社内SEになった人が後悔する7つの理由
ここでは、社内SEへの転職を検討している人が後悔しないよう、よくある7つの後悔の理由を紹介します。
以下でそれぞれ解説するので、参考にしてみてください。
理由1. スキルアップが難しい場合があるから
スキルアップが難しく、社内SEになってから後悔したという意見があります。
社内SEの主な業務は、社内システムの運用・保守や、業務改善のためのITシステム導入の提案などが一般的です。開発工程については外部委託することが多く、自分で開発を担当する機会は限られています。そのため、技術的なスキルを発揮する場がなく、スキルアップが難しいと感じる方もいるようです。
ただし、資格の取得など自主的にスキルアップする方法もあります。社内SEにおすすめの資格については「社内SEにおすすめの資格まとめ!難易度や取得時の注意点も紹介」で紹介しているので、参考にしてみてください。
理由2. 企業によっては業務過多になるから
企業によっては、社内SEが業務過多になる可能性があります。一般社団法人ひとり情シス協会の調査によると、企業の情報システム担当者が一人以下の割合は中小企業で88%、中堅企業で38%です。ここでいう情報システム担当者に社内SEも含まれます。
このデータから、中小・中堅企業では「ひとり情シス」になってしまうケースが多いことが分かります。「ひとり情シス」とは、情報システム部門の担当者が一人であることを指した言葉です。
このような企業の社内SEは、激務になる可能性があります。また、一人ではなくても少人数の場合、各メンバーの担当範囲が広く、結果的に一人あたりの負担が大きくなってしまうケースも多いです。
関連記事:社内SEに求められる役割とは?メリットやデメリットについて解説
理由3. コミュニケーションが難しい傾向にあるから
コミュニケーションの難しさから、社内SEになったことを後悔する人も一定数存在します。社内SEは、社内の部署を越えて業務を行う機会が多いため、さまざまな立場の人と円滑なコミュニケーションを取ることが重要です。また、技術的な知識のない人にも分かりやすく説明する力も必要です。
ときには調整役として板挟みになることもあります。たとえば、業務システム開発の要件について、経営層と外注する業者の意見が対立した場合、社内SEがあいだに入って調整を行う必要が生じる場面も出てきます。
このようなコミュニケーションの難しさから、社内SEになったことを後悔している人もいます。
理由4. 常に学び続ける必要があるから
IT業界は技術の進歩が速いため、社内SEは常に新しい技術を学び続ける必要があります。そのため、学習意欲や向上心が低いときつさや後悔を感じてしまう場合があります。
社内SEは、業務上で新しい技術を身につけられる機会が比較的少ないです。新しい技術を取り入れたい場合は、自ら率先して学ぶ必要があります。たとえば、AIやクラウドサービスなどの先端技術を業務に活用したいと思った際は、上長に活用を提案し、了承を得た上で導入します。その場合、教育支援が得られないことも多いため、自主的な学習が不可欠です。
このような、常に知識を更新していかなければいけないプレッシャーに、社内SEになったことを後悔する人もいます。
理由5. 庶務が多く憧れとのギャップがあるから
庶務が多く、理想の社内SE像とかけ離れている場合があるのも、後悔してしまう1つの要因です。社内SEは「ITの何でも屋」とも呼ばれ、社内のシステム管理だけでなく、マニュアル整備や物品の補充など庶務を任される傾向があります。
社内システムに関連する業務よりも、庶務の比率が高いと「思っていた仕事と違う」と後悔してしまうでしょう。
理由6. 必要なスキルが身についていないから
社内SEになって後悔した人の中には、必要なスキルが十分に身についていないケースもあります。社内SEはITに関する幅広い知識やスキルが必要です。十分なスキルがない場合、やりたい仕事ができるとは限りません。
たとえば、上流工程に携わりたいが、設計業務の経験がなく、ヘルプデスク業務しか担当させてもらえないなどのケースが挙げられます。このような場合に業務へのモチベーションが保てず、社内SEの仕事がつまらないと感じてしまう人がいるようです。
理由7. 評価されにくい場合があるから
社内SEの仕事は、数値として成果が見えないため、評価されにくい場合があります。自己評価と上司からの評価とのギャップを感じると、「正当に評価されていないのでは」「頑張っても意味がない」などモチベーションの低下につながってしまうでしょう。
たとえば、システムの安定稼働に貢献していても、当たり前になってしまい、評価に反映されないことがあります。このような場合、自分の価値ややりがいが見出せないため、社内SEになったことを後悔する可能性があります。
勝ち組とも言われる社内SEのやりがい・楽しさ
社内SEへの転職を検討する際、後悔した理由だけでなく、やりがいや楽しいことについても把握しておくと良いです。社内SEならではのメリットは、主に以下の5つが挙げられます。
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・上流工程に携われる
・人から直接感謝されやすい
・ワークライフバランスをとりやすい
・自分の仕事が役立っていることを実感しやすい
・帰属意識が持てる
社内SEは、システム開発において要件定義や設計といった上流工程に携わることが可能です。また、ユーザーが自社社員であるため、直接意見を聞き、感謝される機会も多いでしょう。一般的に残業が少なく、ワークライフバランスをとりやすいのも大きなメリットです。
また、自分の仕事が役立っていることを実感しやすい点も、社内SEの魅力です。日々の業務が会社の事業に貢献しているという実感はモチベーションにつながります。さらに、社内SEは企業への帰属意識を持ちやすいというメリットもあります。企業の経営方針や戦略に共感して働きたい方は、やりがいを持って働けるでしょう。
「後悔した」「楽すぎ」など両極端の声があるのは、企業によって業務内容や待遇に違いがあるからと考えられます。社内SEへ転職する際は、自分に合う企業かどうか見極めることが重要です。
社内SEのやりがいやメリットなどについて詳しく知りたい方は「社内SEが「人気・勝ち組の職種」と呼ばれる9つの理由」「社内SEが「楽な職種」と言われる5つの理由」をご覧ください。
社内SEへの転職で後悔しない人の特徴
社内SEへの転職を考える上で、自分に合っているのか不安を感じる方がいるでしょう。社内SEへの転職で後悔しない人の特徴としては、主に以下の3つが挙げられます。
あくまでも一例ですが、参考にしてみてください。
上流工程に携わりたい
システム開発において、要件定義や設計などの上流工程に携わりたいと考えている人は、社内SEに向いています。社内SEは、開発そのものよりも、要件定義や設計といった上流工程を担当する機会が多い職種です。
たとえば、新しいシステム導入の際に、利用者のニーズをヒアリングし、システム要件を定義するといった業務に携わることができます。そのため、上流工程の経験を積みたい人にとって、社内SEはおすすめの選択肢となります。
コミュニケーション力をつけたい
社内SEは、さまざまな部署の担当者とコミュニケーションを取る必要があるため、コミュニケーション能力を高めたい人に向いています。社内SEの業務では、単にコミュニケーションを取るだけでなく、技術的な内容を分かりやすく説明する能力や、各部署との調整を行う折衝能力なども求められます。社内SEとして働く中で、これらの能力を磨けるでしょう。
ワークライフバランス重視
ワークライフバランスを重視したい人にとって、社内SEは魅力的な選択肢です。社内SEは、比較的残業が少なく、プライベートの時間を確保しやすい傾向があります。もちろん、繁忙期など残業が発生する場合もありますが、ほかのIT職種と比べると、ワークライフバランスを調整しやすい環境と言えます。
社内SEとして後悔しないための企業選びのポイント
社内SEへの転職を考えている方にとって、企業選びは非常に重要です。入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、ポイントを押さえておきましょう。ここでは、企業選びで重視すべき3つのポイントを紹介します。
以下でそれぞれについて詳しく解説していきます。
仕事内容や担当業務の幅
転職後に理想と現実のギャップが生じないように、具体的な仕事内容や担当業務の幅を事前に確認することが大切です。
仕事内容を確認する際に、見るべきポイントは以下のとおりです。
ポイント | 概要 |
---|---|
具体的な業務工程 | ・要件定義、開発、運用/保守など、 どの工程に携わるのか ・開発環境は何を使用しているか |
担当する業務の幅 | ・社内システム以外の業務 (ヘルプデスク業務やIT関連物品の発注など) も担当するのか |
チーム体制 | ・何人体制で業務を行うのか ・役割分担はどのように決まっているか |
残業の有無 | ・残業時間、休日出勤の頻度はどの程度か ・閑散期と繁忙期で差はあるか |
これらの業務に関する情報を事前に把握し、転職を検討すると、入社後の後悔を防ぐことにつながります。
社内システムへの投資意識の高さ
企業が社内システムにどれだけ投資しているかを確認することも重要です。投資意識が低い場合、社内システムの改善が進められない、最新の技術やツールを導入できないといった問題が発生する可能性があります。またひとり情シスで、業務負担が大きくなってしまうケースも少なくありません。
社内SEへの投資意識の高さを確認するためには、面接で投資意識に関する質問をすると良いです。たとえば、社内システムの改善計画、研修制度の有無、社内SEの増員計画などが挙げられます。具体的な質問をすることで、企業の将来的なビジョンや技術への関心の度合いを把握できます。
社風が自分に合っているか
社風が自分に合っているかどうかも、企業選びにおいて重要な要素です。社風が合わないと、職場に馴染めず、仕事へのモチベーションが低下してしまう可能性があります。最悪の場合、早期退職に繋がるケースもあるため、非常に重要です。
社風を確認する方法としては、企業の公式サイトやブログ、SNSなどをチェックする方法が挙げられます。
また、転職エージェントに相談するのも有効です。レバテックキャリアでは、企業ごとに詳細な独自情報を保有しています。年間7000回以上の企業訪問で得たリアルな情報を提供しているため、社風や職場の雰囲気などを知りたい場合、活用がおすすめです。
入社後に後悔することがないよう、事前の情報収集を徹底しましょう。
まとめ
この記事では、社内SEに転職して後悔する理由、やりがい、後悔しない人の特徴、企業選びのポイントなどを解説しました。よくある後悔した理由としては、業務量過多、コミュニケーションが難しい、庶務が多いなどの業務内容に関することが挙げられます。また、スキルアップの機会が少ない、評価されにくい、常に学び続ける必要があるといった、業務に関する環境についても、後悔する要因とされています。
社内SEになってから後悔しないためには、企業選びを慎重に行うことが重要です。仕事内容や担当業務の幅、社内システムへの投資意識の高さ、社風などを事前に確認することで、自分に合った企業を見つけることができるでしょう。
社内SEへの転職を検討している方は、この記事で紹介したポイントを参考に、じっくりと検討してみてください。
※本記事は2025年3月時点の情報を基に執筆しております