- SEの現場における女性の実情
- 女性SEが辞めたくなる3つの理由
- 女性SEが仕事を合わないと感じたときにやること
- SEを辞めない方が良い女性SEの特徴
- 女性SEの体験談
- 女性SEを辞めて転職するときにおすすめの職種5選
- 女性SEが転職を成功させる3つのポイント
- まとめ
SEの現場における女性の実情
SEの現場では、依然として男性が多数を占めているのが実情です。一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)の「2023年版情報サービス産業 基本統計調査」によると、ITエンジニアにおける女性の割合は22.6%、男性は77.4%となっています。
男女比の偏りは、女性SEが抱える悩みの要因の一つです。たとえば、結婚・出産・育児などのライフイベントを経ながらのキャリアの悩みを相談できる女性の先輩や同僚が少ないといったことが挙げられます。
このような状況に悩み、相談できる相手が周りにいなければ、一度キャリアアドバイザーに相談することも一つの手段です。
辞めたい気持ちはあるものの、自分の状況で簡単に辞めてしまって良いか迷う方は、無料で利用できるレバテックキャリアにご相談ください。
女性SEが辞めたくなる3つの理由
女性SEが仕事を辞めたいと感じる背景には、職場における女性の少なさや、ライフイベントに関連する課題が深く関係しています。
特に結婚、出産、育児といったライフステージの変化に直面したとき、仕事との両立の難しさを感じる場合が多いようです。以下では、女性SEが辞めたいと感じる具体的な理由を3つ紹介します。
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理由1. 女性間でのコミュニケーション機会が少ない
理由2. ワークライフバランスが取りづらい
以下で詳しく説明します。
理由1. 女性間でのコミュニケーション機会が少ない
職場での女性の少なさは、コミュニケーション面で大きな課題につながります。
女性特有の体調管理面やキャリアプランについて相談できる同性の先輩や同僚が少ないため、問題を一人で抱え込みがちです。
たとえば、妊娠中の体調管理と業務の両立や、出産後のキャリアプランについて相談したいときなど、女性視点からのアドバイスを得られにくい状況にあります。
このような環境では、問題を一人で抱え込みやすく、それが精神的な負担となって退職を考えるきっかけとなることが少なくありません。
理由2. ワークライフバランスが取りづらい
SEの仕事は、プロジェクトの納期が近づくと残業や休日出勤が増える傾向にあります。特に妊娠中や育児中の女性SEにとって、不規則な勤務形態は深刻な問題です。
たとえば、妊娠中は妊娠していない状態よりもデリケートな状態にあり、不規則な生活が心身に悪影響を及ぼす可能性があります。仕事への意欲はあっても、家庭との両立が困難となり、やむを得ず退職を選択するケースも少なくありません。
理由3. ライフイベントによる休みや早退に罪悪感を感じやすい
産前産後休暇の取得は法律で保障された権利ですが、チームへの影響を考えて心苦しく感じる女性は少なくありません。長期休暇や突発的な休暇の取得は、プロジェクトの進行に影響を与える可能性があるためです。
また、育児期間中は、子どもの急な発熱や体調不良により、想定外の休暇や早退を取らざるを得ない状況が頻繁に発生します。特に保育園や幼稚園では37.5度以上の発熱がある場合、預かりを断られることが多く、急な対応が必要です。
周囲の理解やサポートがあっても、「迷惑をかけている」という思いから、最終的に退職を選択してしまうケースもあります。
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女性SEが仕事を合わないと感じたときにやること
仕事に違和感を覚えたとき、まず必要なのはキャリアプランの見直しです。
感情的な判断を避け、現状を客観的に分析することで、より良い選択肢が見えてきます。
仕事との不一致を感じる原因は、主に「仕事内容」と「働き方」の2つに分類可能です。仕事内容への不満は、担当業務が自分の目指すキャリアと異なる方向性である場合や、技術的なチャレンジの機会が少ない場合などが考えられます。一方、働き方への不満は、慢性的な長時間労働や急な残業、休暇が取りづらいといった労働環境に関する課題です。
原因を整理した後で、今後のキャリアにおける優先順位を決めることが重要です。キャリアアップを重視するのか、ワークライフバランスを重視するのか、ライフイベントも考慮に入れて検討する必要があります。
そのうえで、現在の職場での状況改善も試みましょう。上司との面談で働き方の調整や業務量の見直しなどを申し出れば、改善される可能性があるからです。
改善が見られない場合は、自身のキャリアプランに合った環境を求めて転職を検討しましょう。女性SEの働きやすさに配慮している企業も増えてきているため、自分に合った環境を探すチャンスは十分にあります。
SEを辞めない方が良い女性SEの特徴
SEという職種は専門性が高く、幅広いプロジェクト経験や高い成果の実績を積むほど市場価値が上がる職業です。
女性SEの場合、さまざまな理由で退職を考えることがありますが、以下のような状況では慎重に判断することをおすすめします。
以下で詳しく説明します。
結婚・出産・子育てなどライフイベントが理由の場合
ライフイベントを理由に退職を考える場合、転居による通勤困難など、やむを得ない事情がない限り、すぐに退職を決断するのは早計です。退職は、どのような理由であってもその後のキャリア形成に影響を与える可能性があるためです。
たとえば、一度退職してしまうと、再就職時に希望する条件での採用が難しくなったり、新しい職場の雰囲気が合わなかったりするリスクが生じます。
現在の職場に大きな不満がない場合は、まず会社の制度を確認することがおすすめです。産休・育休制度、時短勤務制度、リモートワーク制度など、仕事と家庭の両立をサポートする制度を利用できないか確認してみましょう。たとえ前例がない場合でも、上司や人事部門と相談することで、新たな働き方の道が開ける可能性があります。
人間関係に不満を感じている場合
職場の人間関係は、入社前に正確に把握することは困難なため、人間関係を理由に転職を考える場合は、慎重な判断が必要となります。職場での人間関係は、場合によっては工夫することにより改善可能だからです。
たとえば、特定の同僚とのトラブルがある場合、コミュニケーションの取り方を見直したり、必要以上に密な関係を築かないよう距離を置いたりするなどの対策が考えられます。
ただし、深刻なハラスメントや、心身の健康に影響が出るような状況の場合は、無理に継続する必要はありません。
人間関係でお悩みの方は、エージェントに相談することもおすすめです。レバテックキャリアでは、キャリアアドバイザーに無料で相談することができます。
転職をすると決まってない場合でも、お気軽にご相談ください。
今の所属企業に所属して間もない場合
今の企業に入社して間もない場合も、すぐに退職を決断することはおすすめできません。
新しい環境に慣れるまでの期間は、誰しも心身ともに大きな負担を感じやすいものです。
そのため、仕事の進め方や職場の雰囲気に馴染めず、ネガティブな感情を抱くことは珍しくありません。
しかし、この時期の一時的な感情で退職を決めてしまうと、次の職場でも同様の問題に直面する可能性があります。新しい環境への適応には一定の時間が必要です。
少なくとも仕事の基本的な流れを把握し、職場環境に慣れるまでは継続することをおすすめします。そのうえで、やはり職場との相性に問題を感じる場合は、より自分に合った環境への転職を検討することが得策です。
女性SEの体験談
ここでは、女性SEの体験談を紹介します。
前職では毎日のように終電帰りで休みの日も働いている状態であり、プライベートの時間もほとんど確保できなかったため、「次こそは、ワークライフバランスが保てる職場で働きたい」と考えて転職しました。
現職では、医療系の新規パッケージソフト開発のプロジェクトに携わり、業務フローの整備などの上流工程の仕事を担当しています。
業務量は調整され、遅くても21時には帰宅できており、しっかり休めるようになったおかげでプライベートの時間も確保できています。
また、産休・育休など女性が働きやすい制度も整っており、実際に周囲には育休から復帰して活躍している女性社員もいることから、長期的なキャリアプランを立てられるようになりました。
今後はもっとスキルを高め、他の新規開発プロジェクトにも挑戦していくつもりです。
出典
レバテックキャリア「転職者インタビュー」
最近ではエンジニア以外の仕事でも柔軟な働き方が増えていますが、その中でもエンジニアはトップクラスでこうした働き方が実現しやすい職業だと感じています。
前職では生理痛がひどく、立ち仕事が中心だったため、どうしても仕事を続けるのが難しく、止むを得ず休むことが多々ありました。その度に周囲に気を遣い、負担をかけてしまうことに申し訳なさを感じることもありました。
一方、エンジニアとして働く今では、生理痛がひどい日や貧血で体調が優れない日でも、自宅で無理のない体勢で仕事を続けることができます。体調に合わせて勤務時間を調整したり、途中で病院に行く時間を確保したりと、健康を優先しながら働ける点は大きな安心感です。こうした柔軟な働き方ができる環境が整っていることで、仕事に対するモチベーションや集中力も高まっています。
エンジニアの仕事は、成果が求められる職種であり、そのため「どこで働くか」や「いつ働くか」よりも成果を出すことが重視される文化が根付いています。こうした環境が、女性にとって特に大きな魅力の一つだと感じています。
出典
Qiita「女性エンジニアという選択肢ー3年目エンジニアが経験から感じた仕事の魅力」(2024年12月31日)
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女性SEを辞めて転職するときにおすすめの職種5選
SEとしての経験やスキルは、さまざまな職種で活かすことが可能です。
ここでは、女性SEの転職先としておすすめの職種を5つ紹介します。
転職先 | 概要 |
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社内SE | ・自社の情報システムの運用管理や社員からの 問い合わせ対応を担当する職種 ・SEとしての技術力が活かせる |
ITコンサルタント | ・クライアント企業のビジネス課題を IT面から解決する職種 ・SEとして培った技術的知識や 現場経験を活かせる |
デジタル マーケティング職 |
・Web技術やデータ分析の知識を活かし、 企業の販促活動や顧客獲得を支援する職種 ・SEとしての経験は、デジタル広告運用やWebサイト改善、 アクセス分析などの業務で役立つ |
事務職 | ・書類作成やデータ入力、電話 ・来客対応などを担当する職種 ・IT知識を活かし、ヘルプデスクやシステムサポート などの専門性の高い業務を行うことも可能 |
フリーランス | ・企業に属さず個人事業主として働く形態 ・プロジェクトごとに契約を結び、 自身のスキルを提供することで報酬を得る |
転職を検討する場合は、それぞれの職種の特徴をしっかり理解し、自分に合った選択肢を見つけることが大切です。
女性SEが転職を成功させる3つのポイント
女性SEが転職を成功させるためには、戦略的にアプローチをすることが大切です。
ここでは、転職を成功に導くための重要なポイントを3つ紹介します。
これらを意識することで、より良い転職先と出会える可能性が上がります。
自分の強みやスキルを把握する
転職活動を始める前に、まず自分のスキルと経験を棚卸しし、自身の強みを把握することが重要です。
これにより、自分に合った職種や役割を見極めることができ、転職活動の方向性が定まります。
具体的な方法として、これまでの経験を時系列で整理することがおすすめです。
たとえば、担当したプロジェクトでの成功体験、習得したプログラミング言語やフレームワーク、クライアントとのコミュニケーションでの実績などを書き出してみましょう。
また、技術面だけでなく、プロジェクトマネジメントやチーム運営などのスキルも重要な強みとなります。女性ならではの視点や気配りが評価されるケースも多いため、これらのスキルも忘れずにリストアップすることが大切です。
柔軟な働き方ができるかを確認する
女性SEにとって、柔軟な働き方ができる環境かどうかは、転職先を選ぶ際の重要な判断基準となります。結婚、出産、育児といったライフイベントと仕事の両立を実現するためには、会社の制度や風土を事前に確認することが不可欠です。
転職先の検討では、以下のような点を重点的にチェックしましょう。
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・リモートワーク制度の有無
・時短勤務制度の詳細
・産休・育休制度の充実度
これらの制度が形式的なものではなく、実際に活用されているかどうかも確認することが重要になります。
さらに、残業時間の実態や休暇の取得しやすさなども、長期的なキャリア形成を考える上で重要な要素です。面接時には、これらの点についても具体的に質問することをおすすめします。
転職エージェントを活用する
転職エージェントの活用は、転職活動をスムーズに進めることに効果的です。
転職エージェントは、求職者の希望条件やスキルを詳細に把握したうえで、適切な求人を紹介してくれます。
利用するメリットは、単なる求人紹介にとどまりません。
たとえば、履歴書や職務履歴書の作成支援、面接対策のアドバイス、企業との条件交渉のサポートなど、転職活動全般にわたるサービスを受けられます。
特に女性SEにとって、ワークライフバランスに配慮した企業の情報や、女性が活躍できる職場環境についての詳細な情報を得られることは大きなメリットです。また、転職エージェントを通じて、表面的な求人情報だけでは分からない企業の実態や社風についても知ることができます。
まとめ
SEの現場では、依然として男性が多数を占めているのが実情です。
女性SEが仕事を辞めたいと感じる背景には、このような職場における女性の少なさや、ライフイベントに関連する課題が深く関係しています。
本記事では、女性SEが辞めたくなる理由や、仕事を辞めたいと感じた時の対処法、転職におすすめの職種などを紹介しました。
「SEの仕事が合わない」「辞めたい」と感じたら、まずは原因を整理し、今後のキャリアプランの見直しをすることが大切です。
転職を検討する場合は、自分の強みやスキルを把握すること、転職先が柔軟な働き方が可能かを確認することが転職を成功に導くためのポイントになります。
併せて、転職エージェントを活用し、効率的に転職活動を進めることもおすすめです。
SEを続けるべきか、それとも転職すべきか、ぜひ本記事を判断材料に今後のキャリアについて考えてみてください。
※本記事は2025年3月時点の情報を基に執筆しております