポートが徐々に減少し、代わりに自主性が求められるようになります。さらに、分からないことがあっても、自分で調べることや考えることが期待されます。
このような変化は、エンジニアとして成長するために必要なプロセスです。しかし、「自分の方向性は合っているのか」「このやり方で良いのか」と悩む時間が多くなることで、「自分は仕事ができない」と感じてしまうことがあります。
自立へのプレッシャーを感じる
2年目のエンジニアが「何もできない」と感じる原因として、自立へのプレッシャーを感じてしまうことが挙げられます。
2年目のエンジニアは、周囲からの期待や自身への要求が高まることで、自立へのプレッシャーを強く感じる場合があります。1年目では許されていた「分からないこと」や「できないこと」が、2年目ではスキル不足だと評価される可能性があるためです。
自立へのプレッシャーは、以下のような場面で特に顕著になります。
1年目 | 2年目 | |
---|---|---|
問題発生時の対応 | すぐに先輩に相談できる | まず自分で調査することを求められる |
タスク管理 | 細かい指示を受けられる | 一定の自己管理が求められる |
知識の習得 | 基本的な内容を教えてもらえる | 自主的な学習が期待される |
このように、1年目ではすぐにサポートを受けられていたのに対し、2年目になると自分で解決することを期待されます。このような期待にプレッシャーや戸惑いを感じてしまうことも、2年目のエンジニアが「何もできない」と感じる原因の1つです。
周りと比較してしまう
2年目のエンジニアは、同期や後輩との比較で悩みを抱えやすくなり、「何もできない」と感じることがあります。
1年目は全体研修やOJTなど同じスタートラインから始まることが一般的です。しかし、2年目になると、担当するプロジェクトの規模感や裁量などに差が開いてくることがあります。また、技術力やコミュニケーション能力の高い後輩が登場すると、自分と比較して落ち込んでしまうことも少なくありません。
他者との比較はモチベーションの向上につながる場合もありますが、過度な比較は自信ややる気の喪失を招き、「自分は仕事ができない」という気持ちに陥る原因になります。
本当に何もできない?2年目エンジニアに必要な2つのスキル
2年目のエンジニアは、自立へのプレッシャーや周囲との比較などの理由から「自分には何もできない」と感じやすい状況にあります。しかし、自分はできないと思い込み悲観的になるのではなく、2年目のエンジニアに求められるレベルを理解し、目標に向けて段階的にスキルアップしていくことが重要です。
2年目のエンジニアに求められるスキルは、主に以下の2つです。
ここでは、それぞれのスキルについて詳しく解説します。
基礎的な技術力
エンジニア2年目は、技術力の基礎を固める時期にあたります。この時期は、完璧な技術習得を目指すのではなく、さまざまな技術に触れて経験を積み重ねることが大切です。
技術力向上のためには、資格取得を目指し体系的に学習を進めることをおすすめします。また、業務に活かせるスキルを身につけたい場合は、オライリー・ジャパンなどの技術書を読みながらさまざまな技術を実際に試してみることが重要です。
エンジニアにおすすめの資格については、「システムエンジニア(SE)におすすめの資格一覧!難易度やメリットも紹介」を参考にしてください。
自分で考え報告できる自走力
2年目のエンジニアには、自分で考えて行動し、適切なタイミングで報告できる自走力が求められます。ただし、これは完璧な仕事を求められているわけではなく、問題解決に向けて主体的に動く姿勢が重視されています。
業務上の不明点について先輩に質問する際には、すぐに質問するのではなく、自分なりに原因や結論を考えてから質問するよう心掛けましょう。そうすることで、自分で問題を整理し解決策を考える機会が増えるので、問題解決能力が身につきやすくなります。
たとえば「Aを試しましたがエラーが解消されませんでした。次は○○という理由からBの方法を試してみようと思いますが、適切でしょうか?」のように質問すると良いです。
自走力は、日々の業務の中で少しずつ身についていきます。最初から完璧を目指すのではなく、日々の経験を通じて自走力を高めていくことが大切です。
【悩み別】何もできないと悩む2年目エンジニアにおすすめの方法
エンジニア2年目によくある悩みとその解決法について、以下の表にまとめました。
悩み | おすすめの解決法 |
---|---|
タスクの難易度が上がった | タスクを分解して不明点を明確にする |
フィードバックの機会が減少した | 上司や先輩に定期的に進捗報告をする |
自立へのプレッシャーを感じる | メンターを見つける |
周りと比較してしまう | 自分の目標を明確にする |
ここでは、それぞれの悩みに対する解決法について具体的に解説するので参考にしてください。
タスクを分解して不明点を明確にする
タスクの難易度上昇に対応するには、大きなタスクを小さな単位に分解することが効果的です。この方法により、どの部分が分からないのか、どこに不安感があるのかがクリアになります。
タスク分解の手順は以下のとおりです。
-
・全体像を把握し、おおまかな作業の流れと達成すべきゴールを明確にする
・各作業を1日で終わる程度の粒度に細分化する
・各作業の依存関係を整理し、優先順位をつける
・想定される課題や不明点を書き出す
このように整理することで、難易度の高いタスクでも不明点や不安がある箇所が明確になり、作業に取り組みやすくなります。
上司や先輩に定期的に進捗報告をする
フィードバックの機会を増やすには、自ら積極的に進捗報告の機会を作ることが重要です。ただし、単なる状況報告ではなく、建設的なフィードバックを得られるような報告の仕方を意識する必要があります。
効果的な進捗報告のポイントは、以下のとおりです。
ポイント | 説明 |
---|---|
報告の準備 | ・現在の進捗状況の整理 ・発生している課題のリストアップ ・自分なりの解決案の用意 |
報告の内容 | ・完了した作業・現在取り組んでいること ・今後の予定・困っていること |
フィードバックを 得やすい質問例 |
・「この方針で進めて良いでしょうか?」 ・「より効率的な方法があればアドバイスいただけますか?」 |
このような進捗報告を心掛けることで、フィードバックを得やすくなります。
メンターを見つける
自立へのプレッシャーを軽減するには、信頼できるメンターの存在が重要です。メンターは技術的なアドバイスだけでなく、精神的なサポートも提供してくれる心強い存在です。
メンターを見つける方法にはいくつかあります。社内制度としてメンター制度が設けられている場合は、制度を利用できるかどうか上司に相談してみましょう。社内にメンター制度がない場合や相談できそうな相手が見つからない場合は、外部コミュニティを活用するのも有効です。また、勉強会への参加や、SNSなどでの交流で、相談しやすい相手が見つかる可能性があります。
必要なタイミングで相談できる相手がいるだけで、精神的な負担を軽減できる場合があります。自立へのプレッシャーで「仕事ができない」と感じてしまう場合は、メンターを見つけることが効果的です。
自分の目標を明確にする
周囲との比較に悩まないためには、自分自身の目標設定が重要です。具体的な目標があれば、他者との比較ではなく、自身の成長に焦点を当てることが可能になります。
目標を定める際には、以下のような手順で進めると良いです。
-
・「できること」「できないこと」を洗い出す
・短期(3ヶ月)、目標(半年)、長期(1年)に分けて目標を考える
・目標達成に必要なスキルや学習方法をまとめ、行動計画を立てる
・継続して取り組めるよう、週単位で振り返りの機会を設ける
このように段階的に目標を設定することで、自分のペースで着実に成長を実感でき、周囲との比較に悩むことがなくなります。
何もできない自分に疲れた2年目エンジニアへ
「何もできない」と悩んでいる2年目のエンジニアの方へ伝えたいことは、「何もできないなんてことは絶対にない」ということです。
2年目のエンジニアは1年目に比べると視野が広がるため、周りのエンジニアと自分を比較して、自分にはできることが少ないと感じてしまう傾向があります。ここで重要なのは、自分の現在地を正確に把握し、今後のキャリアについて冷静に考えることです。また、客観的に2年目のエンジニアとしての自分の市場価値を知ることも必要です。
このプロセスを1人で進めるのは難しい場合があります。そんなときは、レバテックキャリアのキャリアアドバイザーに相談することがおすすめです。IT業界に精通した経験豊富なアドバイザーが、あなたの状況や希望に合わせて、適切なアドバイスを提供します。キャリアに関する些細な質問だけでも構わないので、まずはお気軽にご相談ください。
レバテックキャリアの活用方法に関しては、「レバテックキャリアは相談だけでも利用できる!キャリア相談会など働き方をサポート」をご覧ください。
3年目以降のエンジニアから必要になるスキル
会社や業界、規模によって求められるスキルは異なりますが、3年目以降のエンジニアには、設計力やチーム開発力、チームへのサポート力が必要になることが一般的です。3年目からは、ただ自分のタスクをこなすだけでなく、設計への関与やチームへのサポートを考えながら動くことが求められるためです。
たとえば、設計力については、拡張性や保守性、効率性などを考慮してシステムの土台を作れる力が必要になります。また、3年目になると、先輩と後輩のあいだに立つ存在としてチーム内の潤滑油となる役割が求められます。そのため、先輩と後輩をつなぐフォロワーシップや、後輩をサポートできるアドバイス力も必要です。
これらのスキルは、2年目の時点で完璧である必要はありません。しかし、3年目に向けて意識的に取り組むことで、徐々に身についていきます。日々の業務の中で、これらのスキルを意識して実践することが、確実な成長につながります。
エンジニア2年目に関するよくある質問
エンジニア2年目の方からよく寄せられる質問について、回答をまとめました。特に多い以下の2つの質問について詳しく解説します。
類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。
Q1. 2年目のエンジニアの年収の目安は?
職業情報提供サイトjobtagによると、新卒から2年目のエンジニアの多くが該当する20~24歳の年齢層は、以下のような年収水準です。
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・受託開発/Webサイト開発/組込みエンジニア:約341万円・基盤システムエンジニア:約373万円
ただし、この金額は目安であり、業界や企業規模などにより変動します。
Q2. エンジニア2年目で転職すると不利になりますか?
2年目の転職が不利かどうかは、転職理由や状況により異なります。スキルアップなどの前向きな転職理由がある場合は、積極性が評価されることがあります。一方、曖昧な理由だと不利になりやすいです。20代の転職に関する詳細は、「【20代・第二新卒向け】レバテックキャリアで転職する方法、メリット」をご覧ください。
まとめ
この記事では、エンジニア2年目で「何もできない」と感じる方に向けて、その原因と具体的な解決策を解説してきました。
2年目のエンジニアが「何もできない」と感じる理由として、タスクの難易度の上昇やフィードバック機会の減少、自立へのプレッシャー、周囲との比較という4つの要因が挙げられます。そして、それぞれの悩みに対しては、タスクの分解、定期的な進捗報告、メンター探し、目標設定という具体的な解決策があります。
「何もできない」という不安は、成長過程での自然な感覚です。この記事で紹介した方法を実践することで、確実にスキルアップを図ることができます。今の不安や悩みは、きっと将来の大きな成長につながります。一歩一歩、着実に前進していきましょう。
※本記事は2025年3月時点の情報を基に執筆しております