SESがつらいといわれる6つの理由

SESが「つらい」といわれるのは事実です。しかしその理由には、SESという働き方特有の仕組みや業界構造が影響しています。一概にすべてのSESが過酷というわけではなく、仕組みや立場を理解することで防げるストレスもある点は知っておきましょう。
まずは、どのような理由で「つらい」と感じやすいのか、その背景を整理します。
SESの詳しい仕事内容は以下の記事を参照してください。
関連記事:SESの客先常駐はどんな仕事?メリット・デメリットやSIerとの違い
理由1. 人間関係がつらい
SESでは、案件ごとに勤務先やチームメンバーが変わるため、人間関係に対するストレスを感じやすい傾向があります。特に「初対面の相手と短期間で信頼関係を築くこと」に負担を感じる方にとっては、大きな精神的負荷となるでしょう。
また、常駐先によってはSESエンジニアが「外部の人間」として扱われるケースもあり、日常の雑談に加わりづらかったり、業務上の情報共有が不十分だったりすることもあります。こうした環境では孤立感を覚えやすく、人間関係そのものがストレス要因となりがちです。
特にコミュニケーションを重視する職場では「空気を読む」「相手に合わせる」といった無形のスキルも求められるため、対人関係の負担を感じる人にとっては、長期的に働き続けるのが難しいと感じることもあります。
理由2. 一人常駐がしんどい
SESの現場では、自分以外の全員が「クライアント企業や他のSES企業のエンジニア」という状況が発生することがあります。この「一人常駐」という環境が、エンジニアにとって不安やストレスの原因となることがあります。
一人常駐では、同じ会社の仲間がいないため、業務上の相談や悩みを気軽に共有できる相手がいません。そのため、問題を一人で抱え込んでしまうケースも少なからず発生します。
また、クライアント企業特有の文化や慣習に一人で適応しなければならず、精神的な負担も大きくなります。休暇の取得や勤務時間の調整なども、周りの目や契約内容を気にしながら行わなければならない場合もあるかもしれません。
SESでは労働時間が契約で定められているため、勝手な残業や休日出勤は原則できません。形式上は有給休暇も自由に取得できるものの、常駐先の状況に気を遣う必要があり、「契約」と「現場」の板挟みになることがストレスになる場合もあります。
こうした環境での孤独感や不安感は、業務効率の低下やモチベーションの減退につながることがあります。
理由3. 給料が上がりにくい
SESにおける給料面での課題は、下流工程(プログラミング・テストなど)を中心とした業務内容と、多重請負構造に起因しています。これらの要因により、経験を積んでも給料が期待通りに上がらないケースが多く見られます。
給料が上がりにくい主な要因としては以下のとおりです。
-
1. 業務内容による制限
・下流工程が中心で技術的な難易度が比較的低い作業が多い ・スキルアップの機会が限られる
2. 多重請負構造の影響
・元請けから下請けになるほど単価が下がる ・中間マージンが発生する
とはいえ、SESで積み上げた経験がまったく評価されないわけではありません。現場で培った実務スキルや対応力は、転職市場で十分に評価され、結果的に収入アップにつながる可能性もあります。今の環境で昇給が難しいと感じるなら、より適正に評価される企業を検討することが重要です。
SESエンジニアの給料を上げる方法や転職やキャリア設計については、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:SESの給料・年収が上がらない理由は6つ!昇給する方法なども紹介
理由4. 帰属意識を持ちにくい
SESでは数ヵ月から数年単位で常駐先が変わることが多く、「自分はこの会社の一員だ」「仲間と一緒に働いている」といった帰属意識を持ちにくい傾向があります。
とくに配属先によっては、常駐先社員との関わりが最小限にとどまり、相談や雑談など日常的なコミュニケーションすら生まれにくいケースもあります。
このような環境下では、「チームの一員として見られていない」と感じることも少なくなく、心理的な孤立感や居心地の悪さを抱えながら仕事を続けることになり、結果的に「つらい」と感じる原因になります。
SES案件は一人で作業することが少なく、別部署や別企業から集められたメンバーでプロジェクトにあたることも少なくありません。こうした人間関係や帰属意識によるストレスに悩んだら、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:SESの案件についていけない!対処法やおすすめの転職先も解説
理由5. 案件に振り回される
SESでは案件の変更に伴い、勤務地や職場環境が大きく変化することがあります。自分で案件を選べないため、希望や生活スタイルに合わない配属に「振り回されている」と感じる人も少なくありません。
たとえば、新しい案件に配属されるたびに通勤ルートや通勤時間が変わることがあります。以前は30分で通勤できていた職場から、突然遠方の職場へアサインされるケースも珍しくありません。また、職場環境も案件ごとに異なり、開発環境や社内ルール、チームの雰囲気なども一から適応する必要があります。
こうした変化に都度適応することが苦痛に感じられる場合、メンタルヘルス不調に陥るリスクがあります。さらに、自分の希望や適性に合わない案件が続けば、モチベーションや職務満足度の低下にもつながります。
ただし、すべてのSES案件がエンジニアの主張とは沿わないものではありません。工夫次第で自分に合った案件を選びやすくなる場合もあるため、以下の記事も参考にしてみましょう。
関連記事:SESの案件ガチャって何?ハズレ案件の特徴や回避方法も解説
理由6. キャリアアップが難しい
SESでは、自社ではなく常駐先で働く形になるため、キャリアアップが難しいと感じる人も多いです。
SESエンジニアの日々の業務の成果は常駐先が一番理解しているものの、昇進や昇給を決めるのは自社であるため、実績が正当に評価されにくいという構造が根底にあります。また、配属される案件によっては下流工程が中心となり、要件定義や設計といった上流工程を経験する機会が限られるため、スキルアップやキャリア形成が停滞しやすい点も課題です。
加えて外部要員という立場上、マネジメントポジションに就くことは少なく、キャリアパスが限定されがちです。このように、評価制度や案件特性が複雑に絡み合うことで、SESではキャリアアップが難しいといわれています。
他にもSESをやめとけといわれる理由について知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:【体験談あり】SESはやめとけといわれる7つの理由とメリットを解説
SESがつらくてしんどい時の対処方法
SESで働いていて「つらい」「しんどい」と感じたときは、まずその原因を明確にすることが大切です。理由を整理できれば具体的に取るべき行動が見えやすくなり、堂々巡りの悩みから離脱できます。
代表的な理由と対処法を整理すると、以下のとおりです。
| 疲れる 理由 |
対処 方法 |
|---|---|
| スキル不足:業務をこなすのに 時間がかかる、任せてもらえる仕事が 限定される |
学習や資格取得でスキルを磨き、 成果につなげやすい業務に挑戦する |
| 人間関係の悩み:常駐先で孤立する、 相談できる相手がいない |
自社の営業担当や上司に相談し、 配属先の変更や改善策を検討してもらう |
| 案件ミスマッチ:希望と異なる業務や 環境に配属される |
自分の適性を整理し、営業に伝える。 必要に応じて転職も視野に入れる |
| 将来への不安:キャリアの道筋が 見えない、成長実感がない |
キャリアプランを見直し、スキルが 評価されやすい環境を検討する |
このように「なぜつらいのか」を具体化することで、解決策を取れる範囲が広がります。逆に原因が曖昧なままだと、同じ悩みを繰り返してしまいがちです。
まずは、自分が疲れている根本的な理由を把握し、それに応じた対処を一つずつ試していくことが重要です。
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SESエンジニアがつらい人の口コミ
ここでは、SESが「つらい」などといった口コミを紹介します。
※口コミ内容は編集部により一部、編集・要約しています
1か月社内で動画研修後、未経験でいきなり一人客先常駐。スキルが無さすぎて怒鳴られ、まさに地獄そのものだった
出典: Qiita「未経験からSESエンジニアになった話【辛かった】 - Qiita」(2024年12月23日)
自分のやってきた開発物に対してオーナーシップを持ちたくても持つことができなくて辛かった。
フェーズが変わったらまた違う現場へ行くことが多々あり、1つのプロダクトに腰を据えて向き合うことが難しくなっており、辛かった
出典: Qiita「SES企業からSaaS企業に転職したら、爆裂に成長できた話 - Qiita」(2023年12月20日)
未経験で最初に配属された現場で、書かれているコードが全く読めなかった。簡単な修正すら何日もかかり、メンバーの一人の女性からものすごく冷たく当たられるようになった。営業に現場を変えて欲しいと相談しても、現場を変えてくれるように動いてくれようとすらせず、辛かった。
出典: Qiita「一年プログラマをやれば今の自分とは比べ物にならないぐらい成長していると過信していた自分を殴りたい - Qiita」(2020年8月30日)
これらの口コミからも分かるように、SESでは未経験で現場に放り込まれるケースや、孤立感・プロダクトへの関わりにくさから“つらい”と感じる声が少なくありません。実際にSES案件がどのように進んでいくのか、その対応などは「SESがブラックといわれる理由を解説!やばい企業の特徴も紹介」でも解説しています。
ただし、すべてのSES企業が同様に「つらい」と感じるわけではありません。SESの「働きにくさ」は課題にも上りやすく、研修体制やフォロー体制を整えている企業もあります。
大切なのは、自分に合った環境を選ぶことです。次の章では、そのための「優良企業の見つけ方」を解説します。
優良なSES企業の見つけ方
SESでの働き方に不安を感じる人にとって、「優良企業かどうか」を見極めることは非常に重要です。ポイントは、自分自身で企業を調べることと、業界に詳しいプロへ相談することの2つです。
まず、自分で企業研究を行う際は、以下の点をチェックしてみましょう。
1. 研修・教育体制が整っているか
未経験者や若手でも成長できるような研修制度やフォロー体制があるかどうか
2. 案件の幅と透明性
上流工程やスキルアップにつながる案件を扱っているか、案件情報をオープンにしているか
3. 評価制度や還元率
エンジニアのスキル・成果を正当に評価する仕組みがあるか、中間マージンの透明性があるか
4. 離職率や口コミ
社員の定着率や、実際に働いた人の口コミも参考にする
一方で、個人の調査だけでは分からない部分も多いのが現実です。そこで役立つのが、IT業界に精通した転職エージェントです。数多くのSES企業の内情や実績を把握しているため、自分一人では知り得ない情報をもとにアドバイスを受けられます。
優良なSES企業を見極めたい人は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:SESエンジニアの平均離職率が高い企業と優良企業の違いや見分け方
まとめ
SESは案件や常駐先の環境によって働きやすさが大きく変わるため、「つらい」と感じやすい面があります。人間関係や一人常駐、キャリア形成の難しさなど課題はありますが、原因を整理して対処法を実践すれば改善できるケースもあります。
また、すべてのSES企業が悪いわけではなく、研修体制やフォローが整った優良企業も存在します。安心して働くためには、自分で丁寧に企業を調べることに加えて、業界に詳しい転職エージェントへ相談することが重要です。
自分のキャリアを見直すきっかけとして、本記事を参考に最適な環境を選んでみてください。