SEを辞めたいと感じる6つの理由
SEは、場合によってさまざまなストレスや負担を抱えがちです。ここでは、SEを辞めたいと感じる主な理由を6つ紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
長時間労働が続いてつらい
SEの仕事では、納期の厳しさやトラブル対応のために残業が増えやすい傾向にあります。システム開発では予期せぬ不具合が発生したり、顧客からの急な仕様変更があったりするため、計画どおりに業務が進まないことが少なくありません。
たとえば、本番環境でシステム障害が発生した場合、原因の特定から修正、テスト、リリースまでを即座に行わなくてはなりません。また、このような緊急対応は、深夜や休日におよぶこともあるため、プライベートな時間が確保できなくなります。
このように長時間労働が続くと、心身の疲労が蓄積され、SEを辞めたいという気持ちにつながります。
関連記事:システムエンジニア(SE)の残業は平均21時間!残業理由と対策も解説
納期に追われて疲れる
納期に追われて疲れたということも、SEを辞めたいと感じる理由の1つです。システム開発の現場ではプロジェクトごとにスケジュールが設定されており、計画どおりに進まない場合でも納期は動かせないケースが多くあります。
納期直前になると、作業を間に合わせるためにチーム全体がピリピリした雰囲気になり、精神的な負担を感じることがあります。さらに、複数のプロジェクトを並行して担当している場合、それぞれの締め切りに追われ、慢性的なストレスを感じやすいです。
このように、納期に追われる状況が続くと心身ともに疲れ、SEを辞めたいと感じる大きな要因となるのです。
給料が負担に見合わない
SEの仕事では、技術力や責任の重さに比べて、必ずしも十分な報酬が得られないと感じられることがあります。
特に問題なのは、一部の企業では残業代が正しく支払われないケースがあることです。たとえば、「社内規定による残業時間の上限」を超えた分の残業代が支給されない、休日出勤の振替休日が取得できないなどの事例が見られます。
このような状況が続くと、仕事へのモチベーションが低下し、SEを辞めたいという気持ちにつながります。
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人間関係がつらい
人間関係がうまくいかないことも、SEを辞めたくなる原因の1つです。SEの仕事は、チームでの開発が基本となるため、さまざまな人との関係性が仕事の成否を左右します。技術的なスキルだけでなく、対人コミュニケーション能力も重要です。
たとえば、以下のような場面で人間関係のストレスを感じることがあります。
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・上司との関係:技術的な方針、作業の進め方の相違
・顧客との調整:要件定義の際の認識のズレや、納期交渉での軋轢
・チーム内での関係:コードレビューでの指摘方法や、タスク分担の偏り
このような人間関係のストレスは、技術的な問題以上に精神的な負担となることがあります。特に、コミュニケーションを苦手とするエンジニアにとっては、日々の業務での大きなストレス要因となりやすいです。そのため、周囲との関係が良好でない状況も、SEを辞めたくなってしまう理由の1つとして挙げられます。
やりがいを感じられない
やりがいを感じられなくなった場合も、SEを辞めたいと感じてしまうケースがあります。SEの仕事でやりがいを感じられなくなる主な理由として、以下のような状況が挙げられます。
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・評価制度が不明確
・スキルアップしても給与や昇進に反映されない
・レガシーシステムの保守運用ばかりで新しい技術に触れる機会がない
・業務内容が単調な仕事ばかり
・顧客との接点が少なく貢献度を実感しづらい
このような状況では、SEの業務の中にやりがいを見いだせず、SEを続けていく意欲が薄れてしまうことも少なくありません。
関連記事:システムエンジニア(SE)のやりがい10選!大変なことも解説
技術を学び続けることがつらい
技術を学び続けることのしんどさも、SEを辞めたくなる要因になりえます。IT業界では技術革新のスピードが速く、常に新しい知識やスキルの習得が必要です。
たとえば、生成AI技術やIoT、ビッグデータなどの新たなデジタル技術が登場しており、ITエンジニアに求められるスキルセットはさらに多様化しています。
このような新たな知識やスキルを学び続けていかなければならない大変さも、SEを辞めたくなる原因の1つとして数えられます。
SEが合わないと感じたときに考えるべき3つのこと
SEを辞めたいと感じたら、まずは状況を整理し、とれる選択肢を検討しましょう。ここでは、SEが合わないと感じたときに考えるべき3つのポイントを説明します。
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
辞めたいと感じる理由を明確にする
SEを辞めたい・疲れたと感じる理由を具体的に整理することは、今後のキャリア選択において重要な第一歩です。理由を整理することで、問題が一時的なものなのか、業界の構造によるものなのかを判断できます。
たとえば、特定のプロジェクトだけが原因であれば、異動で解決できる可能性があります。一方、業界構造に起因する問題であれば、キャリアチェンジを検討する必要があるかもしれません。
このように、辞めたいと感じる理由により対処がとるべき異なるため、理由を明確にすることは重要です。
チームやプロジェクトの異動で解決できるか検討する
チームやプロジェクトを異動することで、現在抱えている問題が解決できる可能性があります。環境や業務内容の変化により、慢性的な残業や人間関係のしんどさを軽減できる場合があります。
チームやプロジェクトの異動については、上司に相談すると良いです。一般的には、上司にはチームやプロジェクトへ配属する人材を調整する権利があり、業務内容の変更や異動の提案を受けられる可能性があるからです。上司に相談する際は、以下のポイントを意識することをおすすめします。
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・現状の課題や解決したい状況を具体的に整理する
・感情的にならず、客観的に状況を説明する
・建設的な提案を心掛ける
上記の点を意識して上司に相談することで、適切なチームやプロジェクトへの異動により現状の問題が解決できる可能性が高まります。
転職を検討する
SEを辞めたいという状況が今後も改善しそうにない場合や、上司に相談しても解決策が見つからなかった場合は、転職という選択肢を検討することも有効です。
IT業界では、転職によって昇給や年収アップを実現できる年収バグという現象が存在します。SEを辞めたいと感じている人は、転職することで環境を改善しながら年収アップを実現できる可能性があるのです。レバテックキャリアでは、IT業界に精通したキャリアアドバイザーが希望条件やスキルを丁寧にヒアリングし、ぴったりの求人を紹介します。お気軽にご相談ください。
SEの仕事を辞めないほうが良い人の特徴
SEの仕事を辞めたいと感じても、退職や転職は慎重に判断する必要があります。ここでは、特にSEの継続を検討したほうが良い人の特徴として、以下の3つを紹介します。
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
入社してすぐの人
入社してから日が浅い人は、SEを辞めるという判断は急がないほうが良いでしょう。入社して間もない時期には、環境や人間関係への適応が大変なため、不安や戸惑いを感じるのは自然な現象です。この時期に感じる「辞めたい」という気持ちは、環境の変化に対する一時的な反応である可能性が高いため、すぐに退職を決断するのは得策ではありません。
また、以下のような理由から、入社1年未満での退職は避けることをおすすめします。
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・基本的なビジネススキルや技術力の向上機会を逃してしまう
・転職時に短期退職のマイナスイメージがついてしまう
このように、入社してすぐの退職にはデメリットがあるので避ける方が良いでしょう。
労働環境や人間関係が原因で辞めたいと感じている人
労働環境や人間関係が原因で辞めたいと感じている人は、転職を焦らないほうが良いです。労働環境や人間関係の問題は、多くの場合、転職をせずとも改善できる余地があります。たとえば、以下のような取り組みを通じて、状況を改善できる可能性があります。
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・チーム/プロジェクトの異動希望を出す
・業務量の調整を依頼する
・在宅勤務やフレックスタイムを活用する
・メンター制度を活用する
このような取り組みを通し、まずは社内での改善を試みることがおすすめです。
ただし、どうしても改善が難しい場合は、転職して環境を変えるのも1つの方法です。悩んでいる場合は、まずはレバテックキャリアにご相談ください。今後の方向性やキャリアについての相談だけでも構いませんので、お気軽にご利用ください。
SEの業務内容が好きな人
SEの業務内容自体に魅力を感じている人は、SEの仕事を辞めないほうが良い場合があります。現在の環境を変えることで、より充実したキャリアを築ける可能性があります。
たとえば、ワークライフバランスを整えやすい企業や、自己成長の機会が豊富な企業への転職は、SEとしての経験を活かして、キャリアをさらに充実させることが可能です。
そのため、SEの仕事自体が好きな人が、すぐにSE自体を辞めてしまうのは才能や情熱が埋もれてしまう可能性があり、結果としてキャリア形成に不利益が生じる可能性があります。
【状況別】SEを辞めたい人におすすめの転職先9選
SEを辞めたいと考えている方に向けて、状況別のおすすめ転職先を以下のとおり紹介します。
ご自身の希望や状況に合った最適な選択肢を見つけるための参考にしてください。
SE以外のエンジニア職につきたい人向けの転職先
SE以外のITエンジニア職につきたい人には、社内SEやITコンサルタント、インフラエンジニアやデータアナリストなどへのキャリアチェンジがおすすめです。
おすすめする理由は、それぞれ以下のとおりです。
おすすめする職種 | おすすめの理由 |
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社内SE | ・一般的に残業が少なく、 ワークライフバランスが取りやすい |
ITコンサルタント | ・顧客の課題解決に直接関わることができ、 やりがいを感じやすい |
インフラエンジニア | ・シフト制の場合は、残業が 少ない場合が多い |
データアナリスト | ・分析業務が中心で、開発職よりも プレッシャーが少ない |
これらのITエンジニア職は、厳しい納期に縛られる開発職ではないので、慢性的な長時間残業や納期厳守のプレッシャーは比較的少ないといえます。
ただし、インフラエンジニアに関しては、シフト制の勤務となるのは運用/保守業務の担当の場合に限られるのが一般的です。上流工程への担当変更やキャリアアップにより、働き方や残業の状況が大きく異なることに注意が必要です。
上記の職種のような、技術力や経験を活かしながら現在の不満を解消できる職種を選ぶことで、より充実したキャリアを築くことができます。
社内SEの求人・転職情報>
ITコンサルタントの求人・転職情報>
SEとして働き方を変えたい人向けの転職先
SEとして働き方を変えたい人には、自社開発企業やリモートワークで働ける企業への転職がおすすめです。
おすすめする理由は、それぞれ以下のとおりです。
おすすめ する企業 |
おすすめの理由 |
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自社開発企業 | ・受託開発と比べて納期の柔軟性が高い |
リモートワークで働ける企業 | ・チームメンバーと毎日顔を合わす必要がないため、 人間関係のつらさを軽減できる可能性がある ・通勤時間の削減で時間を有効活用でき、 ワークライフバランスを保ちやすい |
自社開発企業では、開発に対しクライアントが存在しないので、受託開発を行うSIer企業と比較すると、納期によるプレッシャーは軽減される可能性があります。
また、働き方としてリモートワークを選択できる企業では、人間関係やワークライフバランスの面で恩恵を受けられる可能性が高いです。ただし、在宅勤務ならではのコミュニケーションのとりづらさがあるため、自分に向いているどうかを事前に十分検討しておく必要があります。
このように、自社開発企業やリモートワークで働ける企業へ転職することで、自分に合った働き方を実現しながら、SEとしてのキャリアを積み重ねていくことが可能です。
自社内開発が多いITエンジニアの求人・転職情報>
リモートワークで働けるITエンジニアの求人・転職情報>
エンジニアを辞めたい人向けの転職先
ITエンジニアを辞めたい人には、IT関連の営業職やセールスエンジニア、マーケティングへの転職がおすすめです。
おすすめする理由は、それぞれ以下のとおりです。
おすすめする職種 | おすすめの理由 |
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IT関連の営業職 | ・成果が数値で見えやすい |
セールスエンジニア | ・顧客の技術的な課題解決をサポートでき、 やりがいを感じやすい |
マーケティング | ・比較的規則正しい勤務が可能 |
これらの職種では、SEとして培ってきた技術や知識を活かしながらシステム開発の現場から離れられます。また、売上や契約件数など、成果が数値に現れるので、比較的やりがいを感じやすいというメリットもあります。
そのため、ITエンジニアの職を離れつつ経験やスキルを活かして働くには、IT関連の営業職やセールスエンジニア、マーケティングなどへの転職を検討すると良いです。
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マーケティングの求人・転職情報>
まとめ
この記事では、SEを辞めたいと感じる6つの理由と、状況に応じた対処法について解説しました。長時間労働や納期のプレッシャー、給与面での不満など、さまざまな理由でSEを辞めたいと感じることがあります。
SEを辞めるべきかどうかの判断材料として、入社からの期間や業務内容への適性なども考慮に入れる必要があります。特に、入社して間もない場合や、労働環境が原因で辞めたいと感じている場合は、すぐに退職を決断するのではなく、まずは現状改善の可能性を探ることがおすすめです。
また、転職を検討する場合の選択肢として、SE以外のエンジニア職や、働き方の異なるSE職、エンジニア以外の職種など、9つの転職先を紹介しました。これらの選択肢は、現在の経験やスキルを活かしながら、新たなキャリアを築くことができる可能性があります。
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※本記事は2025年2月時点の情報を基に執筆しております